ルパン三世vs複製人間でそのことを疑問に思って調べたところ、「キャプテン・フューチャー(小説1966)」、更に brain in a jar? なる小説が戦前に存在したらしいところまで行き着いたのですが、それ以上さかのぼれず…。
このようなモチーフの元になった文学もしくは思考実験等、どなたかご存知の方がいたらぜひ教えていただきたいです。
できれば、それが元祖だと思う理由も付け加えてもらえると嬉しいです。
よろしくお願いいたします。
1929年と言えば、みんなが知っているクラーク的SFビジョンのオリジンとして有名なジョン・デズモンド・バナールの"The world, the flesh, and the devil" http://http://vserver1.cscs.lsa.umich.edu/~crshalizi/Bernal/
が書かれた年でもあります。
これでも脳だけ取りそうぜというアイディアを提唱していますね。
マブラヴ オルタネイティヴの頃に調べかけて諦めました。戦前までさかのぼったのはすごいですね。
ギロチン - Wikipedia
1956年に議会の依頼によってセギュレ博士が実験を行なっている。この実験では瞳孔反応と条件反射を確認したが、斬首後15分は反応があったとする報告を行なっている。
合成脳のはんらん (昭和42年) (SF世界の名作〈25〉)
が昭和42年には日本に紹介されているので、この実験結果が何らかの影響を与えたのではないかと思っていました。
さっそくありがとうございます!なるほど、斬首実験から、というのは興味深いですね、、その線は考えてませんでした!
手塚治虫御大のブラックジャックとかいっぱいあった気がしますけど…。
ブラックジャックは戦前の漫画じゃないよ。
ありがとうございます!その頃にはメジャーなモチーフになってたんですね~
生きている脳。
ドウエル教授の首。
この辺かな?
ありがとうございます!「ドウエル教授の首」が1925年で、脳だけでなく首だけで~としては今までの中で一番古いですね
1940年(昭和15年)のソ連の実験が古いですね。
http://en.wikipedia.org/wiki/Experiments_in_the_Revival_of_Organisms
http://www.thelivingmoon.com/45jack_files/03files/Russian_Experiment_Dead_Dog.html
「ジェイムスン教授シリーズ」も原作は古い(1930年代~)です。
「キャプテン・フューチャー」も同じく1940年です。
http://dic.nicovideo.jp/a/%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%82%B9%E3%83%B3%E6%95%99%E6%8E%88
http://robot.watch.impress.co.jp/cda/column/2007/09/28/668.html
古くは1940年代のSF『キャプテン・フューチャー』に出てくる「サイモン・ライト」だ。高名な科学者だったが、自分の死期を悟り、脳だけを摘出、以後は透明金属の箱の中の培養液で生きている。
断首刑 (さらに古い話)
http://ura.sakuraweb.com/ura/gomon_04_13.htm
おお、ありがとうございます!
ジェイムスン教授シリーズの原作が、今のところ一番古い脳だけモチーフとしてかなりいい線いってますね!
(ちなみに、攻殻機動隊の「ジェイムスン型アンドロイド」ってここから来てたんですね!)
Wikipedia まんまで、恐縮ですが。
1812 -- Julien Jean Ce'sar Le Gallois (a.k.a. Legallois) put forth the original idea for resuscitating severed heads through the use of blood transfusion.
http://en.wikipedia.org/wiki/Isolated_brain#History
「脳だけになって生きている」というよりは、「血液を送っていれば、単体でも生き続けるのではないか」ということらしいです。
リンクをたどると、Google Books で著作が読めるのですが、フランス語... ┐(´ー`)┌ サッパリ
Exp駻iences sur le principe de la vie: notamment sur celui des mouvements du ... - C駸ar Jules Joseph Le Gallois - Google Books
、19世紀前半にフランスの生理学者ルガロア(1770-1814)が、「自然由来であれ、人工物であれ、自らの心臓に代わる心臓を得て、血液を送り続けることができれば、体のどの部分でも永遠に生き続けさせることが可能だろう」と記述したのが最初といわれる。
http://challengers.terumo.co.jp/challengers/21.html
延髄に呼吸中枢がある事を発見したのは、パリ、ビセートル病院のルガロア(Julien Jean Cesar Legallois, 1770-1814)で、ウサギの脳破壊実験の結果を1811年の著作に発表します。
http://homepage3.nifty.com/sinkei/history1.htm
...
ルガロアは、死すべき生物の心臓の代わりに、人工的に心臓を動かしつづける事ができれば、永遠の生命を得られるのでは、とも考えました。
つまり人工心臓のアイディアの元祖です。
「切り離してみた」のは、これが最初らしい。
1836 -- Astley Cooper showed in rabbits that compression of the carotid and vertebral arteries leads to death of an animal; such deaths can be prevented if the circulation of oxygenated blood to the brain is rapidly restored.
http://en.wikipedia.org/wiki/Isolated_brain#History
リンクをたどると、ここにたどり着きます。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1363110/pdf/jphysiol01296-0122.pdf
同じページの、こちらのセクションも。
In Alexander Beliaev's novel Head of Prof. Dowell (1925), Professor Dowell discovers a way of keeping heads of dead people alive and even to give them new bodies. After his death Dowell himself becomes a subject of such an experiment
http://en.wikipedia.org/wiki/Isolated_brain#Isolated_brains_in_fiction
記載されている中では、"Head of Prof. Dowell" が一番古いみたい。
The Mi-go aliens in the Cthulhu Mythos of H. P. Lovecraft, first appearing in the story "The Whisperer in Darkness" (1931), can transport humans from Earth to Pluto (and beyond) and back again by removing the subject's brain and placing it into a "brain cylinder", which can be attached to external devices to allow it to see, hear, and speak.
http://en.wikipedia.org/wiki/Isolated_brain#Isolated_brains_in_fiction
クトゥルーにもあったらしいが、読んだ記憶がない。
キャプテン・フューチャーにも、ジェイムスン教授にも触れられていないので、片手落ちな気はするんですが。
『SF百科図鑑』を見てみると、
ジョージ・バーナード・ショーは1929年に、天才が死に至る病にかかった時には、頭脳を摘出して生かすようにすべきだと提案する。ショーのこのアイデアはソ連の外科医が犬の頭脳を摘出し、人工循環機を用いて数時間生かしておくことに成功したという話にヒントをえたものであった。
とあります。ショーの発言ということで、このコンセプトは一般に広まったことでしょう。
で、その前後にこのテーマの作品が大量に書かれているようですね。1928年のホットトピックだった的な印象を受けます。
SF百科図鑑の文書とは、ニュアンスがちょっと違いますが、こんなのが落ちてました。
Brukhonenko's severed dog head became the talk of Europe and inspired the playwright George Bernard Shaw to muse, "I am even tempted to have my own head cut off so that I can continue to dictate plays and books without being bothered by illness, without having to dress and undress, without having to eat, without having anything else to do other than to produce masterpieces of dramatic art and literature."
http://www.museumofhoaxes.com/hoax/Top/ecomments/4736/
1929年と言えば、みんなが知っているクラーク的SFビジョンのオリジンとして有名なジョン・デズモンド・バナールの"The world, the flesh, and the devil" http://http://vserver1.cscs.lsa.umich.edu/~crshalizi/Bernal/
が書かれた年でもあります。
これでも脳だけ取りそうぜというアイディアを提唱していますね。
遅くなりましたが、
脳だけで生きる状態を主題として明確に書いている(かつ水槽の中に浮かんでいる、というステレオタイプの原型でもある)点から、匿名回答6号さんによるバナールの"The world, the flesh, and the devil"(1929)をベストアンサーに選出したいと思います。
(『火星のチェス人間』(1922年2月)のカルデーンは、部分的に脳だけの状態への言及はありますが、それが主たるテーマではないという点で次席とさせていただきました。)
ありがとうございました!!!
それにしても、こんなに反響があるとは正直驚きでした。
もしかしたら更に古い情報があるかもしれませんが、今回はここまでということで。
とてもおもしろく拝見させていただきました。
皆さん本当にありがとうございました!
起源や元ネタも何も生きていてふとそういう事を思う時がありますでしょ。ない人もいるでしょうけど。
想像力があるのか無いのかわからん回答だな。
クトゥルフ神話の闇に囁くものは1930なので最古ではなさそう
古代エジプト人は、
脳は鼻水を作る器官だと思って、ミイラを作る時には
取り出してしまっていて、
魂は心臓に宿ると、考えていました。
ミイラからは、内蔵を取り出してしまってますけど、
心臓は残しているので、
「魂が宿る器官が、永遠に生き続ける」という発想は、
古代からあったと思います。
おそらく『火星のチェス人間』(1922年2月)のカルデーン(脳だけの生き物)とライコール(胴体だけの生き物)でしょ。
キャプテン・フューチャー(1940年)のグラッグや、ドノヴァン博士の脳髄(1953年)よりもずっと古い。
カルデーンは脳だけというより頭だけの生き物です。
http://www.princess.ne.jp/~erb/mars05bb2.html
たくさんのご回答ありがとうございます!
こんなに注目が集まるとは!皆さん好きですね〜。
やはり「脳だけ」ではなく「首だけ」のものの情報が多いですね。
ソ連の実験とバーナード・ショーの発言も、英語の文献側では「脳」ではなく「頭」という表現になっているようです。
バナールの"The world, the flesh, and the devil" (1929) 、The
Freshの章を軽く読んでみましたが、まさに!という感じですね。科学者が未来予想として「脳を液体で満たした筒に入れて、、」と詳細に言っているあたり、かなり原典感があります。
https://www.marxists.org/archive/bernal/works/1920s/soul/ch03.ht...
『火星のチェス人間』(1922年2月)のカルデーン、私も最初は「脳だけ」じゃなくて「首だけ」じゃん、と思いました。
ただ、軽く読んでみると「遠い未来において、わが種族は目も耳も無い脳だけの存在に進化するだろう(意訳)」という記述があり、感覚器官の無い脳単体の存在をシミュレートしている点で、これも「脳だけ」のケースにカウントしていいかと思います。
http://books.google.co.jp/books?id=jqErB8GM8UoC&lpg=PT40&ots=bmj...
エジプト人の例からの考察、かなり興味深いですが、今回は「人工的に物理的に生かす」というケースに限定させてください。
ということで現段階出ているものでまとめますと、
「ビーカー的なものの中で液体に浮かべて」というステレオタイプの原典は、
ジョン・デズモンド・バナールの"The world, the flesh, and the devil"(1929)
感覚器官の無い脳だけで存在している状態をシミュレートした、という意味では、
『火星のチェス人間』(1922年2月)のカルデーン
(作中のカルデーンは頭だけだが、その発言の中に「脳だけ」の状態への言及がある)
ということになりますね。
もしこれ以上古いものが出なければ、上記どちらかをベストアンサーにしたいと思います。
(液体に浮かべた脳、というイメージに直接マッチするものはバナールのものですが、火星のチェス人間の例も、その思想の萌芽という意味では捨てがたいですね。。)
H.G.ウェルズが〈ペル・メル・ガゼット〉という雑誌の1893-12-09号に載せた "The Man of the Year Million" と題する科学エッセイに、ダーウィンの進化論を敷衍して人間は究極的には脳と手だけになると論考ありとのこと。タコ型火星人の根拠ですな。
石ノ森章太郎先生の『サイボーグ009』のブラックゴーストの正体が、ルパンのクローンには一番近いように思えます。
遅くなりましたが、
2014/07/29 09:44:03脳だけで生きる状態を主題として明確に書いている(かつ水槽の中に浮かんでいる、というステレオタイプの原型でもある)点から、匿名回答6号さんによるバナールの"The world, the flesh, and the devil"(1929)をベストアンサーに選出したいと思います。
(『火星のチェス人間』(1922年2月)のカルデーンは、部分的に脳だけの状態への言及はありますが、それが主たるテーマではないという点で次席とさせていただきました。)
ありがとうございました!!!
それにしても、こんなに反響があるとは正直驚きでした。
もしかしたら更に古い情報があるかもしれませんが、今回はここまでということで。
とてもおもしろく拝見させていただきました。
皆さん本当にありがとうございました!