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中森明菜でも少年隊でもない『ザ・ベストテン』後期の登場回数1位は中山美穂

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2021.01.26 20:00 最終更新日:2021.01.27 18:47

中森明菜でも少年隊でもない『ザ・ベストテン』後期の登場回数1位は中山美穂

 

 昭和の人気音楽番組『ザ・ベストテン』(TBS系)が、2020年6月からCS・TBSチャンネル2で、数カ月に1回のペースで再放送されている。過去4回の内訳は1980年2回、1982年1回、1983年1回だった。

 

 これらの視聴率は当時いずれも25%を超えており、33.0%(1980年12月25日)[ビデオリサーチ調べ/関東地区・以下同]の回もあった。番組黄金期からのピックアップは、自然な成り行きだろう。

 

 

『ザ・ベストテン』は、開始時から司会を務めてきた久米宏が1985年4月限りで降板。これを境に数字は下落していく。

 

 それでも、裏番組に『とんねるずのみなさんのおかげです』(フジテレビ系/1988年10月開始)がスタートするまでは、20%前後を保っており、高視聴率に変わりはなかった。ただ、ピークがあまりに高かったため、番組後期は振り返られる機会が少ない。

 

 そのころ、最も番組を飾っていた歌手は誰だったのか? 1978年1月の開始から約12年続いた『ザ・ベストテン』を4年ごとの3期に区分し、後期(1986年1月〜1989年9月)のランクイン回数の順位を算出した(名前横の曲名は、同期間のおもなランクインナンバー)。

 

1位:104回 中山美穂 『「派手!!!」』『You're My Only Shinin' Star』
2位:90回 中森明菜 『DESIRE』『TATTOO』
3位:88回 少年隊 『仮面舞踏会』『君だけに』
4位:80回 光GENJI 『ガラスの十代』『パラダイス銀河』
5位:72回 チェッカーズ 『Song for U.S.A.』『素直にI'm Sorry』
6位:60回 南野陽子 『話しかけたかった』『吐息でネット。』
7位タイ:57回 田原俊彦 『抱きしめて TONIGHT』『ごめんよ涙』
7位タイ:57回 荻野目洋子 『ダンシング・ヒーロー』『六本木純情派』
9位:52回 小泉今日子 『木枯しに抱かれて』『水のルージュ』
10位:50回 長渕剛 『ろくなもんじゃねえ』『乾杯』

 

 中森明菜や少年隊を抑え、中山美穂が堂々の1位に輝いている。

 

 芸能界入りに際して《 “絶対『ザ・ベストテン』に出るんだ” って思ってもいました〉(『週刊平凡』1986年7月18日号)と語る中山は、サードシングル『BE-BOP-HIGHSCHOOL』(作詞:松本隆、作曲:筒美京平)で1986年1月9日に初登場すると、5位、7位、9位、9位と4週連続でベストテン入りした。

 

 キングレコードの福住朗チーフプロデューサー(当時)は、彼女の人気について、こう話していた。《このころの中山美穂ファンは、圧倒的に女のコでした。きっと、女のコの本音の気持ちを彼女が表現してたからでしょうね》(『オリコン』1990年1月22日号)

 

 その後、中山は1986年8月発売の『ツイてるねノッてるね』(作詞:松本隆、作曲:筒美京平)で初めてトップ3入りを果たす。福住氏は、《男のコのファンが増えてきたのも、このころからです》(前掲誌)と明かしており、それが順位の上昇に反映されたようだ。

 

 男子にも女子にも人気を得た中山は、1988年8月18日『人魚姫 mermaid』(作詞:康珍化、作曲:Cindy)で、遂に初めて1位を奪取。翌週は氷室京介の『ANGEL』にその座を明け渡すも、9月1日に再び頂点に輝く。その翌週またしても氷室がトップになるも、9月15日に3度めの1位を獲得した。

 

『ザ・ベストテン』の約12年の歴史で、1位から転落したあとに2度の “返り咲き” を果たした歌は、ラッツ&スター『め組のひと』、田原俊彦『抱きしめてTONIGHT』に続き、中山美穂『人魚姫 mermaid』が3曲めだった。

 

 中山は、その後も新曲を出すたびに登場し、最終回(1989年9月28日)も『ヴァージン・アイズ』(作詞:吉元由美、作曲:杏里)が10位に入った。

 

 この日、ドラマの撮影現場から中継で出演した彼女は、司会の黒柳徹子に「今日が本当に最後になってしまうんですけど、(番組に)追っかけられないということに関してはどうですか?」と聞かれると、「すごく寂しいですね。いつでも出ていたい気持ちがあったんで」と、別れを惜しんだ。

 

 中山は通算ランクイン数104回で、番組全体を通して比べてみても、五木ひろしの順位を1つ上回る歴代12位となった。『ザ・ベストテン』の再放送も回を重ねれば、1970年代のみならず、1980年代の映像も見られるかもしれない。

 

●文・岡野誠
ライター、芸能データ研究家。著書『田原俊彦論 芸能界アイドル戦記1979-2018』(青弓社)では〈『ザ・ベストテン』の時代〉という章も設け、巻末資料で公式本にも載っていない年別ランクインデータを収録。また、田原の1982年、1988年の全出演番組(計534本)の視聴率やテレビ欄の文言、番組内容なども掲載している

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