虚実の確認『障害者の経済学』
身分制度が、障害者を暮らしにくくする!
マジョリティから「身分相応」にちんまりすることを強いられる一方で、マジョリティから自立(身分を越えてマジョリティに入れ)を要求されるという、なんと理不尽なこの社会!
障害者が分をわきまえない行動をとると、世間からバッシングを受けることがある。「障害者はかくあるべし」という「分相応の行動規範」は障害者を暮らしにくくする。まず、障害者の新規ニーズが出にくい。
「べてるの家」にはいくつかの理念がある。たとえば、「偏見差別大歓迎」、「三度の飯よりミーティング」、「安心してサボれる職場づくり」、「勝手に治すな自分の病気」、「弱さの情報公開」などだ。
漫画『ドラえもん』では、「ジャイアン」といういじめっ子が「のび太」という同級生に対し、「のび太のくせに生意気だぞ」という台詞がよく登場する。これは、「のび太」がいじめられっ子としての「身分」を逸脱した行動をとっているという意味だ。
「障害者の親」という身分もある。そのイメージは「大変な苦労をしてきている人」「苦労に耐えているえらい人」というものらしい。障害児を育てている親が、気楽で贅沢な暮らしをしていてはいけないのである。
身分制度は「先の杖」的な発想に基づくものである。あらかじめ社会的地位によって人間を格付けし、それに基づいて人間のあるべき姿を規定する。そうすることで人々は格付けに頼って人間を判断することができ、コストの節約になる。
経済学の分析対象は、人間が起こした行動のインセンティブの部分であって、いい人か悪い人かということはほとんど関係ない。どんなにいい人であっても動機さえあれば悪いことをしてしまうというのが経済学の考え方なのだ。
「障害者は特別扱いしなくてはいけない」という空気があります。それはバリアです。心のバリアフリーという言葉も生まれました。障害者が健常者と対等な社会が作れたとしたら、それはもう人と人でしかないと中島隆信さんは障害者の経済学で書いてらっしゃいました。
— 三浦秀治 (@ennuihage) 2014, 12月 10
ラジオ番組で知った中島隆信『障害者の経済学増補改訂版』(東洋経済新報社)を読んだ。障害者差別について、差別は合理性に欠けるため、市場競争が激しくなれば自然になくなるとある。しかし、みんなが差別していれば、それがナッシュ均衡となり、変わらない。非正規雇用の低賃金などもそうではないか
— モギー (@hirokaneko1225) 2014, 8月 2
中島隆信『障害者の経済学(増補改訂版)』読了。話の本筋はとても勉強になる。但し、児童虐待増加説や家庭の劣化言説を支持していたり、ニートは若年失業者の側面が大きいのにも係わらず、それは言及せずに、子離れできない親と大人になっても自立できない未熟な子の問題のように認識していたりしてる
— 小林正和 (@kobayashi_masa) 2014, 3月 30
精神的な「依存」状態から抜け出すのは用意ではないが、「こだわり」を捨てるという仏教の考え方が参考になると思う。仏教は現世の苦しみからの脱却を目的とするが、その際苦しみの原因を「こだわり」と考える。
— ほっけ (@deschzyklus) 2019年7月28日
「障害者の経済学」より
好評につき、増補版や新版が出ています。
『障害者の経済学』
中島隆信
東洋経済新報社
この著者さん、好評既刊の
— 科学に佇むサンクコスト 📚 (@endBooks) 2023年4月9日
『障害者の経済学』
『お寺の経済学』
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