沖縄県内で2023年12月に起きた米兵少女誘拐暴行事件で、16歳未満の少女へのわいせつ誘拐、不同意性交の罪に問われた米空軍兵長の被告(25)=嘉手納基地所属=の判決公判が13日あり、那覇地裁(佐藤哲郎裁判長)は、被告に懲役5年(求刑懲役7年)を言い渡した。「誘拐も性的暴行もしていない」として無罪判決を求めていた被告の訴えを退けた。佐藤裁判長は、被告の犯行について、「悪質さが際立つ」とし、被告から少女への謝罪などがない点も踏まえ「犯情は重く実刑は免れない」と指摘した。
佐藤裁判長は判決で、公判で証言台に立った少女の証言について、「不自然不合理ではなく整合的で信用できる」として、ほぼ全面的に認めた。わいせつ誘拐の罪に関しても、被告に当初からわいせつ目的での誘拐の意図があったかについても、「認められる」と指摘した。
一方、争点となっていた少女の年齢の認識については、指でのジェスチャーと英語と日本語で実年齢を伝えたとする少女の証言を「十分に信用できる」と指摘。「18歳と言った」とした被告の主張は退けた。被告から受けた性的暴行の被害の内容についても、少女の証言内容が「自然かつ合理的」と判示した。
被告は昨年12月、公園で面識のない16歳未満の少女にわいせつ目的で声をかけて車で自宅に連れ込み、性的暴行をした罪に問われていた。7月の初公判で被告は「私は無実だ。誘拐も性的暴行もしていない」と述べ、起訴事実を否認した。被害少女との間に性的行為があったことは認めたものの、少女への年齢確認で「18歳と認識」し、「性的交渉に先立ち意思確認を行った」などと主張していた。