やべぇ『格差と序列の心理学 平等主義のパラドクス』
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📖 人種差別、学歴差別、女性差別などの「格差やヒトを不幸にする社会問題を、解決しなくていいやと肯定し温存してしまう」そんなヒトの社会的心理反応について、その度合や仕組みを調べてまとめてくれたのがこの本だ。
実態から遊離した平等神話が白人社会と黒人社会の間で概ね共有されている。住宅供給上、実際に人種差別があるにもかかわらず、白人の大多数(86%)黒人の大半(58%)が、黒人も白人と平等に住宅を取得しているとみなしていた。
学歴主義の風潮が最も強かった1970年代は、皮肉にも、学歴による経済的格差(大卒と高卒の初任給格差)が、日本の近現代史を通じて、最も小さい時期であったという。
なるほど。学歴による経済格差が最も小さかったにもかかわらず、学歴という「高級品」を崇拝する学歴主義が強かったのが、大学受験だと1952年〜62年生まれ(現在63歳〜53歳)ということですね。ポスト全共闘〜シラケ〜ニューアカ世代やね。 https://t.co/bosbf7kZWV
— 北田暁大 (@a_kitada) 2015, 10月 14 母子家庭の貧困についてテレビで特集があると、
相補的世界観「全体としてみれば,世の中はバランスが取れている」「悪いことばかり続いた人も.次には何か良いことが起こるものだ」
非相補的世界観「世の中にはすべてを手に入れる人間もいれば,何も手に入れられない人間もいる」「好ましい結果は,往々にして勝者にもたらされるようになっている」高学歴者において相補的世界観を否定する者ほど学歴主義を肯定する傾向にあることが見出された。
相補的世界観に基づけば,学歴において優位な立場を得ても、別の次元では劣位に立たされることになる。これは高学歴者にとっては不都合なことであろう。
高学歴者にとっては,非相補的世界観を支持することと学歴社会を正当化することは同義であるのかもしれない。学歴主義の肯定度と日本社会全体の肯定度との間には関連が認められた。
(学歴主義をよしとする者は、日本社会全体も肯定しがちだったとする調査結果)貧困層のうち、社会の不備のせいだと考える人たちよりも、貧困を自己責任と捉える人たちのほうが、幸福感や満足感が高い。現行のシステムの下で不利益を被っている者ほど、自分を納得させるために、システムを正当化する必要が高まるのだ。
フォローフォロワの少ない層から
「ふぁっ!?ナニソレ母子家庭なんて自己責任じゃん、なんで産んだの、なんで引き取ったの」
という声が連続して流れてきて目眩が…

貧困が、自分でコントロールできる範囲にある問題だという幻想にしがみついた方が、苦痛が少ないってことなのかな。これは社会制度を自分が変えられるという、民主主義的な感覚が日本では育ってないことも関係してるだろう。 https://t.co/tgD6DNswqJ
— しかのつかさ (@sikano_tu) 2016年8月20日
【2017年9月 朝日新聞】
— 科学に佇む一行読書心 (@endBooks) 2017年9月4日
貧しいほど独裁求める?英研究チームが発表 世界で調査https://t.co/Q7hlulIWB3
「自分では人生はどうにもならない:自己無力感」が強いほど、「議会や選挙を気にしなくてもいい(自分の脳への負担の少ない)強い指導者」を好みがちに
いままで団地住民の話を聞いてきての実感だが、生活保護受給者への憎悪は、生活保護受給予備軍、というか生活保護以下の収入のひとたちにより強いように思える。生活保護歴のあるひとたちの屈折したそれもある。
— だんちのうた (@1itt1egen0) 2015, 5月 25「身をわきまえる」というテーマから『格差と序列の心理学:平等主義のパラドクス』という本を探し出し、著者のpdfを見つけた。
https://t.co/KNP4HygIre
— Epimbi Madrigal (@Epimbi) 2015, 3月 21▶楽天PR
『格差と序列の心理学 平等主義のパラドクス』
池上知子
ミネルヴァ書房
記述は論文調で、初心者さんにはつらい専門書仕様ですが、社会と人々を見る上で、大事なことが記されています。
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「格差と序列の心理学」読み始めて現状と重ね合わせてしまって悲しくなってきた。貧困を社会のせいと考える人より、現状を肯定して自己責任とする人たちの方が幸福度が高いとか、人は現状を維持し肯定しようとするから「現に存在する」というだけで公正で正当なものとみなすとか、、、
— 啓 (@pooq_m_m) July 29, 2020
『ミニ特集:社会の格差を憂う本 その4』
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『ミニ特集:社会の格差を憂う本 その1』
『ミニ特集:2010年代、日本の格差と経済を見る本 その3』
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『ミニ特集:2010年代、日本の格差と経済を見る本 その1』
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『ミニ特集:偏見・差別・スティグマ・ステレオタイプ その2』
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実態から遊離した平等神話が白人社会と黒人社会の間で概ね共有されている。住宅供給上、実際に人種差別があるにもかかわらず、白人の大多数(86%)黒人の大半(58%)が、黒人も白人と平等に住宅を取得しているとみなしていた。