音遊び~オーディオのブログ

 ガレージで楽しむ古めのオーディオ

CDプレーヤー、パナソニックSL-PS840を修理してもらった。

SL-PS840 1992年 49800円

 

 暫く使っていなかったら不調が出てしまった。

 電気メーカー勤務のオーディオ仲間がテクニクス(パナソニック)のこの時代のCDプレーヤーにやたらと詳しく手慣れているので、適当におねだり((笑))してなおしてもらった。

 

 この時期のフラッグシップテクニクスSL-P2000同様の謳い文句が並ぶ構成でパナソニックブランドの主力機、最近は中古市場でも人気が有る。少し前はテクニクスブランドのSL-PS860(1994年、54800円)の方が高価だったのだが、逆転したかな?

 

 1ビットMASH機は押しなべて評価が高い。2000を筆頭に840-860-700-900と使ってみたが2000が頭抜けている、のは価格を考えれば当然の結果。

 では、次点は、、、と考えると私の場合は860だ。外観の高級感を含めれば900なんだが900と860の音に大きな差は感じなかった、、、2000を聴いてしまうと似たような外観で同じく受注生産となっているけど、だいぶ差を感じるのでお買い得価格の860でいいかな、と。

 上から2番目はお買い得、のグループには2000は入ってない、900も良いけど860も音では負けてないよ!って感じか。

 販売時期から推測するに840までのメカの方が設計が古い、700/860/900のメカの方が後々まで生き残るので諸々良いはずだ。

 ではなぜ840を持っているかというと、その構成が2000との共通点が多いからで、メカとピックアップはそっくり移植できる。要するに部品取りとして動態保存中という事だ。そういう用途なので傷多目で一番見た目が悪いけど動作良好(だった)物を残した。ヘッドフォンのヴォリュームツマミは無い。

 

 お任せした修理内容は機構系のコンデンサー交換が主だったらしい。LチャンネルRCA端子の接触不良を伝えておいて図々しくついでに直してもらった。おまけにベルトも交換してくれていた。

パナソニック SL-PS840

 好調。ありがとう。

 

 部品として動態保存というには音が良いんだよねぇ。どこかで格安ジャンク見つけたらヘッドフォンのヴォリュームツマミも付けて、、、ま、要らんか(笑)

 サブシステムのCDプレーヤーの位置にはHD7600を置いてしまったので、少し位置替えしてアンプの下にスペースを確保して設置。

 

 で、使ってみてすぐになぜ使わなくなったかを思いだす。

 電源スイッチを入れるときに本体が動いてしまう。軽すぎるんですよ。

 ハードオフで見かけたジャンク品で中に鉛板や防振シート張り付けてすごく重くなってるのが有った、音質云々よりも重たくなってボタン押しても動かない、これだけで気分よく音楽が聴けるんじゃないかと思う。

 高級感を感じると音が少し良く聴こえるんだよ、人間の脳はそういうもんだ!(笑)

 でも大事にしよう。当面、いつでも音出しできるようにして時々動かそう。

職業病ならぬ趣味病

 例えば、ハリウッド映画を見ていてレコードプレーヤーが映る。

 

 それがネット配信で見ているなら少し戻ってポーズしてどの機種か判断したくなる。最近のアメリカ映画だとテクニクスのプレーヤーにカートリッジが270だったりして、、、という事は1980年頃のアメリカでは、家庭のオーディオはテクニクスが一般的だったわけだ。

 こういうのって誇らしい。アンプは8088だったりする。

 映画タイトルは忘れた、要するにそれほどヒットしていない映画だ。

 

 漫画もそうだ。

 無料配信を待ってなんとなく読んでいる「スーパードクターK」の続編「K2」の最新無料分(2025.11.23現在無料配信中)のレコードプレーヤーはパイオニアPL-1200 で間違いない。

 どうでも良いことかもしれないが、暇なら読んでみて。

 第509話 カラフルスコア

comic-days.com

 テレビのバラエティの背景にも真空管アンプがあったりして、「お、ラックスのMQ60っぽいな」って、何やってんだかねぇ(笑)

パイオニア PD-N901 CDチューナー

 1998年、価格はアンプとセットで63,000円、単品販売はされなかったようだ。
 ファミリーのPDR-N901(CDRへの録音可能)が79800円なので、3ー4万円というところだろう。

 

 購入動機はFMワイドバンドチューナーなので。チューナー単体で探すのも良いのだけれど、AM放送終了が近づいているのでそれなりのチューナーはなんとなく値上がり中。BGM用のCDプレーヤーとしても使えるのは便利かと考えて、音質にはさほど期待しないで購入。お試しなので極上物は狙わず、出っぱなしでなんとか使えそうな物を狙った。

 

 傷あり品、競る事もなく安価に落札。

 手元に届いての第一印象は「軽っ!」重ための1DINサイズのカーオーディオよりも軽いんじゃないだろうか???大丈夫かなぁ。

 実物を見ると確かに使用感はあるし、選局ツマミの傷は目立つ物だがそれ以外は綺麗。リアのRCA端子なんて新品の様だ。

 期待しつつ動作確認。

 チューナーはOK。

 CDは不思議は症状だ。CDでは読み込まない。CD-Rは少し再生して読めなくなる。とりあえず読んでいるので多分なおる、予定(笑)

 

パイオニア PD-N901

 カバーを開けて確認するとピックアップレンズが曇っていたので無水アルコールを使い綿棒で掃除。

 直ってしまった。簡単すぎて物足りない、じゃない、ありがたい。

 

 少し観察。中身は埃もなくとても綺麗。

パイオニア PD-N901 中身

 チューナーはモジュール、カロッツェリアのカーオーディオとの兼用、かな?

 電源の3端子レギュレーターは底板直付けで放熱板省略。んー、こういうの好きだなぁ。

 縦に2枚ある基板は、CDのメカ側の基板にチューナーモジュールが付き、もう1枚の大き目な方がCD用。半固定抵抗がいじりやすい位置に2個あり、ピックアップのフォーカスとトラッキングとプリントされている。解りやすいね。今回特にいじる必要はないが、せっかくなので元の位置を覚えたうえでCDを読まなくなるまでグリグリ回してみた。接触不良解消、、、いや、意味はない。やってみたかっただけ(笑)

 

 古いCD専用機に慣れた私にはCDを入れてから音出しまでは時間がかかると感じてしまう。DVDが出てからのモデルは概ねこんな物だろう、とはいえ同じパイオニアの2005年頃のDVDプレーヤーやウチの最新鋭機PD-D9MK2よりは少し早いみたいだ。

 CDもCD-Rも読み込み快調、本体をコンコンと叩いてみても音飛びしない安定感。選局ノブの傷以外は上物と言える。

 

 音質は爽やか。

 音が薄い、低音は出ているけど迫力はない、高音域のエネルギー感もない。。。

 と、書くとダメダメなようだが変に出しゃばった音域が無いバランスの良い音で、この軽い感じの音に不快なところが無い。UKシリーズの時にも思ったがパイオニアは安価なモデルに魅力を与えるのが上手だ。

 

 高音は滑らかでヴォーカルはすっきりクリアー、音粒も中々に細かく解像度もソコソコ。余韻たっぷりとかパワフルとかの売り文句になるところが無い音なのだが、嫌な音が出ない、というのは低価格帯のモデルでは重要だと思う。

 パイオニアDVDプレーヤーを何機種か使ったが、映像と一緒なら解りにくい音のギザギザやワザとらしい迫力というのは音楽だけを聴くときには「安っぽい音」になる事も多くCDを聴くにはイマイチの機種も多かった。DVD兼用機のCDの音でこのN901の音を上回るのは少ないんじゃないかと思う。

 調べたらレガート・リンク・コンバージョンも採用されている、新旧何枚かのCDをかけてみたがわざとらしさはなく自然な仕上がり。

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2025.11.20追記

 1993年発売のPD-T04で「レガート・リンク・コンバージョン」1995年からのPT-T04Sでは「レガート・リンク・コンバージョンS」となっている。

 このモデルは1998年、古い回路を使ってるって事かな?コストも違うんだろうか?

 ざっくり「倍音追加」程度の意識で詳細な回路構成などは全く知らない、きっと時代と対象ユーザーに合わせて最適な物を採用しているんだろう、長く愛用したT07HSLimited の記事に色々と脱線してレガートリンクの事も書いている。

パイオニア PD-T07HSLimited CDプレーヤー PD-Tシリーズとレガートリンクの仲間たち - 音遊び~オーディオのブログ

 ウチの最新鋭 PD-D9MK2 にもレガートリンクが。

パイオニア PD-D9MK2 CD/SACDプレーヤー - 音遊び~オーディオのブログ

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 フェイスパネルのアルミが厚い等と書いてあったが、樹脂のつまみと操作感も安っぽいボタン、チープ感たっぷりのCDチューナーという入門機。音の厚みや力感など色々と足りないが、バランスの良い「オーディオの音」なのだ。

 FMワイドバンド欲しさに買った安価なモデルで、期待してなかったCDの音が結構いける、嬉しい誤算でしたね。

 でもね、RCA出力はCDとチューナーを分けて出す必要ある?同時使用できないんだし、ケーブルを2セット使う必要なくなるから、アナログRCA1系統、光デジタル1系統、で良かったのでは?

EP専用にしてみる。

 EPを聴こう。

 アーム取り付けの自由度の高いSolid Machineは簡単に調整できるのでオーバーハングをEP専用にしてみた。調整は適当なEPを乗せ、オーバーハングゲージで外周よりも2センチほど内側で最良となるように。1曲の溝は概ね3センチ程度だろう、再内周まで溝があるものは少ないのでここらへんで良いと思う。

 

 EPはサブシステムで気軽に聴くことが多いのだが、LPレコードを聴いている最中にふとEPをかけたくなることもある。

 EPもLPもメインシステムのアームで聴く方が音質は当然良い。LPを聴くときは別のアームを使う事が多く、変な癖の無いMM楕円針を付けてお気軽試聴用となっているデンオンDA-307は最近は出番が少なく、ならば使い方を絞り込んだ設定も良いんじゃないか、と。

 同じ曲でもLPに比べて音が元気だったりするし、EPしか持っていない曲も案外とある、少し真剣にEPを聴くときに使おう。

 

 

 音の変化は、、、よく解らん(笑)

 余韻が良くなったとか、解像度が少し良いかな?とか、調整前後での差は感じたがプラシーボの方が大きいだろう。

 同じ曲でEPのほうがLPよりも全体に元気に聴こえ低音のエネルギー感が大きい、とかいうのは元々だしねぇ。

 

 ま、でもしばらくはこの設定で。

 無駄な時間だったかな、楽しいから良いんだけど。

 

目覚めよ、Aurex! SS-S1W 小さく重い贅沢素材の逸品

 オーディオ休眠期も終わりに近づき、オーディオ仲間と久しぶりにハードオフ巡りをしていたらAurex SS-S1Wを発見、綺麗で興味深いので眺めているうちについ買ってしまった。

 

 久しぶりのブログ記事なので執筆欲多め、脱線ネタはとりとめもなく長いので適当に端折って読んでください。

 

 CORALの4B-1AVをパソコン用に使っているのだが、もしかしたら替わりになるかな?と。

CORAL コーラル 4B-1AV スピーカー - 音遊び~オーディオのブログ

それともミニモニの失敗から学習できなかったという結末なのか?(笑)

ヤマハ NS-10MM ミニモニ 2ウェイスピーカー - 音遊び~オーディオのブログ

 東芝Aurexのスピーカーはこれが初めてだ。久しぶりに画像整理のスピーカーのファイルに新しいフォルダを作った。

東芝 Aurex SS-S1W

 1978年、2台で38000円、この大きさとしては高価な部類と思う。

 2WAYでサイズや構成は4B-1AVよりもNS-10MMに近いのだが、重量は一番重く価格は概ね10年新しい他2機種の倍もする。

 アルミダイカストのエンクロージャーが高価な一因だろう。ダイカストは要するに「鋳物」で音の減衰が早く、ユニットのフレームにも高級機で多く採用されている。まあこの大きさでないとエンクロージャーに採用はしないだろう。

 

 小径ユニットでも大きなストロークで充分な低音域のエネルギーを、、、、

 アレ?コンセプトは一度使ってみたいと思っていたテクニクスSB-M01(1998年2台で10万円)と良く似てる、こっちが元ネタか?いや、テクニクスには同時期にSB-F1があったので、価格的にもそちらの直接の競合機がこのSS-S1Wという事だな。SB-F01は短期間所有しパソコン用に使ったがヤマハミニモニ同様好みに合わずすぐに手放し、特に思い出に残っていない。

 20年で2.5倍ほどの物価上昇と考えると間違いなく「小さな高級機」な訳で現在の1万円以下の中古流通価格はお買い得と言える。

 こうやって「高級」「お買い得」と書くと、衝動買いの罪悪感は減り、音質への期待も大きくできる。

 プラシーボ思考自己増幅回路採用の俺(笑)

 

 先ずは簡単に現状確認。

 販売時の説明どうり片方のネットのピン折れがある。2カ所か、勝手に1カ所だと思っていた。4カ所ではなくて良かったとしよう。単純な樹脂製なので補修も出来るだろうが現状でも外れることはないので保留。

 外観は綺麗、コーン紙の色抜けはない、どこかに仕舞い込まれ眠っていたんだろう。 

 アルミダイカストのエンクロージャーは茶系ガンメタリックの外装色、アルミ色のフェイスパネル、ネットは金属製で全体に「メタル感」がある雰囲気。エッジのクリーム色と黒いコーン紙のコントラストが顔つきのアクセント、型番はワンポイントの赤文字。

 リアターミナルはあまり見ない四角の押しボタン型、しっかり感があり感触は良い。

 

 パソコンに繋いでYOUTUBEで音出し。小さいスピーカーは交換が楽で良い。

 眠っていたスピーカーにありがちなハイ上がりでチャチな安っぽい音。メンテナンスメニューを考えよう。

 音を出しながら考察。検索すると直ぐにいくつかの情報が出てくる。ヒット商品ではないだろうし流通は少ないが、重い(高そう?)から捨てられる事なく残っている物が多いと推測、そして私の様な人がつい買ってしまう(笑)

 

 脱線します。

 先ず、見た目の印象からいくつかのブログでセーム革とも書かれているエッジは「人工皮革」、革ではなく「樹脂」だ。

 これは東レとイタリアメーカーとの合弁会社が1972年に商標登録しイタリアでは「アルカンターラ」のブランドネームで高級車の内装などで重宝された、要するに「合成皮革」だ。日本では「エクセーヌ」の名前で家具などに使われていて、色合いは両ブランドで微妙に違うラインナップだった。当時最新素材としてフェラーリやマセラティに使われたイメージもありアルカンターラの方が知名度も高級感も高いと思う。

 アルカンターラに名前が統一された、と、思っていたら最新情報ではイタリア製は「アルカンターラ」日本製は「ウルトラスエード」、実は生産工場で品質差があるとかかな?日本人とイタリア人の色の好みは微妙に異なるから多分色のラインナップの差だろうな。

 丈夫で長持ち、本物のスエードよりも長寿命で今でも現役素材、日本車にも採用は多くウチにある古い軽自動車(上の方のグレード)のシートにも一部使われている。10年以上経過しているがスェードの「毛羽立ち」がやや擦れてきているが破れは無く色褪せも気にならない。車内という使用環境も考慮するととんでもなく丈夫だ。

エッジはスエード調の人工皮革

 購入前に店頭で調べたこのエッジは衝動買いの理由の一つ。その耐久性を自動車で実感しているがスピーカーエッジへの採用例は今回初めて知った。知ったら聴きたい使いたい、物欲MAX(1万円以下)

 適性を考察。耐久性高い、表面からの輻射はウレタン以上に少ないだろう、天然のセーム革の様に経年変化で硬くならない、湿度にも強い。素材の均一性は当然天然皮革以上で今回の物の様にロール状に成型できストロークを稼げる。

 問題点。なによりもコストかな?、ウレタンやラバーよりも確実に高そうだ。大人の事情を勘ぐると既存取引メーカーとは別ルートからの物は採用しにくい、弱小ブランドの大して売れない物だから使ってみることができた、と考えるべきだろうな。

 私にとっては好きな素材だからのプラシーボ評価もある。後のスピーカーに追随が無いので音質的には大きなメリットはなくコスト高、市場では耐久性はそれほど重視されていない(壊れないと次が売れない)なんだろうな。これが、タンノイやJBLに採用されたなら舶来大好きおじさん目当ての営業戦略で日本製スピーカーにも「アルカンターラ」の名前の方で普及したのかも?

 

 樹脂製、その樹脂とは具体的になんなのか?調べるとポリエステル極細繊維にポリウレタン樹脂を浸透、という情報があった。合成樹脂だな、んー、いつも使っているエッジの保護軟化剤が使える。使うなら表側は質感を損なうだろうから外して裏から塗ろう。

 そうかぁ、裏はどうなっているんだろう?合成皮革は表側の見える面が「革目」で、裏に布を接着した2層構造の物が多い。縫って使うのが主なのでそれが一般的だが、スピーカーのエッジなら裏布の必要はないが、、、そのうち確認、だな。

 今回入手した個体は特に手入れされた様子はなく動物系油脂を塗られていなくて幸運だった。一般的な革のメンテナンス用のミンクオイルや馬油などの動物系油脂では合成皮革を軟化させることはできないだろう、表面の保護にはなるが時間経過で硬化すればむしろ動きを悪くするし、今使っている高浸透性軟化剤の効果を阻害する方向だ。そうなっていると除去が大変で面倒、私なら現実的にはメンテナンスを諦めるか仕方なくウレタンエッジに交換する。

 

 脱線終了。

 

 つらつらと考察しながら音出ししていたら、最初は思い切りチャチだった音は変化して低音が出てきて滑らかに。お、起きたの?って感じだ。

 もうチョイ低域が欲しいところだが時々使えば不満の無い音になるかな?高音も耳に当たるキツイ感じは無くなりデスクトップで聴いていても疲れない。

 

 目覚めてくれたので音質評価。

 

 音質に拘っていないパソコン出力をケンウッドの古いミニコンポのA級増幅で鳴らすだけなので参考程度に。条件が同じなのでコーラルやヤマハとの比較にはなるけど、そもそもこいつだけ高価格なので当然音質は良い。買ったばかりのプラシーボもあるからそりゃもうダントツに良いw

 

 密閉型なので元気ではなく中低域の量感はコーラルに劣るが、低域は癖なく下まで伸びていると感じる。細かな音も良く出るし余韻に雑味が少なく解像感も充分。フルレンジのコーラルの「カマボコ」に対して「フラット」(重低音抜き)、密閉型故の「詰まった」感はある、弱点という程ではなく個性の範疇で、これくらい違ってくれないと面白くない。

 店頭で、「10センチ?ないだろ?」と、思ったウーファー径、実測ではコーラルより1センチほどコーン径が小さい。最近のフォステクス8センチと同じくらいに見える。コーン紙の表面に触れるとざらついた感触で硬質、小径なので相対的に剛性は充分だろう。

 クロスオーバー周波数は3.5KHz、ツィーターによる音場変化は明確で至近距離で聴いているから少し角度を変えただけで楽器の音の広がりの違いがでる。角度を変えて探っていくとスピーカーの外側に定位する音もあるのに酷い中抜けにならない、小さなスペースでの使用では中々に優秀だと思う。

 現時点での音の印象は同じく密閉型のAT-SP500(オーディオテクニカ)の音を少し艶っぽくした感じ。小型機では少数派の密閉型だが、制動の効いた音でしっとり聴くのも中々に良いのだ。

 

 美観、音質、共に質感の高い良い買い物でした。

 もう少し広いところで音量上げてみたくなった、低音がもう少し出てきたらサブシステムで鳴らしてみよう。

生音を知らない人はいるのか?ホーホケキョ、ケキョケキョ・・・・・

 先日散歩していたらウグイスの鳴き声が上手になっていた。

 本当かどうか知らないが、親鳥の鳴き声や仲間の鳴き声をまねて練習して上手になる、と聞いた。5月の鳴き始め頃は上手な鳴き声は少なく「ホーホケッ、ホケッ」とか鳴いているのが多かったのに今は「ホーホケキョ、ケキョケキョ・・・」と滑らかに歌声を聴かせる個体が増えた。

 ウグイスの声、猫の鳴き声、知人との会話。みな「生音」だ、日常の音はリアル且つ高音質なのだ。

散歩道

 数年前にこんな記事を書いた。時々このブログ内のアクセス上位に上がってくる。

音質と音色 - 音遊び~オーディオのブログ

 オーディオマニアにはライブやコンサートに行って楽器の生音を聴けという人が一定数いる。そうでないと本当の音を知らないのだから機材の良し悪しなどわかないのだそうだ。そういわれるとそうだなとは思うし、生演奏で音を知ることは重要だろう。

 でもね。

 クラシックのコンサートを良いホール良い席で聴くならともかく、反響だらけの小さな小屋のジャズライブで楽器本来の音が解るのか?PA使ったコンサートは生音なのか?臨場感、一体感、そういう事を音に求めるなら理解はできる。そういう物を良い音質というなら却下だ、それはオーディオの与えてくれる楽しみの一つだけれど、高音質とは言わない。

 

 先日「古のウエスタンアルテックJBLパラノイア」にSNSで絡まれて不愉快な思いをした。

 古いスピーカーでの再生で「忠実な音」「生演奏に近い」などとのたまう、録音されたその場にいた訳でもないのにその再生音がどれだけ「生音」に近いのか?古い録音のレコードなんて比較判断の材料としては非常にあいまいな「その場所での記憶」さえもないのに?自己肯定感MAXな妄想でしかない。

 古いスピーカーの周波数特性の「暴れ」や「箱鳴り」が臨場感を生んでいるのかな?楽器演奏者が聴いて「本当の音に近い」といわれた等も時折みかけるが、音楽消費者の大口スポンサー的なオーディオマニアの音を忖度なく貶す演奏者はそうそういないだろう、お仕事減るだろうからね。実際に我々リスナーが聴く「音楽」は楽器との距離が演奏者とは違うという事も考慮するべきだし。

 スポーツカーの評論記事で「まるでフォーミュラカーの様な」とフォーミュラカーに乗った事もない評論家が書いていて「テキトーな奴だ」と思ったが、オーディオも同じだな。皆が知らない物(お前も知らないけどな!)に例えて上から目線で偉そうな輩でもこちらが「仕事」ならお金のために少々(少々でしかない、もう大人なのにねぇ)我慢する、が、趣味の世界では「かかわると面倒なヤツ」でしかない。こっちはこっちの自己満足で楽しんでるんだから押し付けて来るなよ、って事だ。

 最小装備のキャンプ旅でカップヌードル食べて楽しんでるヤツに「高級ホテルで最高の料理を楽しまなくては旅ではない」って言ったって同意するわけないだろ?

 今の私には不快と感じることも多い「付帯音」が好きな人もいることは理解できる、音質が劣っても音色が好みというのも大切だ。現に私も気軽に聴くときに「音場型」スピーカーを心地よいと思うし、エレボイSENTRY500の定位のカチッとしない空間を音で満たす良さもまだ手放していない。楽しみの幅だ。

 

 皆それぞれ自分のシステムで音を求めていく時にリファレンスにしている音源がいくつかあるだろう。そしてその中で「バイオリンの音が」「木琴の響きが」「ベースの唸りが」等々、注目する音が有るはずだ。私はボーカル好きなので、その帯域が自分の満足のいくものでありたい、比較対象の「生音」は日常にいくらでもある。でも楽器の音も気にするし、それが良いとさらにボーカルが際立つ。そういう風につくっていったメインシステムの音は既に自分には過分なものになっているようにも感じている。そのうえ、粗探し的に聴いてしまっていまだに不満なところを見つけてしまう。

 良くない。

 そういう時にサブスピーカーのエレボイを古いアンプで鳴らすとか、サブシステムの小型スピーカーで気軽に聴く、心地よい、最高の音質とは思わないが曲を楽しむには充分だ、そしてメインシステムの音質を再確認し嬉しく思い、物欲を抑えられるw

 

 私はスタジオ録音で作り込まれたレコードの音が好きだ。中でも自分にとっての「最高」は歌声は一曲通して(最近だとファーストテイクは歌唱力のアピールに最適だろう)一発録音していただろう1970年代後半から1980年代(中頃までかな、レーベルにも拠ると思うけど)が好き。

 音楽を売る側はターゲットユーザーの持つ機材で楽しめるように考える、私が若いころから好きで聴いてきた時代の音楽は2チャンネルのレコードからCDなので、やはりその時代の音作りがされているのだと思う。ビートルズのレコードは音が酷いなと思ったが、当時のラジオで楽しめるように帯域をぶった切ったといわれて納得。車で聴くTK全盛期のJ-POPを家のオーディオで聴いたらショボい音だった、MDラジカセ世代の音という事かな?ま、それで良いのだ。

 CD全盛の1990年代になるとレコードが販売されないアルバムが増えてきたが、その時期に出たレコードにも、変にCDに寄せた音ではない良い感じの物もある。

 ごく最近のレコードも音は良いと思うけど、再販で音をいじった物は全体の音作りをデジタルに寄せ過ぎじゃないかな。歯切れよくクリアー、安価な機材(主にプレーヤーとカートリッジ)で聴いてもそれなりに聴けるというのはアナログ再流行に貢献してるけど、それなりの機材で聴くとわざとらしさを感じたのでそれ以降買わないようにしている。結局オリジナル盤を聴く方が多いんだよ、まあ無駄使いも趣味のうちだ。

 レコードは再販ではない新譜も好みに合いそうなら買う(こともある、経済的に全部とはいかないw)のだがアナログ復権のおかげか新譜の中にアナログ盤が良い音だと思える物も増えている。配信主流でCDはもう売れないから、わざわざ「物」を作るならアナログ用の音作りをしているのかな?

 

 古いライブ録音の音質が良いと思えない。ライブ録音なら「ついでに記録した音」(だけではないとは思うが)でなく1980年代以降のマイクや記録媒体の性能が上がって、録音のテクニックも熟練して「販売目的で録音した音」の方が良い。

 

 生音。

 山野に広がって消えていくウグイスの歌声は美しい。

 いくつもの歌声を聴いて歌い方の違いも楽しめる。

 好みだが、「ホ~」の音程に揺らぎが少なく長め「ホケキョ」はケにアクセント「ケキョ・・・」は3回が多いようだけど5回欲しいな。

 「ホケキョ」の部分は中々に個性豊かで「キョ」にアクセントとか「ホケキュ」に聴こえたり、ホが聴こえず「ケキョ」だったり。季節がすすむにつれ皆同じようになっていくんだろうか?散歩道を歩いているとあちこちの方向から聴こえてくるが、ハモる事は無いように思う、歌い終わりに別方向から始まることはある。競っているのか、お手本をまねて練習しているのか、、、なんにしても連続して数回聴けると爽やかで心地よい。

 

 この「山野に広がって消えていく」音の再現は不可能だろう、少なくとも2チャンネルオーディオでは絶対無理だ。映画を見ていると映像とマルチチャンネルでその場にいるような気分を味わえるので、近い感覚は得られるかもしれないが、散歩しながら聴こえる音って、室内では無理だよなと思う。

 屋外ならば、、、ウグイスの鳴き声を個別に録音して、あちこちの場所に設置して、人工的な「里山の音」はできるかもしれない。ん、その予算で里山を保全するべきだな、人工里山作るなんてのはとても悲しい未来だ。

 脳の研究が進んで仮想の情報を「脳に直接与える」SF映画の様なものならば、十分にその技術がこなれてくれば安価に散歩気分を味わえるかもしれない。寝たきり老人になる頃に実現していたら幸せだろう。

 

 好きな音を好みの音質で聴く為のオーディオが楽しみなので、「生音」は確かに現実にあるがそれを再現するのは自分なりにイメージする物になる、本当の生音と全く同じである必要もない、絶対に出ないし。

 

 オーディオに興味のない知人がウチのサブシステムを良い音といってくれる、嬉しくなってあれこれ機材を変えて探ると「私はこっちの方が好き」ときちんと差を感じてコメントしてくれる。じゃあ、と、メインシステムで同じ曲をかける。コメントなし。歴然と差があるからねぇ。しばらく聴きこむと私とは違う不満点が出てくるかも?

 コメントなし、が至福のひととき。

今期(2025)まとめ レコードの音のランクアップを果たしたけどメインシステム用アンプ が宿題に

 急に忙しくなったので更新をサボっていたけれど、昨年同様何故かアクセス数は減らない、もしかすると私以上にこのブログへのアクセス頻度が高い人がいるのかもしれない。ありがとうございます。

 駆け込みでスピーカー2点の記事をUPしながら書いた今期のまとめです。

 昨年のまとめは6月4日で今年はさらに10日遅れ。5月中には書かないといけないよねぇ。。。

 

今期(2024)まとめ 企みは進捗せず大きな変化なし - 音遊び~オーディオのブログ

 

 先ず今期一番の変化はこれ。設置含めて一番時間をかけて楽しんだ。

Solid Machine 動作中

 このプレーヤーを使う為に、付随して設置場所を決め模様替えをしてアーム取付の部品を作り、、、と、前期から休眠期間をはさんで長い事「音が出るまで」を楽しんでいた。
 まだ使い込んだわけでなく、まともな音が出るようにはなった、というところ。

Acoustic Solid Solid Machine その4.5 アームベースを磨きまくる、位置決め工具も作る。 - 音遊び~オーディオのブログ

Acoustic Solid Solid Machine その5 アーム取付作業 - 音遊び~オーディオのブログ

Acoustic Solid Solid Machine その5.5 AC-3000MCとDA-307用の道具作りとアームベースの端材 - 音遊び~オーディオのブログ

Acoustic Solid Solid Machine その6 オーバーハング合わせと音出し - 音遊び~オーディオのブログ

 

 S字パイプもあるのでシェルに付いている物は気軽に試せるが、これまで最適化を狙ってテクニクス用のストレートアームに付いている物は付け替えが必要だし、必ずしもACに移植して良い結果になるとも限らない。

 これまでに使ってきたカートリッジ全部をこちらで聴いて相性をチェックするには時間が足りない、曖昧な記憶の中で好印象(音質ではない)だったものを選んで徐々にAC用のストレートパイプに移植していこうと思う。

 

 プレーヤーとしては何年振りかでCDプレーヤーも購入した。今はごく一部を除いてCDプレーヤーは一時期よりも安価だと思う。ハードオフでも店舗によってはCDの買取をやめた店を見かけたのでインターネット、特にYOUTUBEなどの音質向上に伴って生活の中から急速に存在が消えていっているのだろう。CD時代ならではの物もあるので私はまだ手元の置いて楽しみたい。

 レコードを聴くにはサブのサンスイベルトドライブで気軽に聴くのも良いのだが、今は「聴くならsolid machineで一番良い時代のレコードの音を聴きたい」そうなると「使い始めるのがめんどくさい」という、まことに困った矛盾した気持ちがある、そうすると気軽に「最近聴いてないCD全盛期の音楽を聴いてみるかな」となるわけだ。こういう怠け者な気持ちは音質の悪魔に魅入られない為には重要だと思っている。

 

 気軽に使う為のCDプレーヤーだが普及機、中級機、高級機と3機種。

パイオニア PD-D9MKⅡ CD/SACDプレーヤー - 音遊び~オーディオのブログ

harman/kardon HD7600 CDプレーヤー ピックアップ交換 1ビットDAC黎明期の音 - 音遊び~オーディオのブログ

DENON UCD-F10 小さいCDプレーヤー お手軽音源 - 音遊び~オーディオのブログ

 パイオニアはほとんど持っていないSACD対応のCD専用機というのを「DVD兼用の安価なとりあえず聴ける物」ではない2チャンネルオーディオ機を使おうと思ったから。サブシステムのメイン機になっていて、SACDではない普通のCDをちょっと良い音で聴くときに便利に使っている。「ちょっと」なのはメインシステムに繋いでいないからで、実際のところかなりの高音質で、クリアー感はメインシステムのテクニクスを上回るかも?

 ハーマンカードンは出番が多い。3機種の中では最も時代が古いし高音質という見方ではパイオニアに劣る部分も多いが耳障りな音は無く、メインシステムのテクニクスを全体的にスケールダウンしたような(褒めてるんですよ)使いやすい音だ。

 デンオンはサブのサブといった位置づけなので、修理や動作確認の時以外はあまり使っていない。音がやや刺激的(良い意味ではない)なのも理由のひとつではある。

 

 アンプ

 今期はサブシステム用のハーマンカードンを気に入ってしばらく普段使いの主力だった、が、残念ながらトラブルが出てしまいこれまでどおりパイオニアA-150D、並行してハーマンカードンのプリとデンオンのパワーアンプの組み合わせ、が現在のサブシステムの主力。

 

 メインシステム用のアンプはSU-C7000のバッテリー交換をしてレコードを聴く為の万全の体制になった、で、しばらくしたらパワーアンプが壊れた。。。捨てない、パワトラが焼けたわけではないので修理する予定。

 壊れたから音が聴けないという事もなく、古いエクスクルーシブM4様も元気だし、LUXMANの球もある。が、メインシステムの主力にはハイパワーアンプも1台は欲しい。比較的安価で使いやすそうなピンチヒッターを買ったが全然満足しない。

ソニー TA-N330ES 便利アンプ - 音遊び~オーディオのブログ

DENON POA-2200 鬼門を克服できるのだろうか? - 音遊び~オーディオのブログ

 散財してしまった。少し検討して過去に使って気に入っていた物、もっと時代の新しい物、いくつか買ったが迷路に迷い込んでしまった。当面はこれだが、、、、、

オンキョー IntegraM-588 パワーアンプ 当面の主力機だな - 音遊び~オーディオのブログ

 候補機にはまた違う魅力があるので「リファレンス」を決めかねている、聴きこんで比較検討しようと思っているので決定は来シーズンへの宿題となった。

 

 チューナー

 気に入っているLo-DのFT-620、綺麗な動作品を安価に入手した。中々見つからないのでニコイチで作り上げた、そのあとで良い物がみつかるという、ね。そういうもんだよねぇ、、、、、楽しんでるので良し!

Lo-D FT-620 チューナー - 音遊び~オーディオのブログ

 

 シンセサイザー式の新し目もハーマンカードンに続いてパイオニアを安価で購入。本体ボタンの少ない便利機なのだが、リモコンが有ってもややこしいと感じる。あれやこれやと使う私には使いやすさは本体にボタンが並んでいるものの方が解りやすい。

 便利で受信感度も良く、、、音質は不満。既に手元にない。

パイオニア F-F3MK2 チューナー パイオニアは正直だ - 音遊び~オーディオのブログ

 

 やっぱりバリコン機だなぁ、と思っていたところで見つけてしまったOTTOの欲しかった奴、最近入手した中ではこれが動作の安定性も「外した機種選び」感も満足。音質は好きだけど、個人的好みで選ぶならLo-Dの方、かなぁ。

OTTO FMT-1201 FM/AMチューナー - 音遊び~オーディオのブログ

 

 やっぱりバリコン機が良いなぁ、の気持ちが残っている間に見つけて買ってしまったテクニクス。動作安定、音質はそれほどじゃないけど不満もない。この時期のブラックフェイスは高級っぽいけど造りは安っぽい。

テクニクス 80T(ST-8080)チューナー - 音遊び~オーディオのブログ

 

 スピーカー

 

 あまり変化はない、今期はオルトフォンが仲間入り、サブシステムの主力の一角を担っている。癖が無く上質、気に入っているので現在は出番が多い。

Ortofon concorde 1614 コスパ良し!ちょうど良い高性能 - 音遊び~オーディオのブログ

 反動でJBLやJAMOも出番が増えた(笑)

 メインシステムでSB-MX100Dを聴くことが減ったのは喜ばしくない。確実に差があるのだから意識して100Dも聴くようにしよう。

 安価な機材以外増やさないつもりだったが、パワーアンプは想定外に頑張らざるを得なかった。来期は、いや、来期こそ予算より時間を費やす事を心がけたい。