迷走彼女
「このニット可愛くない?」 「えー。ダメー。」 「このパンツは?」 「ダメッ!」 「さっきから、何がダメなの?」 「七分だから…」 「え?七分だから?」 「手首、足首見えるのは…。」 「へ?」 「恥ずかしいじゃない?」 「今まで夏どうしてたのさ…」
「ねー。早く結婚しようよー。」 「そのうち時期が来たらね。」 「えー。早く結婚するのが夢なのに。」 「まあ、うん。そうねぇ…。」 「それで、マリッジブルーになって心療内科に通うの。」 「は?えっ?!」 「だって、この人でいいかなって悩むでしょ?だ…
「私の何処が好きなの?」 「一緒にいて落ち着くとこ?そっちは?」 「うーん。優しいとことかかわいいとこ?」 「かわいい?三十路なのに?」 「うん。だらしないとことか情けないとことかどうしようもなくダメなところが。」 「!」
「あなたにとって、私が最初で最後の彼女なの。他の女なんて、あなたに何もしてないわ。いい?わかった?」
「もう一杯だけ?じゃあ今月の貯金、あと3万ね。」
「一緒にお風呂入る?」 「あ、入る入るー。先入ってて。」 「入るよー。」 「はーい。どうぞ。」 「じゃあ、電気消すよ。」 「えっ?!」 「これじゃ、体洗えないじゃない…。」 「でもヤだ!」 「じゃあ、俺、先上がってるから、そしたら電気つけようか?」…
「飲み会は?」 「週一回」 「やっぱり月二回にしようか?」 「エエエェーっ!」 「まあいいよ。オールは?」 「禁止?」 「そう。破ったら罰金三万円ね。」 「は、はい…。」
「着替えるからこっち来ないで。」 「ん?別にいいじゃん。」 「通報するよ!」 「つ、通報っ?!」
「まったく!あたしが生活を叩き直してやるんだから!」
「そんなにお酒が好きなら、お酒と結婚してお酒と死ねばいいわよ!」
「インフルエンザの予防接種怖いよー」 「あら怖がってたら患者さんはもっと怖がるよ?頑張ろう!」 「違うの。私が射たれるのが怖いの。」 「あら…。頑張って…。」 「怖くて看護婦さんに泣きながらしがみついちゃった。」 「看護婦さんが看護婦さんにねえ…」