『バックラッシュ!』が届いた!

本日、谷川さん(id:lelele)から送っていただいた『バックラッシュ!』が届きました。実物を手にしたのは初めて。記念に写真をパチリ。





今までモニター画面とゲラと原稿用紙とばかり向き合う作業でしたが、こうやって立体になった実物を手にとって見ると、改めてその濃度と厚さに驚かされます。





並べても目立つよ!

                 ハ_ハ  
               ('(゚∀゚∩ 目立つよ!
                ヽ  〈 
                 ヽヽ_)





ちょっと離れてみても目立つよ!

                 ハ_ハ  
               ('(゚∀゚∩ 本棚きたないよ!
                ヽ  〈 
                 ヽヽ_)





バックラッシュ系の本にも負けないよ!

                 ハ_ハ  
               ('(゚∀゚∩ 勝てるよ!
                ヽ  〈 
                 ヽヽ_)




というわけでみなさんも是非ゲットしてみてください。さて、せっかくなので装丁についてちょろっと触れてみます。



この表紙のイラストは、社長の谷川さんがデザイナーの方に本の趣旨を丁寧に説明し、原稿までお読みいただいた上で描いていただいたものとのこと。渋谷のど真ん中で声をあげる今時のスマートな女性というイラストには色々な意見もあるかなと思いますが、バックラッシュという現象が単に新旧の二元論で捉えられるものではなく、世代を含めた様々なトライブの記号的差異をめぐる問題でもあることを示唆しているようで興味深いなあと思います。というのは、言うまでもなく渋谷という街には「今時の・若者の・流動的な」都市という記号的な意味合いが強くありますが、「今時の・若者の・流動的な○○」という記号は一方で若者批判の言説の対象になり、一方で本田透さんの『電波男』のように、「○○」に代入されるモノにノリ切れない別のトライブからの反発の対象にもなる*1。それらの反発が、現代では「声高に自己主張する女性」「若い女性」「働く女性」の記号に焦点化させられていくような構図を示唆しているように思えたからです。ちなみに「本田透」は本書を読み解く重要なキーワードの一つなので、未読の人はチェックされたし(参照)。



都市を表紙にした本といえば、西島大介さんが描いた大塚英志『定本物語消費論』表紙や鈴木謙介『暴走するインターネット』表紙、あるいは森川嘉一郎『趣都の誕生』表紙など、結構個人的に「当たり」な本が多い気がしています。もちろん『バックラッシュ!』もその一つではないかと思いますが、皆様いかがでしょうか。既に本書への感想や議論がネット上でもいくつか見られますが、批判も含めて本書をたたき台にし、議論が「ネクストステージ」に向かって進んでいくことを願って止みません。もちろん議論の自己目的化はいかんです。以上、宣伝厨ですた。

*1:この点を踏まえて、『電波男』が敬意を表して止まない『ルサンチマン』を『電影少女』との対比で読むことは正当だと思う。<一人暮らし・アート系・仮想現実から現実へ/家族暮らし・ブルーカラー・現実から仮想現実へ>というあからさまな対立は残酷なほどにリアルだ。