ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

絵画『ヴィクトリア朝万華鏡』


折角ヴィクトリア朝の生活に関心を持ったのですから、当時の人たちがどんな絵を見ていたのか、どんな画家たちがいたのかを学ぶことで、趣味は広がります。絵画にそれほど興味の無かった久我ですが、この本で当時の絵画、描かれた人々に深い関心を抱きました。



フランスの印象派ほど華やかではありませんし、世界的に有名でもないかもしれないですが、魅力ある画家たちの絵が、収蔵されています。当時を生きていた人々の姿、衣装が、生活が、そこに展開されています。



この本は単なる絵画の本ではありません。



面白いのは、当時を生きた「画家という人々」にも焦点を当て、彼らのエピソードや、当時の社会を説明してくれる点です。



表現としての絵画は、社会を映す鏡であり、また人々に何かを伝えようとするメディアでもありました。絵を通じて伝わる、百年前の暮らし。その人生を伝える絵画には、心引かれることと思います。