30分でわかるER図の書き方 (4)

前回からの続きで、IE(Information Engineering)形式のER図について説明します。カーディナリティとオプショナリティの記号について説明します。
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カーディナリティとオプショナリティの記号

カーディナリティとオプショナリティに対して、それぞれ2種類の記号が存在します。組み合わせは、2×2で4種類となります。次の図は、カーディナリティとオプショナリティの組み合わせの一覧を描いたものです。説明上の都合により、エンティティE1側の記号は省略しています。また、その下の表は、図に対する説明をまとめたものです。


組合せ オプショナリティ カーディナリティ E1のインスタンス1つに対応する
E2のインスタンスの数
(1) å¿…é ˆ 1 1
(2) 任意 1 0または1
(3) 必須 多 1以上
(4) 任意 多 0以上

上記の図と表を見比べると大体理解できるとは思いますが、要点を箇条書きにしておきます。

  • 記号の組み合わせを描く位置
    • E2の側に、E1に対するE2のカーディナリティとオプショナリティの記号を描く。
    • E1の側に、E2に対するE1のカーディナリティとオプショナリティの記号を描く。
  • カーディナリティの記号とオプショナリティの記号の位置関係
    • カーディナリティの記号を、エンティティに近い側に描く。
    • オプショナリティの記号を、エンティティから遠い側に描く。
  • カーディナリティの記号
    • 「1」の場合は縦棒(|)を描く。
    • 「多」の場合は「Crow's Foot(カラスの足)」*1と呼ばれる記号を描く。
  • オプショナリティの記号
    • 「必須」の場合は縦棒(|)を描く。
    • 「任意」の場合は白丸(â—‹)を描く。

使用例

「1対1」の例です。

「1対多」の例です。

「多対多」の例です。

「Crow's Foot」について

IE形式のER図では、カーディナリティが「多」の場合に「Crow's Foot(カラスの足)」と呼ばれる記号を使います。しかし、この記号は、IE形式のみで使われるわけではありません。*2 「Crow's Foot」を使ったER図だからといって、必ずしもIE形式とは限らないので、人の書いたER図を読む場合は注意しましょう。


次回からは、IDEF1X形式のER図について説明します。
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*1:その名のとおり、カラスの足のような形をしています。

*2:例えば、「Barker's Notation」と呼ばれる表記法でも、「Crow's Foot」は使われます。