今回はクレイグ版ボンドの3作目『007/スカイフォール』についてです。
これまで、当ブログでは『カジノ・ロワイヤル』『慰めの報酬』と綴ってきました。
クレイグ版ボンドは5作あるので、ちょうど半分。
今作『スカイフォール』はストーリー的にも一区切りといった内容になっています。
前作『慰めの報酬』である種の「復讐」を遂げたボンド。
今作は新たな任務に就くことになります。
序盤から新キャラ登場。そしてド派手アクション満載なのは相変わらずです。
列車に乗り移る(物理的に)のシーンは特に好きですね!笑
そんなボンド、Mの無茶な指令により一時は死人となってしまいます。
しかし、見事死人からカムバック。
とは言えやつれた様子と老いを感じる風貌に、観ているこちらも不安が募るんですよね……。
初見で観た時は思わず「今作で引退か?」と思ったぐらい。
(結果としてあと2作続いたんですが)
ちなみに今作『スカイフォール』では、毎度お馴染みボンドガールもちょっと影が薄め。
それよりも、ボンドに指令を下す「M」に物語が集中しています。
「M」はボンドと同様に代替わりすることがありますが、今作まで演じているのはジュディ・デンチ。
クレイグの前にボンドを演じたピアース・ブロスナン時代から7作(年数にして17年!)に渡りMとして出演していました。
この『スカイフォール』に登場する敵はMと因縁があり、Mもまたその身を狙われることになるのです。
ストーリーとしては全体的ににどっしり重いイメージ。
最終決戦地である「スカイフォール」はクレイグボンドと由縁がある地なのですが、あまりに寂れた様子なのもあって、結末含め余計に寂寥感を感じさせる作品となっています。
そして、やはり今作でも「人間らしさ」が垣間見えるクレイグボンド。
Mに対しても上司以上の感情を抱いているように見えるのです。
それはもちろん恋愛的なものではなく……絆のような、特殊な信頼関係のような。
Mもまた部下として、そしてひとりの諜報員としてボンドを信頼していました。
お互いにビジネスライクとは言い難い、複雑な感情だったのではないでしょうか。
そんな人間ドラマも、クレイグ版ボンドの特徴であり見どころだなと思うのです。
007シリーズ史上、最高の興行収入となった『スカイフォール』。
アクションも人間ドラマもたっぷり楽しめますので、秋の夜長にいかがでしょうか。