聴いている音楽の断片集めて何やら文章を的な記事1

 垂らした前髪あげてワックスで固めてみたりとか、鏡やカメラに向き合うとか、敬語をお勉強するとか、そんな機会が生活の中に増えた。と同時にこれまで漠然と存在していた不安が、言語化できるレベルに解像度を増して目の前に迫ってきているように思う。ま、そんな日々でも不安そっちのけでのらりくらりしていたいから、今日もスタバきてよく分からんコーヒーを勧められるがまま購入し、音楽聴いているわけなんですけど、今のテンションで自分がどんな音楽に心動かされるのか記録として残しておこうと思う。

 

f:id:rarukazu:20210223134833j:plainAs the Love Continues / Mogwai

 この記事書き始めた時聴いていたのがこれ。Mogwai大先生の新譜。インスト中心のポストロック・インディーロック的オルタナ。基本的にどの曲でもシューゲに接近する超ノイジーなギターとキーボードが哀愁溢れる叙情を奏でていますが、おそらくハードコアに由来するドラムが楽曲の風通しを良くしているような印象。「Dry Fantasy」とか言いつつ、かなりwetな感情に塗れていますね。一人カフェで聴くと心地よいナルシシズムに溺れていけます。彼らの過去作品には触れたことがないので、今作がどういう位置づけなのか(聴きやすい方のアルバムなのかとか)良く分かりませんが、どの曲も主旋律が割とハッキリとしているので、私みたいな初心者にも優しい。それにしてもコーヒーは美味いし、隣の受験生は頑張っている。

 

f:id:rarukazu:20210223140033j:plainいいんじゃない/PSG

これはアルバムじゃなくて曲ですね。昨日ですね、聴いたのは。美容室に行く予定があって吉祥寺へお出かけ。随分予約した時間まで余裕があったから、ゆっくり歩いていたのですが、どこで間違ったか、進んでも進んでも目的の美容室が現れない。結局通りを一本間違えており、着いたのは時間ギリギリ。吉祥寺、というか東京の街々、建物の密集しすぎでどの通りも同じに見えるんだよな。何度も通った道なのに、shit!な俺とか心の中で自分に悪態をついて、BADに入っていたらアイフォンが気を利かして流してくれた曲がこれなのである。アイフォン、出来るやつだ。こんな感じでもいいんじゃない、とか気分良く入店した。美容師さんとの会話が盛り上がったのも、この精神のお陰、だったり。それと美容師さん、いつもありがとう。中村倫也に会えるといいですね。

 

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GOLD・勿忘/Awesome city club

 オーサムについては何年か前のビバラで観ていて、毒にも薬にもならねえポップスや、とか思っていたんですが、知らない間に人気者になっておられて。この間観た「花束みたいな恋をした」で青髪の彼女が登場していたり、楽曲が使用されたりと盛り沢山にフィーチャーされているのを観て、この度改めて聴いてみているわけです。arcade fire風味な牧歌的なメロが素敵な「GOLD」に心惹かれました。彼らの「クセのなさ」が良い風に表れた曲かと思います。一方で彼らの弱点に個人的に思うのもこの「クセのなさ」で、正直彼らの最も個性的な部分てボーカルの彼女の青髪なのでは、と思ってしまう。まあ、「クセのなさ」ってのはマスにアプローチする際には結構重要で、結果彼らの楽曲は現在幅広く支持されているのかと思いますし、ポップスとしてある意味正しい姿なのかもしれない。

 それにしてもいいメロディ書きますよね勿忘、とか電車で聴いてたら色々昔のこと思い出して泣きそうでしたもん。髭男などポップに振り切れたバンドや音楽的潮流を正確に察知しているであろう計算高さは感じられますが(穿ちすぎですね、すみません)、なんにせよいい曲だ。程よくお洒落で、都会的で、俺の今住む東京とかいう街のロケーションに良く合うなあ。

 

 さて、恒例の自意識過剰自分語りタイムです。街には色んな大学生がいて、色んな生活をそれぞれ送っているわけですが、その多様な生活の素敵な一瞬が一つの作品に「」と、パッケージングされてそれに思わず自分が感動したとします。普段はこんなクソみたいな大学生活とか思っていても、そういう作品に触れた時、ああ、十分に俺も大学生だったんだなって肯定的な気持ちになる。ある作品に自分の生活を重ねられる、というのはある作品の射程する「生活の中の素敵な一瞬」に俺の生活が含まれているということで、俺の生活も例外なく大学生の生活だったんだな、となるわけです。個性やクセのあるニッチな作品も好きですが、こういう「」にパッケージングする大衆作品というのも、自分の生活の不甲斐なさを受容できない人にとって、くそみたいな自分の生活を、例え雑な同一視と言われても、多くの人の生活と大差ないのだという形で肯定させてくれる点で意味を持ち、作品の好みとか置いといてこういう気持ちにさせてくれる大衆作品が俺は好きです。

 「勿忘」にせよ、「花束みたいな恋をした」にせよ、俺にとっちゃそんな作品であるのでござる。さて、今日も敢えて終電逃しでもするか。

 

 

 

 

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