JR東海は、4月18日に「ひかり515号(700系16両編成)」の歯車箱が破損した事故について、浜松工場での解体調査結果と今後の対策を発表した。
歯車箱を解体調査したところ、破損(大歯車側)の他に、小歯車側にも破損が認められ、また、小歯車軸受や継手などにも傷があった。
このため、小歯車軸受のコロを保持する部品(保持器)が破損したことで、軸受のコロが脱落したと見られる。歯車箱の大歯車側の破損については、脱落したコロが歯車箱のすき間に入り込み、大歯車に噛み込んで、破損したと推定している。
小歯車側の破損については、小歯車軸受の保持器が破損したことにより、小歯車が振れ回り、歯車箱と接触したことで、破損したと見られる。各部品の取付状態、潤滑油の状況、検査記録表の内容により、同社のメンテナンス過程には問題ないことを確認しており、保持器本体側に欠陥があったと見ている。
保持器の破損原因については、製造メーカーで引き続き調査する。
同社では、調査結果を受けて同一ロットの小歯車軸受については、良好なものに取替を進める。取替までの間、小歯車軸受の健全性を確認するため、歯車箱の磁気栓検査と油分析を実施、同じような事象の発生を未然防止する。