
アメリカで生活する際に知っておくべき重要事項の1つが、
日本と違ってアメリカでは、支持政党をはっきりと公言するメディアも多い…ということ。
例えば、米国の4大ネットワークTV局の中で最も新しいFOXや、2000年代に生まれた新たなオンライン・メディアのブライトバート(Breitbart News Network)は共和党支持の保守派。
一方、昔からあって、「伝統的メディア」と称されるニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストなどの大手新聞社や、CNNやNBCなどのテレビ局は、民主党支持のリベラル派。
どのメディアが、どのくらい保守的なのか、先進的なのか、あるいは、中立的なのか…を知らないと、正しく判断できないリスクが常にあります。

これは、2019年にアメリカのピュー・リサーチセンターが行った調査に基づいたもの。アンケートを通じてアメリカ人およそ1万2000人をリベラルか保守かに分類し、それぞれどのメディアをよく見るかを表にまとめたとのこと。
また、アメリカのメディアの大きな特徴として:
大手テレビ局や新聞は、最近では「伝統的なメディア」と呼ばれる。それらのほとんどは、「中道から左派・リベラル」寄りとされる人たちに好まれる傾向がある。一方、平均値より右側が、「中道から右派・保守」に好まれるメディア。有名なところではFOXニュース、さらに右側にブライトバートが位置している。こちらは比較的、新しいメディアが多い。
新聞や地上波テレビがメディアの主流だった1980年代ごろまでは、メディアは特別な存在だった。テレビの放送を出したり、全国に紙面を配ったりするのは大企業でなければできなかった。そこで働く人たちも、比較的裕福な家庭で育った都市部のエリート層が多かった。そのため、伝える内容も彼らの思想傾向を反映し、リベラル寄りになっていったと指摘されている。
これに風穴をあけたのが、ケーブルテレビやインターネットの台頭だ。メディアを立ち上げることが飛躍的に容易になると、次々に新しいメディアが誕生した。その一部は、伝統的なメディアに不満を持つ保守的な人々をターゲットにするという戦略で成長してきた。新興メディアどうしの厳しい競争の中で、伝統メディアがカバーしていなかった人たちを顧客として取り込むことに成功したものが多く生き残ることになった。新興メディアの右傾化はこうして起きたと言われている。
…と詳しく説明してくれていますけど、最も重要なことが抜けてます。
つまり、アメリカのメディア事情は分かったけど、『それじゃぁ、比較的、正確な事実(データ)に基づいた客観的な情報やニュースは、どこを見たら良いの?』っていう、ごくごく当たり前の疑問にお答えするのが、この冒頭のスクリーンショット、eMarketer(イーマーケター)による平日毎日更新されるポッドキャスト:
eMarketer(イーマーケター)は、1996年に創設され、ニューヨークに拠点を置く、デジタル・マーケティング、マスメディア、商業に関する洞察と傾向を提供する市場調査子会社。フォーチュン500企業の過半数…というか3分の2が、eMarketerの顧客になっているそうでして、そのくらい信頼性や客観性が高いのが特徴。なお、2016年6月、ドイツの大手メディア企業であるアクセル・シュプリンガー社 (Axel Springer SE) が2億4200万ドルで買収し、現在はその傘下。
このポッドキャストは、出演者の多くがeMarketerのオフィスのあるニューヨークご在住ということで、ごりごりのニューヨーク英語でお話してくれてまして、ニューヨーク英語に慣れてる方々にはとても聞き心地も良く、そういう意味でも、オススメ。
詳しい例は長くなっちゃうので次回にしますが、とにかく、最新ニュースに関する特にデータの部分(アンケート調査の取り方、選択肢の問題点なども)について、eMarketerの担当スタッフが、「これ面白いねー」とか、「これおかしいんじゃないの?」みたいな感じで、ざっくばらんにワイワイ、ガヤガヤと語ってくれてるのが、いい感じなのです。
〔ご参考〕
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