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科学な本のご紹介: やべぇ『格差と序列の心理学 平等主義のパラドクス』

科学に佇む書斎



序列3人myspace 📖 
人種差別、学歴差別、女性差別などの「格差やヒトを不幸にする社会問題を、解決しなくていいやと肯定し温存してしまう」そんなヒトの社会的心理反応について、その度合や仕組みを調べてまとめてくれたのがこの本だ。

科学の本実態から遊離した平等神話が白人社会と黒人社会の間で概ね共有されている。住宅供給上、実際に人種差別があるにもかかわらず、白人の大多数(86%)黒人の大半(58%)が、黒人も白人と平等に住宅を取得しているとみなしていた。

科学の本学歴主義の風潮が最も強かった1970年代は、皮肉にも、学歴による経済的格差(大卒と高卒の初任給格差)が、日本の近現代史を通じて、最も小さい時期であったという。


科学の本相補的世界観「全体としてみれば,世の中はバランスが取れている」「悪いことばかり続いた人も.次には何か良いことが起こるものだ」
非相補的世界観「世の中にはすべてを手に入れる人間もいれば,何も手に入れられない人間もいる」「好ましい結果は,往々にして勝者にもたらされるようになっている」

科学の本高学歴者において相補的世界観を否定する者ほど学歴主義を肯定する傾向にあることが見出された。
 相補的世界観に基づけば,学歴において優位な立場を得ても、別の次元では劣位に立たされることになる。これは高学歴者にとっては不都合なことであろう。
 高学歴者にとっては,非相補的世界観を支持することと学歴社会を正当化することは同義であるのかもしれない。

科学の本学歴主義の肯定度と日本社会全体の肯定度との間には関連が認められた。
 (学歴主義をよしとする者は、日本社会全体も肯定しがちだったとする調査結果)

科学の本貧困層のうち、社会の不備のせいだと考える人たちよりも、貧困を自己責任と捉える人たちのほうが、幸福感や満足感が高い。現行のシステムの下で不利益を被っている者ほど、自分を納得させるために、システムを正当化する必要が高まるのだ。

母子家庭の貧困についてテレビで特集があると、
フォローフォロワの少ない層から
「ふぁっ!?ナニソレ母子家庭なんて自己責任じゃん、なんで産んだの、なんで引き取ったの」
という声が連続して流れてきて目眩が… suji


 

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『格差と序列の心理学 平等主義のパラドクス』
 池上知子
 ミネルヴァ書房
 


あっちの集団とこっちの集団の違いを「〜〜では劣るが、**では優っている」と解釈するような「相補的世界観」をよく用いる者は、現状に問題があってもその問題をそのままに肯定しがちになるかもしれない!

記述は論文調で、初心者さんにはつらい専門書仕様ですが、社会と人々を見る上で、大事なことが記されています。

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格差と序列の心理学?平等主義のパラドクス





→『ミニ特集:社会の格差を憂う本 その4』
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 No.2012,1218
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