島田裕巳『不安を生きる』

島田裕巳が「不安」をテーマにして編集者相手に話した内容を加筆修正という聞き書きスタイルで書かれている。中身には相当個人的なことまで含めて著者のこれまでを振り返る記述が情緒的にちりばめられていて、そこにうっかり感じ入ってしまったりとか、もの凄く狭い範囲の時事ネタ満載で(楽天・ライブドアとかオレンジレンジとか)、気分的にはblogだのなんだのを読んでいるのと大差ない状態になったりとか。新書という形態になっていることに違和感が..。
でもまあ私には楽しめました。白状すると、島田裕巳は嫌いじゃないのだ。いろいろ呆れてはいるけど、その部分もかえってシンパシー感じてしまったりする。本文中で、「癒し産業」が形成されて不安を煽っていることに対して

ただ疲れているだけなのに、あるいは生活が不規則で慢性的な寝不足なだけなのに、癒しを求めているのだということにされてしまう。

むう。