P.E.S.

政治、経済、そしてScience Fiction

2009-01-01から1年間の記事一覧

ハインライン:1941年第3回世界SF大会スピーチ (3)

ハインラインの1941年第3回世界SF大会でのゲスト・オブ・オナー・スピーチ翻訳の第3回目です。今回で終わりです。訳してみて改めて発見しましたけど、ハインラインはこの1941年の時点でJ.G.バラードが後に「内宇宙」に関して言うようなことをすでに言ってい…

ゲルマン:カプラン「選挙の経済学」の書評

NYUの政治学者・統計学者のアンドリュー・ゲルマンがカプランの選挙の経済学 投票者はなぜ愚策を選ぶのかの書評をPolitical Psychology用に書いたそうで、それを自分のブログに載せていました。この本は日本のブログ界でもちょと話題になった印象がありまし…

ハインライン:1941年第3回世界SF大会スピーチ (2)

ふう、なんとかギリギリ約束したとおり、日曜日にアップする事が出来ました、と書いているうちに、12時を過ぎてしまった...もう月曜だよ。 できれば最後まで訳したかったんですが、後4ページ半ほど残ってしまいました。 なんとか近日中に仕上げます。 な…

呪詛と呪詛返し

久しぶりにTalking Point Memoから。いたずらの可能性もなくはないが、とにかくこれが現代の話なのだからアメリカ政治ウォッチングは止められない。人を呪わば穴二つ、下手な呪詛はその身に帰ってくるそうですから、皆さん、気をつけましょう。TPM記事 2009…

Ross Douthat:天と地と

Ross Douthatはアメリカの若手保守派論客です。ギングリッチ、ペイリン、ラッシュ・リンボーなど、アメリカの有名な保守派の人達にはアメリカのリベラルから恥知らずの嘘つきとみなされいる人たちが多いですが、Douthatはマシュー・イグレジアスといった若手…

アンドリュー・ゲルマン:紛争解決研究における紛争

アンドリュー・ゲルマンのブログで、紛争学での戦争死者数の推定に関しての論文に関する問題が取り上げられていました。トピックがちょっと目新しかったので、訳してみました。 (追記:Soulcageさんのコメントにより訳を一部変更しました。Soulcageさん、あ…

ハインライン:1941年第3回世界SF大会スピーチ (1)

まあ、だれも興味ないかも知れませんが、だれも興味を持っていなくても私は持っていますので... アシモフと共にかつてSFビッグ3と言われたロバート・A・ハインライン*1は1988年に亡くなりましたが、彼の追悼としてハインラインの珍しい短編と、スピーチ、…

Menzie Chinn:大不況後のマクロ経済学講義

Menzie Chinnはウィスコンシン大学マディソンの教授さんです。学部学生への中級マクロの講義の内容をどうするかについてのエントリーなんですが、やっぱりマクロの講義はミクロとは違って、経済の変化に応じてどんどん変わるのだなと興味深かったので訳しま…

Rajiv Sethi:需要と供給の部分均衡分析について  

一つ前で翻訳したRajiv Sethiのポストの続きの翻訳です。この賃金カットが雇用を増やすかどうかについての議論はまだ続きそうですね。ところでこのRajiv Sethiのポストの中でも強調されてますが、扱われている「賃金カット」とは一企業内だけのものではなく…

Rajiv Sethi:名目賃金伸縮性についてのいくつかのコメント

先のエントリーで引用されていたRajiv Sethiのエントリーです。 名目賃金伸縮性についてのいくつかのコメント Rajiv Sethi 2009年12月16日

クルーグマン:最低賃金−−疑問への回答

前のエントリーで述べた、最低賃金についてのクルーグマンのエントリーの続きです。最後に出てくるRajiv Sethiというのはコロンビア大学バーナード・カレッジの教授、最低賃金引下げは雇用を低下させるかもしれないよというブログのエントリを書いてます。 …

クルーグマン:最低賃金引下げは雇用を増やすか?

アメリカでは(日本にもありますが)、失業対策として最低賃金を引き下げろ、という声が高まっているそうです。それにたいしてクルーグマンが反論のブログエントリーを書きました。 一読いただければわかるように、全般的な賃金カットの問題はわかっても、こ…

Mark Thoma: 税制は累進的であるべきか? 

オレゴン大学のMark Thoma(ソーマ?トーマ?)のブログの翻訳です。ブログやコラムの翻訳って、タイトルと頭の所だけ読んで訳しはじめてみたらはずれだった、ってのがよくあるんですが、これは結構面白かった。重役報酬などで、報酬が生産性を反映している…

WSJ:サミュエルソンの思い出

ウォールストリート・ジャーナルのブログがサミュエルソンについての色々な経済学者の思い出を載せていました。池田先生が触れている、サミュエルソンがフリードマン以前に自然失業率の概念に気づいていたというアカロフの思い出話が載ったやつです。 (hima…

クルーグマン:安らかなれ、ポール・サミュエルソン

一つまえのエントリーで載せたクルーグマンのブログポストの翻訳。確か京大の根井先生(だったかな?)が1990年代の著作のなかで、最近の学部学生はサミュエルソンの事をしらない、とか書かれていたけれど、院に行くとほとんどどの応用の分野でも基礎文献に…

サミュエルソンが死んだ。

http://krugman.blogs.nytimes.com/2009/12/13/paul-samuelson-rip/クルーグマンのブログで知った。ショックだ。

インタラクティブ・ウェッブブラザ・シェア 2002-2009

2002年から2009年までの、ウェッブ・ブラウザのシェアをあらわしたインタラクティブな図表。下はその画像コピーだけど、デザインのせいもあって、firefoxの勢力拡張が非常に目覚しくみえる。

「知識の壁」というそうな...

ストックホルム図書館のコンセプトなんだそうです。

クルーグマン:気候変動問題に怒る人たち(改題)

前のエントリーで触れた気候変動問題否定派の人たちの心の奥に何があるのかについてのクルーグマンのエントリーです。まあアメリカの否定派の人たちについてはこんなものなのかなと思いますが、日本の否定派の人たちについてはどうなんですかね?反知性主義…

クライメートゲート:あなたは何を信じる事を選ぶのか?

池田先生がまたなんか小躍りしてられますなぁ、と思っていたらコロンビア大学の統計と政治学教授アンドリュー・ゲルマンのブログで物理学者のPhilという方(プロフがなくて、詳しい事はわかりません)がクライメートゲートへの感想を書いてられました。タイミ…

我はアシモフ:29.シオドア・スタージョン

というわけで、今日2本目の「我はアシモフ」、スタージョンの巻、です。 29.シオドア・スタージョン

我はアシモフ:27.ジャック・ウィリアムスン

実はあんまり読まない事も多いまま、早川へのお布施として帰国以来毎号買っているSFマガジンですが、その2010年1月号は馴染みのある作家さん達*1が一杯載っていて楽しいです。まだ実は全部は読んでないんですが、読んだなかでスタージョンとコニー・ウィリス…

なぜ福祉改革は不況対応に失敗したのか? 

ワシントンポストのオピニオンの翻訳です。アメリカの貧困関係の記述を読むと、普通に何百万人、何千万人という数字が出てきますから、かつてはびっくりしたもんでした。なんでそんなに貧困層の人がいるのだろう、そしてそんなにいてなんで社会がそれなりに…

クルーグマン:金融取引課税

えー、またクルーグマンのコラムの翻訳です。またしばらく時間の余裕ができそうですので、当分、SFと経済関係の翻訳を交互にやっていこうと思います。もっとも経済関係といっても、クルーグマンのコラムとかのそんなに専門的ではない、訳しやつものになりま…

我はアシモフ:24.ロバート・アンスン・ハインライン

こんばんわ。水をかけたらマザーボードが壊れたThinkpad X40のLCDと、安く売られていたX41のマザーを組み合わせて、指紋読み取りセンサーがついているのにLCD下にはX40と刻まれているMy Thinkpad X40.5を最近作ったOkemosです。CPUはどっちもPenMの1.5なんで…

クルーグマン:私がなぜファースト・ベストの政策を諦めてサード・ベストに辿り着いたのか、あるいはすべて池田先生(みたいな人達)が悪いんじゃボケ!の巻

アシモフの翻訳をまったくサボってしまってます。すいません。いや、アシモフ先生、実は自伝の中で女子大生との不倫をサラっと告白してまして、その事に衝撃を受けたために翻訳ができなくなりました...って嘘ですけど、不倫の告白は本当です。いやぁ、非…

クルーグマン:カーター政権の思い出 :

えーと、お久しぶりです。それからもしかしてアシモフの翻訳を期待してられる人がいらっしゃるのでしたら、すいません。そのうちにまた再開させていただきます。 で、今回なんですが、久々のクルーグマンのブログの翻訳です。いまクルーグマンは休暇中でブロ…

48. アーサー・チャールズ・クラーク

1992年に亡くなったアイザック・アシモフの最後の自伝的エッセイ、"I.Asimov: A Memoir" (1994)の第48セクション「アーサー・チャールズ・クラーク」の翻訳です。アシモフ、ハインラインと共にビッグスリーの一角を成す、というか成していたクラークについて…

47. ビッグ・スリー

1992年に亡くなったアイザック・アシモフの最後の自伝的エッセイ、"I.Asimov: A Memoir" (1994)の第47セクション「ビッグ・スリー」の翻訳です。一般にビッグ・スリーというとかつてのアメリカ自動車業界の3社の事をさすかと思いますが、SF界ではハインライ…

ヴォネガットとアシモフ

SF

JD-1976さんに教えられたアシモフの「贋物のPh」が収録されている「黒後家蜘蛛の会1」を図書館で借りてきて読みました。本編たるミステリ作品もいいけれど、ただアシモフは前書きやら各短編ごとのあとがきやらが楽しいですね。 ところでアシモフと一緒にヴ…