くろいぬの矛盾メモ

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 サルまんと私


同年代でクリエイター系(絵描きとかライターとか企画屋とかデザイナーとか)の奴と、新しく知り合いになったとする。
気軽に話が出来る間柄になったら、それとなく雑談の合間に「ほしぇー」などと言ってみる。
そこで、しっかり「ちんぴょろすぽーん」などと返して来たら、合格だ。


ハッキリ言って「サルでも描けるまんが教室(サルまん)」を知っているかどうかで、同年代のクリエイターを信頼出来るかどうかが決まる。
それほどに、エンタメ系の創作に携わる者にとって、「サルまん」はバイブルだ。


同年代なら当然共有していてしかるべきテクストが欠落している友人との会話は、時に大変辛いものがある。
「イヤボーン」「強い奴のインフレ」などの語彙が通じないのも、「そうだよ、その発想だよ!」と言いたい瞬間に我慢しなくちゃならないのも、非常に辛い。


マンガが好きなのに、「サルまん」すら知らないクリエイターとはまともに話が出来ない。
邦楽が好きなのに細野晴臣を敬愛していない人と同様である。あと戸川純とか! そこら辺はちゃんと押さえとけよ! んもう。


でも、見込みのありそうな後輩には、サルまんを貸してあげることにしている。感動のあまり、借りたその日のうちに新刊を買いに走る後輩も数知れない(だが、新刊はなかなか売っていないのだ!)。
そして、ついに先日大変なことが起きてしまった。愛蔵版の上巻だけが誰に貸したかわからなくなってしまい、返って来ないのだ! このままでは「サルまん」を広めることも出来ず、優秀な後輩の教育も出来ず、非常に困っています。早く新刊を出して下さい。竹熊・相原両先生、お願いします。