DIY 秘密基地 12 丸太フェンス「番線縛り」
1.道具
丸太同士を縛るのでしたら「しの」1本有ればよいのですが、
此処はやってはいけない共締め。強く締める手や指の代わりに写真の道具を使います
番線縛りに欠かせない「しの」は先曲がりの2本を使い分けました。
直線に伸びた形状のしのもありますが、素人には先曲がりの方が使い易いです。
豆知識:「しの」は「しの竹」の穂先に形状が似ている事から名づけられました。
「シノー」ではありません。
「ラチェット付きしの」が正式名称ですが、正式名称で呼ぶと「何それ?」
「シノ」といえば、ほとんどコレになります。
2.#10(径3.1mm) 加工番線
「なまし鉄線」を700mmの長さに加工した番線で「加工番線」と呼ばれます。
上の「黒色」が市販品で、下の白色は下塗り塗料を使ったものです。
結果:爪で擦ると剥がれます。しかし、
塗料が割れませんので、暫定的な「さび止め」には使えそうです。
3.番線差し回し
1)番線を丸太にさして、ぐるりと柱を回して番線先端を引きずり出します。
2)番線の頭(輪)を押しながら先端2本を引き出し、大雑把に形を整えます。
4.背面の番線の緩み取り
1)裏に廻って、柱の形に添うようにハンマーで叩きながら緩みを取ります。
Point1.丸太の太さと同じ幅に、番線は真直ぐに伸びるように。
Point2.右側から叩き始めて左側に、丸太の形に添うようにして緩みを取ります
5.表に戻って、番線仮締め
1)番線の先2本を束ねて持ち、しの等で番線の形を整えて緩みを取ります。
番線の緩みを取り切るのがPOINTです。
2)番線は頭の下に回し、しので手前側に引く様に1回転近く回します。
もう、ほぼ丸太は締まっています。
6.また裏に廻って、番線のが丸太の形にハンマーで叩きこんで緩みを出します。
NG OK 特に正面
丸太の径と直角平行に締めないと、緩みます。
番線をハンマーで叩き込んで、緩みを出し切るようにします。
全体的に、特に正面の番線はハンマーで丸太に食い込むように叩き込みます。
ほぼ丸太の面と番線の高さが同じくらいにまで、叩き込みます。
7.本締め1
しの 腹 を丸太に当て、渾身の力で手前に番線を引き出します。
何かで「しの」の先端を受けて、これを支点にして「しの」を引いても良いです。
番線が緩んだ分を縛り、隙間が出なくなるまで繰り返しです。
8.また裏に廻って番線をハンマーで叩き込んで緩みを出して、
9.戻って最後の「締め」です。
丸太に番線が食い込んでいくのが分かります・
張っている番線を「しの」の先で叩いてみます。
締めが緩いと、ふにゃっと番線が曲がります。
締まると 、ピアノ線の様に張って、「コーン」と音がして「しの」を弾きます。
最強は 、ほとんど弾き返さなくなります。音も「コンッ」と響きません。
まるで鉄の塊をたたいているような感触になります。
これ以上締め続けると、輪っかの部分が切れてしまいます。
10.Point:番線の「輪っか」ではなく「首根っこ」を締めます。
これが、なかなか難しいのです。
「しの」の根っこの太い部分で締めこんでいくのがコツです。
頭の「輪」だけを廻すと、
番線はグニャグニャに何回も捻じれるだけで締まりません。
「緩み」を取りながら締めると3~4回捻じってしまいました。
丸太同士だと1~2回で締まります。
「しの」の先端を番線の首根っこに当て、「輪」で捻じれているクビを
持ち上げるようにすると、首根っこから締まりやすくなります。
番線は丸太の交差している中心に来るように縛ります。
位置がズレると加わった力が四方に平均的に分散しません。
中心で縛る事で、同じ力で締め付けられ、
力を受けても平均的に分散されて破断しにくくなります。
Point.番線は「引っ張る力」にはとても強いです。
しかし「捻じれ」には弱いです。
グルグル巻きにして縛っていると、番線は切れやすくなります。
また「傷」が付くとそこから切れる可能性が大きくなります。
11.#10のなまし番線の場合「最大引張荷重 凡そ2500N =255kgf」です
1本10円の番線でもきちんと締まっていれば、
番線一か所で約250Kgでも切れないのですから、とても強い締結力です。
「構造計算」では安全率10倍を見て、一か所25Kgfで計算する事にしています。
木ネジはネジ山で木材の繊維に引っ掛かっているだけですから、
ネジ締め部分が木繊維を破断して抜けてしまいます。
ネジの径・寸法により大幅に異なりますし、檜は非常に強い木繊維ですが、
私は番線の1/10を目安に、引抜荷重は3Kg程度と安全を見て計算します。
ただ、番線は非常に錆びやすいのです。錆びると、非常に切れやすくなってきます。
塗料かシリコンなどで錆止めするのは必須になります。
ここまでは番線縛りについて整理してみました。
取りあえず、柱6本、後日に1本追加して長さ10mに計7本の柱を立ててみました。
番線は仮設ですが、仮設でも充分強度を得られるように
本工事は通しボルトで緊結する方法を考えています。
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