サークル敷居亭新刊『敷居の部屋の転進』

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※表紙イラスト:くらふと

12/31(金)東地区K-33b

Web カタログURL:https://webcatalog-free.circle.ms/m/Circle/15717352

イベント価格:500円

 

ネットから離れすぎてもうブログの更新のやり方がよくわからない。

どうも、たまにTwitterで最近のお気に入りを呟くだけおじさんの敷居です。

lastline.hatenablog.comおばけさん告知ありがとう。

 

はい、そんなわけで敷居亭新刊出ますよ。出るんです。

 

まあこんなことも言ってたのでそら出すやろって話ではあるんですが、皆さんご存じの通りコロナでコミケ自体が開催されないって状況がだいぶ長いこと続いておりまして。

今回当選通知届いて「え、今回やるの? マジ?」ってなって大慌てしたのは別にうちに限った話じゃないんじゃないかなあ。


なんとインタビュー自体は2年前。出すタイミングを逃しに逃しまくった本ではあるんですが、ブンケイさんに聞いたお話自体は*1さほど時代を問わない面白い内容だと思います。

 

久しぶりのコミケで、久しぶりの敷居亭の新刊を手にとってみてはいかがでしょうか?

 

まんだらけで委託開始しています。

t.co

 

サークル通販にも追加しました。

my.formman.com

*1:時事ネタ周りはさすがに今だったらああは言わないかなーってのも混じっているけれど

C96新刊『敷居の部屋の旋回』通販受付開始します

6年ぶりのコミケから帰ってきました。
会場まで足を運んでくれた皆さま、ありがとうございました!

 
これだけ間を空けたにも関わらず、楽しみにしていましたと声をかけてくれる人がたくさんいて、うれしいやら申し訳ないやら・・・
はじめて来てくれた方もけっこういて、昔の本を手に取って「あーあったあったニコ動全盛期にこういうのw」って感じに懐かしそうな顔をした後に買っていく姿もありました。うちは基本的には常にリアルタイムの出来事をネタにしてきたサークルですけど、時間の経過で自然と歴史書になっていくもんなんだなあと。*1

 

新刊『旋回』通販(事前)受付開始!

サークル「敷居亭」用注文フォーム

というわけで新刊の在庫はそこそこ残っておりますので、例年通り通販もやります。
ただし、うちの通販担当がしばらく忙しい予定でして。実際の対応開始は8月19日以降になります。それ以前に申し込みいただいても問題はありませんが、19日以前はあくまで事前受付ということで発送まではしばらくお待たせすることになります。ご了承下さい。

イベント価格の500円→700円とちょっと値上げが入った上に送料もかかっちゃうんですが、現地に行けなかったけど興味あるって方は是非是非!

ショップ委託も開始

order.mandarake.co.jp
今回ショップ委託はたぶん無いって言ってた気がするけどあれは嘘だ。
まんだらけさんが委託受けてくれたみたいです。
サークル通販のチープな無料フォームに個人情報入れるのはどーも抵抗があるなあ……ってかたは、こちらをご利用ください。


sikii-j.hatenablog.com
sikii-j.hatenablog.com

*1:120Pで現地価格500円ってぶっちゃけ完全に採算度外視の設定なので普通に赤出てるけど、既刊も一緒に買ってくれる人多かったので致命傷は避けられたぞ!

敷居亭、復活! C96新刊『敷居の部屋の旋回-swing-』

イラスト:くらふと http://gallerycraft.hateblo.jp/

敷居亭、復活ッッ! 敷居亭、復活ッッ! 敷居亭、復活ッッ! 敷居亭、復活ッッ! 敷居亭、復活ッッ! 

はい、うるさい。


はてなブログ初投稿がまさかこんな告知になるとは思わなかった。
お久しぶりです。元「敷居の先住民」*1の敷居です。

さて、「最前線」「終幕」の2冊同時刊行によって第一部完と銘打ち、活動休止状態になってはや6年。休止というか実質終了だよなとぶっちゃけ僕も思ってたのですが、なんと敷居亭、今回の夏コミでまさかの復活です。
いやネタじゃないですよマジです。だってもうスペース取れたし本も完成したもん。夢じゃないよな?


C96新刊『敷居の部屋の旋回-swing-』

  • C96 8/11(æ—¥)3日目 け-04a サークル敷居亭
  • B6サイズ118ページ横書き文章同人誌(いつもの形式)
  • 500円(イベント価格)*2

今回のお品書きはこんな感じとなっております。

表紙イラストはおなじみくらふとさん。敷居亭が活動休止している6年の間に多数のWebメディアで食べ歩き漫画を連載し単行本も4冊出版と、プロの漫画家/イラストレーターさんとして活躍しておられます。
それでも敷居亭の表紙をいまでも快く引き受けてくれる……なんてええひとなんや。
【C96告知】【電子版先行配信中】コミックマーケット96頒布情報(新刊・寄稿先) - ギャラリークラフト
そんなくらふとさんの新刊も出るよ! 評論島の敷居亭は後回しにしても問題ないから、こっちを先にチェックや!

内容としては、まず巻頭特集としてありらいおん(id:myrmecoleon)さんをゲストにお呼びして最近のコンテンツの雑談なども交え色々とお聞きした特別対談からはじまり、多数の豪華ゲストによる寄稿が続くオーソドックスな文章同人誌。

「趣味を中心に人生を回転させていく」とまあ、ちょっと大げさに銘打っておりますが、人生そろそろ2周目に入ってきたおっさんたちがつらつらと趣味との向き合い方について語っている感じの本になっております。
まあ、ちょっと気楽に読んでみてくださいな。最初はいまさら集まってまともな本が作れるのか? と戦々恐々としていたものですが、蓋を開けてみれば、30~40台くらいのオタクにいい感じに刺さる本ができたんじゃないかなあと。敷居亭一同手ごたえを感じておりますよ?

サークルメンバーのレスター伯とハバネロくん、今回記事を2本も寄稿*3してくれた上に編集作業の手伝いまでしてくれたおばけ(id:lastline)も良い感じの紹介記事を書いてくれています。さんくす!


敷居亭×ありらいおん特別対談を試し読み!

久しぶりの更新でサークル代表の告知記事がこれだけで終わるのもちょっと味気ない気もします。……と、いうわけで。巻頭の敷居亭ありらいおん特別対談を一部抜粋して先行公開しちゃいましょう!

ごく一部の抜粋で、実際の紙面ではこれにさらに注釈がたっぷり追加されることになりますが、省略されている部分は本編をお楽しみということで。

~前略~

レスター伯 今って皆さんどんなコンテンツをメインで楽しんでます?
myrmecoleon いま主に追いかけてるのはVtuberですね。
敷居 Vの話な! ありらいおんさん連載持ってたもんね。
myrmecoleon 連載はもう終わっちゃいましたw
敷居 終わってましたか!
たいとく 敷居さんのところで、おめシス見せてもらったなぁ>V
敷居 おめシスはいいぞ。

www.youtube.com

myrmecoleon もともと隔週3ヶ月の予定だったので、予定通り終了という感じ。
はじめるくらいの話題性はあったけれど、世間の注目はいま一つというところでしょうか。3月頃の話だけど,現在もそこまで変わらないかな
たいとく TLの所為か、僕はVの話を毎日見てる気がする。マシーナリーとも子とか

www.youtube.com

敷居 ありらいおんさんはどんなスタイルで追ってます? 僕は後追い動画勢なんですけど。ニコ動の切り抜きも活用しつつ気になったチャンネルを周る感じ。生を常時追ってるガチ勢とは多少の断絶を感じる。
myrmecoleon ツール開発して一番同接多いライブ配信を適当に流しつつ、見たい子のは特に集中して追う感じかな。気になる動画やアーカイブは後追い。
敷居 …… ん? ツール開発して…… !?
レスター伯 いきなりちくらんみたいな話に^^
myrmecoleon いま主要なVとその動画とライブ配信は継続して収集してますw
敷居 アカン完全なガチ勢だーーーー!!!!
myrmecoleon Vtuberさんの一覧とかも作ってて、リストの把握数はたぶん界隈でも一番多いと思うよ。ニコ動と違って簡単に全体拾えないので、統計とか作って分析するにはそういうことしないと。
敷居 やべえ!
myrmecoleon なので個人のVtuberを追いかけてるというより,界隈全体の動きを見てる感じかな。好みの子は何人かいますけど。
敷居 今のVtuber全体の追いにくさ、半端ないですからねえ。一般人には絶対に追い切れる量じゃない。
myrmecoleon 全体で何人くらいいるかすら誰も分からないし。
たいとく そっか、なろうの中だけでまわるような話じゃないもんね。
敷居 まあ、だからこそ統計の人の腕が鳴る題材なんだろうなあとも。
たいとく 本だせますやん。
myrmecoleon 夏の新刊よ。
たいとく やはり新刊か。
myrmecoleon まあまだ新刊の誌面に手をつけてないので出せるかどうか分からないのだけど… YouTube以外でしか活動してない人も多いしね。
たいとく 外部プラットフォームって、ようつべとニコニコ以外にあるの?
敷居 そうそう、外部プラットフォームのみの人いるよね。youtubeだけみてると中堅に見える人がビリビリでアホほど稼いでたりね。SHOWROOMとか。
myrmecoleon REALITYとかIRIAMとか独自プラットフォームもありますね。ツイキャス・ニコ生・twichとか、ライブ配信サービスだとそれぞれだけって人もそれなりにいます。
レスター伯 いやあ、かつて混沌で記事を書いたRTA生とか思い出す。さすがにピアキャス勢はいないか…
たいとく それをツールで… すごいな…
myrmecoleon ツールというか、毎日1~2時間新人のアカウント漁ってるんだけど、
敷居 全体を俯瞰して見ようとしている一般ユーザーは現状全滅寸前と思っていいでしょうねえ。箱推しか、個別にお気に入りの子を追ってるか、切り抜きで気になった動画だけ見るか。
myrmecoleon 漁るのを効率化するためにツールを作ってるとも言える。
たいとく なろうの新着掘りだ!
敷居 ありらいおんさんみたいな追い方してるごく少数の人はマジで貴重。
myrmecoleon 全Vtuberを追いかけてたようなアカウントも少しずつ辞めてたりするので、そういう方を活用してたのでけっこう死活問題だったりする。
敷居 なろうもスコッパーがガチで全滅したら滅びますからね。
たいとく 正に生態系だなぁ…
レスター伯 Vtuberの話はもっとキャッキャする流れになるかと思いきや、結局同じ話になってる。でも、場や対象を変えながらコンテンツを支えてるんだよなあ…
myrmecoleon Twitterでも言ってたけど、Vtuberとニコ動はけっこうよく似てるんだよなあ。いろんな才能が集まるプラットフォームになってるんだよね。
レスター伯 そうですよね、色々な技術を組み合わせて出来てますしね。
敷居 二コ動からの移住組も多いしね。
たいとく さっき同人誌作り始める時の話で「得意なことをする」ってのいったけど、得意でない事は技術で差を埋められるので、やりやすいんだろうなぁと
myrmecoleon そういえばさっきの話題で「困惑」読んでて 富竹Pのインタビューのってて、そうだったそうだったと思い出したりした。
レスター伯 今やキズナアイの富竹さん。敷居亭のみんなはこないだその事実を知って驚愕してたよな^^
たいとく おお、そうだな、なんかあっちはトミタケ名義? らしいが。
myrmecoleon 他にもいろんな子のモデル作ってる、Vtuberブームの立役者の一人よね。


~後略~

はい、てな感じで対談後半にVtuberについて雑談している部分を抜き出してみました。Vの話はこの後もちょっと続いてます。
ごくごく一部の抜粋で申し訳ないですが、気になった方は是非本を手に取っていただけると幸いです。

*1:もういい加減ブログタイトル時代遅れな気がしたので変えた

*2:例によってサークル通販もたぶんやりますが、現地価格は無理やりワンコインにこだわってるので価格は上がってしまうと思います

*3:どっちにする?って聞かれたけどどっちも面白かったので両方採用した

サークル物語三昧(仮)初同人誌『物語の物語』

お久しぶりです。敷居です。生きてます。
同人活動も停止しブログ更新からも離れてだいぶ月日が立ちました。さて、今更新してこのブログを見に来てくれる人いるかなー?


今回は、ここしばらくお手伝いしていた同人誌が次の夏コミで頒布されるので、その告知記事となっております。見に来てくれる人いるかな? とか言ってる状況のブログで告知してどないすんねん! って気もせんでもないですが、まあ枯れ木も山の賑わいということで。


そんなわけで、簡単にまとめていきますね。

マインドマップで語る『物語の物語』

公式サイト

トップページ - プロジェクト物語三昧

表紙

*1

告知動画

*2

  • 3日目東館ト‐58b「サークル物語三昧」(ä»®)*3
  • B6サイズ全186頁の大ボリューム文章同人誌
  • ネットラジオにて公開されたLDさんによる長大な講義を文字起こし再構成
  • 今回は全9章のうち1章『神話とアーキタイプ』2章『善悪逆転の物語』を収録
  • 吉宗鋼紀さんと津田彷徨さんによるゲスト原稿あり
  • イベント価格:1000円

どどん!
という感じで、ずらーっと情報並べただけでももう十分じゃないのかって気がしてくるんですが、これ、かなりすごい本ですよ。ボリュームもすごいし内容もめっちゃ面白いしゲストは死ぬほど豪華だし。
手伝ってたって言っても、僕がやったのは「判型コンパクトなほうがいいです最低B6で!」とか「ここ冗長だから削りましょ!」とか「ここに注釈もっと欲しいです!」とか横から口出しまくってたくらいなので、褒めても全く自画自賛にはあたらないぞ!*4
全9章のうち2章を同人誌化ってことで、中途半端に終わってるんじゃないの大丈夫? って思われるかもしれませんが、そこは全く心配はいりません。1章だけならともかく、2章まで読むと「え? これで終わりじゃないのどうやってこっから続くの?」って思うくらいには綺麗に区切りがついています。



まあ、内容についての説明は公式サイトでかなり詳しくされているのでひとまず置いときまして、この同人誌の作り方というか作成体制、以前の敷居亭とけっこう近い方式なんですよね。LDさんとペトロニウスさんと海燕さんが中心になって、かなり多くの人を巻き込んで分業体制で本が作られているという。
仲間でわいのわいの言いながら一つの本を作る……それ、むちゃくちゃ楽しいの知ってるんだよなあ、だって僕も同じことやってたもんなあ、とか思いながら会議室に混ざってました。

奥付に載ってる人数だけでもかなり多いですね。


えー、ところで、この奥付ですが、宣伝動画担当のハバネロPの名前見当たらないですね。
それはですね! 脱稿どころか本の印刷すら終わった後に急遽作成を依頼したからですよ!
ほんまごめんな!!!!


(ひでえオチだな)

*1:イラスト:まぎぃさん

*2:動画制作:ハバネロP

*3:ペトロニウスさんのブログ名と被って紛らわしいので後で変更予定だそうです

*4:でもDTP担当うちの嫁さんなので敷居家単位では貢献度高いぞ!

『君の名は。』人気に乗っかってここぞとばかりに新海誠動画をまとめる


君の名は。:累計興収100億円を突破 宮崎駿作品以外の日本アニメで初の大台 - MANTANWEB(まんたんウェブ)


公開一月足らずで宮崎駿監督以外達成していない数字に到達という、もう大人気とかそういうの通り越してなんだかよくわからないことになっている新海誠監督の最新作『君の名は。』
仮に見ていなくても、その話題を目にしたことがないって人はもうほとんどいないんではないでしょうか。


こうなるとまあ当然のこととして、彼の過去の仕事にも注目が集まってくるわけです。

新海誠が作ったエロゲOPはお前のようなエロゲOPがあるかという凄まじさなので見てほしい - Togetterまとめ

で、こちらは超キレイなOPムービー作る人としても評判だったんだよ、ってとこに着目したまとめ。
いいですねいいですね。僕若い頃からフラッシュ、エロゲデモ・OP、静止画MAD、ニコ動とひたすらWebで見れるこの手のショートムービーをあれこれ渡り歩いてきたクチなんで、この機会にあらためて彼の良い仕事に注目が集まるのはなんだかとてもうれしい。
しかし↑のまとめ、2つあるOPの2つ目だけ貼ってあったり、話題とは関係ないから仕方ないけど『君の名は。』に直接繋がるイメージの最近のCM仕事には言及されてなかったりとなんだか網羅されてない感じでちょっと歯がゆい!
短くまとめて印象的な映像作る能力高いんだから、映画のトレイラーだって単体で複数回の鑑賞に耐える内容だし。


そんなわけで、自分でまとめ作ろうかなーと思ったわけなのですが……

Other voices-遠い声-


実は新海監督のサイトに行けばほぼ全部ご本人の解説付きでまとめられてるんですよ。一部存在しないものもありますが、まとめてチェックしたい人は絶対そっち見るべき。


これで記事終わりでも良いくらいなんですが、載ってないものもあるんで一応ざーっとリンク貼っていきますね。

日本ファルコム

イース2エターナル OP

D
個人名義での活動ではないのでご本人のサイトには載ってない。
たぶん残っているうちで一番古い仕事はこのへん。ここらへんまでくると僕も世代違うのでよく知りません。
イースだけじゃなく『英雄伝説』のOPもやってるはずなんだけど、古すぎるのか探してもPSP版の映像しか見つからねえ!

短編映像及び映画トレイラー

Other voices-遠い声- » 「言の葉の庭」


予告編繰り返しみたくなるってーとやっぱ山崎まさよしがずるい秒速かな。
星を追う子どもも予告編はすげえ良いんだよなあ。本編はまあ、ちょっと、うん。

TVCM

Other voices-遠い声- » Z会「クロスロード」


普通にTVに流れていたものなので、覚えている人けっこういるんじゃないでしょうか?
注目はTVでは流れてないロングバージョンのクロスロード。見終わった後「本編! 本編はいつ!?」って言いたくなるような作りかーらーの、まさかの本編『君の名は。』ですわ!
いや、別にほんとにそのまんま続編ってわけじゃないんですが、そう言いたくなる内容という意味で。

エロゲのムービー

Other voices-遠い声- » minori作品オープニング紹介



Togetterで取り上げられてる動画も↑のリンク先にほぼまとめられています。windのOP2だけは本編内で2番目に流れるOP映像なので載ってないですが。



ちなみに、はるのあしおとデモの途中でゲーム映像流れるとこ。実際の本編OPではかなりコマ数の多いアニメに差し変わってたりします。完全版見たい人はゲーム買え。
大丈夫。はるのあしおとはminoriのゲームの中では個人的に一番お薦めだよ!*1

はるのあしおと DVD初回特典版

はるのあしおと DVD初回特典版

(原版)
はるのあしおと-Step of Spring-(通常版)

はるのあしおと-Step of Spring-(通常版)

(コンシューマの全年齢版)
minori official web site

なお、minori公式のdownloadページに行けばソースが今でもちゃんと公開されています。てか高画質版見るべきだからyoutubeで見るよりそっちダウンロードしたほうがいい。


あと、エロゲムービーに関しては、最初のまとめに反応したこんな記事も上がってたり。

新海がエロゲ業界出身みたいに語るアホなんなの?

うん、気持ちはわかる。こゆこといちいち訂正してたら面倒でキリないですけど、偽史の流布は絶対許さん勢もいてくれたほうがいい。


エロゲOPでエポックな立ち位置と言えばそりゃ間違いなく神藝工房出身の神月社さんと捏音たむ*2さんですわな。当時はやるゲームやるゲームOPのクレジット見るたびにこの二人ばっかでどんだけ席巻しまんねんって状態だったし。
そもそもゲームのOPに毎回本格的なアニメーション使うなんて贅沢なことできるメーカーは限られていたし、メインはあくまで静止画を音楽に合わせてパパっと切り替えていく方式の動画でした。

その極北と言えるのが、把握できないほど多数の手描きパロ動画が作られたURAさんのいたじゃんOPあたりですかね。
そんなわけで、新海さんはエロゲのOPも作ってたってだけでエロゲ出身ってのはだいぶ語弊あるし、エロゲムービーの歴史を変えたなんて事実もありません。だってあんなん誰も真似できないじゃん。


ていうか個人的にはそっちより、「貶める意図を感じる」とか「そんな昔のこと言われて新海さんかわいそう」とかものっそいナチュラルにエロゲ見下す発言が散見されるとこがおこですよ。
本人が堂々と解説付きで公開し続けてる特に黒歴史でもなんでもない仕事だよ。めーそむけんなー。


『君の名は。』は新機軸であり集大成


これらの動画をざーっと見ていくと、同じ表現を繰り返し繰り返し使ってることがよくわかると思います。都会と田舎、距離の離れた男女、レンズフレア、遠景からの回り込み、テーマ曲重視の作り……その他諸々。『君の名は。』には、これらの繰り返し使われてきた表現が余すことなく詰め込まれています。一方で、めっちゃキャッチーなキャラや動きの気持ち良さ、明るくてスピード感のあるシナリオ等明らかにこれまでとは違う部分も多い。
エンタメど真ん中を射抜いてきたって意味では新機軸であり、これまで繰り返し使ってきたモチーフを全て詰め込んだって意味では集大成とも言えるんですね。
そりゃもう、ここで売れなきゃいつ売れるんだよってな作品なのです。僕も見た直後に間違いなく代表作になる! ってツイートしましたし。

にしてもおめーモノには限度ってーもんがあってだな。

興行収入を見守りたい!

一ヵ月で百億ってどういうことですねん。上記サイトの数字見る限り今週もぜんぜん勢い衰えてないし……。
これまでの映画は評価自体は高かったにしろいずれも小規模上映で、興行収入にすると1億前後くらいになるそうで。数倍とか数十倍とかじゃなく百倍以上ですリアルに。


つまり、過去の映画で存在触れた人もエロゲOPで触れた人も全部ひっくるめて『君の名は。』で触れた人よりずっと少ないということになるんですよ。
ここまでくると従来の新海誠ファンが「にわかうぜー」とか言ってもどうせ数の力に押しつぶされるだけです。うざがったりせず、こんなふうに知ってる過去作紹介するくらいが平和でよろしかろうかと。



君の名は。(通常盤)

君の名は。(通常盤)

*1:efも後編までやれば面白いらしいんですが、僕は前編で挫折しちゃったのでなんとも……。

*2:クレジットだと「Iris Motion Graphics」名義

いじめ加害者を主人公にするという暴挙――『聲の形』

現在公開中の京アニ最新作『聲の形』。
僕は公開二日目ですぐ見に行って、衝撃受けて速攻で原作も全部読んだクチなんですが。

(見た直後のツイート)
(漫画読んだ後のツイート)

大きなネタバレはないと思いますけど、見てること前提の記事なので注意ね!


で、この作品について、先日このような話題をツイッターで見かけました。

『聲の形』はいじめっこ向け感動ポルノなのか - Togetterまとめ
↓ まとめ作った方が派生で書いた記事
「反省したいじめ加害者のことを『許さない!』と、いじめ被害者が主張するのは、危ない思想(by山本弘)」なのか - あままこのブログ
↓ それを読んだ僕のツイート

最初のTogetterが良いまとめなんですよね。
1P目だけだと、うへーいつもの不毛なやつだあって引き返したくなりますけど、最後まで読むと批判、擁護、その他諸々の意見が取り揃えられていて、読み直すと全部の発言が冷静に眺められるような作りで。
特に加害者側にこまごまと情状酌量の余地が設けられていていじめっ子が呑み込みやすく作られている点が醜悪だという批判に対して、そもそものメインの想定読者が(無自覚に加担する傍観者も含めての)加害者なので、加害者が呑み込めないものにしちゃったら本末転倒ではないのかって視点が出てくるあたりとか。


てか僕からすると「加害者に甘すぎる」って全然甘くなかったよ殺意めっちゃあったじゃん!? とも言いたくなるんですけどね。これに関しては誰に共感するかによって印象は変わってくるんでしょう。加害者視点で見ても、自分の行為を慰めてくれる感動物語なんて甘いもんじゃなく十分以上にエゲつない話になってたと思うけどなあ……。
ちなみに僕は被害者の経験も、傍観して緩やかに加担するって意味での加害者の経験もあるクチです。積極的に加担した自覚は無いけれど、いじめの加害者って無自覚にやるもんだから絶対やってないとかいう自信はない。

加害者視点でいじめを描くという暴挙

この作品の一番の特徴っていじめや障害を取り扱ったことそのものじゃなく、それを加害者の視点寄りに描いたってことですよね。いじめを取り扱った作品はそれこそ数えきれないほどありますが、いじめの被害者かその被害者を助けようとする人物視点で描いているものしか僕は見たことがありません。さすがに全く存在しないわけはないと思うのですが。
共感不能な完全な悪役として描かれているならともかく、十分に共感可能な人物として描かれている主役が同時にいじめも行っている。そんな罰ゲームみたいな話、誰も読みたがらないからでしょう。


でもいじめの性質の悪いところって、誰もが被害者になりえると同時に誰もが加害者にもなりえるところにあるわけで。主人公が加害者視点に立つ物語がほとんどないってのはいかにもバランスが悪い。
いじめをおこなっていた当事者が次の日には被害者になりえる、その逆も。あの同調圧力の恐ろしさ体験したことないですか? 僕は中一くらいにまさにそのものって空気を体験したことありますが、アレは本当に気持ち悪かったし恐ろしかった。*1


娯楽作品として考えるとやっぱ暴挙だったんじゃないかなあ、と今でも思わなくもありません。最初から最後までめちゃくちゃしんどかったし。
でも、些細なディスコミュニケーションからみるみるうちに地獄が広がり責任逃れしようがないくらいの当事者に主人公がなってしまう様を克明に描いて見せたこの作品の挑戦を、僕は評価したいとも思うんです。

原作読もう

あの原作をよく二時間にまとめたと思うし、映像と音声があるからこそって表現も多いので明確に映画版が劣っているってわけではないのですが、さすがに尺の問題か描写しきれてない部分はちょこちょこあります。
友達連中それぞれの内面とか、映画だけだとかなりの部分を想像で補わないといけない。一番闇深いんじゃないかこいつって子が映画版だと唯一背負ってる背景の無いキャラに見えちゃったりね。
特に、ヒロインの西宮さんが「聖人」扱いされる余地が残っちゃってるのはわりと痛恨というか致命傷に近い気が。普通は絶対怒るはずの場面で「ごめんなさい」と言う。ステロタイプな「聖人」を演じることで他人と正面からぶつかるコミュニケーションを拒否していたってとこが彼女の一番のポイントだと思うのだけど……映画版の内容だけでそこ読み取るのかなり至難なのよね。


本来絶対にこの手の議論が巻き起こりそうな物語なのに原作連載中にはあまり見かけなかったってな話も聞きましたが、それは連載だと嫌がる人や怒る人は序盤で読まなくなっちゃうからじゃないかな。劇場アニメだと入場した以上は普通最後まで見ちゃいますから。
というか、連載時は僕もだいたい2巻分弱くらいで挫折しましたよ。単行本でまとめて読むならともかく、こんなエゲつない話完結の保証もないのに連載で読み続けるとかソレ拷問じゃないですかね……。


そういう意味でも、改めて原作を読み直すきっかけをくれた映画には感謝したいと思っています。
そのままでは読むのが辛い原作に強制的に引きずり込む力を持った映画版。『聲の形』とは二つセットで完成する作品なのかもしれませんね。

*1:その後転校した学校はくっそガラの悪い「力が全て」みたいなとこでしたが、同じしんどいならこっちのほうがまだぜんぜん楽だわ、とすら思った。

二次創作的手法の一次創作

さて、前回に続いてまたツイッターの投稿から記事を書いてみます。

山本弘先生の「何で日本の一般人が考える「異世界ファンタジー」のイメージって、こんな画一化しちゃったのか」ってな発言が物議を醸していたのですよね。*1

で、それに反応したわれながらそーとー極端な発言。んなこと言ったって異世界でモンスターとか魔法とか出てくる世界観の小説を「ファンタジー」以外のなんと表現するのか。「別ジャンル」(断言)はなんぼなんでも言い過ぎよなあ。
とはいえ、ファンタジーなら作者の数だけ異なった世界設定があってもいいじゃないかってな理屈をゲーム風異世界もの小説に適用するのって、なんかものっそい違和感あるっていうか、全然ピンと来ないというか……。


で、山本弘先生は「いや、ソードワールド小説書いてたお前が言うなと言われそうだけど(笑)、あれは元がゲームだからしかたないのよ。」ってなエクスキューズもいれてらっしゃるんですけど、ここがポイントかなと思ったのです。
現在進行形でゲーム風異世界小説も大量に読んでるし、過去にソードワールド等のシェアードワールドノベルも読んでた僕からすると、明確に原作世界観があるシェアードワールドノベルとオリジナルのゲーム風異世界モノは言うまでもなく別物っていう前提からしてまずピンとこないんですよ。*2

二次創作の強みを取り入れたオリジナル

これ過去の同人誌で同じこと書いた記憶があるんですが、Web小説のいわゆるテンプレ異世界ものって、二次創作的な手法でオリジナルを書いていると考えられますよね。世界観とかキャラとか前提のストーリーとかすっ飛ばしていきなり書きたいこと書けるってのは二次創作の大きな強みですけど、テンプレ使うとオリジナルなのにそれができちゃうと。


こないだの記事で話題にしたみたいにトラックに轢かれて転生してみたり神様出してみたり、冒険者が集まる酒場ではとりあえず主人公が強面のおっさんに絡まれなければいけなかったりね。
世界観とか設定だけじゃなくて、展開までわざとテンプレに寄せていく。むしろ作者さんが「テンプレ通りの展開書きたかったのにちょっとずれちゃったくっそー!」みたいなことを冗談めかして言ったりするんだな。

この流れの大きなメリットは、以前ならオリジナル小説はハードル高いから絶対書かなかったタイプの人間ですら思いつきで創作をはじめてるってとこかと思います。単純に一次創作の書き手を増やしている。

テンプレートというのは、面倒な部分を省略して自分が書きたい部分に集中するための補助器具であると同時に、「俺ならこの設定はこうするぜ」「俺はこのお約束を逆手にとってやる」といった形で多様性を生み出すジェネレーターでもある。
「小説家になろう」のWeb小説における異世界ファンタジー類型まとめ - WINDBIRD

つまり、テンプレは物語ジェネレータであると同時に、作家ジェネレータでもあると。
極論すると、その人が面白いもん創りだせるかどうかなんてやってみなければわからんのです。きっかけは多ければ多いほど良いし書く人が増えるなら増えてくれたほうがぼくはしあわせ。

ひっくり返して考えると「皆がそんな便利なもんに頼ったら純粋なオリジナル無くなっちゃうじゃん」ってなデメリットもありそうなもんですが……二次創作がいくら大きくなっても、別にそれで原作が消えたりはしてないしなあ。


どんなに作品が溢れかえっていても、真似したくなるほど鮮烈な印象を多数の人に与えるものとなると、とたんに数は限られてきます。これは今も昔も変わらない。
であるならば、世に出る作品や作家を単純に増やしているという確実な成果のほうを僕は評価したいですね。誰も見たことのないすごいものがそこから生まれないだなんて、誰にもわからないでしょう?

追記

なんかうまく言いたいことまとまってない感じなので最後に改めて要約すると、意図的な画一化によって発展してきた側面のある文化に「なんでファンタジーなのに画一化しているの?」と問うのって、「異世界ファンタジーなのになんで東洋風なの?」って問いと同じくらいピンとこないぞ、ということですね。
そんなもんは創作として邪道だしわしゃ一切認めんぞ!ってんなら、まあそらそういう人もいるやろなあ、と思うんですが。

*1:なお、その元発言は精霊の守り人ドラマ版視聴者の感想に「異世界ファンタジーなのに東洋風なのはおかしい」とかいうトンチンカンなのがあったようで、そこから「いやいやそもそもファンタジーって……」という流れで発言されているみたいです。

*2:これも長年小説で飯食ってきてる作家さんからしたら、そこいっしょくたにされたらたまらんわ!! ってなりそうな乱暴な理屈ではあるけども