ドラマ『あの子の子ども』 #05

さすがにこの回だけは、ただただクリニックの医師である野田役の板谷由夏の冷静な対応の中にある、温かさと優しさを感じるエピソードだった。

まず野田から福(さち)が妊娠5週後半から6週めであることが伝えられる。そこで野田は「川上さん、これだけは覚えておいてください。あなたがどんな選択をしても責める権利はありません」と迷うことなく言い切る。

この言葉が発せられた瞬間、福もそうなんだけど、我々視聴者がまず救われた瞬間だった。

そしてこのドラマでも「中絶は新しい命を奪う行為」というパワーワードが出てきており、別のドラマでも「殺した」というストレート過ぎる表現が出てくる。

でも高校生である福に対して野田は「それは今のあなたには必要な言葉ではないですね」と伝える。

野田という医師の言葉の一つ一つは、福に対してとても優しさをもって寄り添っていく。

ただ現実はどうなんだろうか。

ドラマとしてはこの回の野田医師の言葉は素晴らしいし、誰もが感動する言動でもある。

ドラマだからそれでいいのだろうけど、野田医師の対応の仕方がスタンダードだと感じてしまうと、現実はなかなか厳しいのではないか、と不安になった瞬間もあった。

 

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『マウンテンドクター』第3話

おかやまはじめさんの、狂気に陥る姿を映し、事情が分かったら裁判を取り下げるだけで、病院へも謝罪せず、山で会ってもお詫びの言葉さえ発しないことを演出するのは、ひたすらこの遺族は不遜な人々なんだ、ということなんでしょう。

そもそも母親が山で亡くなっているのに、娘が妊婦で山に登る不自然さ、そしてトリアージを自ら塗り替える行動を含めて、とにかくこんなにも不遜な人々がいるんです、ということを戒める脚本なのかもしれない。

確かに子供を優先させるためにトリアージを黒にして美談としたいのは分かるけど、それで子供に辛い思いをさせるのは、なかなか理解が及んでいかない。

加えてそれらの事情を江森は隠し通し、院長にも言わずにいた理由がまったくもって希薄であり、子供にも負担を強いる意味においても尋常ではない。

全てにおいて、高慢な人々を描き続けることが目的なのかと妙な気持ちになる。

「殺した」という言葉をずっと使い続けたり、不遜な人々を徹底して描き続けるドラマなんだ、ということがこの3話で理解できたので、これからどんなあり得ない人々と常識外な決断が出てくるのかが、ある意味楽しみになってきている。

 

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『西園寺さんは家事をしない』第3話

要所要所で出てくるコメディ要素が面白く普通に声を出して笑ってしまった。

これは原作というよりも、脚本、演出がうまいのだと思うし、この第3話は今までの2話とは異なり、脚本山下すばる、演出井村太一という方々が担当しているからこそだと思う。この二人の回はこれからも注目していきたいと思わせるエピソードだった。

ただ亡くなった妻の一周忌を妻の実家で行うのはちょっとよく分からなかったが、こちらとしては義母役の奥貫薫さんを見ることが出来たので、それはそれで良かった。ただ他にも楠見の親が不在等、どこかしっくりこない部分があったのも確か。

楠見はその義母との確執があったものの「息子」として解決の方向に進んでいるが、西園寺は実父とのあいだにかなり強い気持ちのぶつかり合いが存在する。メロン事案で一時的に解消した感じだが、根本的な何かは埋められないままだと思う。

この親子のギスギスした部分は、最後には必ず解決していくのが常なので、見ている者はそのいざこざに付き合わされていくことになる。そこが少し辛い。

この回では楠見の妻が病死だったと明かされたのだけど、楠見は妻瑠衣のことがこれからも忘れられないだろうし、今後西園寺さんと結ばれることはないような気がしている。

現実だと再婚に向かって動き出すのは普通だと思うのだけど、妻が亡くなっているドラマだとなかなか難しい。

となると、まずはカズト横井と付き合い始めて、でも私はやっぱり偽家族を進化させた家族の新形態にしたい!それこそ多様性!となるか、楠見がまた海外赴任となってしまうか。

いずれにしても、今期のドラマの中では、心がえぐり取られない良質なドラマなので、次も楽しみでならない。

 

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『南くんが恋人!?』第2話

脚本が岡田惠和なので安心して見ることができるんだけど、一方でお城に行くとか、チューしたいとか、実際チューしちゃうとか、そこがね、エロすぎるんですよ。

てっきり第一話でのキスは、大学生が高校生にある意味強引に同意なしに行った行為だ!許せん!と思っていたら、なんと今回ちよみから「これじゃあチューできないじゃん」という衝撃的な発言が!

そしてラストに「とりあえずチューしとこうか」「だな」「もう一回しとこうか、チュー」「だな」と連続わざ!

「だな」じゃねーよ、南のヤロー!

でも南が小さすぎ事案なのでよく分からずに終了でホッ。

今回岡田脚本だからなのか、そもそもエロ高め方針なのかはわからないけど、あんまりチューチュー言ってる話もなぁ。

個人的には飯沼愛ちゃんを見るドラマなのだけど、そこに武田真治、木村佳乃、加賀まりこ、沢村一樹と脇を固めてくる俳優陣はさすがで、武田玲奈ちゃんの怖さ満点の演技も光ってる。

そして予告編でまたチューを発見!ま、まぁ、いいんだけど、基本的にエロさ控えめでお願いします。

 

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『海のはじまり』第4話

やっぱり津野ですよ。津野くん。

ついに海ちゃんとの電話のシーンでほんの少しだけの登場のみ。

ただ、津野ですよ、池松壮亮ですよ。

絶望に打ちひしがれたあげく、ぐちぐち、ぐちぐち言ってるだけの嫌味な男だけじゃ、さすがに終わらないでしょ。

よってここから津野のターンになっていくと信じているわけです。

そもそもこの津野って、当初夏に対してのマウンティング男として登場し、水季母から嫌われている感じで「お母さんって呼ばないで」とか言われてる始末。

弥生や夏に対しても上から闘争心丸出しで毒のある言葉を投げかけてしまう男。そして図書館に勤める男。それが津野。

そしてついに30秒ぐらいの出演時間まで孤城落日ともいうべき、ていたらくな趣きを醸し出す、津野。

「海ちゃんのパパじゃないからかな、だって俺が定期的に血縁関係でもない6歳児に会いに行くって、かなり危ない人っぽいでしょ(後半意訳)」と電話で海に言っちゃう、津野。

でも、津野ですよ、池松壮亮なんですよ!

ただ実際津野が今後どうなっていくのかってなかなか予測がつかない。

水季が働いていた図書館。そこは水季と海、そして津野の関係性を築いてきた場所でもある。海も図書館が好き。

夏が海と一緒に暮らすとなった場合、海が転校せずに暮らすのであれば、夏が今の印刷会社を辞めて、図書館で働くという選択。

そして夏と津野の関係性が・・・怖い。

でも津野くん!君はこのままでは終わらないと確信しているぞ!

 

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