絶叫機械

造形する脚本家、麻草郁のブログ。

ごめんちょっと何言ってんだかわかんない。

『ドニー・ダーコ』の続編が作られる、というニュースを読んで「????」となった。

 たとえば『バタリアン』が2345と続いたり『ロッキー』が2345と続いたり『エイリアン』が234と続いてさらに『ターミネーター』が4で復活して『ロボコップ』は3で止まったけど『スキャナーズ』は実は5まであるんだぜ、それどころか『ヘルレイザー』なんか5まで行ったあげくもう一回1から作り直すんだけど『13日の金曜日』を観ろよ10本+αなのにまたはじめからやりなおすんだぜ、といった具合に続編が作られてもなんら頭に疑問符の浮かばない作品というのは、ある。出来が悪くて怒ることはあっても、続編が作られること自体には、何の疑問も浮かばないタイプの作品。そこに共通するのは強烈なキャラクターだ。
 そのキャラクターは永遠に生きる、多少のアレンジが加わったとしても、様々に設定が変わったとしても、生き続ける。なぜならそのキャラクターが生きているのは、観客の頭の中だからだ。恐ろしいまでのインパクトを残した彼らは、永遠に死ぬことなく観客の頭にドロリと棲みついてうめき声をあげるのだ。
 でもね『ドニーダーコ』ってそういう作品じゃないの。確かにドニーは強烈なキャラクターだし、世界を救うみたいなことを言い出すけど、別に本当はそういう話じゃないの。ガラスみたいな壁はドニーにしか見えないの、透明なブヨブヨが見えたら笑っちゃうの、ごく個人的な、地味に哀しい少年の物語なの。近いと思う作品は『ゴーストワールド』とかなわけ。ラリってることは間違いないけど、絶対にホラー映画でもヒーロー映画でもないわけ。
 でも、どうもこの続編の予告編を見ると、そんな感じがしないの。
http://www.sdarko.com/
 だからね、そう、きみが何言ってんだかわかんない。

じゃあ何でもいいじゃねえか。

『S・ダーコ』
 今回の主人公はドニー・ダーコの妹サマンサ。一作目から7年後、18歳になったサマンサと親友のコリーは、世界が破滅するという奇妙なヴィジョンに取り憑かれ、ロサンジェルスへと向かうが……。
 予告編にはジェイク・ギレンホールのそっくりさんが現れます。
『アメリカンビューティー2』
 今回の主人公は死んだレスターの娘ジェーン。一作目から10年後、20才を過ぎたジェーンと親友のアンジェラは、ビニール袋が空を舞う奇妙なヴィジョンに取り憑かれ、生まれ故郷のシカゴへと向かうが……。
 予告編にはケビン・スペイシーのそっくりさんが現れます。
『セブン2』
 今回の主人公は死んだジョン・ドゥのライバル、ミルズ。一作目から14年後、仮釈放になったミルズと親友のサマセットは。荒野を進む宅急便のヴィジョンに取り憑かれ、ロサンジェルスへと向かうが……。
 予告編にはやっぱりケビン・スペイシーのそっくりさんが現れます。
『ユージュアルサスペクツ2』
 今回の主人公はカイザーソゼを取り逃がした刑事クイヤン。一作目から15年後、クイヤンとFBIのベアは、にやにや笑うはげ男のヴィジョンに取り憑かれ、カルフォルニアへと向かうが……。
 予告編にはまたしてもケビン・スペイシーのそっくりさんが現れます。
 
 みなさんの続編をお待ちしております!
追記:「ヘルレイザーは8まであるよう」と注意されました……すみません……!
http://www.imdb.com/find?s=all&q=Hellraiser+&x=19&y=12
追記2:ブクマコメントが面白すぎる!