カテゴリ
【熱い季節】ドラゴンボート・ペーロン 連載中:【空想中古店・沼カメラ】 連載中:カメラマニアックスEX第二部 連載中:レンズマニアックスEX第三部 連載中:レンズグルメ入門編第二部 完了:フィルムカメラで撮る 完了:カメラマニアックスEX第一部 完了:歴代カメラ選手権 完了:カメラの変遷・総集編 完了:デジタル名機対決 完了:お気に入りカメラ選手権 完了:レンズグルメ入門編第一部 完了:レンズマニアックスEX第一部 完了:レンズマニアックスEX第二部 完了:年代別レンズ選手権 完了:年代別マクロ選手権 完了:続・特殊レンズマニアックス 完了:続・レンズマニアックス・プラス 完了:続・匠の写真用語辞典 旧ブログへのリンク
最新の記事
ブログジャンル
以前の記事
2025年 01月 2024年 12月 2024年 11月 2024年 10月 2024年 09月 2024年 08月 2024年 07月 2024年 06月 2024年 05月 2024年 04月 2024年 03月 2024年 02月 2024年 01月 2023年 12月 2023年 11月 2023年 10月 2023年 09月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 06月 2023年 05月 2023年 04月 2023年 03月 2023年 02月 2023年 01月 2022年 12月 2022年 11月 2022年 10月 2022年 09月 2022年 08月 2022年 07月 2022年 06月 検索
|
さて、新シリーズの開始である。 のっけ(最初)から余談だが、近年の流通側の レンズ等のレビュー記事/情報の一部に、かなり 情報価値の低いものが混じっているのを見かける。 少し前の年次に発売されたレンズ等のレビューで、 その内容は、メーカーのWebに書かれている事の 要約であったり、既に他のレビューWebでも記載 されていた、いわゆる「二次情報」(どこかにある 情報)を纏めただけのものであり、新規の情報や、 ライターそのものの独自の視点や評価が何も書かれて いなかったりする。 これらは、恐らくだが「生成AI」を使って書かれた 記事ではなかろうか? あるいは何もわかっていない新人ライターなのか? だが、いずれにせよ「独自の情報が何も含まれていない」 という記事があったとして、それを読んで喜ぶ読者も 居ないだろう。 もし本当に、そう(生成AI)だとすれば、なんだか つまらない時代になったものだ・・ で、そんな方法論は別に専門の評論家がやらなくても 誰でも「生成AI」を使って要約情報を得る事もできる。 そして本/旧ブログの記事内容までも、生成AIに 参照されて纏められてしまっていたりすると、もはや 不条理に思えるばかりだ。 だが、こちらは人間だ、次々に新しい「一次情報」 (→ここにしか無い情報)を生み出す事もできる。 今後も、常に「一次情報を提供する」事を主眼に 本ブログ記事を書いていく事にしよう。 あ、ちなみに、本ブログで新規シリーズが始まる際に 最初に掲載しているCG画像は、生成AIではなく、 約20年も前のCG作成ソフトで、その当時に大変手間を 掛けて自分で作ったものである。 近年、ここ数年での「画像生成AI」の進歩は大きく、 私も「画像生成AI」を簡便に使いたいのだが、 著作権問題等がクリアされていないので、現状では 使い難い(公開する事が難しい) 早く、そこらへんの課題が解決されて、画像生成AIを 有効活用できる時代が来て欲しいものだと思っている。 さて、余談はここまでで、本編に進む。 まず「レンズグルメ」とは、マニア用語であり、 「写真用(等)の交換レンズに興味を持ち、それを 多数、収集したり実用とする趣味」の事である。 「入門編」とは、この手のマニア向け交換レンズの 場合、説明や評価が、どうしても、専門的か、又は マニア層を対象としたものになってしまうのだが、 ここでは、「初級(ビギナー)層等を対象とした 説明内容にする」という意味である。 そこで、初級層等が疑問に思うだろう事を、実際に 私が聞いて来た体験談からまとめ、それらを、1人の 仮想人格、「ビギナーのB君」に集約し、本シリーズ 記事全般を「仮想問答」とする。 なお、本シリーズでは、過去、一度も他者との間 での話題や質問が出た事が無いマニアックな機材も 多数登場するが、その際の仮想問答は創作とする。 シリーズ記事数は、約20記事毎に、第一部、第二部・・ とまとめ、数部(計数十~百記事)の長期連載としよう。 では、今回第1回目は「Eマウント高描写力レンズ」 編として、ビギナー層に人気がある、SONY Eマウント 機に適合する、高描写(and 高表現)力のレンズ群を 所有レンズの中から選別して4本紹介する。 まず最初のEマウントレンズ レンズは、Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 65mm/F2 (新品購入価格 122,000円)(以下、MAP65/2) カメラは、SONY α6000(APS-C機) 2017年に発売された、フルサイズ対応、大口径 MF準中望遠1/2倍(ハーフ)マクロレンズ。 (注:フォクトレンダー綴りの変母音省略、以下同様) では、以下、全編を通じ「仮想問答」とする。 B「EマウントとFEマウントは違うのかな?」 匠「SONYから2010年にNEXシリーズが発売された際、 当初、それをEマウントと呼んだ。 だが、2013年からNEXはαに統合され、同時に フルサイズ(ミラーレス)機の販売を開始。 NEX用のレンズはAPS-C機専用の物もあった為、 フルサイズ対応を別途、フルサイズEマウント つまり「FEマウント」と呼ぶ場合もあるし・・ あるいは、APS-C専用レンズであってもフルサイズ 機で使えない訳では無いので、両者を纏めて、 Eマウントレンズと呼ぶ場合もある」 B「ややこしいなあ。 そもそもメーカー毎で使えるレンズがバラバラで あったり、フルサイズ用とか、APS-C用とかが あって、もう全然わからないよ」 匠「良い観点だ。 そう、そもそもメーカー毎で使えるレンズが まちまちである事が最大の問題点だ。 他の商品分野では、あまり例が無い話だ。 まあ、純正補修部品(例:プリンターのインクや 自動車のパーツ等)では、メーカー毎になるのは やむを得ないかも知れないが、多くの商品分野では メーカー間で共通の規格を用いている。 カメラの世界では長い期間、規格統一が出来ていない。 しかも、カメラや交換レンズは高価だ、それらを 買ったけど、使えるカメラやレンズに制限がある のは、ユーザーから見て、とても困った話だ」 B「そう思うよ。 同じキャノンのカメラとレンズでも、使えるものと そうで無いものがあるしな」 匠「キャノンではなく、”キヤノン”な。 (参考:この企業名は、第二次大戦前の”旧仮名遣い” での法人名登記で拗音(「ャ」等)が使えなかった 時代のものであり、そこから百年近くも経っている 現代において、なお、このような記載をせざるを得ない、 という、なんだか納得いかない理由がある) で、このようなメーカー間の互換性の無さは、 カメラ市場の低迷の原因の1つにもなると思う。 なにせ”不便”だからな」 B「SONYはどうなんだ?」 匠「概ね、一眼レフ用のAマウントと、Eマウントがある。 Aマウントは、2006年に昔の(KONICA)MINOLTAから 引き継いだものなので、1985年発売以降のMINOLTA α用のAマウントレンズとの互換性は高い。 でも、Aマウントは2021年前後に終焉してしまった ので、今はEマウントのみだ」 B「なんでやめちゃうんだ?」 匠「知らないよ、メーカー側の都合でしょう? 売れなければ、あるいはメーカーの戦略に合わない ならば、もう、そのマウントをやめてしまう」 B「酷い話だ、それまでのユーザー達が困るのでは?」 匠「その通り。そして、SONYに限らず、どのメーカーも 歴史の中で、必ずそれをやっている」 B「ふ~ん。 マニアとかが不満に思うのは、そこか? だいたいわかった。 では、ボクはEマウントのα7Ⅲを持っているのだが それに合う高性能なレンズを教えてくれる訳だな?」 匠「高性能、と一口に言うが、何を期待して言っている か?は、そのユーザー次第だ。 B君は、レンズに何の性能を求めている?」 B「AFが素早く合って、ピンボケしない。 そして良く写る事、性能と比べ値段が安い事、 だいたい、それくらいかな・・?」 匠「じゃあ、ちょっと今回の記事で紹介(推薦)する レンズとは主旨が違うかな(汗) 今回の紹介レンズはMFが大半だし、値段も、結構 高額に感じると思う」 B「マニュアルで撮るのは、ボクには難しい」 匠「その”マニュアル”だが、誤解していないか? 昔からそうだが、周囲の人達(カメラの先輩とか) が”マニュアルで撮れ”って良く言うのだが、 それを聞いた初心者は、”マニュアル露出で、かつ マニュアルフォーカスで撮る”と勘違いしてしまう」 B「マニュアルで撮る場合は、全部手動で撮るのでは?」 匠「そこ(の段階の説明)からか・・ (汗) 要は、試した事が無いから何もわからないのだな。 露出とISO感度はオートで良い、A(絞り優先)の モードだな。 ピントのみAFではなくMFに設定する。 もっとも、MFレンズではAFに設定しても無効で 自動的にMFモードになるけどな」 B「ふむ・・ MFというのは、自分でピントを 合わせるのだろう? それで合うのかな? 今回使っているレンズもMFなのだろう?」 匠「そうだ、MFレンズ、しかもマクロだ。 でも、SONYのカメラには、ピーキング機能という ものがあり、被写体のピントがあった部分を 赤色や、その他の色で表示してくれる」 B「そんな機能があるのか?」 匠「今時のミラーレス機では、ほとんど全ての機種に 搭載されている。一眼レフのライブビューでも ごく一部には、その機能があるぞ。 でも、ピーキングの性能(精度)は、メーカー毎 で結構な差がある。SONYは、他社とくらべても、 そこは優秀な方だ。 また、使うレンズによりけりで、ピーキングが 出すぎたり、出難かったりもする、そこもレンズに 合わせて自分で調整する必要がある」 B「便利なのか、面倒と言うべきか?」 匠「まず使ってみる事だ」 B「そうだな。でも、ピーキングの設定の方法が わからないし、お店で現物をみても、そこまで 設定して試したりする事はできないよ」 匠「店頭で触った程度では、何もわからんよ。 自分で買って、1年間、または/および1万枚位 は撮ってからでないと、レンズの評価は出来ない」 B「1年間? 1万枚? いずれも厳しい数字だな」 匠「様々な撮影条件で試してみないとわからんだろう?」 B「まあそうだ。でも、それにしても1万枚は困難だ。 いったい何を、そんなに撮るものがあるのだ?」 匠「その課題、つまり、初級層の撮影枚数が少なすぎる 点は、今は置いておく、いずれ、その話はいくらでも 出てくるからな」 B「わかった。で、このレンズはどこが凄いのかな?」 匠「高い描写表現力だ。 というか、今回の記事で紹介するのは、この特徴 を持つレンズしか選んでいない」 B「ホクトレンダーとかは、聞いた事が無いな」 匠「フォクトレンダーな(笑) その名前は、今後、嫌というほど聞くよ。 マニア層御用達のレンズだ」 B「ごようたつな訳だ」 匠「ごようたし、と読むのだよ(汗)」 B「まあ、そこは、どうでも良い(笑) このレンズは高価だが、買うべきかな?」 匠「知らん(笑) その人の価値観次第であろう」 B「ふむ、高くても良いものを欲しいか、高いから 買わないか? そういうチョイスになる訳か」 匠「その通り。 でも、高いものが常に良いモノとも限らない。 だから”コスパ”の概念が最重要になるのだが、 そこは追々説明していこう」 B「コスパねぇ・・ (良くわからん) まあ、とりあえずは了解したよ」 ---- では、次のレンズ レンズは、Voigtlander APO-LANTHAR 50mm/F2 Aspherical (新古品購入価格 104,000円)(以下、APO50/2) カメラは、SONY NEX-7 (APS-C機) 2019年発売のフルサイズ対応MF小口径標準レンズ。 B「また、北斗、いや、フォクトレンダーか? そればっかりでは?(笑)」 匠「まあ、高性能で、価格が許容範囲と言えば、 フォクトレンダーかSIGMA Art Lineの二択だよ。 でも、Art Lineは、主に一眼レフ用だしな。 Art Lineには重いレンズが多いので、小型軽量の ミラーレス機では、かなりアンバランスになる」 B「重さがアンバランスという事か? 何が問題なのか?」 匠「操作性、重心維持、手ブレ耐性、まあ、そんな ところだ。 でも、ビギナー層には、理解が難しい話だ。 ここも追々説明していこう」 B「ふむ・・ とりあえず了解。 では、このレンズはどうなのだ、アポランサー??」 匠「一応、”アポランター”と呼ぶ事が推奨されている。 アポは色収差(いろしゅうさ/しきしゅうさ)を 減らした仕様である事。 ランターとは、1950年ごろに、元素のランタノイド をガラスに混ぜて、高性能化したという由来がある」 B「ランタンノイド?? ”ランタン”という照明ならば聞いた事があるぞ」 匠「照明器具のランタ(ー)ンは「Lantern」と書く、 ギリシャ語での「照明」が由来と聞く。 元素のランタンは「Lanthan」で、こちらは スペルが違い、「隠れる」という意味がある。 また、元素のランタノイド(Lanthanoid)は、 元素のランタンに似ている(物達)という意味だ。 -oidを、似ているという意味で使う用法は、 アンドロイド、アルカロイド、ボーカロイド とか、他にも色々とある」 B「ふうむ、勉強になった」 匠「勉強か? こういうのを勉強だと思っていたら 勘違いだぞ。こんな事は、少し調べれば、ネットの どこにでも載っているし、生成AIに聞けば、すぐに 答えは出てくる。 大事なのは、疑問を持って調べようとするか否か? そして、それを、単なる「勉強」で終わらせずに、 知識や概念として身に付ける事ができるか否かだ」 B「耳が痛い話で・・ まあわかった、で、アポランタンは、どこが凄い?」 匠「アポランター(APO-LANTHAR)な。 レンズ名の最後に、-orや、-onや、稀に-arを 付けるのは昔からの慣習だ。ニコンのNIKKORとかが あるだろう? で、このレンズだが、非常に描写表現力が高い。 そして、高性能レンズとしては比較的小型軽量だ」 B「さっきから、”描写表現力”と言っているが、 それは何だ? ”良く写る”という意味かな?」 匠「概ねはそうだが、もっと広い意味だ。 初級中級層だと、レンズは、クッキリ、ハッキリ 写るものを求めようとする。 まあ、それはそれで良いけど、そこを”描写力” と呼ぶ事とする。 次いで、”表現力”だが、たとえば非常にボケ質 が良いとか、あるいはボケ質に特徴があるとか・・」 B「ボケ質? ボケの特徴? それは何だ?」 匠「今は詳しくは説明しない。 実例を見ないと理解 し難い点もあるしな。追々説明していく事としよう。 ”ボケ質”だけを簡単に言えば、まあ要は”ボケが 綺麗だ”という事になる」 B「ボクが持っているレンズは、なかなかボケが出ない」 匠「ボケが出るか出ないか?は、また別問題だ。 背景をボカすには、色々と条件があるのだよ。 使っているレンズの種類がまず第一にあるし、 次いで、カメラの設定とか、撮影技法も関係がある。 ごく簡単に説明しておけば、焦点距離の長いレンズで F値を小さく設定して、できるだけ近い距離で撮影し 背景(や前景)との距離差を大きく取ればボケる」 B「カメラ自体の種類は関係ないのか?」 匠「一般に、センサーサイズが大きい方が良くボケる と言われているが、それも条件があって、それは ”同じ画角であれば”という前提だ。 ここは、ややこしいので追々説明していくが、 まあ、フルサイズ機を使っただけで、背景が大きく ボケるようになる訳では無い、という事だ」 B「ふむ、ボケの話は奥が深そうだ。 で、ボケの事を”表現力”と呼んでいるのか?」 匠「表現力の1つはボケだ。ボケの質やボケの量、 ボケの特徴、まずそこがある。 次いで、表現力として外せないものとして、レンズ そのものの描写傾向の特徴がある。 具体例としては、魚眼、超広角、マクロ、ソフト、 ティルト、シフト、超望遠、そうした特殊なレンズは そのレンズを使わないと出せない(撮れない)映像が ある、だから、それら特殊レンズを使った場合でも ”表現力が高い”と評価するケースもある」 B「特殊レンズかあ・・ それらは何も持っていない。 そもそも名前を聞いても、どんな写りになるのかが 良くわからないよ。 魚眼レンズとか、マクロレンズは、だいたいは 知っているけどな、しかし、それも買っていない。 値段も高いし、どんな時に使うのかもわからないから、 買っても使いこなせそうに無いしな」 匠「特殊レンズについても、追々説明するさ。 でも、今回のレンズAPO50/2は、特殊レンズでは 無く、とても正統派のレンズだ。 いわゆる”標準レンズ”というものに分類される」 B「でも、ズームが付いていないのだろう?」 匠「”付いている”という表現は、あまりしない。 それでは、付加機能とか、そんな意味だからだな。 まず、写真用レンズは、ズームレンズと単焦点の 2つに分類される。実際には、もっと細かい分類も 有り得るが、概ねこの分類だけで十分であろう。 ズーム(レンズ)は、焦点距離が可変できる。 画角、つまり写る範囲を変化できるレンズの事だ。 単焦点は、焦点距離が固定で、画角を変えれない」 B「それならば、”ズームが付いている”、いや、 ズームが・・ ん? 何と言うのだ? ・・その方が圧倒的に便利なのでは無いのか?」 短焦点では広く写したりできないのだろう?」 匠「まず”ズームレンズ”または”ズーム”で良い。 ただ、ここも世間一般層では「ズーム」と「望遠」の 区別がついておらず、混同してしまっている。 ズームは単に「焦点距離が可変できる」機構だ、 「望遠画角が得られる事」とイコールではない。 それと、”短焦点”ではなく”単焦点”な。 短焦点という用語は、存在しない訳では無いのだが 定義が曖昧で、写真界では、まず使われない。 ”焦点距離が短い”という意味で使うならば、それは ”広角”と言った方が、わかりやすいであろう。 で、単焦点が不利か?というと、そうでも無い。 細かい点は抜きにして、だいたいのメリットだけ 述べておけば・・ 単焦点は、ズームに比べ、高い描写表現力を持つ。 例えば、背景をボカしたりする事も自由自在だ。 また、単焦点は小型軽量だ。大きく重たいズーム レンズを常に持って歩くのも大変だろう? さらには、単焦点の方が寄って撮れる、つまり 最短撮影距離が短い。 そして、値段も安い場合がある。 反面、画角が変えられないので、1本のレンズで 撮る場合は、撮影距離をフットワークで変えるとか または被写体に応じて、他のレンズに交換して撮影 を行う必要がある」 B「やはりズームの方が便利そうだ」 匠「だけどな、先ほどB君は”ピントが合って、良く 写るレンズで、安ければ良い”と言っただろう? 単焦点の方が、その目的の大半に合致するぞ」 B「あっ! そうだった(汗) なるほどね・・ 単焦点レンズを何本も持って それを交換して使えば良いのか・・」 匠「”面倒だ”とは思わない方が良いぞ。 まあ、被写体の状況が大きく違えば、レンズ交換 は必須となるが、そもそも、ビギナー層の場合は ”何をどう撮りたい”とは、ほとんど意識せずに カメラを持ち出しているだろう? だから、”ズームレンズで無いと困る”とかと 言い出す訳だ。 ところが、単焦点レンズを1本だけ持っていた とすると、被写体を見る目線が変わってくる。 具体的には、”そのレンズで撮れる被写体を探そう” という意識に変わって来るわけだ。 ここは、とても重要だ、初級から中級レベルに ステップアップする1つのポイントにもなる。 だから、単焦点を使った方が、スキルアップの 手助けにもなる訳だ」 B「なんとなくだが、わかった。 だったら、このアポランターを買えば良いのか?」 匠「いや・・ そう簡単には推奨できない。 このAPO50/2は、とても地味なスペックのレンズ なので、極端な撮り方、たとえば、すごく寄って マクロ的に写すとか、あるいは背景を大きくボカ して撮るとか、そんな事はできない。 そして勿論、MFレンズだ。オートフォーカスは 使えない、これはビギナーにとっては大きな壁だ。 おまけに、値段が高価だ、類似のスペックのレンズ では、1万円以下で(中古品が)買えるケースも 多々あるが、このレンズは約10倍も高価だ」 B「値段が高いのは、何か理由があるのかな?」 匠「長くなるので、ここでは説明しない。 先ほども言った”コスパ”にも関係がある話だ」 B「またコスパかあ・・ まあ、とりあえず、 わかった事としておこう」 ---- では次のレンズ レンズは、SONY FE 100mm/F2.8 STF GM OSS (SEL100F28GM)(以下、FE100/2.8STF) (中古購入価格 129,000円) カメラは、SONY α7(フルサイズ機) 2017年発売のアポダイゼーション光学エレメント 搭載型AF中望遠レンズ。 B「やっとAFのレンズが出てきたな。 これは、AFが速くて良く合うレンズか?」 匠「いや、むしろAF性能は劣る類のレンズだ(汗) ビギナー層が言う”爆速AF”などでは全然無い。 だから、場合によりMF操作を併用しないとならない」 B「何か意地悪していないか? オートフォーカスが良いレンズを紹介してくれれば 簡単なのに、マニュアルのレンズばかりでは無いか」 匠「意地悪では無いさ。 AFのカメラが1980年代から普及して、そろそろ 40年だ。だから、皆、写真はAFで撮るものだと 思っているし、逆に言えばMFで撮った経験が無い。 だが、MF撮影は基本中の基本のテクニックだ。 これに精通、あるは精進すれば、AFが合い難い ケースでも、MFで難なく撮れ、しかも場合により ”爆速AF"よりも、さらに速く撮れる」 B「AFよりMFの方が速い? いったいどこまで ピントを廻す操作が速いのか?(汗)」 匠「廻さないのだよ・・ (笑) MF撮影の奥義は、ピントリングをできるだけ 廻さないことだ。そうすれば、どんなAFよりも 絶対的に速くピントが合う」 B「ピント(リング)を廻さない? それではピントが合わないじゃあないか」 匠「廻さないと言うより”廻さないでも済む”ように 工夫をする事だ。 例えば、ピントが合う位置(距離)に、予め ピントリングをセットしておくのだよ。 簡単な例を挙げれば、撮影距離が何十mとか、 何百mもある遠い被写体を撮るのであれば、もう ピントは、いわゆる無限遠(むげんえん)、つまり ∞(無限大)のマークの位置から、一切変える必要 が無いではないか。 この時、MFでは、ピント合わせの操作が不要になる。 AFだと、無限遠にある被写体でも、カメラは一から ピントを探しにいくから、なんらかの時間が掛かる。 でも、MFでは、その時間はゼロだ。 シャッターを切れば、瞬時に写真が撮れる」 B「屁理屈(へりくつ)では無いのか? 撮りたいものは、遠距離ばかりにある訳では無いぞ」 匠「近距離だって同じ事さ。 例えばレンズの最短撮影距離・・ 50cmとかと しようか、それくらいの近距離にある、花とか 昆虫とか、小物とかを、大きく写したいとする。 そうした場合、ピントリングを予め最短撮影距離 にセットしておく。 後はピントリングを触らずに、そのままカメラごと (体ごと)被写体に近づいていき、ピントが合ったら シャッターを切る。これも、ほぼ即時に撮れる。 AFでは、こんな場合、ピントが合い難い。 第一に、近距離では高いピント精度が必要とされる から、カメラやレンズのAFの性能が、そこまで 追いつかないで、ピントを外したり迷ったりする ケースが多い。 第二に、レンズには”最短撮影距離”というスペック があり、それを超えて、さらに近寄って写す事は できない。それを無理やり撮ろうとすると、AFは だいぶ迷った挙句、ピントが合わないまま停止して しまう。 これらはAFの弱点だが、MFだと問題は無い」 B「う~ん、一見して正しそうだが・・ MFで撮っても、レンズの最短距離を超える事は できないのだろう? だったら同じでは無いのか?」 匠「それこそ屁理屈だよ。 実際に自分で試してみたら、一目瞭然だ。 植物園とかに行って、近距離の花とかを大量に AFとMFで撮ってみれば良い。 1日も撮れば、”MFで撮る方が、撮り易い”と 言うようになると思うぞ。 実際に試していないで、頭の中で考えるだけ、 または思い込みだけで、判断したらダメだ」 B「ぐう・・(汗) わかったよ。でも、ボクはマクロレンズを 持っていない」 匠「マクロでも何でも同じ事さ。 そのレンズで可能な限り、最も被写体に近寄れ 最も大きく写したい、というケースはあるだろう。 この場合もMFの固定ピントの方が効率的だ」 B「じゃあ、中間の距離はどうなのだ? それもMF、というか、固定ピントで撮れるのか?」 匠「中間距離では、ピントリングを廻す必要がある。 だけど、ここまで述べて来た通り、MF技法の究極は ”できるだけピントリングを廻さない”事にある訳 だから、ある程度は、ピントリングを予めセット しておく事で、撮影効率や速写性、つまり、撮る までの早さを格段に上げる事が可能となる」 B「距離を予想して、という事か? レンズに距離の目盛など、ついていないぞ」 匠「そう、そこが近代のレンズの不満点だ。 ほんの10数年前であれば、殆どのレンズには 距離指標(目盛り)が付いていた。 だが、今時のレンズの殆どには、それが無い」 B「それでは、今まで聞いてきた、無限遠とか 近接撮影の技法が使えないではないか? で、それは”改悪”なのでは無いのかな?」 匠「そうだ、ぶっちゃけ言えば”酷い改悪”だ。 何故そうなったか? MFで撮る人が皆無となって しまったからだ。皆、AFで写真を撮り、AFが 合わない場合、または微調整をしたい場合は、 無限回転式のピントリングで、シームレスMFで 撮るから、そういう仕様のレンズばかりに なってしまった」 B「ふうむ、MFで撮る人が居ないから、MFの撮影 技法が失われてしまい、レンズは全て、AFを優先 する仕様になった訳かな? ならば”改良”か?」 匠「そこは本来、レンズの特性や、撮る被写体に よりけりなのだよ。 前述の通り、遠距離撮影や近距離撮影では MFの方が優れる。 また、詳しくは説明しないが、パンフォーカス またはゾーンフォーカスという概念や技法が あって、それを使えば、中距離被写体でも、 MFでピント固定で撮れる。 だから、特定のレンズ、たとえば遠距離用の 望遠レンズ、近距離用のマクロレンズ。 中距離撮影に向いた、スナップ用準広角~広角 単焦点等では、AFを優先した仕様は好ましく無い。 だけど、一部のレンズがAF優先仕様となって いれば、そのうち全てのレンズもAF優先となって しまった訳だ。これが2010年代での歴史だな」 B「だいたいわかってきたぞ。 すると、最近では、最初からMFレンズを買って おけば・・ いや、MFレンズを買った場合でしか MFの撮影技法は使えない訳なのだな? そうか、だから、MFのレンズばかりを紹介して いる訳なのだな?」 匠「このレンズはAFだけどな。 他は全てMFだ」 B「なるほど。じゃあ、このレンズは何処が凄い?」 匠「とても希少な、アポダイゼーション(光学エレメント 内蔵型)レンズだ」 B「アポダイ・・?? それはアポランタンと何処が 違うのだ?」 匠「アポダイゼーションな、それとアポランターだ。 全然違う、だけど今それを説明しても、記憶容量 オーバーとなるだろう。 追々説明しておくとするよ。 ともかく、このレンズは希少なスペックだし、 描写表現力も非常に高い。だけど値段も高い」 B「わかったよ。これも”コスパ”なのだろう? それよりも、そういう難しい効能のあるレンズを 必要とするか否か?だろう。 ボクは、買わない/買えないな、難しいレンズは 使いこなせそうも無いしな。おまけに値段が高い。 それと、ちょっと調べたら、2023年頃に、さらに 値上げされたそうじゃあないか?」 匠「別に、すぐに買わないで良いよ。 いずれ、こういう機能や仕様を必要とするならば、 中古品を探して買ったら良い、それだけの話だ」 ---- では、今回ラストのレンズ レンズは、Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 110mm/F2.5 (新品購入価格 138,000円)(以下、MAP110/2.5) カメラは、SONY α7S(フルサイズ機) 2018年末に発売された、MF中望遠等倍マクロ。 B「またアポランターか? そろそろ名前も聞きなれて来たよ(笑) で、どうせこれもMFレンズなのだろう?」 匠「そうだ、MFレンズを有効活用するには、マクロ、 つまり近接撮影が特に有益だ。 いや、説明が逆だな・・ 近接撮影をするならば、AFは、あまり役にたたない あるいは効率的では無い。 であれば、近接撮影用途のマクロレンズの場合、 MFレンズでも十分だ、いやむしろ、望ましい」 B「なるほど、MFでの近接撮影か。 ボクは試した事が無い、今度やってみよう」 匠「まあ、一般的なレンズであっても是非トライを。 でも、中望遠の等倍マクロともなると、その MF撮影も容易では無い」 B「ん? どこか違うのかな?」 匠「被写界深度が恐ろしく浅くなるのだよ。 このレベルは、AFはもとより、MFでも厳しい」 B「ひしゃたいしんどう? 被写体振動か? いったい、なんじゃそれ?」 匠「違うよ、”ひしゃかいしんど”だよ。 要は、ピントが合う厚み/深さ/距離の事だ。 ピントと言うものは、そのものズバリの距離だけで 合う、たとえば、8.32mとか、45.74cmとか、 そんな細かい距離”だけ”に合うわけでは無い。 具体的には、9m±1m、だとか、 48cm±5cmとか、 そんな風に、ピントが合う距離の範囲がある訳だ。 その厚みを”深度”と呼ぶ。 ”被写界”というのは、撮る物体側、つまり被写体 側に、その厚み”深度”が存在する、という意味で レンズの後部でのピントの合う距離範囲は、あまり 使わない用語だが”焦点深度”と呼ぶ。 (注:被写界深度と焦点深度を混同してしまっている 事例が極めて多いが、基本的には全く別の概念だ) それらを区別する為、一般的には被写体(物体)側 の深度が重要だから”被写界深度”と呼ぶ訳だ」 B「ふむ・・ その深度の範囲内ならばピンボケは しない訳だな? それは便利な理屈だ」 匠「被写界深度が、数十cmや、数mもあるならば、 まあ、ピントが合わせやすい、またはピントを 外し難い、というメリットとなる。 しかし、被写界深度は、前述の「ボケ」を出す事と 同じであり、近接撮影や、F値が小さくて焦点距離が 長いレンズの場合、ボケは大きくなるが、その分 被写界深度はとても薄くなり、数cmあるいは、場合 により、数mm程度しか無くなってしまう」 B「数mm? そんなにピントが合う範囲が狭いのか?」 匠「範囲と言うより”距離”だな。 例えば、本レンズ、MAP110/2.5で、最短撮影距離 の35cmで撮影をしたとする。 その際の被写界深度は、概算だが約1.5mmしか無い」 B「1.5ミリ?? それでは、ちょっと被写体が動いた だけで、あるいは自分が動いただけでピンボケだ」 匠「その通りだ。だから、非常に難しい。 このレンズはMFだが、AFでは、ここまでの精度は 出難いし、仮にこれがAFレンズで、AFが万が一 合ったとしても、その直後に、花が風で揺れたり 昆虫が動き出したり、自分がブレたり動いたり したら、もうピンボケだ。 ちなみに、”三脚を立てて撮る”のは無効だ。 花が風で揺れたり、昆虫が動くのは防げない。 また、”高性能な手ブレ補正機能”も無効だ。 手ブレ補正機能は、上下左右や回転等のブレには 有効だが、前後方向、つまり距離方向に対して ブレを補正する仕組みは、まだ開発されていない」 B「それは、なかなか難しそうだな」 (参考:ピント距離をズラしながら複数の写真を撮って 合成をしたり選択する技術や、ライトフィールドと言う 複数の光路を同時記録するための技術が既にあるので、 それが、どれほど進歩しているか?と、先年に多数の 特許文献を検索して読んでみたのだが、私が所望する ような「距離ブレに対応」が、直接的に制御できそうな 類の発明や新技術は見つからなかった・・) 匠「それと”深度”は距離の話だが、実際の被写体は、 上下左右に面積を持ち、しかも奥行きも立体的に 存在している。 例えば、花や昆虫、小物などでは、ある1点だけで ピントが合っているだけではダメだ。 立体的な被写体の全体にピントを合わせるか、又は ごく1点だけ(例:花の花弁や、昆虫の眼や角等) にピントを合わせ、他はボカしてしまう等、撮り方 は色々あるが、そこも”深度”を意識して撮る 必要がある」 B「全体にピントが合わない場合、どう回避する?」 匠「被写界深度を深くしたい場合、つまり被写体の多く の部分にピントを合わせたい場合は、撮影距離を 離したり、絞りを絞り込めばよい。 例えば、このMAP110/2.5の同じレンズを使っても、 撮影距離1.2mで、絞りF5.6ならば、被写界深度は 概算で約4cmとなる」 B「4cmか、それだったらブレないで撮れるかも 知れないし、依然、難しいとも言えるし・・ でも、撮影距離を離したら、大きく撮れないよな?」 匠「デジタルズーム、トリミング等の対策は存在する」 B「デジタルズームというものを使うと、画素数が 落ちて画質も落ちるのだろう?」 匠「そんな単純な理屈では無いが、今、詳しく説明しても 理解が困難だろうから、追々説明する。 まあ、画質は、この時点では、どうでも良い話だ。 そもそも撮れていなければ、どうしようもない。 だから、撮る為には、どんな機能や手法も活用する べきだ」 B「まあそうかもな。撮りたいように撮るのが優先だ。 で、このレンズは優秀なマクロという事か。 それでは買いか?」 匠「優秀か? といえば、現代のマクロレンズの中では トップクラスに優秀な描写表現力を持っている事は 確かだ。あまりこれに類する他社マクロは多く無い。 買うか否か?は、コストが大きな課題となる。 つまり、高すぎるのだよ。 例えば、TAMRONのSP90マクロを知っているか?」 B「タムキューというやつだな、先輩が持っているよ」 匠「その”タムキュー”の俗語は使わない方が良い。 1979年に発売開始以来、数十年間も売れらていて 何度も仕様も光学系も変化しているからな。 どのレンズの事を言っているのか?わからないぞ。 まあ、そこは良い。 ・・で、TAMRON 90マクロの、Model 72E、172E、 272E型、つまり1996年~2004年型においては、 本MAP110/2.5と同等クラスの高い描写表現力を 持ちながらも、中古が1万円程度と極めて安価だ。 本レンズを10万円も出して買うならば、それらの どれかを買って、余った予算で別のレンズを 買えば良い」 B「ふうむ・・ 何故2004年型なのだ? もっと新しい 後継型の方が、より良く写るのでは無いのかな?」 匠「2012年のF004型や、2016年のF017型では、 前述した”AF優先”の仕様だから、MFに向かず、 近接撮影での実用性が低い。 おまけに”新しい方が良く写る”と皆が思うし、 実は、それら新型SP90マクロも、コロナ禍の中 生産終了となってしまった。 だから、入手性が低く、中古相場も高い」 B「なるほどね、旧型の方が使い易くて安価な訳か」 匠「その通り。 で、実はTAMRONの90マクロに限らず、2000年代の 中望遠マクロは、SIGMAでもTOKINA製でも高描写 表現力、かつ操作性(使い易さ)に優れる。 どれも1万円台で中古で買える。なんなら全部 買ってしまっても良い。微妙に描写傾向が違うので なかなか面白いぞ」 B「そんなに沢山のマクロレンズはいらないよ(汗) 一番性能が良いものが欲しいな」 匠「だったら、SONY Eマウントならば、このMAP110/2.5 の1択だ。後は、値段の高さを認めるか否か?だ」 B「ここも”コスパ”という事か・・ 世知辛いな」 匠「そうだ、常に”コスパ”の概念がつきまとう。 ”レンズグルメ”と言うが、食べ物でのグルメだって、 常に”値段が高ければよい”という訳では無いだろう? 値段と味の比率もあるし、そもそも自分の好みもある。 レンズだって同じ事さ、コスパは常に最優先だ」 B「よくわかった、どれを買うか?悩んでみよう」 匠「あと、新しいカメラを買うよりも、レンズを買った 方が良いぞ、特に、今回挙げたレンズ群は、どれも 新鋭(=「2016年断層」以降)のレンズなので、 恐ろしく描写表現力が向上している。 この期間(2010年代後半~2020年代初頭)では、 カメラ自体の性能は、あまり進歩が無い事に比べて レンズの性能向上が顕著だ。 (ちなみに、一眼レフでの性能向上の措置が、もう 各社とも限界に達したから、無理にミラーレス機に 転換した、という状況もある) まあだから、新型カメラに買い換えるよりも、新鋭 レンズを買った方が、劇的に写真が変わる」 B「なるほど、了解した」 ---- では、本記事は、このあたりまでで。 次回記事の内容は未定としておく。
by pchansblog2
| 2024-07-06 07:18
| 完了:レンズグルメ入門編第一部
|
ファン申請 |
||