ショッピングモールを上手く廻すことは難しい。

ネットを巡回していて、過去話を思い出した。今はもうないサイトだし、当時自分が在籍していた会社からは離れて久しいので、書いてもいいような話だと思うから思い起こして書いてみようかと思った。


きっかけは以下の記事。


1999年末頃から、2002に入るぐらいまでは、第一次ネットバブルとでもいえばいいのだろうか。そんなショッピングモールサイトのようなサイトがこぞって参入してきた時期だったのかもしれない。
俺が、技術者として、Webアプリに興味を持ったきっかけが、2001年春先にアサインされたプロジェクトだった。
そのプロジェクトは、Perl開発だったにも関わらず、テンプレート処理系のフレームワークも自社で作っていた。おそらくそういう時代だったのだろう。HTMLTemplateだって、我々の望むだけの機能がなかった時代だ。CPAN知名度だって低かったのかもしれない。


顧客は家具ショッピングポータルを作りたいと言っていた。売りはサイズで検索できることにしたいと。
我々は、「今、家具をネットで買うようなユーザはそんな複雑な操作は使えませんよ?」と言った。ネット自体普及してると言えるような状況でもなかった。ブロードバンドが常識と言えるほどでもなかった。


それに、商品が一流家具ブランドのラインナップしかなかった。そのウェブサイトの母体が、一流だったから、余計その辺りにある安い家具屋なんてって思いがあったのかもしれない。
ただ、6桁するような家具をネットで買う奴なんてそうは居ない。
俺たちは「それはサイズがわかったとしても売れませんよ?」と警告をし続けた。


買う訳がない。
6桁のセミダブルのベッド。ドアストッパーで5桁なんて意味がわからない。
どれだけいいのかわからないけど、7桁行く衣装ダンス。
実物見ないと買えるわけない。サイズがわかっても買えるわけない。


俺たちは、運用系の仕事ももらえそうだったから、ダメにしたくなかった。
だから、売るためのラインを考えないといけないし、検索出来るより、買い手が楽なUIをと言うような話をしていた。
でも、向こうの経営陣は、「サイズでブランド物を検索できてネットで買えればいいじゃないか!検索の労力よりは、買って無駄にならないものを!」ということに固執していた。
そんな大名買いなんて一部の特権階級しか出来ないだろうに。


そういうわけで、我々は、言われたままのシステムを作り、作り上げたそのシステムは開発期間より短い期間で使われなくなった。
保守契約終わる前に潰れたからよくわかってる。月に何件オーダーが入ったかとか。



もしかすると、今、彼らが再立ち上げすると上手く行くのかもしれない。
少なくともUIに関してはAjaxなどを使えば、あの頃とは比べ物にならないぐらい良くなってるはずだ。ユーザ層も広がったから、高額商品を買う客だって増えたかもしれない。


ただ、思う。オフラインでの評価がオンラインで続くと思ったら勝てないと。
そして、オンラインでの価値の作り方の難しさを。


Webベースで収益を挙げるためには何をしたらいいんだろうなと、考えるここ最近。