会社が病欠の詳細を要求するのは日本以外では違法だった話
こんにちは、先日実体験をチョロっとツイートしたところ、興味を持たれた方が多かったようなので、そのままInstagramで世界中の友人やフォロワーに各国の実情を聞いてみましたのでここにまとめます。
▼発端となった実体験
北欧の会社と仕事の話してて「持病があって今はフルタイムで働かない選択をしてるんだけど、えっとー病名英語でなんだっけー🤔」と言ったら食い気味で「言わなくていいよ、言っちゃダメだよ😅」って言われて「あっ、そうだったごめんなさいジャパニーズの悪い癖出たわ😢」てなやり取りがありました。
— ハーディソン (@phie_hardison) January 16, 2020
更に更に、このツイートに対して「どうして言っちゃダメなのか分からない」という非常に良い質問が来ていたので、回答しています。
病欠の際も call in sick と言って「体調不良です」とさえ言えばいいのが普通です。また、就職面接などでも「Medical conditionがあるので〇〇といった業務はできない」といった言い方でよく、症状や病名を言う必要は一切ありません。言おうとすると前ツイートのように相手から止められます。
— ハーディソン (@phie_hardison) January 17, 2020
診断書を要求する会社は異常!とかなりキツく言ってますが、これには理由がありまして・・・。
まず、私が前に正社員として働いていた会社の派遣社員の子が、「認知症の祖父の入院と自分の体調不良が重なって、急な欠勤が続いた時に診断書を持って来いって言われた。診断書代を会社が出してくれる訳でもないし、診断書を出したからと言って欠勤した分の給料を元通りもらえる訳でもない。ただでさえ病院行くのすらつらいくらいなのに、なんでこんな疑われ方して、更に自分ばっかり出費させられないかんのか理解ができん」と愚痴っていたのが私のポイントでした。異常・・・じゃないですか・・・?
更に、後でまた出てくるんですが、メディカルコンディションを理由に採用しない、といった会社も実際に日本にはあるので・・・異常・・・では・・・?
とにかく140字で説明は無理でした。
つまり私が言いたかったことは、「正当な理由もなく診断書を要求し、その金額を支払うこともしない会社」や「プライベートな問題であるメディカルコンディションを理由に採用の結果を左右する会社」は異常だという意味です。最初にクリアにしておきます。
さて、ここから私は自分のInstagramを使って大調査を行いました。残念ながらアフリカや南米、ロシアなどからの回答が届かず・・・。ですが、今の所結果は以下です。また、この「結果」というのはあくまで口伝なので、実際にどうなのかというのはこの記事を鵜呑みにせず、ご自分でしっかり調べてください・・・!
▼日本人の体験談
①ホテル勤務
②事務職・・・かな?
③私立学校の先生
こういったことが野放しになっている現状・・・みなさんどんどこ労基局に電話しませんか・・・?私は電話したことあるんですが、サクサクっと話聞いてもらえますし、簡潔に質問すればキッチリ何が正しいことなのか答えも出してもらえます。
▼各国の法律と各国民からの意見
アメリカ
①学生
回答:アメリカも日本と一緒
私:え、でも保険がない人はどうするの?私達は国民健康保険があるから病院もすぐに行けるけど、アメリカは違うでしょ・・・?
②米海軍
回答:米軍は少なくとも絶対に日本と同じ😂
③米軍
回答:同じかな、診断書(偽物であれなんであれ)があれば何も聞かれないよ
私:
④会社員
回答:日本とは違うよ。アメリカでは根掘り葉掘り聞きすぎると問題になる。会社側は診断書を要求してもいいけど、そこに詳細は書かれてない。HIPAA(アメリカの医療情報の電子化とそのプライバシー情報保護に関する法律)はガチだから絶対に違反しない方がいい。
⑤
回答:アメリカで僕が働いたところはすべて体調不良で欠勤するって連絡した時に詳細聞いてくることはなかったよ
⑥主婦➠米軍
回答:アメリカでは会社によると思うよ
私:実際日本も同じだと思うわ。会社が聞かなかったとしても、なんとなく言わなきゃいけない気がして病状の詳細を言ってる気がする。でも、メディカルコンディションを採用面接時に聞いて、それを理由に不採用にする会社もあるのが現実。
⑦
Unfortunately in the US a lot of us don't actually know our rights well enough to fight for them, and/or we work in "at-will employment" states where they can't fire you for medical stuff but they can fire you "just because" :(
— Joe Blackwood (@MrJoeBlackwood) January 17, 2020
コメント:残念ながらアメリカでも、自分の権利を知っていて、かつそれをもって戦える人は少ないし、病気等の問題で採用取り消しはできないと言いつつ「ただとりあえず採用取り消し」はできる状態。
カナダ
回答:差別につながるのでカナダには日本みたいな仕組みはない。理由を言わなければならない状況の時には診断書が要る。
⬇同じ人
回答:私質問ちゃんと理解できてるか分かんないや(笑)とりあえず、カナダでは例えば採用面接の時なんかに自分の持病などについて雇用主に言う必要はない。だって言ってしまったら採用に絶対影響するから。
でも、もしすでに働いている状態で病欠するのであれば診断書が必要。けど、どんな病気なのかといった詳細は要らない。
ジャマイカ
教員
回答:ジャマイカでは3日以上休む場合には診断書が必要。その他はジャマイカでは違法。
私:ありがとう!ということは、ジャマイカ、ドイツ、スイス、フランス、オーストラリアはほとんど同じ感じかな。
⬇同じ人
回答:ジャマイカは有給休暇とは別で病欠休暇があって、普通は1年に10日間もらえるんだけど、勤続年数にもよる。
私:えーーーー最高じゃん、そして日本終わってんじゃん😢
ペルー
日本には「30分前に出勤すること」「30分前出勤に遅刻したら罰金」「なおこの30分間に給料は出ない」を平気でやってる会社があるのに・・・。
中国
フィリピン
回答:フィリピンで、おれの職場にはクリニックが併設されてるから、病欠とかの時にはクリニックに寄って何が起きたか書いてる診断書もらって、大丈夫そうになった時にまたクリニックで再度診断してもらうかな。上司は一切気にかけてないし、何も聞いてこない。クリニックの言う通りにして、みたいな感じ。自分の経験ではね。
私:それ職場にクリニックがあるけん勝ちのやつやw
オーストラリア
①
しかもオーストラリアは確か医療費が入院してもほぼタダだった気が・・・
②
これが精神的になんとなくまいったときでも休めるし説明する必要もないのでありがたい。信頼できる上司にははなせるけどそうでないときもあるし。
— リリー🇦🇺Sydney (@ltwyli_j) January 17, 2020
とれる病欠も時間数上限があるし、何回もMCなしで休んでたら問題だろうけど悪用する人そんなにいないんじゃないかっておもう。
フランス
①
回答:フランスでは医者に行って診断書貰えれば、それを会社に渡すと休んで家にいても給料払ってもらえる。
私:それめっちゃ実用的やね。確か前に病院にかかるときもそんなにかからんって言いよったよね?フランス勝ちに来てるね〜。
②⬆について別の人から追記
コメント:最初の3日間は支払われないし、そのあと支払われたとしても100%の給料ではないよ。
③
コメント:フランスでは4日以上になる場合のみ診断書が必要。病欠で3日以内だったら給料も支払われないよ!確かに色々言わたりとかはないけど、もし上司とかに外でバッタリ会ったら当然問題になるだろうし、家にいない時に調査員が家に来ちゃってもやばいよね。
私:え、家に来るの?やばいね😂ということは1日目、2日目、3日目は診断書いらんってことね。
ベルギー
回答:日本とは違う。ベルギーでは病欠3日目以降から診断書が必要
ドイツ
①と②
回答①:詳細を言う必要はないけどドイツでは欠勤3日目から診断書が必要。入手は超簡単だけどね。
②
コメント:スイスと同じ!(後述)
③
回答:ドイツでは病気の詳細を聞くことは違法。3日以上病欠する場合は診断書が必要。けど診断書には具体的な症状とかは書いてない。働けませんよってだけ書いてる。
④ジャーナリスト
コメント:ドイツについて追記。もし6週間以上や、その他決められた期間以上体調を崩していて、かつ勤続年数が1-2年以上の場合、雇用主は労働者を助けなければいけないという法律がある。方法は
A. 勤務時間数を減らしつづ給料は同じくらいの額を支払う
B. 社内でより労働者の状態に合うポジションを探す
C. デバイスなどを支給し仕事をしやすくする
⬇続き
コメント:この法律はBEMと呼ばれていて、ドイツ国内でもあまり知られていない。働けなくなってしまうということが少し恥ずかしいと感じる人も少なからずいる。僕がこれを知った理由は、仕事で病院内での取材を3件したことがあったから。2メートルの大男を一度取材したことがあって、彼は、その病院で何年か働いてから、病院で使っている洗浄剤にアレルギー反応が出てしまい、もう看護師として働けないという話をしてくれている時に泣き始めた。本当に彼のせいでもなんでもないんだけどね。彼は今同じ病院で看護師たちをトレーニングするポジションについてる。
スイス
回答:スイスでは会社であれなんであれ、誰かに持病について聞くことは違法。3日以上病欠する場合は診断書が必要。でも診断書に詳細は無くて、その人が働ける状態じゃないということだけ書かれてる。
➠ちなみにこのあとメッセージが続き「エッッ、待って日本って病欠したら給料支払われないの!?エッッッッ!?こわ!!」と言われました。こわいね!
スウェーデン
回答:スウェーデンでは理由を言わずに7日間は病欠できる。そこから会社は診断書を要求できる。
私:おっしゃみんなスェーデン引っ越すで
⬇同じ人から追記
追記コメント:病欠の1日目の給料は支払われないけど、その後からは本来の給与の80%が支払われる。有給休暇と病欠休暇は別だから、有給休暇を消化しちゃうこともないよ。
まとめ
スウェーデンが優勝です。
とはいえ、私は病状自体を職場で把握してもらうこと自体は反対ではありません。なぜなら、病状を対処法を知っていてもらえれば、もし万が一職場で何かが起きた時に誰かが助けてくれるかもしれないからです。
時に、助けてもらわなければならなくなる持病の時に、逆に誰もが対処法を知らず最悪の事態になることも考えられるでしょう。
私がいやだと思っているのは、「病状を知る」ことの悪用や、病欠と休暇とで別々に有給が取れないことです。
例えば、「うーわこの人こういう病気なんだ、採用見送ろ」ということは無い話ではないと思います。こういうことがあると機会均等がなくなってしまい、病気を持っているというだけで働けなくなってしまいます。
また、有給が少ないことに定評がある日本ですが、病欠用の有給と休暇用の有給は別々にあっていいと思うのです。たとえそれが仮病に使われようが、実際の病欠に使う人を優先して考えれば、病欠用の有給があっていいという判断はすぐできるはずです。何をするにしても欠点ばかりに目を向けて「こうなるからこれは禁止」「ああなったからあれは禁止」なんてことをしていては、いい選択は行なえません。
更に、上記でもスクショ内で述べていますが、どこの国においても当然会社によって福利厚生は変わります(当然なので本当に言うまでもないですが、クソリプが予想されるので・・・) 。なので、今回の記事で「いや同じ国でも私のところはそんなんじゃないから!」と思う方もいらっしゃるかもしれません。それはそれで本当にいいことだと思います。ただ、あなたの話は今していないんですね。実際に不当な目に合っている人たちに焦点を当てて話をしたかったので今回の記事にした訳です。
▼番外編:日本の有給制度って?
実は!アルバイトでも有休は取れるのが法律では決まっているんですが、そんなことちゃんとやってるバイト先とかあります・・・?私は今までのバイト先で一度も「有休これだけついてるからねー」なんて言われたことないです・・・。天下のスターバックス様はバイトでも有休取れるみたいです。さすが世界を征服しているだけありますね。
https://townwork.net/magazine/knowhow/low/40078/
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