第56回生命科学夏の学校@白石に行ってきた:ダイバーシティを考える

生化学若い研究者の会が主催する第56回生命科学夏の学校に参加するために白石に行ってきました。実行委員長の西村亮祐さんが東北大ということもあり、本学の若い知人も多数参加されていました。確か講師として呼ばれるのはこれで3回目。東大と、神戸エリアのどこだったかと。前2回がものすごい暑かった記憶があり、着ていくものの選択を誤った気がします……>< 仙台からやまびこで一駅、白石蔵王で降りたときの気温は20℃くらい、さらに山間の会場まで移動すると19℃となりました。
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お呼び頂いたのはシンポジウムで、科学哲学の伊勢田哲治先生@京大と、食品栄養学の前田隼人先生@弘前大と御一緒でした。全体タイトルが『これからの「多様性」の話をしようー多様性社会を生き延びるための◯◯」というもので、最初にセッション企画の意図が話されたのですが、「多様性は望ましいのか」というタイトルだったことに(御連絡は受けていましたが……あまり自覚しないままに会場に赴いたので)びっくりしました。私にとって「多様性」は「望ましい」ことがア・プリオリに前提だったからです。
 (ちなみに、セッションは2日目の午前中で、前夜の懇親会も遅くまで盛り上がった模様。伊勢田先生のご講演からは、ヘレン・ロンジーノやミリアム・ソロモンなど、今まで知らなかった哲学者のことを知りました。前田先生は弘前大学で開発された「紅の夢」という新しい林檎の品種をイントロに地域での産学官連携などについて講演されました。)

どうも、「これまでよりも<多様性>の多い社会になると、たいへんそうだ。どうすればよいか?」というような問題意識を話されたように思います。それで、あぁ、そうか、就活で皆が一斉にリクルートスーツを着て、そのまま入社式にも出るために一面黒尽くめ、という状態になるという話の背景の一部を少し垣間見た気がしました。(画像はWING DAILYというサイトの2016年4月4日の記事から拝借します。)
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ちなみに、弁理士の日々というブログのJAL入社式から見える時代の変化という記事を見て頂くと、1980年代と2010年代の服装の違いがよくわかると思います。

たぶん、私の世代の意識としては、制服でもないのに、皆が同じ格好になるのは全体主義のようで「キモチガワルイ」という感覚があるように思うのですが、それが皆と同じでないと不安の方が強いということなのでしょうか……。上記の今年のJAL入社式で植木社長の訓辞が「皆さんもダイバーシティの要素」という内容であったというのは、なかなかアイロニーを感じます。若い世代の皆さんにとって、「皆と同じでないと心配」という要素と、「多様な個性を発揮して下さい」というプレッシャーの間には葛藤がある訳ですから、そりゃぁ、たいへんだなぁと思った次第です。

講演は15分(!)で、そんな感想から始めてしまったので、ほぼ時間切れ……。私は男女共同参画という観点からの話題提供でしたが、そもそも有性生殖を行う生物が地球上で多様な進化を遂げてきた、ということもあるので、性差は前提。また、男女という二項対立とは捉えておらず、いわゆる男性的な思考パターンの女性もいれば、その逆もあるでしょうから、結局は個人個人の希望に合致したキャリア形成ができたら良いと考えています。

……ともあれ、あまりに喋り足りなかったのですが(苦笑)、近い話は今度、お茶の水大学さんで講演がありますので、近場の方、良ければぜひ聴いて下さい。一応、本日まで参加登録受付のようですが、たぶん当日参加でも大丈夫でしょう♬

2016年9月3日(土)14時~17時20分
お茶の水女子大学理学部3号館7階701教室
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by osumi1128 | 2016-08-28 08:03 | 若い方々へ

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