ぴろりのくせになまいきだ。

世間に平和はおとずれなぁい

キーボードの音響に関する考察

はじめに

最近設計したこちらのキーボードですが、見た目もそれなりにこだわりましたが、音をいかにコントロールするかも大きなテーマでした。
piroriblog.hatenablog.com

何が正解かはいまだによくわかりませんが、過去に設計したキーボードの知見もあわせて、音をコントロールするための方針のようなものはなんとなく理解できてきたような気がします。
いったん、このキーボードを設計する際に考えたこと、および、得られた知見について備忘録も兼ねてまとめておきたいと思います。

めちゃくちゃ長くなってしまったので、3行でまとめると、

  • 音を発するものの表面に何が配置されているかで音色が変わる、という説明が成立しそう
  • どのパーツが鳴っているかを特定して対策を行うのがよさそう
  • 結局スイッチをセットしてキーキャップをつけて打鍵してみるまでよくわからん

となるかなと思います。煮え切らない結論ではありますが、組み合わせが多く、さらに好みの問題もあるため、打鍵音については一概にこうしたらよくなる、というものはないと考えています。
とはいえ、何をどうすればよいかというのはだんだん見えてきたように思いますので、やや長いですが興味がある方は読んでいただければと思います。

専門用語等の解説がほとんどありませんので、手前味噌ではありますが、下記の記事も参照していただければと思います。
piroriblog.hatenablog.com

底打ち音の発生過程について考える*1

前提として、底打ちで発生する音についてのみ考えるとします。
まず、底打ちで発生する音のみについて考えるとします。
キーボードにおける音(底打ち音)の発生源について考えると、以下の過程に分けて考えておおよそ間違いがないと考えています*2。

  • ステムとボトムハウジングの衝突によるパルスの発生
  • パルス音の放射およびパルスの伝播
  • 空気中への放射

まず、ステムとボトムハウジングが衝突して、所定の周波数分布を持った振動(パルス)が発生すると仮定します。
その振動が、一部空気中に放射されてパルス音となり、残りは、スイッチに接触するパーツに伝わって、加振されたパーツが振動して、それが最終的に空気中に放射されて、音として認知できる、という流れになるといえます。
一つここで重要な点は、振動が発生しても、空気中に放射されない限りは音として認知できない、という点です。
非常に当たり前の事実なのですが、何かしらの方法で空気中に放射される前に振動を減衰させれば、減衰させた周波数の音は聞こえなくなる、ということになります。

この点を踏まえて、上記の過程について考えてみたいと思います。

また、ステムとボトムハウジングが衝突した瞬間の非常に短い音を「衝突音」とし、
衝突音に続く主として聞こえるやや短めの音を「主音」とし、
主音のあとに続く長く続く音を「残響音」と呼ぶことにします。

よく界隈で言われるような「コトコト音」を分解すると、「コ」の最初の部分が「衝突音」にあたり、「コ」の母音部分が「主音」にあたるといえます。また、後述する戻り音が「ト」にあたるといえます*3。
なお、残響音は通常鳴らないように工夫される場合が多いため、理想的には鳴らない方が良いと言っても差し支えないでしょう。
以下、各過程について考えてみたいと思います。なお、戻り音については底打ち音の説明をした後で説明します。

ステムとボトムハウジングの衝突によるパルスの発生

ステムとボトムハウジングの衝突によって生じるパルスは、こちらで論じた通り、スイッチに使われる素材によって変化するといえます。
piroriblog.hatenablog.com

また、ステムの先端の形状によって、生じるパルスに変化があることもこちらで論じています。
好みのキースイッチを探すための道しるべ - ぴろりのくせになまいきだ。

ここで生じるパルスの特性がその後の音に影響を及ぼすと言えるため、スイッチにおいて発生する音は重要な要素の一つといえます。
後述するようにここで発生したパルスの一部は、パルス音として放射されます。
この放射されたパルス音こそが「衝突音」であると考えています。

キーボードの本体側で音をコントロールできる要素ももちろんありますが、打鍵音の根源ではあるため、スイッチの要素はかなり大きいと考えています。
なお、シリコーンゴム等のクッションによって消音化を図るサイレントスイッチにおいては、上記のパルスの発生を小さくし、衝突音(パルス音)、およびその後の音も小さくすることができるといえます。

パルス音の放射およびパルスの伝播

ステムとハウジングの衝突で発生したパルスは、一部がパルス音(衝突音)として放射され、残りが他の部材に伝播していくと考えられます。

パルス音に関しては、上述したように、パルスの性質によって音が変化するといえます。
あくまで私の経験則的なものではありますが、ステムの先端が平らであるものは、衝突音が高くなりやすい傾向にあると考えます。
この際たるものは、ステムの先端ではなく、その他の部分がステムハウジングに衝突する「クラシカル」なスイッチであり、比較的高音が鳴るように思われます。また、Gateron社のCAP構造のスイッチ*4についても同様であると考えます。
余談ですが、磁気式スイッチの音に関しても、接地面積が広い構造である場合が多く、やや高音の「軽い」音になりやすいものと推察しています。

さて、発生したパルスですが、スイッチ以外の構成に伝わっていくことになるといえます。
ここで、当然と言えば当然ですが、スイッチに触れているものから順に音が伝播していくと言ってよいでしょう。
キースイッチの下側について考えると、PCBがあり、キースイッチの横にはスイッチプレートがあり、キースイッチにはキーキャプが取り付けられています。
これらのパーツが発音体となるのであれば、これらのパーツの形状、素材等は発せられる音に関係があるといえます。
ただし、上述したように、「衝突音」(パルス音)自体*5はスイッチの素材および形状に依存する可能性が高いため、これらのパーツを調整したとしても調整しにくい音であると考えます。

また、スイッチプレートに接触するパーツであるケース等にもパルスが伝播するといえます。

これらのパルスの伝播は、振動を吸収するものが間に存在していれば妨げられると考えられます。
例えば、ガスケットマウントと呼ばれるマウント方式においては、スイッチプレートとケースとの間にスポンジが配置されますが、スポンジ自体はほとんど振動を伝播させずに自身の変形等で吸収してしまうといえます。
そうすると、ガスケットマウントのキーボードにおいては、スイッチプレート、PCB、スイッチ、キーキャップで構成されるアッセンブリがケースから音響的に分離され、アッセンブリ内でのみパルスが伝播すると考えられます。
結果として、ガスケットマウントのキーボードにおいては、音に対する影響度が、アッセンブリを構成するパーツに依存しやすいと考えられます。

また、PCBとスイッチとの間にフォームを配置すると、パルスの伝播が妨げられる方向性に作用すると考えられます。

空気中への放射

上記のパーツが加振されたあと、それが空気中に放射されて初めて音となります。
これらのパーツの加振によって放射される音が「主音」を構成すると考えられます。

例えば、スイッチプレートにポリカーボネートを使うと、やや低めの音が鳴りやすいとされ、スイッチプレートに炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を使うと、やや高めの音が鳴りやすい、とされます。
また、キーキャップとして、背が高いキーキャップを用いるとやや低音が強調されやすいともされます。加えて、キーキャップとしてセラミック製のキーキャップ、または金属製のキーキャップを使うと、低音が鳴りやすいとされます。

他にもPCBとスイッチとの間にスイッチパッドと呼ばれるクッション等を配置すると、音が変化するとされています(以下、"PE form mod"とも称します。)。
さらに、有名なmodとして、PCBの裏側に粘着テープ貼る"tape mod"も知られています。
参照動画:
youtu.be

経験則的にこれらの事実は正しいと思っていますが、パーツが複数あるうえ、マウント方式等によっても最終的な出音(主音)が左右されるため、議論が発散しがちで、統一的な見解までは得られていないと考えています。
今回は、可能な限りスイッチ以外の音に関係する部分について議論してみたいと思います。

各パーツの話に入る前に、板状の物体から音が発せられる際の音の傾向について考えてみたいと思います。
種々の文献を参照しましたが、大まかな傾向としては、以下の論文が参考になると考えました。
Hiroyuki Yano, "木材と感性 2.聴感覚と木材", J.Soc. Mat. Sci., Japan, Vol.46, No.8, pp. 996-1002, 1997(URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsms1963/46/8/46_8_996/_pdf )

実際には、板の大きさ、厚み等の形状の要素、固定方法等も影響するため、一概には言えないのはその通りですが、これらの条件がおおよそ同様であるとすると、上記のように材料に由来して音色が変化するといえます。
経験的にわかりやすいこととして、金属板は高音成分も鳴りやすいのに対して、プラスチック板はあまり高音成分が鳴らず、低音成分が目立ちやすいといえます。

ここで、上記の文献で注目すべき指摘は、「6・4 複合積層等による音響特性の改善」の記載です。
この項目の指摘を見ると、異種材料を積層した際には、積層対全体の比剛性を調整でき、それによって音響特性が調整できる、とされています。
実際のキーボードのアッセンブリは積層構成であると言ってよいと思うので、大いに参考になる記載だと考えます。

また、音は物体の表面から放射されます。そうすると、表面に何が配置されているかも重要であるようにも思えます。
これに関しては、楽器作りにおいて、音響板の塗装によって音質が変化するという記載が散見され、古くから検討が行われているようでした*6。
よって、積層構成のアッセンブリにおいて、何が積層されているかということと同時に、何が最も空気側に配置されているか、ということも重要であるといえます。
厚さ0.5 mmに満たない塗膜でさえこのような影響があるのだから、仮に厚さ0.5 mmの何かを表面に配置したら、その配置したものの影響を大きく受けることは想像に難くないといえます。

ということで、以下では各パーツが鳴っていると仮定した際の影響について考えてみたいと思います。

スイッチプレート

まずは話が簡単そうなスイッチプレートからです。
スイッチプレートは、おそらくその素材および厚さによって発せられる音が決まるといってもおおよそ差し支えないと思います。
youtu.be

実際にはここにスイッチが刺さるため、厳密にはわからない部分もありますが、おおよそこの傾向となるといってよいと思います。
すなわち、金属ではやや高めの音、プラスチックではやや低めの音が鳴ると考えられます。

ケース

2番目に話が簡単なケースについてです。
ケースは、マウント方法によっては振動がもろに伝わってきますので、ケースが鳴っているという場合もそれなりに多くあります。

ケースに関しては、それこそ素材と、形状が主な制御ファクターになると考えます。
素材として音が鳴りやすいもの(例えば木材)にすれば大きな音が鳴るし、プラスチックにすれば、厚みにはよりますが低音が鳴りやすいといえます。
また、形状によって音が鳴りやすい場所ができてしまう場合があると認識しています。
例えば、底面等の面積が広い場所においては音が鳴りやすく、それを解消するためにウェイトがつけられる場合があると認識しています。
音響のために形状を調整するには、おそらく有限要素法等によって加振した際に振動しやすい箇所を特定する、といった方法がありそうです。

金属ケースで上記のようなウェイトによる対策をしない場合には、長く残る残響音が発生する場合があるといえます。

PCB

おそらく一番話が面倒なのがこちらです。
まず、大前提として、最初の振動の発生源であるところのスイッチのボトムハウジングに接しているのはPCBです。
よって、振動が最も伝わりやすいのはPCBである、という主張は比較的受け入れられやすいと考えます。
加えて、パーツの中で最も穴が少なく、板状に近いのはPCBですので、振動の伝わりやすさも含めて、PCBから比較的大きな音が鳴っている、というのもおおよそ間違っていない指摘だといえます。

まず、PCBの形状的なパラメータについてですが、一般的に、PCBは1.6 mm厚のものが標準として使われますが、場合によっては1.2 mm厚のものも使われます。
また、PCBをたわませて打鍵時の衝撃を吸収する目的で、スリット(フレックスカット)が入っているものも見受けられます。
これらの形状的なパラメータは、ケースの話と同様に、放射される音の周波数に影響があると考えられます。
経験則的な話ではありますが、スリットが入っているPCBの方が音量が控えめになる傾向があると考えます。
板厚については、基本的に厚い方が低い音が鳴るはずです*7。

次に、PCBの裏側にテープを貼る”tape mod”について考えてみます。
tape modを行うと、主に高周波成分がカットされる、という傾向にはあるようですが、これに関してはテープ自体が振動する膜となって吸音しているのだ、という主張を見たことがありますが、納得しきれない部分が少しあります。
私の私見ではありますが、tape modによる効果は、発音体の表面に塗装を行っているのと同様の効果によるものではないかと考えます。すなわち、表面に柔らかめの高分子材料を配置すると、その高分子材料内で高周波成分の吸収が発生し、結果として放射される音が低音寄りになる、というものであると考えます。
そうすると、PCBの裏側に密着して配置するものを変更すれば、全体の弾性率や、内部に配置されるものの影響を受けるにせよ、その配置したものに応じた音が発生するように思われます。

さらに、"PE form mod"で何が起こっているかについても議論してみたいと思います。
どのような効果があるかについては、先ほどの動画でもあった通りですが、他の動画でも同様の音の傾向になることが確認されています。
youtu.be

先ほど述べたように、振動の発生源はスイッチです。
ここで、仮に音が鳴るメインのパーツがPCBであるとすると、振動の発生源であるところのスイッチと、音が鳴るメインパーツであるところのPCBとの間に、振動をフィルタするものを入れると、PCBに伝わる振動が変化し、結果として鳴る音が変化する、というのは納得できそうです。
また、振動の発生源のすぐ近くにPE formが配置されるため、フィルタの効果が強く、PE formを介して出力される振動が似たようなものとなり、どのようなキーボードであっても、よほどPCBの形状が異なる等の事情がない限りは似たような音となる、という説明は成立しそうな気がします。

すなわち、PE formはフィルタとして機能している可能性が高い、という推論はある程度受け入れられそうに思います。

一方で、上記の推論について検討してみると、以下のような反論はありそうです。
それは、PE form modで効果があるなら、スイッチパッドと呼ばれる製品をPCBに貼った場合にも似たような効果があってしかるべきだが、思ったより効果が薄くないか? ということです。
確かに、PE formを敷くのと、スイッチパッドを用いるのとでは、PE formの方が音質に劇的な変化をもたらしていることがわかります。
参照動画:
youtu.be

これはあくまで憶測にすぎませんが、材質の影響もある可能性が多少はありますが、PCBを被覆しているか否かもポイントなのではないかと思います。
PEフォームは独立気泡のフォームであることが多く、遮音率が高いため、PCBからスイッチプレート側に特定の周波数帯の音が抜けにくいことも影響しているように思われます。

結果として、PE form modでは音質に大きな変化が現れると推測できます。

キーキャップ

キーキャップはステムに直結されているパーツとなりますので、ステムから振動が伝わり、キーキャップから音が放射されるといえます。
同じスイッチにプロファイルの異なるキーキャップを取り付けて、スイッチとキーキャップだけで打鍵してみると、かなり異なった音が鳴ります。
また、底打ちの音だけでなく、戻りの音にも影響が大きいことがわかります。

キーキャップについては、基本的に厚く、重い素材ほど、低い音が鳴りやすい、という傾向にあると考えます。
また、背の高いプロファイル(例えばSAプロファイル)の方が低い音が鳴りやすいといえます。これは、定規を机に当てて先をはじいた際に、机からはみ出ている部分が長い方が低い音が鳴る、ということと根本の原理は同じだと考えています。

ここで、セラミックとか金属とかの方がより高音が鳴りそうな気もします。
実際に、セラミックのキーキャップ同士を衝突させると、「チン」という高い音が鳴るのを見たことがあります。
そのような高音が鳴らないのは、ステムとボトムハウジングの衝突で生じるパルスにおいては、そのような高音を鳴らすような周波数があまり含まれていないからだと考えます。

フォーム

音の調整を目的として、PCBの下、PCBとスイッチプレートの間にフォームが配置されることがあります。
フォーム自体は振動して音をほとんど発しないため、吸音を目的として配置されるといえます。
また、フォームは空気を多く含むため、仮にPCB等と密着して配置されていたとしても、ほとんど空気としてふるまうため、PCB自体の振動を止めるような効果はあまりなさそうと考えます*8。

よって、フォームは、鳴ってしまった音を吸収する、という役割があると考えます。
すなわち、フォームは対処療法的な音の調整方法であって、必ずしも万能ではない、ということです。

例えば、フォームによって空間を埋めると、音が内部で反響しにくくなり、「コォォォォン」という音が「コン」という音になる、という効果があると思われます。
音色の変化というよりは、基本的に残響音の抑制に効果がある、という認識です。

一方で、空間を埋めれば何でもよいか、というと、必ずしもそうでもないとも思っています。
具体的には、空間の内部で音を鳴らす場合、すなわち、ケース内で音を鳴らす場合には、ケース内の容積が少ないと、低音成分が十分に増幅されない、ということも十分に考えられます*9。

また、フォームで空間を埋めると、特有の「ミュートされた感」がある音が鳴ると感じています。
好き嫌いの問題ではありますが、個人的には、響きがなくなってしまうのであまり好みではありません。

加えて、フォームがつぶれるように押し付けてフォームと部材を密着させると、フォームに接触している部材の制振効果がある一方、フォームに接触している部材からの振動が、フォームを介して別の部材に伝わるようになるようにも思っています。
つまり、上記のような状態はフォームに圧力がかかるように2つの部材で挟む形になりますので、そのようにすると、2つの部材を制振する効果があるとともに、一方の部材からもう一方の部材にフォームを介して振動が伝わる状態になると考えています。
フォームを圧縮しているとしていないとでは、かなり音の性質は異なるといえます。

戻り音の発生過程について考える*10

スイッチは押し下げるとバネの反発力によって元の位置まで戻ります。
この際、ステムとトッププレートが衝突し、音(戻り音)が発生します。
最近購入したスイッチで、戻り音が気になるものがあり、音の印象をかなり左右していることにこの記事を書いた後に気づきましたので、追記した次第です。

基本的な考え方は底打ち音の発生と同様であるといってよいと思います。
すなわち、以下の過程で戻り音が発生しているといえます。

  • ステムとトップハウジングの衝突によるパルスの発生
  • パルス音の放射およびパルスの伝播
  • 空気中への放射

また、基本的な考え方も底打ち音と同様であるといってよいと思います。
底打ち音と違うのは、音の根源である衝突が、ステムとトップハウジングの間で発生する、という点です。

ボトムハウジングの場合には、最も近いパーツがPCBであると説明しましたが、トップハウジングの場合には、すぐに空気があります。そうすると、トップハウジングで発生したパルスは、すぐに空気中に放射されるようにも思います。
よって、よりスイッチの特性の影響を受けやすいと考えられます。

また、ステムとトップハウジングに近いパーツは、スイッチプレートとキーキャップになります。
底打ち音のときよりも、戻り音の場合の方が、スイッチプレートおよびキーキャップによる影響が大きくなっていると言って差し支えないでしょう。
特にキーキャップの影響は顕著であるといえます。異なるプロファイルのキーキャップを取り付けて戻り音を検証しましたが、確かに音が異なります。
いわゆる「カチャカチャ」とした類の音は、戻り音によるところが大きく、その中でもキーキャップの影響は大きいと考えます。

最近スイッチを購入した中で、戻り音がかなり気になるものがありましたが、キーキャップに何を持ってくるか、また、どのようなスイッチプレートのキーボードに取り付けるかでかなり印象が違いました。
打鍵音が好みでない場合、底打ちの音が気になっているのか、戻りの音が気になっているのかを検証してみた方がよいと思います。押すときは素早く、戻りはゆっくりとなるように打鍵すれば、底打ち音のみを聞けますし、押すときはゆっくり、戻りは素早く離すように打鍵すれば、戻り音のみを聞くことができます。

じゃあ何をどうすれば狙った音になるのか

さて、前置きがだいぶ長くなりましたが、これらの要素をうまく組み合わせて、狙った音にしていく、という行為がカスタムキーボード愛好者、自作キーボード愛好者、設計者等の間で行われていると理解しています。
とはいえ、非常に要素が多いので、なかなか狙った音にするのが難しいのも事実です。

例えば、スイッチによって、衝突によって生じる振動の周波数は変化しますが、キーボード側はその周波数によって鳴りやすいかどうかはある程度固定されています。
すなわち、そのセッティングのキーボードで鳴りやすい音はおおよそ決まっており、その周波数帯と合う振動を発するスイッチであるか否かという、「スイッチとキーボードの相性」が存在すると考えます。
このキーボードで鳴りやすい音を見極めるのは多分誰もできていなくて、おそらくカスタムキーボードの設計者でさえ、ある程度の目算はあるにせよ、行き当たりばったりでやっているのだと思います*11。

とはいえ、上記の議論から、ある程度の方向性を示すことはできそうとは思いましたので、いくつか対策として効果が高そうなことを挙げてみたいと思います。
効果が高そうとは言っていますが、どのパーツの音がメインに聞こえているかによって効果の差は異なりますので、最初はどのパーツが鳴っているかを検討するところが最初かもしれません。
なお、セッティングによる音の違いについては、以下の記事が非常に参考になります。
kgnwsknt-chef.hatenablog.com

上記記事では、構造が組み替えられるキーボードを用いて、様々なセッティングとしたときの打鍵音を録音していますが、どこが鳴っているか、ということの重要性がよくわかるものだと思います。

以下、具体的な方法を記載していきます。ここで、好みではありますが、基本的に低音を強調したい人が多いと思いますので、その方向性で記載しています。もし高音にしたい場合には、この逆をやればよいと考えていただければと思います。

  • スイッチを変更する*12

身も蓋もないですが、低い音が鳴りやすいスイッチにするのが最も効果が高いと思われます。
これに関しては、以前書いた記事に説明を譲ります。
piroriblog.hatenablog.com
衝突音自体はスイッチに依存すると思われますので、好みの音を探すしかないとは思います。
また、先ほどはあまり触れませんでしたが、おそらくスイッチを構成するハウジング由来の音も多少は鳴っているように思いますので、やはりスイッチ自体の選択は重要だと思います。
戻り音が気になる場合には、トップハウジングおよびステムをやわらかい素材のものに変更する、トップハウジングのステムが衝突する部分にルブを行う、等が対策として挙げられます。

  • キーキャップを変更する*13

キーキャップの影響は意外と大きいものです。低い音にしたい場合には、背の高いプロファイルを選択するか、重い素材(極端な場合は陶器や金属)を選択するとよいといえます。
また、アッセンブリに装着している他のキーキャップにも、PCBやスイッチプレート等を介して音が伝わっているようで、極端に重い素材のキーキャップを選択した場合には、アッセンブリ全体の鳴りやすい周波数帯にも影響を及ぼしている可能性がある点も指摘しておきます。
さらに、キーキャップは戻り音が鳴る際に比較的大きな影響を及ぼすといえます。「コトコト音」の「ト」を低めで落ち着いた音とするには、キーキャップの選択も重要であるといえます。
なお、キーキャップを重い素材にした場合には、軽い場合に比べて戻り切る際の速度が大きくなりにくく、落ち着いた音となる効果も多少はあると推察します。
参照動画:
youtu.be

  • PCBとスイッチとの間にフォームを設置する

上述したPE form modに相当するものです。
ただし、PE formでやるとかなり似通った音になりますので、キーボードの個性を薄めてしまう可能性はあります。
もしかすると、PE以外の素材(例えば中実ゴム素材)でもよいかもしれません。中実ゴム素材の場合には、全体的な振動吸収率が高く、静音性が高まる方向性に向かうと思われます。
なお、PETフィルムを間に挟むと、どのキーボードでも似たような音になると聞いたことがありますが、音を発する表面にPETを置くと、おおよそ「PETらしい」音となってしまうということで、表面に置くものの影響が大きいという説を強化するものかもしれません。

  • スイッチプレートを変更する

柔らかい素材にするほど、低音が鳴るようになるといえます。
プラスチックであればだいたい柔らかいといえます。ただし、繊維強化プラスチックの類(CFRP, FR4等)は、硬くなりますので、その分音は高音に寄ります。

  • フォームの配置を調整する

これは時と場合によるのですが、PCBの下に配置されるフォームを減らす、という選択肢もあります。
低音が響く空間を確保しよう、という趣旨の方向性です。
なお、トレイマウントの場合はこの限りではなく、基本的にトップマウント、ガスケットマウントのような、ボトムケースとPCBとが連結されていないようなマウント方式の場合の話です。

また、上記のようにフォームを圧縮する配置とすると、フォームが接触する部材の高音成分をカットできる場合があります。ただし、そのような配置の場合には、押し付けるためにフォームが接触する部材をネジ止めする必要がある場合が多く、柔らかい打鍵感とは通常両立しません。
例えば、PCBとケースとの間にフォームを入れて押し付ける場合には、構造上硬い打鍵感となりがちです。トレイマウントのようにそもそも柔らかい打鍵感が望めない構造の場合には、この方法はあまりデメリットがないと考えられます。

  • 遮音・吸音する構造体を入れる

これは、主に自作キーボードにおける話ではありますが、プレート同士をスペーサーで連結して作る構造(サンドイッチマウント)の場合であって、底板が鳴っている場合には、スペーサーと底板との間に吸音する部材を入れることにより、振動の伝播を阻害する効果があると思われます。
とはいえ、鳴っている底板自体に何か柔らかい素材を貼り付けてしまう方が効果は高いと思います。

  • ノイズを減らす*14

キーボードにおいては、種々の理由でノイズが発生します。
代表的なのは、スタビライザーによる「カチャカチャ」としたノイズ音です。この対策は他の記事などに譲りますが、ルブをするか、いわゆる"Holee mod"*15を行う方法もあります。
他にもスイッチ由来のノイズ(リーフ鳴り、バネ鳴り、ステムの摺動音等)も多数あります。スイッチに関しては、そのようなノイズがしないものを選択するか、ルブを行う*16方法があります。なお、2023年以降に発売されているキースイッチについては、あまり追加でルブをする必要がない程度には工場潤滑(ファクトリールブ)がされていますので、ノイズが少ないキースイッチを探している場合には、新しいキースイッチを選択するとよいといえます。
また、金属ケースにたまにみられる"case ping"については、"Force break mod"*17を行う方法もあります。


以上の要素を調整しながら、好みの音に近づけていく、という試行錯誤が必要であろう、と現状は考えています。

Tochka52の音響設計コンセプト

突然ですが、私は「うるさいスイッチ」が割と好きです。うるさいスイッチの独特の音色は、打鍵していて非常に楽しいものです。
その音色を活かしつつ、オフィスで使っていてもお咎めがないレベルにできないかな、と思っていました。
つまり、うるさいスイッチを実用的に使うことができないか、ということを考えていました。
ただし、単にミュートしてしまっては、うるさいスイッチの独特の楽しさが失われてしまいかねません。

そこで、今回の音響設計のコンセプトは、「程々に」スイッチの音を鳴らす、というものです。
ここで、ケース内で反響しているような音は、あまり遠くまで届かないが近くにいる人は聞こえると考えました。よって、スイッチプレート等の外部に露出している部材からは音があまり鳴らないようにしつつ、内部では音が鳴っていて、それをケース内に閉じ込める、という方向性を検討しました。

さて、上記に述べたことは、Tochka52を設計する際に大まかにはわかっていたことではありました。
しかしながら、よくある手法では、上記のコンセプトをうまく達成できないと考えていました。

ここで、種々の検討の結果(目新しいことをやってみたいという欲もあり)、以下のような構成としました。

Tochka52の分解図
実際に積層した図

どのような思想でこのような構成にしたかについて、以下に説明していきます。

スイッチプレート

まず、スイッチプレートに相当する1.0 mm厚の真鍮、0.5 mm厚のシリコーンシート、1.0 mm厚のステンレスの積層構成についてです。
真鍮自体は、重い割にはやや柔らかめの金属ですので、そこまで大きな音が鳴らない傾向にあるといえます。
これに対して、表面側にシリコーンシートを配置して、スイッチプレートから放射される音を抑制する方向性にできないかと考えました。
ここで、シリコーンシートが表側にあると、意匠上あまり好ましくはないため、ステンレスプレートをスイッチプレート上にさらに配置する、という構成にしています。このようなサンドイッチ構成は、遮音について調べていた際に、出てきた「バイブレス」(登録商標)の構造*18を参考にしている部分もあります。
また、表面側にシリコーンシートを配置することで、スイッチとスイッチプレートとの接点に柔らかい素材を配置し、そこでの余計な音を防ぐ狙いもあります。

PCB-スイッチプレート間

経験上、スイッチプレートとPCBの間にフォームを入れたりしてもそこまで打鍵音に変化がないことはわかっていましたが、今回はとにかく上側に抜ける音を少しでも減らそうと考え、2.5 mm厚のMDFと1.0 mm厚のフェルトを挟む形にしました。
正直な話をすると、厚み的にちょうどよかったからMDFを選択し、一応スイッチプレートの制振と、PCB側とスイッチプレートの音の分離にならないかなという思いでフェルトを選択しています。

PCB

次に、PCB周辺についてです。
PCB(FR4)は、0.8 mmとし、その両側に0.8 mmのベニヤ板を配置しています。
これが今回やりたかったことのキモで、通常はPCBが1.6 mm等のFR4であるため、何をやってもFR4の音が鳴るところ、その性質を別の素材のものに置き換えることができないか、というものでした。
つまり、PCBの両側に木材を配置して、木材の音色に近い音が鳴るように調整したい狙いがありました*19。

ところで、下側のベニヤ板をつけない場合には、確かにFR4っぽい音になりますし、ベニヤ板をMDFに変更すると、より低く、より小さく、残響時間がより短い音が鳴る傾向にあるなど、音色の調整が可能であることが確認されました。
加えて、ちょっとしたスペーサーを介して、FR4の表面とは直接接触させずにMDF等をFR4の下側に配置した場合には、ほとんどFR4っぽい音が鳴ることがわかりました。やはり、表面に何を配置しているか、という点が重要であるようです*20。
いうならば、Tape modを木でやってしまった、という形になっていると思います。

また、今回はPCBAをすることも考えたのですが、PCBAをしてしまうと、チップを実装している周辺にはベニヤを配置できないこととなり、それは音響特性上どうなんだ、という思いがありました。
そこで、マイコンボードをドーターボード的に用いて、本体とドーターボードを20ピンのフレキシブル基板で接続する、という方法を取りました。

PCBの下側

PCBの下側は、音が響くように空間をわざと設けています。
これは、ケース内の空間を音が通らないもの(完全な中実のもの、独立気泡のフォーム等)で埋めてしまうと、低音が鳴りにくくなり、場合によっては音が鋭くなってしまうことがあったためです。
また、フォーム(例えばPORON(登録商標))で埋めても良いのですが、よくあるフォームを詰めました、という音になってしまってそれはそれで面白みがありません。
よって、PCBの下側の空間を通常よりも広くする方向性としました。
具体的には、ソケットからケース底面までを3.0 mmとなるようにしています。ベニヤからは約4 mmの空間が空いている形です。

アッセンブリの音がやや低めではあるので、その低音を少し協調する形になっており、狙った音になっているように思います。

マウント方式

マウント方式としては、ハーフガスケットマウントのような構造にしています。
具体的には、スイッチプレートの上側がシリコーンシートを介してケースに直接接しており、スイッチプレートの下側にシリコーンチューブを挟んで若干のクッション性を持たせるようにしています。
基本的にはまあまあ硬めの打鍵感で、トップマウントに近い性質の音にすることを狙っています。

ただ、トップマウントにしてしまうと、音がかなりケースに吸われますので、少しは分離してPCB裏に配置した木が鳴るようにしたい、という考えでこのようなマウント方式にしています。

打鍵音全体としては、狙い通りそこまでうるさくはない、というバランスになっていると思います。

ところで、このようなかなり硬いガスケットマウントというのは2番目に設計したキーボード*21でやっていて、今叩いても割と良い音がするというのが頭に残っていたというのもあります。
その頃からするとだいぶ洗練されてきましたが、エイヤでとりあえず作ってみたものが思ったより良かった、というのは往々にしてあることだなと思いました。

ケースの重さ・形状

今回のケースは、ボトムケース(プレート?)を真鍮にしています。
おかげで片手分で1.6 kg、両手あわせて3.2 kgと激重キーボードになってしまいました。
これはネタのためにやったわけではなく、とにかくケースから発せられる音を減らしたいという思いがあったためです。
トップピースはアルミのため、音が鳴る可能性はありますが、薄く広い面積の部分があまりないようにしているため、ケースを叩いてもあまり音がしない状態にはできました。

また、シリコーンシートで比較的広めの接触面積でトップピースに対してスイッチプレートを押し付けている構造のため、トップピースがフリーで振動する部分がないようにしています。
以前設計したParen48では、トップピースのアルミがフリーで振動し得る部分があったため、音が少し残響するという問題がありましたが、今回はそのような問題はなさそうです。

ゴム足

今回、ゴム足はシリコーンゴムライクな素材*22で3DPで作ってみました。
これは、背を可能な限り低くしつつ、そこそこ柔らかい素材で、と思ったときにちょうど良い市販品がなかったためです。
さらに、ゴム足と本体との間に制振の目的で1 mm厚のソルボセインを挟んでいます。
ソルボセインを挟む等して柔らかい素材をゴム足に採用することにより、机からある程度音響的に分離され、机を叩いているような音がほとんどしない状態とできることは以前から把握していました。

ゴム足は割と適当に選ばれている印象がありますが、机との接点となりますので、どのような素材にするか、どのような形状にするかによって机に伝わる音が変化するといえます。
過去に色々試しましたが、硬い素材(例えばウレタンゴム)で接地面積が広い場合には、机にダイレクトに音が伝わり、机の天板を叩いているような低音(例えば「ドンドン」という音)が鳴る場合があります。
経験上、柔らかめの素材とし、接地面積が狭い形状(球面形状等)とすると、そのような低音が多少緩和される傾向にあるといえます。
このこと自体は既に検証している方がいますので、動画もぜひ確認してみてください。
youtu.be

今回は、キーボード側のゴム足用の穴をやや深めにし、ソルボセインを挟んでも横方向に動くことを緩和するような構造にしてみましたが、キーボード本体の重さもあってか、全くと言っていいほど動くことがなく、比較的うまくいっているようです。

まとめ

キーボードの設計を始めてから約2年ですが、打鍵音に関する知見がだいぶ深まってきたように思います。
一つ分かってきたのは、身も蓋もありませんが、打鍵音を調整するパラメータは非常に多く、狙った音にするのは難しい、ということです。
今回はあまり触れていませんが、キースイッチとキーボードの相性問題というのはかなり難しいと感じています。キースイッチ単体で気持ちの良い音を鳴らすからといって、キーボードにインストールしたときに好みの音になるかというのはまた別問題、ということです。

ところで今回設計したTochka52ですが、PCBの下に何を持ってくるかによってだいぶ音が変わるので、まだまだいじり甲斐がありそうです。
また、やはりスイッチとの相性問題はこのキーボードでもあるらしく、なんか微妙だな、と思うスイッチもあります。
このキーボードに関して言えば、使うスイッチによって積層構成を調整する、ということもできそうかなと思います。

組み合わせが無限なので、まだまだ打鍵音の沼は楽しめそうです。
また、私は低音が鳴るキーボードも高音が鳴るキーボードもどちらもよいと思っているので、打鍵音エンドゲームは複数ありそうで、まだまだ様々な方向性を検討していきたいと思っています。

この記事はTochka52ゴキゲンなタイピング音を響かせながら書きました。

*1:2024/12/08変更・追記箇所あり

*2:参照:五十嵐ら, 日本機械学会論部集(C編), 50巻, 453号, 昭和59年, URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/kikaic1979/50/453/50_453_840/_pdf/-char/ja

*3:2024/12/08変更 原文「よく界隈で言われるような「コトコト音」を分解すると、「コ」の最初の部分が「衝突音」にあたり、「ト」の部分が「主音」にあたるといえます。」

*4:Gateron Cap V2 Switch Set

*5:後述しますが、衝突音と、スイッチ自体から鳴る音が聞こえる場合があるのでその音

*6:例えば、村瀬,「高分子材料と音質」,高分子,39巻,798,1990https://www.jstage.jst.go.jp/article/kobunshi1952/39/11/39_11_798/_pdf/-char/ja

*7:橋本,「構造体からの音響放射性状とその評価法」,騒音制御,vol.21,No.6,pp.366-371,1997の図-4(c)参照

*8:フォームの圧縮率によっては、固体としての性質が強く現れ始めると言えるため、必ずしもその限りではないといえます。

*9:私の手持ちのキーボードで内部空間が大きいものがありますが、吸音性のない部材で内部を埋めると高音成分が目立つようになることを確認しました。

*10:2024/12/08追記

*11:ちゃんと計算してやっている人がいたら本当にごめんなさいしておきます。

*12:2024/12/08 一部追記

*13:2024/12/08 一部追記

*14:2024/12/08追記

*15:youtu.be

*16:keys.recompile.net

*17:youtu.be

*18:https://www.nipponsteel.com/product/catalog_download/pdf/U044.pdf

*19:実は最初はフレキシブル基板でもっと厚い木材を使うことも検討したのですが、フレキシブル基板にロータリーエンコーダなどを固定する方法等がさすがに煩雑すぎる、ということで今回の0.8 mmのFR4の両側に木材を配置する案に落ち着きました。

*20:この点、以前設計したfloes46は、PCBの上側が3 mm+2 mmのアクリル、PCBの下側は何もなし、という構成でしたが、よく聞く音(いつものPCBが鳴っている音)がしていたのは今なら納得できます。 piroriblog.hatenablog.com

*21: piroriblog.hatenablog.com

*22: 低硬度シリコーンゴム|MJT|AGILISTA - DMM.make 3Dプリンターの材料・素材