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鉄拳「パラパラ漫画が繋ぎ止めた芸人人生」

2013.10.16 (Wed)
2013年10月12日放送の「心ゆさぶれ!先輩ROCK YOU」にて、鉄拳がゲスト出演していた。そこで、パラパラ漫画に掛ける思いについて語られていた。

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アニメーションとパラパラ漫画の違い

加藤浩次「アニメとは違う?」

鉄拳「そうですね。アニメーションって、綺麗な風景があって、登場人物だけが動くんです」

加藤浩次「うん」

鉄拳「風景は1つの絵なんですけど、パラパラ漫画は、1枚1枚、風景を描いていくんです」

加藤浩次「あぁ」

鉄拳「教科書の隅っこに描いたパラパラ漫画と同じで、1枚1枚、ずらしながら描いていくんです。同じものを何回も描いて」

大東駿介「背景をコピーしておいて、人物だけ描いていくというのは?」

鉄拳「それは…教科書の隅っこに描くときに、そんなことしなかったですよね?ちょっと風景もグニャグニャしてるところも、いい味出しているなぁって」

加藤浩次「背景をコピーしてしまうと、ずっと動かないよね」

鉄拳「味がなくなっちゃうんです」

加藤浩次「綺麗だけど、味がなくなっちゃう」

鉄拳「アニメーションよりは、ちょっと汚い動きになりますけどね。アニメーションでは、1秒間に10数枚描いて、細かくなりますけど、パラパラ漫画は、僕の場合、1秒間に2枚描いてるんです。結構、カクカクしてるんです」

パラパラ漫画の作成方法

鉄拳「僕は下書き無しで描いてるんです。紙を重ねると、透けるんです。それでちょっとズラして描いて」

加藤浩次「あぁ。うっすら透けてるね」

鉄拳「微妙に角度を変えて描いていくんです」

加藤浩次「地道な作業だね。振り子の場合は、何枚?」

鉄拳「1500枚くらいですね」

木南晴夏「期間はどれくらい掛かったんですか?」

鉄拳「アレは2ヶ月掛かりました」



加藤浩次「構想も含めて?」

鉄拳「はい」

加藤浩次「ずっと描いていって、『あそこ、こうすれば良かったな』って時、あるでしょ?」

鉄拳「あります。途中から、アイデアが変わってくる時があって、そのときは捨てちゃいます」

加藤浩次「最高、何枚くらい捨てちゃうの?」

鉄拳「100枚くらいはありますね」

加藤浩次「えぇ~」

鉄拳「僕の場合、本編よりも1.5倍くらい描いてるんです。後半繋がらなかったり、後半と前半が絵が変わっちゃってる時とかは、新しく描き直して」

加藤浩次「うわぁ」

鉄拳のパラパラ漫画のこだわり

鉄拳「音楽に合わせて、『このシーンを乗せたい』っていう時があるんです。そこにシーンを埋めていく時に、秒数をカウントして、入れていくんです。『何枚後だな』って」

木南晴夏「へぇ」

加藤浩次「鉄拳のパラパラ漫画には、言葉が無いで音楽だけでしょ?そこは貫くの?」

鉄拳「貫きますね」

加藤浩次「こだわる理由って?」

鉄拳「パラパラ漫画って、教科書の隅っこに描いたものですよね」

加藤浩次「原点ですよね」

鉄拳「そこに声を足しちゃったら、別物になるような気がして」

加藤浩次「アニメになっちゃうから?原点から移りたくないんだね」

鉄拳「なるべくそこからズレたくないんですけど、仕事をくれる人の要望が一番優先なんで」

加藤浩次「…それはお金ということですか?」

鉄拳「僕も生活があるんで」

加藤浩次「ふはは(笑)」

パラパラ漫画を描くきっかけ

加藤浩次「パラパラ漫画を描こうと思ったきっかけは?」

鉄拳「仕事です。その依頼がきた芸人さんが、忙しくて出来なくなったんです」

加藤浩次「パラパラ漫画を描けなくて」

鉄拳「それで、僕が結構、ヒマだったんです。それで回ってきて。カラオケのPVをパラパラ漫画で描くって仕事だったんですけどね」

加藤浩次「あぁ、PVをのパラパラ漫画を作りましょうって企画ね」

鉄拳「そうです。番組のスタッフさんが、『パラパラ漫画の企画をやるんで出てくれ』って言われて、やったんです」

加藤浩次「そうなんだ」

鉄拳「でも、実は芸人を辞めて田舎に帰ろうと思ってたんです」

加藤浩次「えぇ~なんで?」

鉄拳「この先のことを考えてたら、お笑い芸人は僕には向いてないなって。吉本にいて、吉本って天才多いじゃないですか」

加藤浩次「あぁ。さんまさんとかダウンタウンさんとか」

鉄拳「そうなんで、マネージャーさんに、辞めますって言いました」

加藤浩次「言ったんだ」

鉄拳「はい。辞める日も決まってて」

加藤浩次「最後の仕事で、決まってた仕事をこなすってだけの作業だったんだ?」

鉄拳「『この仕事をやったら、辞めます』って感じだったんです。そしたら、一気に他の番組にも呼ばれて」

加藤浩次「そこまで追い込まれてたんだね」

加藤浩次「最初、泣かそうと思って作品を作ってないよね?」

鉄拳「はい」

加藤浩次「良い作品を作りたいって気持ちだったんだよね?」

鉄拳「そうなんです」

加藤浩次「お母さんが早くに亡くなってるっていうのもあるし。格好は小馬鹿にした格好をしてるけど。純粋な物がないと描けないんじゃないかな」

鉄拳「僕は、色々と現実世界で(悲しいことも)見てきているんですね。ガードマンの仕事をやってた時期もあって、その頃は、車を停めてる人に、『どうぞ』ってやったら、『遅ぇんだよ』って、煙草を投げつけられたこともあって。サラリーマンの方が謝っているシーンを見ているし」

大東駿介「そういう経験が活きているってことですね」

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