さーさるの独り言

さーさるの独り言

興味があること、面白いと思ったことを気が向いたときに。さーさるの独り言へようこそ。

本館よりすごい別館

ホテルのあるアレクサンドリアから地下鉄で約1時間(乗換え1回)、さらに路線バス(1時間に1本だけ)に揺られること十数分。やってきましたスミソニアン航空宇宙博物館の別館「スティーブン・F・ウドバー・ハジー・センター」。

場所はワシントン・ダレス空港の南側。写真右側のかまぼこ型の建物がメインの展示ハンガー(Boeing Aviation Hangar)。幅約75m、長さが300m近くあります。

10時の開館前に着いたら入口には開館を待つ子どもたちがずらり。

入館に際して手荷物検査がありますが、私が持っていたウエストバッグはノーチェックでした。

中に入って展示機が目に入ると、唖然とするしかありません。ハンガーの中はヒコーキだらけ。ヒコーキの実物がたくさん入ったおもちゃ箱をぶちまけたかのごとし。

すごいもんです。

このハンガーに展示されている数え切れないほどの展示機の中で圧倒的な存在感を示していたのはこの三機(私の主観)。

ロッキード SR-71 ブラックバード。

垂直尾翼にこのヒコーキを開発したロッキードの開発チーム「スカンクワークス」のロゴマークが描かれています。

次はコンコルド。

エールフランスの機体。通路をまたいで置いてあります。いやぁデカい。

最後は、ロッキード コンステレーション。

展示機は米空軍仕様ですが、本来は旅客機。世の旅客機がことごとくジェットに移行していく中、レシプロ機黄金時代の最後を飾る機種のひとつとなりました。3枚の垂直尾翼が特徴。

ボーイングB-29もすごい存在感を放っていたのですが、ここに展示されている機体は特別ないわくつきのやつなので選外としました。

さて、ウドバー・ハジー・センターにはもう一つ展示ハンガー(JAMES S. MCDONNEL SPACE HANGAR)があって極め付きの存在感を放つ一機が鎮座しています。

説明いりませんよね。

もう圧倒されます。ホンモノの迫力は凄まじい。

ふたつのハンガーを行ったり来たり、一階を歩き回ってみたり張り巡らされている回廊を歩き回ったり、5時間くらい居たのでした。屋内を一万歩以上歩いたのはたぶん初めて。

展示されているヒコーキの大半を写真に収めてきたので、「モケイとホンモノ」シリーズを再開できそうです。

 

レトロ街並みもう一つ

ワシントンDCの北西部にジョージタウンというエリアがあります。今は合併されてワシントンDCの一部になっていますが、イギリスの植民地時代にすでに都市として認められていて、タバコなどの流通基地として栄えていたんだそうです。

中心部にこんな古めかしい家があります。

その名もオールド・ストーン・ハウス。まんまですね。植民地時代の1765年に建てらた中産階級の家。ワシントンDCで最も古い建造物だそうです。

メインストリートはこんな感じ。

住宅街です。

壁に北斎。

何の変哲もない家ですが、

ジョン・F・ケネディが住んだ家。

どぉ~ん。

ジョージタウン大学です。前デジタル相河野さんの母校。クリントン元大統領もここのご出身だとか。

さて、階段です。

「エクソシスト」という映画がありました(1973年公開)。ホラー映画のはしりですね。少女に取り憑いた悪魔とその悪魔を祓おうと戦う神父。舞台になったのがここジョージタウンで、映画のクライマックスで神父が転げ落ちるのがこの階段。

でもぜんぜん覚えてないなぁ。覚えているのは、リンダ・ブレア演じる悪魔に取り憑かれた少女が、ものすごい形相であり得ない角度で首を回すシーンだけ。

エクソシストの他にヘルハウスとか、いくつか観たけどホラー映画は苦手だな、なんてことを考えながら、階段を降りて、駅までぶらぶら歩いて地下鉄でホテルに帰ったのでした。お腹すいたぁ。

 

いろいろあるよ

長いことスミソニアン博物館というのはワシントンDCにあるヒコーキの博物館だと思っていました。でも違うんですね。スミソニアン協会という組織が運営する19の博物館・美術館そして動物園と研究部門の総称なんだそうです。これだけたくさんあるのに、展示されているのは協会が収蔵する品の2%にも満たないんだって。ひぇ!

このうち、ワシントンDC中心部にある博物館・美術館は11。

そのスミソニアン協会の本部。

通称スミソニアン城。1855年の竣工で、現在修復工事中。

今回私が覗いてみたのは、国立自然史博物館と国立アメリカ歴史博物館のふたつ。

国立自然史博物館からいきます。

映画「ナイトミュージアム2」の舞台になった博物館です。入るとすぐアフリカゾウが出迎えてくれます。

お勉強にやってきた子どもたちがメチャたくさんいました。

恐竜はこの手の博物館のお約束みたいなものですね。

鉱物のエリアにはこんなのもあります。

おそらくこの博物館で一番人気の展示品。世界最大のブルーダイヤ、その名を「ホープダイヤモンド」。45.52カラット。

漬物石みたいな宝石もありました。

22,892.5カラットのトパーズ。1カラットは0.2グラムとのことなので、約4.5キログラム。ダンベルとして使えます。

次は隣りにある国立アメリカ歴史博物館。私はこっちが良かった。

アメリカ最古の蒸気機関車、ジョン・ブル号。

1831年英国製。

T型フォード。

1903年発売。生産台数1,500万台以上。今ではありえませんね。

ご存知のお二人?

こんなのもこの国の歴史のひとコマ。

クルマ好き、鉄道好きにはたまらない展示が盛り沢山でした。

半分弱の本命

わくわく。

やって来ました憧れの場所。

実は、今回のアメリカ旅行、行くか行くまいか悩みました。なぜかというと、本命のスミソニアン 航空宇宙博物館 本館がリニューアル工事中だからです。

公開しているのは半分弱。見ることができないヒコーキが数多くあります。フルオープンは2026年。どうしよう。でも、私の2026年の懐具合・時間の自由度・健康状態がどうなっているか皆目わからない(生きてないかも)ので、行っちゃえ。

で来ちゃいました。

ワシントンDC市内にある本館です。

昔からヒコーキ好きにとってワシントンのスミソニアンといえばここ。入館は無料ですが、ネットで予約(日時指定)が必要です(手数料不要)。

今(2024年11月18日現在)公開されているのはこれだけです。

内部です。スミソニアン航空宇宙博物館の紹介としてよく用いられるアングル。

中央のDC-3はイースタン航空で使われていた機体。

Xウイング。反乱同盟軍の戦闘機。

本物のわけはないですが実物大。迫力あります。

お次。こんなタイトルの展示室があります。

行き先は月。展示の主役は、人類を初めて月に運んだアポロ11号の司令船。意外と小さいです。

大気圏通過中の焼損跡がすごい。

ベル X-1。

えっ、なんでこんなところに!

つい先日まで別館に展示されていたはず。出発前に確認した別館の展示マップにもちゃんと載ってました。今回ぜひとも見たかったヒコーキの筆頭なのですが、2025年オープン予定の展示室に吊り下げられていました。保護シートに覆われて全貌を見ることができません。残念。

「EARLY FLIGHT」という展示室にあったリリエンタールのグライダー。

世界に現存する実物6機のうちの一つ。

さて、スミソニアン 航空宇宙博物館 本館展示物の白眉はこれでしょうね。

ライト・フライヤー(1903年)。

レプリカじゃありません。1903年に人類史上初めて動力飛行した機体そのものです。説明書きに「羽布を張り直したので新しく見えますがホンモノです」って書いてありました。

スミソニアンのすごいところは、展示物がことごとく「ホンモノ」であるということ。レプリカなんてケチなものは置いてません(たぶん)。それにしても、航空宇宙分野におけるアメリカの世界初(人類初)の多いこと。半分弱しか見られなかったけれど、来てよかった。

行動開始

到着翌日、さぁて行動開始です。はやる気持ち(ヒコーキ見に行きたい)を抑えてまずはワシントンDCの顔にご挨拶です。

ワシントン記念塔。

高さ169.2m。1848年着工、南北戦争で工事が中断し、完成は36年後。1899年以降、ワシントンDCではこの塔を上回る建造物を作ることが禁じられているそうです。この塔、登ることができます。無料ですが、ネットで要予約(予約手数料$1)。かなり人気があるみたいで、出発の前週に予約しようとしたら個人客向けの枠はいっぱい。ありゃ。

ところがです。団体(Large Group)向けの枠には空きがいっぱい。こちらで試してみたら人数が「1人」から入力できるではないですか。1名の団体で予約できちゃいました。当日も何の問題もなく入れてくれました。

視界を遮る高い建物がないので、塔の上からの眺めは最高です。

国会議事堂。

ホワイトハウス。

リンカーン記念堂。

ジェファーソン記念館(ドームがついている建物)。

橋がかかっているのがポトマック川。ジェファーソン記念館手前の池?がタイダル・ベイスン。この池周囲に植えられているのがかのワシントンの桜並木。

リンカーン記念堂近景。

リンカーン像。

ベトナム戦争戦没者慰霊碑。

ピーター・マーローの有名な写真「ベトナム」はここで撮られたんでしょうね。

キング牧師記念碑

周囲にはキング牧師の演説からの名文句が数多く刻まれています。

私の目にはどれも観光スポットですけど、アメリカ人、特に子どもたちにとっては社会見学の対象。先生に引率された子どもたちをあちこちで見かけました。

 

円安対策

日本に来て下さる皆様には天国、でも逆は......。出立時の為替相場は¥158/$くらいでした。アメリカ滞在中の出費(特に食費)をなんとかしないと大変なことになっちゃいます。ボケじじいの頭を絞って考えた円安対策は以下の通り。

  1. 朝食はホテルでお腹いっぱい食べる(ホテルは朝食付き)。
  2. 昼食は持参したカロリーメイト(および類似品)と水ですます。
  3. 夕食はスーパーで食材を買ってきて自炊またはデリの惣菜ですます。
  4. カフェの類には入らない。

アレクサンドリアの町ブラのあと、スーパーへ行っていろいろ買い込んできました。ビール半ダースとワイン赤白。驚いたのがハードリカーがなかったこと。バーボンは手に入らず。初日の晩ごはんはセルフサービスの惣菜コーナーで買い込んできました。

初日の晩ごはんです。

え~、ビール、ワイン、食べ物、どれもはっきり言ってまずい。ビールはローカルのIPA。期待していたのですが大外れ。ワインは安い($10前後)のを選んだら案の定外れ。でもビールとワインは5泊の滞在でちょうどなくなった(まずいからそんなに飲めない)ので経済効果はありました 😅。

ちなみに、この夕食、パンと飲み物除いて約$13(だいたい¥2,000)。$10に抑えたかったのですが無理でした。

旅行中、セルフの惣菜コーナーを2回、スーパー内のデリを1回、ステーキ用のお肉を買って部屋で焼いたのが1回です。1回だけ奮発してレストラン。

朝食初日はこんな感じでした。

一皿目でお腹いっぱい。二皿目は無理やり詰め込みました。この食べ方を2日続けましたが、3日目からは普通の量に戻しました。

食に関しては一人旅でよかったと思いました。連れがいたら大ひんしゅく必至です。

 

近場で足ならし

宿を取ったアレクサンドリアという町、ワシントンDCの観光情報を調べると、近郊の古都として必ずと言ってよいほど名前があがります。到着日午後の散策にちょうど良さそうな広さなので早速足ならしに出かけてみました。

ヘタクソな絵じゃなくて写真を載せます。

歩き出してほどなく古いトラックが置いてありました。いいですねぇ、実にいい。

レンガ造りの建物です。通り名の「KING ST」がメインストリート。

アレクサンドリアには18世紀から19世紀にかけての建物が千件ほど残っているんだそうです。こうした古い建物にはお墨付きのプレートが取り付けてあります。

よさげな町並みが続きます。

サックスを演奏しているおじさん。なかなかの演奏でした。

お店も良い雰囲気です。

Stabler-Leadbeater Apothecary という薬屋さん。1793創業。今は薬屋としては営業していなくて博物館。ハリー・ポッターのダイアゴン横丁にありそうなお店です。

スタバもレンガ造りの建物に。

KING STREET突き当りにはポトマック川の桟橋があり水上タクシーが走っています。

レンガ造りもう一枚。

アレクサンドリアができたのが1749年、首都ワシントンDCができたのが1790年だそうなので、首都より古くから存在していたんですね。おしゃれなお店もたくさんあり、野外席も気持ちよさそうなので、もう少し暖かい時期に来るのが良さそうです。

 

ねぐら確保

さて、20年ぶりのアメリカ。無事にすごせるかな。

イミグレーションはガラガラ。入国スタンプが廃止されていたのにはがっかりでした。キャリーケースを受け取ったらそこは一般エリア。あれ、税関検査って今はないんだ、と思ったら、入国審査で聞かれた「食べ物持ってるか」とか「ドル現金いくら持っているか」ってのは税関の質問を兼ねてたんですね、きっと。

ATMを探してドル現ナマを確保したら準備OK。まずはホテルに行くとしますか。

ホテルはワシントンDC郊外の町に取りました。市内のよさげなエリアは高いのです。場所はアレクサンドリア。ポトマック川対岸のバージニア州の町。ワシントンDC市内からは地下鉄で20分程です。

フロントで予約の旨を伝えると、昼前なのに私の部屋はもう清掃が済んでいるとのことでチェックインできました。なんとラッキー。荷解きして一休みです。

アメリカのホテルってのは無意味に広いですね。

間取りはこんな感じ。

フルキッチン付きです。円安対策の強い味方。

ここを拠点に一週間ワシントンDCを満喫するぞぉ。

 

 

 

忍耐のフライト

長時間のフライトはぜんぜん平気、というより好きでした。でも今回はちょっと違って忍耐の13時間。

そもそも席が中央列の真ん中(機種はB-787)。窓側席が定位置の私にとっては最悪の場所。おまけに両隣の方がぜんぜん席を立ちません(両隣1回ずつ立っていただきましたけど)。

照明が落とされた就寝時間(つまり真っ暗)が魔の時間帯でした。両隣のお二人とも、テーブルを広げてコップや本を出しっぱなしでぐっすり。私は最初の食事後、少し眠ってからはぜんぜん眠くならず、時間はたっぷり。いつもならここから好きなことをし始めるのですが、今回ばかりは手持ち無沙汰。

映画は約300本も用意されていましたが観たいと思うのはなく、本を読もうと思っても、読書灯がめちゃ明るいのでつけるのを憚られます。足元に置いたリュックから物を出そうにも狭くて身動きできません。フライト後半、機内の灯りがついてからは少し本を読むことができましたが、それ以外の時間は耐えに耐えました。

忍耐のフライトで食事はこんなのが出ました。

到着して降機したとき、今回ほどの開放感を味わったのは初めてでした。

旅日記

ここ数年、手帳はトラベラーズノートを使っています。この手帳、旅行用ノートみたいな名称ですけど普通の手帳です(ちょっと大きめ)。でも、旅日記として使っているユーザーさんが少なくないようで、特に絵日記ふうに使っている使用例を見て素敵だなぁと思ってました。

こんなふうに旅の記録を作ってみたい。よし、やってみるか。

最初にやったのはリフィル作り。純正の画用紙リフィル、水彩紙リフィルは440円もするので、ケチな私は自作します。100均のスケッチブック(実はマルマン製)を切って二つ折りにして表紙を付けて糸で仮綴じしておきます。全部で何ページになるか見当もつかないので、綴じていない紙を予備で持参。下写真はできあがったリフィルと予備の紙。

中表紙を描いてみました。

次のページは持って行くもの。チェックリスト代わりにします。

調べたことを書いたり貼ったり。中学生の修学旅行気分でなかなか楽しい。

出立時のいでたち。

次の投稿からは珍道中のあれこれです。

 


© Sarsalou, 2024
Header Background image by nhaataja from Pixabay. Thanks for the great image.