文部科学省は2024年12月24日、「被災地学び支援派遣等枠組み(D-EST)」の最終まとめを公表した。これは、2024年能登半島地震を教訓に、今後の大規模災害に備え、被災地における学びを確保するための教職員等の派遣枠組みを構築するものである。
2024年能登半島地震では、校舎や教職員が被災し、多くの学校が避難所として開設された。この状況に対応するため、文部科学省は被災した学校施設の危険度を判定する応急危険度判定士等の職員を派遣し、被災地外の地方公共団体の協力を得て、学習指導や夜間の生活指導を行う教職員や心のケアを行うスクールカウンセラーを派遣した。また、被災地外の5県からの教職員等で構成される「学校支援チーム」の派遣により、被災地における学びの継続や学校の早期再開を支援した。
これらの取組みを踏まえ、今後の大規模災害に備え、被災地の子供たちの学びの継続や学校の早期再開のため、被災地の支援ニーズの積極的把握や学校支援チームとの連携をさらに推進し、被災地外から教職員等を派遣する枠組み「D-EST」の構築に向けた「中間まとめ」を8月に取りまとめた。その後、9月の奥能登地域での豪雨に際してD-ESTの一環としての派遣支援を行い、学校支援チームを設置する5県との意見交換を重ね、「中間まとめ」で検討課題とされた論点について情報収集や検討を実施し、今回「最終まとめ」を取りまとめた。
D-ESTの構築は、(1)文部科学省から被災地への職員派遣、(2)被災地外から被災地への学校支援チームの派遣、(3)文部科学省の調整による被災地外から被災地への応援教職員及びスクールカウンセラーの派遣、の3つの取組みを柱として進められる。
「最終まとめ」として取りまとめた取組みをさらに実質化するため、引き続き、研修・訓練を含め実践を重ねるとともに、関係機関との意見交換も行いながら、災害時の迅速かつ的確な対応に向けて、取組みの強化、充実を図るという。