前回に続き、ユニオン・スクエアで催されてたアース・デイ(Earth Day、地球の日)関連イベント風景。
会場にずらりと並ぶ、何かしらの環境保護活動をする民間企業、NPO団体のテントや机などの中、興味深い出展者を見つけました。
このブログでも、過去、数回、ご案内しております、都市農園ベンチャー企業の『バウエリー』(Bowery)のコーナー。冒頭の写真のように、同社の主力商品である様々なサラダ葉を展示。試食もご提供。
さて、ここで「都市農園ベンチャー企業って何?」って思われる方々のために、簡単にご案内しておきましょう。
じわじわと長年にわたって少子化が進み、基本的に人口は減少傾向にある日本では、ほとんど問題視されていないようですが、広く世界を見てみると、実は、2050年までに世界人口の7割が都市圏(urban areas)に集中して居住する…なんて予測がございまして、今後、世界各国の都市圏では、地域人口を満たす十分な食料(特に、野菜や果物などの生鮮食品)を確保するのが極めて重要な社会問題や政策課題…、要するに、都市部で生鮮食品不足が深刻な問題になる可能性が高いと指摘されているのです。
それじゃ、野菜や果物などの生鮮食品の都市部の需要を満たすようにしようと思っても、これまでの古くから続く農業のやり方では、土地不足、水不足、そのほかなんやかんや環境に悪影響が出るので、絶対に無理。
そこで登場したのが、最先端テクノロジーを活用する新しい都市農園。
ビルの屋上や室内に作られるこの手の都市農園は、これまでの農業とは、農作物の育て方(土や水や肥料や農薬などの使い方)が根本的にまったく違うんです。都市農園では、最先端テクノロジーを活用し、コンピューターで「環境」や「状況」を管理する水耕技法(hydroponic technique)を行ってまして、土を使わず水だけで、しかも通常の農業で使用する水のわずか5%だけの水で、農薬を一切使用せず、グリーンハウス内なので天候にも左右されず、通常よりも短期間でより美味しい野菜を育成しちゃうのです。
しかも、コンピューターを活用しながらより良い「環境」や「状況」を学んでいくので、シーズンを重ねるほど、より効率的に野菜を育成できるようになっていくのだとか。いわゆる人工知能(AI)による機械学習ですね。
そんな都市農園、実は、ニューヨークには、米国史上初となる商業用屋上グリーンハウスもございます。
2014年、ブルックリンにあるスーパーマーケットのホール・フーズ(Whole Foods Market)の屋上に作られた2万ft²もの広大な『ゴッサム・グリーン』のグリーンハウス。実際に、そのグリーンハウスの無料ツアーにも参加してますので、ご興味のある方は、以下の過去ログをご参照ください:
まぁ、とにかく、そんな背景から、近年、ニューヨークでは、なにかと注目される都市農園ベンチャー企業の1つ、『バウエリー』(Bowery)。
そう言えば、このバウエリーは、収益性を高めるため、短期間で育ち比較的高く売れるサラダっ葉の生産に長らく特化してましたが、つい最近、2022年2~3月くらいからイチゴの生産をはじめる(そのためイチゴ収穫専用ロボットの企業、Traptic社も買収した)ということで、各所でニュースに:
農業の未来を考えるお仕事に携わっている方々はもちろん、そうでない皆さんにとりましても、何かと注目すべきベンチャー企業の1社かな…と思います。
以下、アース・デーのイベント会場で見かけた、都市農園ベンチャー企業の『バウエリー』(Bowery)のコーナー。現場の様子をご参考まで。
全体的に緑多めな印象自社単体の事業説明だけでなく、環境保護につながる様々な取り組みについての案内も
ただし、イチゴの生産をはじめることについては、最新情報過ぎるからなのか、何も見当たりませんでした公式サイト上には、”Introducing…”(ご紹介します…)みたいな感じのイチゴ生産の特集ページ(boweryfarming.com/strawberries/)もできてます勢いあるベンチャー企業ならではのフレンドリーなスタッフの方々サラダ葉の試食もできます
【都市農園ベンチャー『バウエリー』(Bowery)関連過去ログ】
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