日常

心臓の鼓動はヒトより早いからそのうち君は年下になる

飼い犬タロになっているつもりで詠む「犬短歌」、2024年上半期の歌です。今年は急に慌ただしくなり、タロの歌心とゆっくりつきあっている時間が取れていなくて、やや少なめです。まあまあのも今ひとつのも全部上げました。気に入ってる歌の最後には*マーク…

耳を掻けど一匹(ひとり)

飼い犬タロになっているつもりで詠む「犬短歌」、2023年下半期の歌です。まあまあのも今ひとつのも全部上げました。気に入ってる歌の最後には*マークをつけてます(/サキコとあるのは私名義の歌)。俳句も少々あります。 ◆ 七月 仲直りするには一におやつ…

この国はもう滅ぶのでこのへんに柴犬だけの国を作ろう

飼い犬タロになっているつもりで詠む「犬短歌」、2023年上半期の歌です。 まあまあのも今ひとつのも全部上げました。気に入ってる歌の最後には*マークをつけてます(/サキコとあるのは私名義の歌)。俳句も少々あります。 ◆ 一月 神様がスポットライトを気…

生きるのに意味なんかない目的もないよ冬より早く走ろう

飼い犬タロになっているつもりで詠む「犬短歌」、2022年下半期の歌です。 まあまあのも今ひとつのも全部上げました。気に入ってる歌の最後には*マークをつけてます(/サキコとあるのは私名義の歌)。俳句も少々あります。 ◆七月 夕焼けに薄いグラスをかざ…

撫でる手が時折止まりこの人の心はここにないことを知る

飼い犬タロが詠んでいるという設定の犬短歌、2022年上半期の134首です。 後で若干言葉を直したものもあります。俳句二句と私の短歌二首も入ってます。 特に気に入っている歌には、うしろに*をつけてます。 ◆一月 掌で頬を挟まれことよろと言われたどこの国…

あたらしい首輪は軽い 拘束と愛の違いをだれか教えて

飼い犬タロのつもりで詠む「犬短歌」、2021年下半期の190首です。まあまあのも今ひとつのも全部上げました。わりと気に入ってる歌の最後には*マークをつけてます(/サキコとあるのは私名義の歌)。 ◆七月(36首) もしかして怒ってますかなんか目が怖いん…

タロと名を呼ばれた時はタロになる自分が誰か俺は知らない

飼い犬のタロ(柴のオス)が詠み手という想定の「犬短歌」をTwitterで詠み出して、半年経った。短歌や俳句に関して私はまったくの素人でほとんど作ったことがなかったが、偶然、主体が犬の俳句ができたのをきっかけに、面白がって始めた。俳句もいくつか作っ…

太陽フレアのせいで

太陽フレアのせいで犬が日本語を喋り出した。 虫の話し声も聞こえてくる。 自分が聞いたことのない言語で喋っているのを聞く。 という朝が来たら素敵だったな。 太陽フレアのせいでネット上の すべての論争がどうでもいい些事になり、 夕ご飯に何食べるかが…

温厚なクマと利発なリス‥‥中年夫婦の店に見る安定のパターン

私は普段外食はほとんどしないけれど、夫が単身赴任先から帰ってくると、一緒に行く近場の店が何軒かある。 いずれも中年の夫婦でやっている、カウンター中心のこじんまりした和食屋や居酒屋。値段はわりとリーズナブルで料理は普通に美味しく、何よりくつろ…

自己実現と失敗と書くこと

内輪の読書会の後の飲み会で、2人の知人に意見をもらったところから、ツラツラと考えたことを書き起こす(Twitterより)。 U氏とK氏は私の思想的基盤(らしきものがあるとして)形成にとって重要な人物だが、「美術家廃業から始まった大野の今のあり方はま…

下駄の季節

昭和30年代後半から40年代が私の子ども時代で、当時、普段履きに下駄を履いている人がまだ普通にいた。きものや浴衣だけでなく、洋服の普段着に下駄を履く。 家の玄関の上り框にはいつも、父の大きくて四角い朴歯の下駄があった。子どもの頃から下駄を履き慣…

散歩道、キラキラしたものは一つもなく、空が広い

曇り空の下、散歩に出た。比較的涼しいが湿度は若干高め。 イチョウの木々がざわざわと話しかけてくる。夜は野鳥のねぐらになる。 乾ききった田。雑草は刈られているので、そのうち水が入るはず。 水の入ったばかりの田。向こうの木立は猫たちの隠れ家。 繊…

「一生懸命勉強するしかないって感じ」「あなたはとっても可愛かった」

実家で、母や夫と一緒に、昔の家族のアルバムを見ていた時のこと。 「お母さん、美人だねー」「◯◯ちゃん(妹)、可愛いなぁ」などと褒めた後、夫は私の小学生の頃の写真に、「うーん。これはもう、一生懸命勉強するしかないって感じだな」と言った。なんだと…

犬について

少し前に、自分の飼い犬について呟いたものをまとめておく(誤字だけ訂正)。 3月8日 飼い犬が外で甘えた声で鳴いている。犬を室内で飼う習慣はないので玄関の外。柴のミックスで寒さに強い。夏の猛暑の際は玄関に入れてやる。まだ3歳で甘えたい盛り。朝夕…

ちくさ正文館と喫茶モノコト

昨日、久しぶりに、ちくさ正文館に行った。 名古屋では有名な人文系老舗書店。昔、近くの河合塾美術研究所で働いていた頃、しょっちゅう通っていた。歴史・思想・哲学・芸術系が充実していて、棚を眺めているだけで楽しく、長時間入り浸っていた。知的刺激を…

隣のジェントルマンと日本的ヒューマニズム

今期最後の講義が終わり、京都駅から上りの新幹線に乗った。窓際のA席に座る。 B席は空席でC席に、大きなガタイをダークスーツに包み、ヘッドフォンをしたスキンヘッドの白人男性がいた。なんとなくスパイ映画に出てくる敵役の警護担当みたいな外見(想像力…

ゴマのお汁粉と甘酒

「昔は、夏に冷たいお汁粉を食べたのか」と、今日の『とと姉ちゃん』を見て思った。 女学校時代、『元始、女性は太陽であった』に感動し、大学進学して出版の仕事に就いた鞠子は、自分より若い世代に同じような言葉を届け鼓舞したいと、平塚らいてうに原稿執…

電車の中で

仕事の帰り、夕方のラッシュで混み始めたJRの四人掛けシートに運良く座れた。 前の席は若い女性と、週刊誌を読んでるサラリーマン風の男性。 そして隣は、まだ2ヶ月くらいの赤ちゃんを抱っこ紐で前に抱え、さらに大きめの手荷物を持ったお母さん。 スマホを…

ウンチに罪はない

多くの愛犬家がそうしているように、私も散歩の途中で犬のウンチを片付ける。 片付け方は人によって様々だろう。サッと犬のお尻の下にシートを敷いて、そのまま包んでウンチ用のビニール袋に入れる人。スコップか何かでウンチを掬い、袋へ入れる人。ビニール…

過ぎていく

連載の告知以外で記事を書かずに、一ヶ月ほど過ぎてしまった。 前は一週間以上間が空くと「何か書きたい」という気分になっていたが、最近はそれがなくなってきた。そろそろ終わりだろうか。 以前より熱心にネットを見なくなり、お気に入りに上がってくる記…

「村」に関わって弾かれた話

(※「はてな村」のことではありません) ある展覧会で自分の展示状況に明らかな問題があったので、搬入を請け負った世話役の人に聞いたら、「問題はわかってたけど、みんなに気を使って言えなかった」と言われて驚いたという出来事のその後について。 私から…

吾輩は侍猫である

ドラマや映画の『猫侍』のことではありません。「侍猫」です。 今朝、真にサムライと言うべき猫を目撃したので、その話。 愛犬を散歩させていると、時々猫に出会う。犬は猫に興味津々だが、大抵逃げられる(イラストで描くとこんな感じ)。 今朝もあるお宅の…

花と蛇

庭のハクモクレンが何年ぶりかにちぎったティッシュみたいな花をつけ、それが散ったらずっと前に植えてだんだん増えてきたスミレ群が咲き、次はシランの赤紫の花が一斉に開き、ドウダンツツジもスズランに似た小さい白い花をつけ始めて、あまり熱心に手入れ…

露芝

昨日の早朝、いつものように犬の散歩をしていて、田んぼの端の今は低い草むらになっているところに足を踏み入れたら、生い茂る緑の草葉の先端に一滴ずつ宿った朝露がずらーっと朝日を受けて輝いており、まるで細い草葉の一本一本がそれぞれ一つずつ光るイヤ…

おばあさん犬とうちのムスコと私

愛犬が老衰で死に、その後猫を飼い出した友人がいる。両方を飼った経験のある者同士で、「犬と猫がいかに違うか」という話を時々するが、彼女がある時こんなことを言った。 「この間、◯◯さんが愛犬を連れてうちに来た時に、その犬の顔が人間の顔に見えた」。…

カストリ雑誌の付録

義父宅で片付けの手伝いをしていて見つけた。義父によれば警察署に勤めている時に誰かにもらったものらしい。 裏には「眞相実話・十二月号・別冊附録」とあり、ビアズリーを真似たようなイラスト。掌サイズ。紙質も印刷も粗悪。 『眞相実話』は、戦後数多く…

犬の帯

急性気管支炎をこじらせつつ仕事に追われ怒濤のように過ぎていった一月が終わって、気づいたら57歳になっていた。 特別の感慨もないが、例年になく大変だった一ヶ月を乗り切った祝いに、自分に帯をプレゼントした。犬の図柄に一目惚れ。 57歳にもなってこん…

「嫁が欲しい」「頼れるのは娘」という母親たちの言葉

去年の夏前だったかいつものように、義父の家に行って庭の草取りをしていたら、近所の年輩の主婦の人がやって来て、垣根越しに「まあよくやってらっしゃること」と声をかけてから、「いいわねぇ、うちも嫁が欲しいわ」と独り言のように言った。そこの家の息…

父の呪い、母の背中

これまでの著作も読んでいて、今回の本を読んだ友人に言われたこと。「お父さんの話はよく出てくるけど、お母さんの話はないね。ちょっと不自然なくらいない。何故?」。言われてみるとそうなのだ。私は「父の娘」だから、というだけなのか。これもちょっと…

田んぼに落ちた青い靴

はてなブックマーク-「酒を飲み過ぎて記憶がない」という人間を信用できない - 今日はヒトデ祭りだぞ! エントリーページのいろいろなコメントが面白い。 お酒を飲み始めて数十年、途中からすっかり記憶がなかったのが2回、ところどころ飛んで覚えてないと…