沖縄電力の本永浩之社長を招いた14日の県議会予算特別委員会では、石炭や石油など火力に9割以上を頼る沖電の電源構成を見直し、再生可能エネルギーの活用を進めるべきだとの意見が多く出された。2050年の脱炭素(カーボンニュートラル)実現へ、同社は目標値を引き上げ、30年度時点で05年度比30%の二酸化炭素(CO2)排出削減を実現する道筋を示している。
具体的に、一般家庭や事業所の屋根を活用した太陽光発電の導入や、石炭や石油に比べ低炭素のLNG(液化天然ガス)、県産のバイオマス燃料の活用などを通じた再エネ主力化とCO2排出削減を掲げた。ただ、計画では沖電側の企業努力のみならず、電力を利用する事業所や家庭など需要側の電化促進と、政策的・財政的支援が不可欠とも記している。
県内では原子力発電所がないことに加え、再エネのうち水力、地熱は地理的・地形的な制約から開発が難しく、大型の風力発電も極値風速の基準があり事実上設置できない環境にある。本永社長は「台風に耐えうる大型風車はなかなか世界にない。制度的、政策的な対応を一丸でやらないとブレークスルー(打開)につながらない」と強調した。
水素やアンモニアといったCO2を排出しない燃料も注目されるが、調査段階で実用化への道のりは長い。本永氏は「新しい技術は経済性と両立を図ることが大切で、社会実装させるまでに国の支援もいただき進めることも必要」とも語った。
(當山幸都)