元読書嫌いの本紹介📚

コロナ禍をきっかけに本が好きになった元本嫌いによる読んだ本の紹介。

嘘みたいだけどすべて現実 【うたうおばけ くどうれいん】

今回紹介するのは、くどうれいんさん『うたうおばけ』

👻嘘みたいだけど…すべて現実。
うたうおばけ くどうれいん

▫️個人的好き度★★★★★
▫️読みやすさ ★★★★★

人生はドラマではないが、シーンは急にくる。私たちはそれぞれに様々な人生と、その人生ごとすれ違う。

 

 確かにその通り!だとなると思います。

 

 この話は、著者のくどうれいんさんの嘘みたいな実話が綴られていて、冒険をしているかのようなワクワク感を味わうことが出来ます。そして、祝ってしまった時に、喪失感が心にグッと来ます。きっと、この作品を読んだ後は、あなたもシーンが舞い降りてきたとき、文章や写真として残したくなること間違いないと思います!

 

 くどうれいんさんの言葉選びや比喩表現が独特…でも、秀逸で新鮮。紡がれる文章や言葉から滲み出る著者の優しさや人柄にいつの間にか魅了されること間違いない作品です。

 

 思わず笑ってしまったエピソードが沢山ありますが、特に…

(笑)を使う人にキレて、友達を失ったという話は特に面白かった。半分だけ気持ちが分かる。自分の失敗やミスを笑うのに(笑)を使うのは別に構わないし、私もたまに、使ってしまうけれど、他人を馬鹿にする(笑)は許せない。キレるところまではいかないけれど、イライラ😖がおさまらないだろう。

他の作品も読んでみたい。文庫化してくれ🙏

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 最後までご覧いただきありがとうございました。良かったら、いいね、フォローをお願いいたします。コメントもお待ちしております。それでは、また次の投稿でお会いしましょう📚

 

いじめの被害者も加害者も傍観者も読むべき本。 【人生を変えたコント 霜降り明星せいや】

今回紹介するのはお笑い芸人霜降り明星せいやさんの『人生を変えたコント』

□個人的好き度★★★★★

□読みやすさ ★★★★★

 

 今年一番読んで良かったと思える本に今年残りわずかな所で出会うことが出来た。母が金スマを見ていて、この本読んでみたいと言っていたのがきっかけで、私は金スマを見ていなくて、ちょうど番組が終わったところでお風呂から出てきたので、「せいやの本読んでみたいよね?」と母から言われても、心の中で「ん?」と思ってしまった。再現VTRを見ていなくて話しの内容を知らないから、頭の中に?が登場しただけで、タイトルを聞いたとき、面白そうだなと思い、「気になる! 読んでみたい!」と返答したら、翌日購入して帰ってきた。

 

 「最初に読んでいいよ!」と言われ、ページを捲ったら、栞がいらないほどに、あっという間に読んでしまった。ページ数も少なく、文字も大きめで、文体も固くなくて読みやすいし、ユーモアさも…ここが笑う場所なのかという部分は読んでいて何カ所かあったのですが、私は笑えなかった。あまりにもいじめのレベルが壮絶すぎて…頭を殴られたかのような衝撃で、後から仲間が出来て、文化祭のコントを成功させるために奮闘している所から最後にかけては良かったと笑えるようになったが、最初は全然笑えなかった。

 

 私も学生時代、せいやさんほど壮絶ないじめではなかったのだが、いじめられていた過去があって読んでいて苦しくなってしまった。私は何も言い返すことが出来ず、逃げてしまったので、逃げずに立ち向かったせいやさんの精神力や信念すごいなと思った。「コント」で「お笑い」で逆境に立ち向かい、一階失敗してもへこたれず人生を変えようと奮闘している姿に胸が熱くなった。せいやさんの底抜けの明るさ、家族思いなところ、理不尽や悪に屈しない負けず嫌いなところがひしひしと伝わってきて、心震えた。

 

 いじめは他人がどうこう出来る問題じゃないし、時間が経っても傷は残ったままでふとした瞬間に思い起こされてしまう。加害者は何も覚えていないだろうけど、被害者は死ぬまで傷が残ったまま。だから、いじめ、いや人を理不尽に傷つけることはあってはならないし、いじめで苦しんでいる人は、せいやさんのように立ち向かってもいいし、逃げてもいいから、命を絶つことだけは辞めるべき。悪いのはいじめてくる奴らであって、そんな奴らのために命を犠牲にしなくていい。逃げたとしても、いずれ彼らをぎゃふんと言わせるようなことを成し遂げればいい。色々と考えさせられる作品で、映画にしてほしいほど良かったので、ぜひ読んで欲しい。

 

 

〇印象に残った言葉

●そうかこれが友達か。数なんていらない。ひとりでいいんだ。胸を張って友達だと呼べるひとりがいれば、こんなに人生が明るくなるんだ。

 

●いじめている人間とはとてもかわいそうなのである。人を苛めてくる人間というのは不幸で、自分にまったく満足していない状態であり、絶対にそんなやつに人生を変えられてはいけない

 

 

〇調べた言葉

蹂躙

…暴力・強権などをもって他を侵害すること。

 

 最後まで読んでくださりありがとうございました。

 

 

 

平凡な日々でも、ちいさな幸せと友情があれば、それだけで満足。【団地のふたり 藤野千夜】

今回紹介するのは藤野千夜さん『団地のふたり』

□個人的好き度 ★★★★★
□読みやすさ ★★★★

 何でドラマを見なかったのだろうと後悔するほど良かった。あぁ…年末年始のどこかで再放送してくれないかな…

 

 この話は、築60年の団地の別棟に住む幼馴染の五十代ノエチとなっちゃんの日常が描かれています。

 

 特に嵐のような出来事も、個性的な登場人物も出てきません。

 それじゃあ、面白くないんじゃあ…

 

 いえいえ、それが良いんです! ほのぼのとしていて。



 50歳過ぎても、一緒にこたつに入り、テレビを見ながら他愛のない話で盛り上がれる幼馴染で親友で相棒のような関係性良いなぁと思いながら読んだ。こういう関係性を築ける人や築けている人は世の中そういない。結婚や子育て(子が巣立っている場合もあるけれど)、家庭、仕事があって、なかなか仲が良かった学生時代の友達と疎遠になりがちだと思うから、この二人ってすごいなと思った。

 特に印象に残ったのが、

「だいじょうぶ。ノエチのいいとこをも悪い所も、私、知っているから」となっちゃんが言って、ノエチが「同じ」と答える場面。

 友情や夫婦も家族も、良い所だけではなく悪い所も知り尽くし、それを受け入れ認めあうのがより良い関係を築くために必要だなってこの本を読んで思った。

 読みやすかったけれど、20代の私にとっては、50代の会話に(特に映画や楽譜のくだり)頭が?になるときがあったので、そこが読みにくさに繋がるかもしれないと思った。でも、知らない言葉を知るきっかけになるので、小説っていいなと改めて思った。

 最後まで読んでくださりありがとうございました。

 

〇調べた表現
糊口をしのぐ

どうにかこうにか生計を立てて貧しいながらも暮らしていく。

 

 

お金と幸せに関する教科書に近い小説

今回紹介するのは原田ひ香さんの『三千円の使い方』

▫️個人的好き度★★★ 3.8
▫️読みやすさ ★★★ 3

 初めてましての原田ひ香さん!

    この作品、本屋に行く度に気になっていた作品でようやく読むことが出来た!

 立場が異なる4人の人生を豊かに幸せに生きるために必要なお金の使い方について描かれているのかなと思ったのだが…これは、半分合っていて、半分違っていましたね。何だか思ったより、皆シビアな問題抱えていた。でも、御厨家の女性陣しっかりしているなと思った。

 私は個人的におばあちゃんの考え方が好きです!

●人は三千円の使い方で人生が決まるよ
●お金や節約は、人が幸せになるためのもの。それが目的になったらいけない

 この考えが孫の美帆にちゃんと伝わっているのが良いなと思いました!

 

  お金の問題は、永遠の課題で、誰も教えてくれないので、どうにかなるっしょという甘い考えで人生を送っていると後々痛い目を見るなと思わせてくれる作品だった。お金に対する価値観や金銭感覚って、人間関係においてかなりの障壁になるなとこの本を読んで改めて感じた。

 

 最後まで読んでくださりありがとうございました。

 

 

 

本当に良かった! 降り積もっていく不穏さが少しずつ消えて安堵へと変わる本

今回紹介するのは小川糸さん『とわの庭』

▫️個人的好き度 ★★★★
▫️読みやすさ  ★★★

 

 突然ですが…このタイトルと表紙からどんな話を想像しますか?

 女の子と犬の友情物語?

 女の子が荒れ地に花を植えて美しい庭にしてそれを飼い犬と眺めている話?

 

 そんな生温い物語ではない。見かけによらずかなり壮絶だ。

 

 この話は、窓がなく電気がない暗い部屋のような世界(=盲目)で生きてきた主人公のとわの人生にある日、窓や電気が取り付けられ、光が差し込み、その光景に驚き、適応するのに時間がかかってしまうが、とわが持つ逞しさ、優しさ、ひたむきさで世界を広げていき、逆に周りを照らす光みたいな存在になっていきます。徐々に不穏さが雪のように降り積もっていき、目を覆いたくなるような場面もあったが、最後まで読んで良かったと言える作品であることに間違いはない。救いの手が現れるので、後味は悪くない。

 

 盲目というハンデがあるにもかかわらず、目向きにたくましく人生を歩み、世界を広げていく姿に胸を打たれた。私がとわちゃんだったら、絶対に心折れて生きる希望を亡くしていた。視野を広げて、自分の生きがいややりたいことを見つけることは、人生をより良く、楽しく生きるために必要なのだとこの物語を通じて改めて思った。「光あるところに影あり」とゲーテは言ったけど、この話は「影あるところに光あり」と思った。

 

〇印象に残った言葉

P296

確かにわたしは目が見えないけれど、世界が美しいと感じることはできる。この世界にはまだまだ美しいものがたくさん息を潜めている。だぁら、わたしは、そのひとつひとつをこの小さな手のひらにとって、慈しみたいのだ。そのために生まれたのだから。この体が生きている限り、夜空には、わたしだけの星座が、生まれ続ける。

 

 

 最後まで読んでくださりありがとうございました。これから読書と距離を置いている人に少しでも興味を持って読んでもらえるような本紹介をしていきたいと思いますので良かったら読んでください。

 

 

 

 

私は実は、女であるのに〇〇が苦手です……

お題「わたしは○○恐怖症」

 ブログ始めたばかりで、少しでも多くの人に読んでもらいたいと思っているので、初めてお題を使って書いて見ることにしました。何書こうか探しているとたまたま興味深いお題が見つかったので、このお題について書いて見ることにします!

 

 私は、雛人形恐怖症です。女の子の成長と健康を祝うためのひな祭りで飾られている人形です。私は、女なので、小さい時、雛人形が飾られていました。よくショッピングモールで販売されている一段、二段のコンパクトなサイズではなく、本格的なのが一畳のスペース分飾られていました。

 私が雛人形が苦手なのは、独特な目と、一回目が合ってしまった時に、雛人形の目が動いたかのように見えたのがトラウマになっているからだと思います。それ以来恐怖で、ショッピングモールや家で、雛人形を見て泣き出してしまう子供時代を送っていました。雛人形が飾られている1、2週間は、その部屋に一人で入ることができなかったです。親がいたとしても、雛人形と一切目を合わさなかったです。

 大人になった今は、雛人形を目視できるようになりましたが、今でも怖いと思ってしまう時があります。恐らく、私は日本人形があまり得意ではないのだと思います。祖母の部屋の一角に日本人形が飾られていたのですが、目が合ってしまったら、呪われそうと思い、目を合わそうとはしませんでした。

 自分が得意なものでも、相手にとっては苦手で、いい思い出がない物かもしれないので、自分の意見や考え、世間の価値観を押しつけるのではなく、理解できなくとも、寛容な心でいることが大切だと私は思います。

 

 最後まで読んでくださりありがとうございました!