ノウハウ『ドローダウン 地球温暖化を逆転させる100の方法』
100のアイデアとテクノロジーから、あなたが選べる状況改善手段はいくつあるのか。
人類ができることはどのくらいあるのか。
まずこの本に挙がっている数々のやり方と可能性をずらり見渡して、未来を見直そう。
シルボパスチャー(林間放牧)は、木を取り除くべき雑草と見るのではなく、木を持続可能な共生システムに組み込みます。それは広義のアグロフォレストリー(森林農法)に入るアプローチのひとつで、古代の習わしを復活させるものです。
マクログリッド(大規模送電網)は電気エネルギー源の広大なネットワーク。
これからはマイクログリッドです。
マイクログリッドとは、太陽光、風力、小水力、バイオマスなどの分散型エネルギー源、蓄電設備かバックアップ発電、負荷管理ツールを限られた地域内でひとまとめにしたものです。
低所得国では、マイクログリッドの強みはさらに大きくなります。世界では、11億人が送電網、すなわち電気のない生活をしています。その95%以上がサハラ砂漠以南のアフリカとアジアに住んでおり、しかも大多数は農村部に住んでいます。
1891年、米国の発明家で製造業者のクラレンス・ケンプは、温室効果を利用して性能を飛躍的に向上させる設計の特許を取得しました。世界初の商品化された太陽熱温水器「クライマックス」です。
太陽熱温水が想定最大市場規模の5.5%から25%に成長すれば、2050年までに二酸化炭素排出は6.1ギガトン削減され、家庭のエネルギーコストは7740億ドル節減できる可能性があります。
沿岸湿地は長期的に見ると熱帯林の5倍の炭素を貯留できるのです。その大半は湿地深部の土壌に蓄えられます。学術誌『ネイチャー』によると、マングローブ林の土壌だけで世界の排出量2年間分と同等以上を蓄えられる可能性があります。220億トンの炭素です。
自然放牧地は地球の陸地面積の約40%を占め、単ー用途の土地利用面積では世界最大です。こうした土地の多くは、歴史的に狩猟、採集、放牧、季節農業のために先住民集団によって利用され、管理されてきました。
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『ドローダウン DRAWDOWN 地球温暖化を逆転させる100の方法』
ポール・ホーケン
山と溪谷社
やれることは目が回るほどたくさんあるが、個々人がすぐ貢献できることは少ない。
長く広く見渡す目と、決断力、実行力があるなら、人間に、個々人に、偉い人に、あるなら。ある?
人類ってそんなに賢かったっけ?
それでも、未来に向けて最善を尽くそうとして、世界の有志たちがこれだけたくさんの情報を持ち寄ってくれた。
良い情報がたくさん提示されていても、中にはまともじゃない科学を信奉する政治家に票を投じてしまう人間がいる。
人類の賢い部分と賢くない部分が常に常に戦っているのが人間の歴史だ。
今度はどっちが勝つかな?
できたら、本書のようなみんなで世界の現状とこれからの技術を調べた書籍は、アウトデートにならないように、白書として毎年〜数年毎にアップデート版を出していってほしいよね。
本書には
『人間は料理をする』
の著者マイケル・ポーランの手によるコラムも収載されているよ。
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電子書籍も便利。Kobo版↓
『ミニ特集:環境や生態系を考える本 海外その2』
『ミニ特集:環境や生態系を考える本 海外その1』
『ミニ特集:環境や生態系を考える本 日本その3』
『ミニ特集:環境や生態系を考える本 日本その2』
『ミニ特集:環境や生態系を考える本 日本その1』
『ミニ特集:明るさは罪?人工照明による光害』
『ミニ特集【2050年】未来の地球はどう言われてる?』