徒然なるまま

日々の記録

終わり良ければすべてよし!『天保十二年のシェイクスピア』

東宝ミュージカル『天保十二年のシェイクスピア』を観てきたので感想です。

※『天保十二年のシェイクスピア』および『朧の森に棲む鬼』のネタバレを含みます。

 

本編に入る前に。

日生劇場に入るのはたぶん二度目で、初回から何年も空いているのでうろ覚えなのだけど、劇場内こんなにおしゃれだったっけ…?

曲線が多くて壁は淡い色の石っぽい素材で、ディズニーシーのマーメイドラグーンみたいだと思った。

外観やロビーなどはシックなデザインだから、なんだか意外。

 

今回は2階席でした。

遠いけど、遮るものが何もなくて観やすかった!

 

開演前、サックスやフルートの音出しの音が聴こえてくる。

ちゃんとしたミュージカルだから当たり前といえばそうなのだけど、生音だ!と感動した。

 

今回、出演者に関する予習を全くしていなかったので、知っているのは浦井健治さん、唯月ふうかさん、中村梅雀さんの3名のみ。

ひとり何役もやるらしいけど、果たしてついて行けるのか…!

 

さて開演。

木場勝己さんが登場し、口上を述べる。

2020年に上演した本作だけど、コロナのせいで千秋楽を迎える前に上演中止となってしまった。今回は必ずや東京千秋楽を迎え、そして大阪を皮切りに全国ツアーも成功させてみせる。

という内容。

2020年版は知らなかったけど、何か月もかけて準備してきたものがあっさり中止となる無念さたるや。

4年の歳月を経て、キャストも少し変わってしまったけれど、それでも再演できる喜び。

想像しただけで涙が出る。

そして木場さん、口上が上手すぎて本職の方…?と思った。声もいいし歌もお上手。

一体あの役者さんは…?と気になって幕間にすぐ調べました。

 

歌も台詞も日本語の遊びというか、洒落が効いていておもしろかった。

結構くだらないダジャレも多い。

私は「老婆は一日にして成らず」が特に好きでした。

 

第一幕ではまだこの作品のコミカルとシリアスのバランスを掴みきれず、なんとなく置いて行かれた感があった。

あと、今まで観たどの舞台よりも下ネタが多くて、ちょっと困惑した。ネタと言ってしまうのは違うかもしれないけど。

物語上必要な男女のあれこれはウェルカムだし、ピンポイントでクスッと笑える下ネタも好きだけど、この作品に関しては第一幕ほぼずっと下ネタじゃなかった?ってくらいその印象が強い。

なので、序盤は正直どうしよう合わないかも…と思ってしまっていた。

でも第二幕からはすっかり引き込まれました!

 

当たり前すぎて逆に失礼かもしれないけど、皆さん歌がほんっとうに上手!

印象に残ったのはやっぱり木場さんと、唯月さん。

木場さんはミュージカル俳優さんではなさそうなので、さらにすごい!

三姉妹のお姉さんズも王次も、梅雀さんも、本当にみなさんお上手。

アンサンブルのみなさんのハーモニーも素敵だった!

 

実は今回、どういう物語、どういう役どころかも知らずに、浦井さんの歌目当てでチケットを取っていた。

浦井さんはもちろんさすがの歌声だったけど、役柄的に歌い上げるような曲がなくて少しだけ残念。もちろん自分のリサーチ不足のせいです。

でも低い声で怪しげな曲を紡ぐのにはゾクっとしたし、どんな体勢でも動きながらでも全く歌がブレなくてすごかった。

今度は歌い上げる浦井さんも観てみたい。

 

浦井さん演じる三世次は、終始怪しげな雰囲気を纏っていて良い。

その場面のメインの役者さんたちが演技しているときに、セットの屋根の上でそろりそろりと動き回っていたり。

王次とお光のラブシーンのときに、王次が掴むロープを一緒に引き上げているのが好きだった。

あと浦井さん、早口の長ゼリフが流れるようだったし、とても様になっていた!

浦井さんってキラキラ王子様みたいなイメージがあったけど、こういう陰湿な役も似合うんだな。これが演技力…

 

老婆たちが王次とお光を操って惚れ薬をかけるシーンは、動きも音楽も浄瑠璃っぽくて楽しかった。

人形ならぬ、人間浄瑠璃?

ああいう伝統芸能オマージュ好き。

 

シェイクスピアには疎いので東宝演劇部さん(@toho_stage)のポストで予習しようとしたものの、結局半分も読めず…

でも予習した内容がちょこちょこ出てきて、わかったときには嬉しかった。

唯一ちゃんと知っているシェイクスピア作品『ヴェニスの商人』が一瞬で終わったのにはウケた。

今言った!え、終わり…!?みたいな感じでした。笑

予習用ページもよかったら。

天保を観終わってからこっち見たほうが個人的には楽しめた。

nonnopan.hatenablog.jp

 

ハムレットの台詞 ”To be or not to be, that is the question.” を王次が各年の日本語訳で遡っていき、隊長(木場さん)がそれを解説していくのが第一幕いちばんのツボだった。

2人とも早口だし順番間違えたら台無しだし、めちゃくちゃ難しそう。

それでちゃんとおもしろいのがすごい!

 

唯月さんの二役はすごすぎた!

二役以前に唯月さん、かわいらしいお顔と声をしているし、これまでかわいい役の彼女しか観たことがなかったのもあって、お光みたいなかっこいい女も似合うんだ!と驚いた。とても好き。

お光とおさちはタイプが正反対なので、声や歩き方、表情などが全く違って別人みたいに見えた。

プロの役者さんの演じ分け、すごい…

そして花見のシーンでの早替り、一度ならまだしも短時間で何度もお光とおさちを行ったり来たりしていてすごかった!

そのシーンのラスト、お光とおさちが2人で会話する場面では、1人ですべての台詞を言っているはずなのに2人の女性が本当に会話しているように聴こえて、感動ものだった。

お光の寝床からおさちの寝床に転換するシーンは、暗転したほんの数秒の間にセットの転換、唯月さんの早替り、役者の入れ替わりがすべて行われて、本当に見事だった…!

相当な練習とチームワークがなければ成功しなそう。すごかったな〜

 

ミーハー的には、宮川彬良さんを拝見できたのがかなり嬉しかった。

ある一定の年齢層の人はみんな幼少期にお世話になったはず!

バンド、あの人数で演奏しているとは思えないほどの音の厚さだったな〜

 

この作品を観るちょうど1週間前に、新橋演舞場で上演されている歌舞伎NEXT『朧の森に棲む鬼』を観ていました。

こちらもリチャード三世を下敷きにしているからか共通点が多かったので、ゾクゾクしながら観た。

 

第一幕、三世次が幕兵衛に言う「お前の剣術と俺の口で一緒に清滝村を手に入れよう」みたいな台詞は、朧の冒頭でライがキンタに言う台詞と重なる。

 

三世次が老婆から言われる「自分で自分を殺さない限り死なない」という予言は、ライが森でオボロたちと契約する「俺が俺に殺される時が来たら、おとなしく命をくれてやる」とほぼ同じ。

この「自分で自分を殺さない限り」を老婆と三世次とで何度もリフレインしていたのが印象的。ラストシーンに繋がる重要な予言、はっきりと記憶に残りました。

 

三世次が、自身が殺した代官の妻おさちに言い放つ「お前がいちばん俺を憎むときに俺のものにするのは快感だ」みたいな台詞も、朧でライがツナをものにしようとする際に言っていた。

 

これらがリチャード三世の内容を基にしたものなのかどうかは、サラッと調べた限りではわからなかった。

自分が殺した男の奥さんを妻にするくだりはあったようだけど。

 

おさちは「あなたを殺す下衆人にはなりたくない」という理由で手を下さないけど、三世次に鏡を見せ、その醜さを突きつけて絶望させる。

これこそがおさちの復讐。

これまで三世次が殺してきた人たちがみんな亡霊となって無言で三世次を見つめる演出がいい。

三世次は鏡を見るまで自分の外見を知らなかったのかな。

内面の醜さゆえに、想像以上に外見まで醜くなってしまっていたのかもしれない。

あの鏡は外見というより内面の醜さを映すもののような印象を受けた。

三世次が鏡を見て絶叫する瞬間に舞台のセットが全面鏡になり、客席にも光が当たって観客が映る演出が、なんだかとても残酷に感じた。

 

そしてやっぱり三世次にトドメを刺すのは、夫を殺されたおさちではなく、三世次のルーツである抱え百姓たち。

自分自身である抱え百姓(隊長)を殺したことにより「自分で自分を殺さない限り」を破って死んでしまったんだな…

 

これにて本編終了。

その後のカテコが楽しすぎたので後味よかったけど、ストーリー的にはまあ暗い終わり方ですね。

 

カテコではみんな楽しそうに歌っていてよかった!

客席降りもあって羨ましかったな〜

本編中に三世次が笑顔を見せることはないので、満面の笑みで歌って踊る浦井さんが見られてほっとした。

王次役の大貫さんと互いを讃えあったり見つめ合ったりしながら歌っていて和みました。

最後まで木場さんの語りがさすがで、笑って少しジンとして、多幸感溢れる終わり方だった。

これぞ『終わり良ければすべてよし』?

 

調べてみると、朧の演出を手がけるいのうえひでのりさんは2002年に天保の演出をしているらしい。

朧の初演(2007年)と重複しているキャストも多いので、見比べても楽しそう。

www.e-oshibai.com

改めて、この2作品が同時期に同じ東京で上演されていることに縁を感じるなあ。

 

私は数年前にリチャード三世を観たのだけど、好きな俳優さんが複数出ているにもかかわらずあまりのついていけなさに意識を飛ばしたことがある。

それ以来「シェイクスピアは合わない」と意図的に避けてきたけど、今思えば事前知識がなさすぎたな。

今回の2作を期に再チャレンジしてみたくなったので、今度機会があったらしっかり予習して臨みたいと思います!

 

 

圧巻!新感線×歌舞伎『朧の森に棲む鬼』

歌舞伎NEXT『朧の森に棲む鬼』を観てきました。

昼の部の松本幸四郎さんライバージョン、夜の部の尾上松也さんライバージョンを1日に詰め込む強行スケジュール。

首や腰はバキバキだけど、どちらも観られてよかった〜!

上手く言葉にできる自信がないけど、感想を書いてみます。

※ネタバレを含みますのでご注意ください。

 

老いも若きも、メインも脇も、役者も裏方も、みーんなかっこいい!

役者はもちろん裏方のみなさんがいなかったらあんなに素晴らしいものは誕生していないので、関わったすべての人がかっこいい!愛!(観た直後に書いているのでテンションがおかしい)

 

昼の部を中心に、時系列に沿ったり時々無視したりしながら振り返っていきます。

 

第一幕、舞台は平安時代の日本を連想させる、架空の時代の島国。

まず花道から登場するのは、主役のライを演じる幸四郎さん。私の最推しです!

メインビジュアルが鬼だったので作中ずっと鬼の格好だったらどうしようかと思っていたけど、普通の人間だった。

落ち武者狩りをするくらいの身分の低さなので、ボロボロの格好。

さっそく時系列無視してしまうけど、その後エイアンで上り詰めていくに従って衣装も徐々に豪華になっていく。

ほんの一瞬のシーンでも出てくる度に衣装が変わっていてこだわりを感じた!

私は中盤の、キンタとお揃いの青色っぽい衣装が好きでした。阿弖流為のと少し似てたかな。

あと青と緑が混ざった、透け感のある陣羽織みたいなロングベスト。美しかった。

 

続いて登場するのが、キンタを演じる尾上右近さん。

キンタ、愛すべきバカで好き。

アニキアニキ!と尻尾振る大型犬みたい。

アニキ好き!が強くていつか犠牲になりそうだな〜とは思った。

ただ私が想像していたのは、窮地に立たされたライを救うために自ら犠牲になるみたいな胸熱展開だったんですけど…

見事に予想を裏切られました。

 

続いてのオボロの森のシーン。

仮面で顔を隠した3人の「オボロ」が登場し、ライに詰め寄る。

劇団☆新感線っぽいロック調の音楽が鳴り響き、オボロたちは曲に合わせて踊る。

踊るといっても動きは歌舞伎らしさも残るしずしずとした感じなんだけど、ロックに合わせているのが新鮮でつい見入ってしまう。

あと、3人が結構立ち位置を入れ替えるのでフォーメーションダンスっぽさもある。

ライを詰める中で3人のオボロが順に仮面を外し、中村時蔵さん、坂東新悟さん、市川染五郎くんであることがわかる。

昼の部と夜の部の間に筋書を見ていて気づいたけど、オボロたちにも名前があったようで、順に「オボロヒ」「オボロミ」「オボロツ」。

そのときはオボロのヒミツ…?と思っていたんだけど、数日経ってからこのシーンの曲の歌詞「光と水と土〜♪」の頭文字だったことに気づいた。

 

オボロの3人と踊る幸四郎さんもかっこいい。

このシーンの歌、曲調はロックだけど歌詞がストレートな台詞や状況説明になっていて、歌舞伎の義太夫だ!と思った(昼の部のときは歌詞あまり聴いていなくて、夜の部で気づいた)。

こういう部分が、いのうえひでのりさんや幸四郎さんたちが何度も口にしている「歌舞伎と新感線を一度ごちゃまぜにして一から作る」という部分なのかな。

あと、このシーンを筆頭に舞台美術が豪華!

滝の周りに赤い花がたくさん咲いていて華やか。(一瞬、彼岸花かと思ってドキッとした)

滝の向こうには大きなモニターがあって、オボロダンスの途中にタイトルが映し出される演出がかっこよかった〜!

 

その後に出てくるのがシュテン。染五郎くんが演じます。

染五郎くん、新感線メイクと衣装と髪型がめちゃくちゃ似合う。茶髪ロング目元キラキラで美しかった…!

党首として部下を率いる染五郎シュテンには、若いながらも貫禄を感じた。

 

ライ、このときはオボロたちとの契約で「舌と同じ速さで動く」刀を手に入れた直後だったから、まだ刀に操られてる感が強い。

この後、幾度となく人を斬っていくことで刀の扱いが上手くなっていくのが、演技としては自然ですごいなあと思うし、ストーリー的には終盤のキンタの「あんたはたくさん殺しすぎた」みたいな台詞と繋がって物悲しい。

 

ライがシュテンと義兄弟の契りを交わし、血人形に血をつけるくだり。

キンタの血をつけたのを見て、なんだか嫌な予感はした。

新感線特有のスピード感で物語が進んでいくうちに忘れかけてたけど、ずっと頭の片隅に残る違和感。

新感線はそういうのが上手いよね…

 

ラジョウのシーンは、最初楽しげで好き。

ミュージシャンチームも舞台上にいらっしゃって、笛の音が高揚感をかき立てる。

そこへ登場する、時蔵さん演じるツナ。

時蔵さん、たぶん初めましてだったんだけど強くて美しい女が最高に似合ってた!

女性が憧れる女性という感じ。かっこいい〜!

ツナが泥棒を捉えて連れていこうとしたとき、「ちょっと待て」という迫力ある声とともに舞台奥が開き、ものすごいオーラを纏った市川猿弥さんが登場。ラジョウの顔役、マダレを演じます。

今回の猿弥さん、すごすぎたな…

役にも恵まれているけど、猿弥さんじゃなければできないシーンがたくさんあったと思う。

歌舞伎は実力だけではない世界だと思うけど、猿弥さんは間違いなく実力派なんですよね。

 

マダレすげー!使える!って感じで義兄弟の契りを結ぶライ。

私もキンタと同じで、ライすぐ契るじゃんって思ってしまった。

 

次がイチノオオキミのシーンだったかな。

癒しのシーン。

坂東彌十郎さん演じるオオキミが花道からとぼとぼ出てきて、ボヤいて、鯉にえさをあげる。

鯉のえさもらった方いいな〜私も欲しかった!

オオキミの話し方はとても穏やかでかわいいおじいちゃんという感じだけど、彌十郎さんの穏やかでない演技も観たことあるから演技の幅…!と思った。

 

そこに登場するシキブちゃん。新悟さんが演じます。

シキブはオオキミの愛人だけど、いかにも男女という感じの艶かしい関係ではなくほっこり仲良しで、長年連れ添った夫婦のよう。

シキブがオオキミのことを「いっちゃん」と呼ぶのがかわいくて好き。

…だからこそ、この後のシーンが辛いんだけど。

この2人を実の親子である彌十郎さんと新悟さんが演じてるのがまたおもしろい。

歌舞伎家話(第36回)でされていた、松也さんが彌十郎さんに「息子とのイチャイチャどうですか?」と聞いた話を思い出してウケた。

 

シキブは恋に生きるちょっと腹黒な女の子で、人に頼らず強く生きる幼馴染のツナのことを妬ましく思っている。でも性根はそこまで腐ってない、と思う。

シキブがヤスマサを好きだと思っていたのはツナへの嫉妬から奪ってやろうという気持ちで、別にそこまで好きでもなかったのかも。実際、すぐにライに乗り換えたし。

シキブの「王の妻とは言っても正妻じゃないし…」みたいな台詞があったけど、自分は誰の一番にもなれないみたいな思いがあったのかな。

ヤスマサの死の後シキブがツナに優しい言葉をかけたのは、ツナが取り乱して自分に甘えればいいと思ったからで、本当は誰かに必要とされたかったのかもしれない。

だからこそ、ツナがシキブを頼らず去ったときにあの鬼みたいな顔をしてたんじゃないかな…

 

あと、シキブの衣装がかわいい!

みんなおしゃれだけどシキブは群を抜いてた。

薔薇柄の羽織とか、緑地に総柄のスカートとか。

この後のいっちゃんとのシーンでは2人とも白い衣装で美しくて、まるで結婚式みたい!と思っていたら…まああんなことになったんですけど。

 

イチノオオキミの宮廷に集まる四天王。3人しかいないけど!

ツナ、ウラベ、そしてサダミツ。

ウラベを演じるのは片岡亀蔵さん。亀蔵さんの独特な台詞回しが好きなので、今回長ゼリフが少なくて寂しかったな。

後のシーンの「嘘をつくと舌が腐る」くだりはオオキミのツッコミ込みでおもしろかった。

 

そして、サダミツを演じるのは尾上松也さん!

ダブルキャストでライを演じますが、この日の昼の部では個性的な武将を演じていました。

松也さんって普段と歌舞伎のときとで全然声が違う。

サダミツは奇妙な隈取りをしていて元のお顔がわかりづらいので、声違うけどご本人?代役じゃないよね?と幕間に調べてしまった。笑

サダミツ、あの独特な笑い方などもいのうえさんの演出だそうだけど、その中でも台詞の間とか歩き方とか表情とか、細かいところで個性を出していてよかった。

 

ライとシキブが初めて会うシーン。

ここでライが「3人目は向こうから呼び出してきた」と言っているのを聞いてやっと、序盤の森のシーンでオボロたちがライに伝える「同じ顔を見たら騙して取り入れ」みたいな台詞の意味がわかった。

「自分(ライ)と同じ顔の人間が現れたら」という意味かと勘違いしていて、出てこないな〜と思ってた。笑

 

忘れた頃にシュテン様が再び登場。

このシーンの染五郎くんの立廻りが堂々として本当に党首たる貫禄で、まだ10代なのが信じられなかった。

そして血人形の真実が明かされます。

真実を知ってめちゃくちゃ怒るライ。

人形にキンタの血をつけたことを後悔しているように、私には見えた。

キンタと2人きりになって「この世でいちばん怖いのは俺だ」みたいなことを言うときの殺気が、本当にすごかった…!

このときライが怒っていたのはシュテンに騙されたからだけど、キンタのことを少しも思っていなかったわけではないと思うんだ。

少なくとも「危なかった〜!キンタの血にしといてラッキ〜!」みたいな感情は微塵もなかった。

それだけは信じてるよ…!

 

第二幕の冒頭、ツナの語り。

半透明の幕の奥に照明が当たって奥で演技している人がうっすら見える演出とても好き!

回想とか想像のシーンで何回か使われていたかな。

続くツナとライのシーンでは、義太夫が使われているのがとってもよかった!

私の大好きな、軽やかさと重厚感を共存させた幸四郎さんの踊り…!

ここまで割と新感線風味が強めだったけど、ここでザ・歌舞伎!の演出があって嬉しかったな。

 

それから、あの血人形のシーン。

ライが平然と「目を突いてみろ」と言うから何か手を打ってあるのかと一瞬ほっとしたのも束の間、シュテンが人形の目を突くとキンタが目をおさえて苦しみはじめる。

ええ…!

心のどこかで、ライはどんなに人を騙してもキンタだけは裏切らないと信じてしまってた。そんなことなかった…

目だけならまだしも、自分に斬りかかろうとするキンタをあえて挑発したり、最終的に斬ったり。

ライ、やっぱり冷徹な男だ…

でも後にキンタが言っていた、あえて「目を突け」と言って首を斬らせなかったとか、キンタを斬るときに急所を外したとか。

それらを踏まえるといろいろ考え込んでしまうな…

ライは意図的にキンタを生かそうとしたつもりはなかったけど、本人も自覚していない情みたいな感情が少しだけあって、無意識に急所を避けたのかな。筋書で幸四郎さんもこんな感じのことを仰ってた。

ライがキメる台詞「外道?冗談じゃねぇ。本道だよ!」(うろ覚え)のところ、かっこいい!けど初めて観たはずなのに台詞に聞き覚えが…?と思ったら、松也さんが歌舞伎家話で話していたやつですね。

初演の幸四郎さんを見てかっこいいと思ったと。確かにかっこよかった!

冷徹なライにドン引きして、それ以上攻撃してこないどころか逃げ腰になるシュテンがちょっとおもしろかった。

 

続いての、シキブと宮女たちが花道を踊りながら出てくるシーンはかわいかった。

音楽も華やかで、パーティみたい。

そのままシキブはいっちゃんことイチノオオキミの横に並び、宴のはじまり。

このシーン、いっちゃんの気持ちを想像すると泣ける…

歌を聞いて、もうシキブの気持ちが自分にはないことに気づいてしまったんだなあ。

観客が観てる範囲では最初からシキブの気持ちはヤスマサに向いてて、いっちゃんラブな描写はなかったけど、一時は確かに愛し合ってたんじゃないかな。

あの涙声の「ごめん…」は苦しかったよ。

「シキブはいっぱい恋したらいいよ、でもあの男はやめておけ。これ飲むからさ、あいつはやめておけ。」

いっちゃーん…!!!

「自分をいちばん気にかけてくれる」優しい女の子のために、王の愛人という立場から解放してあげたかったのかな…

まあライの恐ろしさに気づいてたなら、死なずにシキブを守ってほしかったけどさ。

いっちゃんの言葉にびっくりして、咄嗟に毒を持ついっちゃんの手を掴もうとするシキブ。

でもそんな弱い力じゃ止まらないよ…

ライへの愛と、いっちゃんへの情とで揺れる描写がとてもよかった。

先ほども書いたけど、このシーンで2人とも羽織を脱いで白い衣装になったのがとても印象的だったんだよね。そういうことか…

白い衣装に毒の赤が映えて、その対比の美しさがより悲しさを引き立てていた。

 

そこへライ登場。

このあたりから、本格的にライが悪い。同情の余地なし。

自分のために殺人までした女をあっさり犯人扱いし、殺してしまう。

シキブが死ぬ間際に「ツナ…!」と手を伸ばすのが、「あなたならわかってくれるでしょ!?」とメッセージを託したように見えた。

 

オオキミが死んだ直後だというのにすぐに次の王の相談をするライとマダレ。

その2人に乗るフリをしたツナは、2人が去ってひとりきりになるとはっきりと言う。

「あの子は自殺なんかしない、そんな子じゃない」

タイプは正反対でも、やっぱり幼馴染のことはわかるんだね。

復讐に燃えるツナの力強い表情がよかった。

この女子2人の関係性よかったな〜

 

地下牢のシーンは、とにかくシュテンが儚く見えて守ってあげたくなる。

ただ、髪や服は乱れて手錠もかけられてるけど、眼光はとても鋭いのよね。

アラドウジ(澤村宗之助さん)との揉み合いとだんまり、からのツナ様登場!

私は歌舞伎におけるだんまりの必要性をまだ完全に理解できてはいないんだけど、だんまりがあると歌舞伎だな〜!って感じがしていいですよね。

朧、歌舞伎ならではの演出を全部詰め込みました!って感じで贅沢。

 

ここにライが登場し、物語がテンポよく展開していく。

終始ライは策士すぎて怖いんだけど、マダレに刺青が入ってたくだりは策に溺れた感がある。

誰か身近な人が実は…みたいなのは想像した(ライかとも思った)けど、まさかマダレとは!

真相を知ったマダレが急に寝返ったのには一瞬、ん?と思ったけど、後のシーンで「血の繋がりだけが全てってガラじゃない」「全てあいつ(ライ)の思い通りになるのが癪だった」というようなことを言っていて納得した。

 

シュテンが自らの体を血人形に見立ててライを騙したのは賢いな〜と思った。

全編を通してライに嘘ついたのはシュテンだけじゃないかな。

そこからの幸四郎ライ対染五郎シュテンの立廻り、美しすぎた…!

親子というのもあるけど、直属の師弟関係であることも大きいんだと思う。

動きが似てるというのか息が合ってると言うのか、言葉にするとしっくりこないんだけど、なんというかとても馴染んでいて、まるで1人の人間の体の一部みたいだった。

あと2人とも顔がいい。(結局それ)

このシーンの後半にシュテンが「復讐だー!」と叫びながらぐわーっ!と牢獄持ち上げるのが(持ち上げてるわけじゃないけど)めちゃくちゃかっこよくてこの作品でいちばん好きかも。

ひぃ〜!かっこいい〜〜!!新感線〜〜〜!!!となる。

 

ライが殺した人たちがみんな出てきてライを追い詰めていくのがよかったね。

 

キンタ死んでなくてよかった〜!

オクマさんめっちゃいい子じゃん!大切にしなよ〜!

目をつぶされたことを表現する赤いカラコンと赤目のメイクをしていて、なんだか色気があった。

ライに「おまえにだけは生きて欲しかったんだよ!」なんて言われてまた絆されちゃったらどうしようかと思ったけど、ちゃんと恨んでてよかった。

でもここでキンタが「そっか!アニキありがとう!」とならないのは目が見えなくなって人の気持ちがよくわかるようになったからなんだよね…

で、キンタの目が見えなくなったのはライのせい。

ライには、ヘラヘラと「生きて欲しかった」なんて言わずに悪を貫いてほしかった。

今のキンタにとって、ライの取り繕った言葉がどれだけ残酷なものか。

「何も聞こえてこねぇ!」だったかな。あのときのキンタの声と表情よ…!

 

最後の戦いのシーンで猿弥さんマダレがドスを効かせて放つ「お終いだ!」の声、迫力と貫禄がすごすぎてかっこよかった…

全体的に猿弥さんが本当にすごかった…

 

そして、ライが最初にオボロたちから受け取った刀でツナがライを刺す。

まさに最初のライとオボロたちとの契約「俺が俺に殺されるとき」なんだけど、ここでライは「ぐわぁ〜!」と死ぬわけではなく、満身創痍で逃げていく。

最初に観たときには、ライにトドメを刺すのが主要な登場人物でなかったのがすごく意外だった。

あそこで死んでも物語的には問題ないのに、ライを最後に殺すのは名もなき落ち武者狩りの人たちなんだよね。

これがまた…!

「俺が俺に殺されるとき」は1つの出来事を指しているのではなくて「ライが(無自覚に)助けたキンタに斬られる」「ライが(多くの人を殺した)自身の刀で刺される」「(かつての自分自身である)落ち武者狩りに襲われる」と段階的に殺されていく様を指しているのかなと思った。

そしてそれらはすべて自業自得、因果応報。

とてつもないストーリーだ…

 

本水で落ち武者狩りたちとの死闘を繰り広げるも敗れ、滝に落ちるライ。

オボロたちが出てきてひとしきり踊ると、舞台の奥から頭に鬼の角を生やし、青い隈取りをしたライが登場。

ここの早替り見事だったな〜

完全に鬼と化したライはそのまま花道まで歩き、宙乗りで彼方まで飛び去っていく。

宙乗りしながらの見得も迫力がすごかった!!

私は1階席上手前方から振り返るように見ていたのだけど、正面からも見てみたい!

宙乗りのためだけに2階席とってもいいくらいだと思う。

 

万雷の拍手に包まれて幸四郎ライが鳥屋に消え、幕となりました。

 

カテコでは出演者の皆さんの名前が後ろのモニターに映される演出で、これまた大きな拍手に包まれていた。

幸四郎さん以外の全ての役者が舞台上に揃い、皆さんが舞台後方を手で示すと、幸四郎さん登場。(私はこの瞬間が大好き!)

もう手が痛くなるくらい拍手しました。

深々と三方礼していただき、捌けるもこちらの手拍子に応えて出てきてくれる。

2度目はミュージシャンチームや義太夫、ツケの方々なども舞台上に招いてご紹介。

本当に素晴らしかった!かっこよかった!素敵な舞台をありがとうございますの気持ちで観客一同スタオベで盛大な拍手を送る。

叶うならば照明とか大道具とか衣装とかその他すべてのスタッフの方々に直接お礼の拍手したいくらいの気持ちだった。もちろんいのうえさん中島さんにも!

そして3度目に出てきてくれたときには、役者の皆さんいい笑顔で手振ってくださって…!

さっきまで命の奪い合いをしてたとは思えないほどのキラキラ笑顔にほっとしつつ、こちらも全力で手を振ってお見送りしました。

 

これにて昼の部はすべて終了。

終演直後は放心状態となってしまって「すごい」「かっこいい」以外の言葉が何も出てこなかった。

割とすぐに夜の部の入場時間になって再び入場。

無言の興奮がおさまらず、1階席なのに無意味に階段で3階まで上って下りてをした結果、階段で派手に転倒するなどしました。

それくらいすごかった(?)

 

 

既にすごいボリュームになってしまっているけど、引き続き夜の部についても語ります。

ストーリーは同じなので、異なる点と特に印象深かった点だけ。

 

いきなり個人的な感想になってしまうけど、席によってだいぶ見え方変わるなと思った。

昼夜ともに前方上手側ではあったけど、昼の部は本当に端っこ。桟敷席のほぼ真下だった。

夜の部ではそこから10席くらい内側に入ったセンターブロック。

冒頭で幕に映し出される文章(いつともしれぬ昔…のやつ)、昼の部はほぼ見えなかったけど夜の部ではしっかり読めた。

曲の歌詞や役者さんの台詞も、少し真ん中寄りに移動するだけでだいぶ聞き取りやすくて、ストーリーがすんなり入ってきた。

あと、義太夫の方々も昼の部では全く見えていなかったので、夜になって「あそこにいたんだ!」と気づいた。上演中、基本的には目立たずにさりげなく歌舞伎感を出してくれているけど、ここぞというときにしっかり照明当たる演出が好き。

ただ昼の部はツケ打ちの方が目の前にいて、うわ〜!かっこいい〜!!と終始感動しきりだったので、どちらの席にも良さがあったな。

昼も夜も、プロの技に惚れ惚れしました。

 

さて本編。

松也ライもよかった!

幸四郎ライとの違いが大きく出ていたのは、やっぱり他の登場人物との関係性だと思う。

 

シュテンとの立廻りは幸四郎ライのほうが好きだったけど、松也ライは圧倒的にキンタとの関係が印象的!

松也さんと右近さんは年齢が近いし、実際に仲良しなので、序盤はとにかく兄弟感が強い。

だからこそ、裏切りのシーンがつらくてもう…

幸四郎ライも松也ライも最初からいつかキンタを切り捨てる可能性は考えていて、幸四郎ライはいざそのときがきたらそこまで迷いがなかったのに対して、松也ライはその「いつか」が来ることを恐れていた感じ。

血人形の真相を知った後2人きりになり「いちばん怖いのは俺だ」みたいなことを言うシーン、松也ライは覚悟を決めようと自分自身に言い聞かせているように見えた。

同じ役、同じ演出なのに関係性や心情が違うように見えて、ダブルキャストっておもしろいな〜

 

さて推しの幸四郎さん。

夜の部がサダミツ役だといくらか気が楽なのか、楽しそうに演じていてよかった。

松也サダミツもおもしろかったけど、幸四郎サダミツはなんというか…変!

つい先ほど鬼になった人とは思えない。

あの独特な間、目線の動かし方、歩き方!どれをとってもおかしくて、すごく好き。

カテコのときにもサダミツの歩き方で登場して捌けていって、徹底してるなと思った。

早々にライに殺されて残念…!と思っていたらサダミツの親戚役とか殺されたサダミツ役とかでその後も何度かお姿を拝見できて嬉しかった。

 

全体を通して新感線と歌舞伎それぞれの良さを生かした演出がめちゃくちゃかっこよくて、演出のいのうえさんから「ほらほらこういうの好きでしょ?」と言われてるようだった。

生バンドの演奏とツケの融合は新鮮で、歌舞伎作品だとツケが入るような場面でドラムやベースの効果音が鳴るのもおもしろかった。

歌舞伎ならではの飛び六方や見得もあり、本水、早替り、宙乗りとケレン味というやつ?(私も勉強中)を詰め込んで、歌舞伎観たことない人にも「かっこいい〜!」と言わせる仕掛けが満載だった。

いのうえさん、私こういうの好き!!!

 

今回はせっかく何度か観劇の機会があるので、あえての予習ゼロで臨みました(いつも歌舞伎は予習する派)。

初演も観てなければ他の方の感想もできるだけシャットアウト。筋書も昼の部の前には開かず。

結果、大正解だった!

初回はどうなるどうなる?とドキドキしながら観られて楽しかったし、予想を超えてきて魂抜かれた。

2回目は大筋を知っている状態なので「このシーンはさっきのあれを踏まえてるのか〜」など答え合わせをしながら楽しめた。

長いけど物語に引き込まれたらあっという間で、最後は「もう終わっちゃうのか…」と寂しく感じた。

次は2月の博多座なので、それまでに初演の映像を観てまた違った楽しみ方をする予定。

 

あ〜楽しかった!

長々とお付き合いいただきありがとうございました!

 

 

観劇楽しみ!『天保十二年のシェイクスピア』予習用ページ

東宝ミュージカル『天保十二年のシェイクスピア』を近々観劇予定です。

とっても楽しみ!なのだけど、シェイクスピア作品を基にしているということで予備知識があったほうが楽しめるかな~でも膨大だし予習大変だな~と思っていたところ…

東宝演劇部の公式Xアカウントさん(@toho_stage)がとってもためになるポストをしてくれていた!

その名も、不定期連載「シェイクスピアはノースペア」。

まだ序盤しか読んでいないけど、シェイクスピア作品の解説と過去の公演のエピソードを簡潔にまとめてくれていてとても助かる。

私が当日会場に向かう電車の中で一気読みするためだけに埋め込みで1ページにまとめてみました。

需要あるかどうかはわからないけど、一応公開にしておく。

 

第1弾『ハムレット』

 父を毒殺され母を后に迎えた叔父への復讐、己の性格に耐えきれず恋人を狂い死にさせ、恋人の兄が妹の仇をとる決闘の中、毒の剣で刺し違え命落とす「人生苦行」の王子、ハムレット。
 大貫勇輔さん演じるきじるしの王次、阿部 裕さんの蝮の九郎治、綾 凰華さんのお冬に重なります。
 この惨劇はミュージカル化され、「プリンス」井上芳雄さんで上演されました。
 帝劇に大階段セット組み、劇中劇を人間ひな祭りに見立てた1978年の蜷川幸雄版は今も語り継がれています!

 

第2弾『オセロー』

<あらすじ>
 キプロス島総督に任命された将軍オセロー。
 妻デズデモーナを連れて任地に赴くが、自身の待遇に不満を抱く部下イアーゴーがデズデモーナの不義をでっち上げ、騙されたオセローは嫉妬のあまり彼女を殺してしまう。
 全てが陰謀だったと知ったオセローは、妻の後を追い、自らの命を絶つことにー

 今もなお世界中で上演される代表作の一つである本作。
 みなさん一度は遊んだ事がある”あのボードゲーム”の名前の由来ともなった作品です⚫️⚪️

 天保十二年のシェイクスピアでは、
 尾瀬の幕兵衞(オセロー)
 佐渡の三世次(イアーゴー)
 お里(デズデモーナ)
などの登場人物に要素が盛り込まれています💡

 

第3弾『リア王』

 ブリテンのリア王は退位し、国の領土を三人の娘ゴネリル、リーガン、コーディリアに分け与えることに。王を一番慕うコーディリアはお世辞が言えず怒りを買い、王に勘当される。しかし、領土を譲り受けた姉二人は父を疎んじ追放する。荒野を彷徨うリア王は、フランス王に迎えられたコーディリアと再会する…。

 『天保十二年のシェイクスピア』では、鰤の十兵衛(ブリテン王)、お文(ゴネリル)、お里(リーガン)、お光(コーディリア)のモデル。物語冒頭がまさにそのオマージュです。
 十兵衛「こう出りゃそう出たか。ありゃりゃりゃりゃだなぁ」は、遊び心満載の台詞!

 

第4弾『マクベス』

 荒野の魔女達から唆され王になる野望を抱く将軍マクベス。妻と共に現王を暗殺して王位を奪うが、その地位を守るため悪行を重ねやがて破滅の道を辿ることにー

 四大悲劇の中で最も短く、最後に書かれた本作品。黒澤明監督の『蜘蛛巣城』はこの作品の戦国時代版。蜷川幸雄さんも『NINAGAWA・マクベス』で欧州デビューを果たし、“世界のニナガワ”と称されるきっかけとなりました。

 『天保十二年のシェイクスピア』では幕兵衞(マクベス)や老婆(魔女)といった登場人物への関わりはもちろん、名台詞『きれいは汚い、汚いはきれい』が印象的な歌詞の一部にもなっています。

 

第5弾『ロミオとジュリエット』

 イタリア・ヴェローナの代々対立関係にあるモンタギュー家の息子ロミオとキャピュレット家の令嬢ジュリエットは舞踏会で出逢い、一目で恋に落ち激しく惹かれあう。

 両家の長年の確執と反対の中で秘密の結婚式を挙げるが、不幸な誤解と運命の悪戯が、2人を悲劇にむかわせてしまう・・・。

 東宝作品を初演出した蜷川幸雄版は1974年に日生劇場、1979年に帝劇で上演され、今も世界中で上演される不朽の名作。

 『天保十二年のシェイクスピア』では、互いの家が敵対関係となるきじるしの王次とお光、すれ違いの悲恋となる佐吉と浮舟太夫に、ロミオとジュリエットが投影されています。

 

第6弾『夏の夜の夢』

 アテネが舞台の恋愛喜劇。貴族の娘ハーミアとライサンダー、ディミートリアスの三角関係に幼馴染のヘレナも加わりそれぞれ想いがすれ違う。妖精の王オーベロンは妖精パックに“魔法の惚れ薬”を使って落着させようとするが、オーベロンの妻ティターニアと町の職人たちも交わり、更にこんがらがってしまう恋愛模様…果たして恋の結末は⁈

 敵同士が恋に落ちる“惚れ薬”は天保〜本編にも登場しますが、その役割を担うのは清滝の老婆(梅沢昌代)!この妖精パックは漫画「ガラスの仮面」では主人公マヤが演じて大活躍!どれも本当に楽しい作品です。

 

第7弾『ヴェニスの商人』

 "富豪の娘ポーシャに求婚するための資金援助"を友人のバサーニオから頼まれたヴェニスの商人アントーニオは、「期限までに返済できなければ肉1ポンドを切り取る」という条件で高利貸しシャイロックから借金をする。

 バサーニオとポーシャはめでたく結ばれるが、アントーニオが全財産を投資していた船が難破し、シャイロックから訴えられ窮地に。

 しかし、法学者に扮したポーシャが法廷で機転を利かせ、アントーニオを救い出す。

 元々喜劇として書かれた作品ですが、シャイロックがユダヤ人として民族迫害を受けていることを背景に、今では彼を主人公とした悲劇として上演されることも少なくありません。

 『天保十二年のシェイクスピア』では、取り上げられるのは本当に”一瞬だけ”

 お聞き逃しのないよう🤫

 

第8弾『十二夜』

 嵐の船難破で双子兄妹が生き別れ、妹(ヴィオラ)は男装し公爵に小姓として仕える。
 公爵は伯爵令嬢に求婚中、いつしか公爵に恋心を抱くヴィオラは恋の手助けで伯爵令嬢の下へ。
 すると伯爵令嬢は男装とは知らずヴィオラに一目惚れ。そこへ生き別れたはずの兄が登場し・・・
 恋の行方は意外な方向へ。
 魅力的なキャラクターたちの人間模様に恋愛や悪戯が加わり、ドタバタお祭り騒ぎが繰り広げられる、シェイクスピア喜劇の最高傑作。

 東宝では大地真央主演で野田秀樹演出版と、オリジナルミュージカル版として上演されました。
 天保~本編では、意外な場面で登場します。
 最後まで隊長(木場勝己)の台詞をお聞き逃しなく!

 

第9弾『お気に召すまま』

 ロザリンドの父はその弟フレデリックに公爵領を奪われアーデンの森で暮らしている。
 オーランドは遺産を受け継いだ兄オリヴァーに虐げられている。
 公爵主催のレスリング大会で優勝したオーランドはそこでロザリンドと出会い、二人は恋に落ちる。
 弟に嫉妬した兄の殺意を感じ、オーランドはアーデンの森へ逃げる。
 公爵フレデリックはロザリンドをも追放し、彼女は男装して道化とともに父のいるアーデンの森へ。
 オーランドは男装したロザリンドを彼女だと気が付かず、彼女への恋の告白の練習台になってもらう。
 遂にはオリヴァーも公爵に追放されアーデンの森を訪れ、そこでオーランドに助けられる。改心した彼は今までの仕打ちを詫びる。
 ロザリンドも本来の女性の姿に戻ってオーランドと結ばれ、全てのカップルが同時に結婚式を挙げる。

 「この世はすべて舞台」という名台詞も有名な戯曲。
 ロザリンドと道化タッチストーンの軽妙な韻を踏んだやり取りが、『天保-』では佐吉とおこま婆の“トカトントン”で表現されています。
 シアタークリエでは柚希礼音がロザリンドを演じ、マイケル・メイヤーとトム・キットのブロードウェイのスーパーコンビでミュージカルになりました。

 

第10弾『じゃじゃ馬ならし』

 領主が村の酔っぱらいをいたずらで領主に仕立てたところに、旅芸人一座が来て芝居を見せる、劇中劇『じゃじゃ馬ならし』。

 裕福な姉妹の姉(キャタリーナ)は男嫌いのじゃじゃ馬娘で、妹(ビアンカ)は可憐で求婚者が鈴なり。
 父親は姉より先に妹を結婚させられないと嘆くと、妹の求婚者の1人が、金持ちなら何でもよいという男(ペトルーチオ)を紹介する。
 その男が姉との結婚を名乗り出てじゃじゃ馬ならしに乗り出し、機知と勇気で従順な妻に変身させる陽気な恋のかけひき喜劇。

 天保~では、剣術名手のおみつとおさちの双子姉妹(#唯月ふうか が二役)が、じゃじゃ馬ならしを彷彿とさせます。

 この作品をモチーフにしたコール・ポーター作曲の第1回トニー賞受賞ミュージカル、「キス・ミー・ケイト」は1966年に東京宝塚劇場で江利チエミ、2002年に帝劇で一路真輝により上演されました。

 ミュージカルナンバーの中に「パクろうシェイクスピア(なかにし礼訳詞)」があり、天保~を感じさせます!

 

第11弾『ジュリアス・シーザー』

 時は古代ローマ。
 戦地で活躍する将軍シーザーが市民の熱狂的な支持を得ている。彼が共和制を廃し皇帝になるのではと懸念する政治家たちはシーザー暗殺を企て、その計画を知った軍人ブルータスはシーザーに多くの恩があるため苦悩するが、理想の政治のため、元老院大広間で彼を刺殺してしまう。

 ブルータスは「シーザーよりもローマをもっと愛したのだ」と説明し市民の納得を得るものの、その後シーザーの腹心アントニーが演説でシーザーがいかに偉大で市民のことを考えていたかを印象付け、憤慨した市民が暴動を起こす。混乱に陥ったローマから追放されたブルータスは、やがて命を落とすこととなる…。

 シェイクスピア悲劇の代表作の一つである本作品。「ブルータスは立派な男だ」と繰り返しながらも彼の印象を悪くしてゆくアントニーの演説が有名で、『天保十二年のシェイクスピア』では三世次のセリフに落とし込まれています。

 タイトルは『ジュリアス・シーザー』ですが、主人公はブルータス。シーザーは歴史的英雄のカエサル(caesar)と同一人物で、「賽は投げられた」「ブルータス、お前もか」といった名言も残しています。

 

第12弾『リチャード三世』

 薔薇戦争中のイングランド。
 容姿が醜く背中も湾曲している白薔薇グロスター公リチャードは世の中を憎んでいる。
 そしてあらゆる非道な手を使い王座に上り詰めようと画策する。
 兄のジョージをあらぬ嫌疑で処刑し、殺した赤薔薇のエドワードの妃アンを籠絡し妻にする。
 王である兄のエドワード四世の死後、その妻エリザベスにジョージ処刑の罪を被せ、その親類も処刑。
 自分の出世に邪魔な人物を計略で次々に陥れ、自身の王位継承の正当性を訴え、ついにリチャード三世として王位に就く。
 その後も自分の地位を守るため邪魔な人間を始末し続けるリチャード三世は、赤薔薇リッチモンドとの戦いの前夜、自分が殺害した数々の亡霊に苦しめられたうえ、戦いに敗れ死ぬ。

 勿論“佐渡の三世次”のモデルであり、圧倒的なダークヒーロー(?)でありながら、非常に人気の高いキャラクター。
 実際の彼が本当に“せむし”であったかは永年の争点でしたが、2012年に本物の遺骨が発見され、脊柱後湾症が認められました。
 発見したのは英国の主婦で、映画『ロスト・キング』で、遺骨発見に至るまでが描かれています。

 

第13弾『リチャード二世』

 王・リチャード二世の従弟ボリングブルックは、先ごろ暗殺されたグロスター公の死にノーフォーク公モウブレーが関与したとして告発。
 決闘が決まるが、自身も暗殺に関与していた事実が明らかになることを恐れる王は、当日決闘を中止させ、二人を追放する。

 ボリングブルックの父ゴーントは国の将来を心配し王に意見するが、王は全く聞く耳を持たず、病でゴーントが死ぬと彼の財産を没収してしまう。
 これを不当とするボリングブルックは地方貴族を次々と味方につけ、追放先から大軍を引き連れてイングランドに上陸。
 王の側近を排除し、民衆の支持も得て王と対面、追放の取消と領地返還を求める。

 圧政を続けていた王は立場が弱まり、ボリングブルックに王位を譲らざるを得ず、ボリングブルックはヘンリー四世として即位。
 前王・リチャード二世はポンフレット城に幽閉され、牢獄で瞑想に耽るうちに、暗殺される。

 シェイクスピア史劇の中でも有名な『ヘンリー四世』に直結する時代を描く本作品。
 リチャード二世が自分とは何なのか自問自答する哲学的場面は、後の『ハムレット』の瞑想の場の原点とも言われています。
 『天保十二年のシェイクスピア』では、佐渡の三世次が追い詰められるラストシーンに反映されており、過去ボリングブルックを演じたことのある浦井さんが、今度はリチャード二世の要素を持つ三世次をどう演じるのか、楽しみにしていてくださいね!

 

第14弾『から騒ぎ』

 青年貴族クローディオと知事の娘ヒーローの熱愛と、
 男嫌い女嫌いのベアトリスとベネディクが舌合戦しながらも惹かれ合う、2組のカップルが試練を乗り越え結ばれるという2つの対照的な恋愛を、機知溢れる言葉で描くシェイクスピア唯一、純正恋愛喜劇。
 『天保十二年のシェイクスピア』では、おこま婆と浮舟の会話に『から騒ぎ』が反映されています。
 野田秀樹東宝演出第2弾として1990年に、斉藤由貴、樹木希林、唐沢寿明、三浦洋一で上演されました。

 

第15弾『ヘンリー四世・第一部』

 イングランドの王・ヘンリー四世は王座を狙う反乱者たちに苦しめられている。先代のエドワード三世の三男・ライオネルの息子モーティマーは、ヘンリー四世よりも優位な王位継承者だが今は捕虜となっており、反逆者ホットスパーは身代金を用意して解放させるべく王に求めるが、王は拒絶。ホットスパーはウェールズの武将や大司教達と挙兵する。
 ヘンリー四世の嫡男・ハル王子は自堕落な生活を送っていたが、大酒飲みの騎士のファルスタッフと共に戦場で大暴れ。ホットスパーを打ち倒す。

 ハル王子が王になる為の葛藤と成長が描かれる、シェイクスピア歴史劇でも人気の高い作品。サム・メンデスが製作総指揮を務めたBBCテレビシリーズでは、映画「マイティ・ソー」のロキ役で人気のトム・ヒドルストンがハル王子を演じましたが、日本でも、松坂桃李や我らが浦井健治らが、魅力的なハル王子を演じてきました。奔放なきじるしの王次のモデルで、女郎達や子分達とのやりとりが、まさにハル王子に重なります。

 

第16弾『ヘンリー四世・第二部』

※『ヘンリー四世』は第一部・第二部に分かれた二部作です。

 ホットスパーが敗れた後、今度はヨーク大司教とトマス・モウブレーらが叛乱を起こす。一方ハル王子とファルスタッフは自堕落な生活に後戻り。フォールスタッフが居酒屋の女将に訴えられて高等法院長に叱られたり、ハル王子はそんな彼を悪友とからかったり。
 内戦が本格化すると、渋々戦地に向かって出発する二人だったが、ぐずぐずしているうちにハル王子の弟ジョン王子が奸計を用いて謀叛人たちを捕え、内乱は収束する。ついに相次いだ叛乱が落ち着き、喜ぶヘンリー四世だったが、度重なる心労もあり病で倒れてしまう。そこへ駆けつけたハル王子は父が死んだと勘違いし、王冠を自分の頭に戴き、悲しみに打ちひしがれる。王が目を覚ますと、王冠を被っているハル王子を見て憤慨するが、後に誤解は解け、やがて王は他界する。ハルがヘンリー五世として即位すると、ファルスタッフが意気揚々とやってくる。しかし、王としての自覚が芽生えたハルは彼を冷たくあしらい、追放を宣告する。

 シェイクスピア史劇の中でも有名で、映画化もされている本作品。『天保十二年のシェイクスピア』ではハル王子がモデルとなるきじるしの王次を大貫勇輔さんが演じます。ちなみに、王子の相方ファルスタッフは、浦井健治さんがハル王子を演じた公演では佐藤B作さんが、松坂桃李さんがハル王子を演じた公演は吉田鋼太郎さんが務めるなど、名優にふさわしい人気キャラクターです。

 

第17弾『ヘンリー五世』

 百年戦争のアジンコートの戦い(1415年)前夜に焦点をあてイングランド王ヘンリー五世の生涯を描いた史劇。
 リチャード二世,ヘンリー四世第一部・第二部に続く4部作の最終作。

 ヘンリー五世は放蕩三昧の限りを尽くした若い時代(ハル王子)とは打って変わり、才知溢れ尊敬をあつめる新王に成長した。新王はフランス王位継承件を主張、フランス皇太子からの挑発を受け遠征に乗り出し、アジンコートの戦いで5倍のフランス軍を破り、快進撃を続けた。しかし新王は、かつての遊び仲間に首吊を宣告した事で、心悩む。アジンコートの戦いの前夜、新王は一兵卒を装い、王の戦争責任について兵卒たちと反戦の思いなど議論を交わす。
 ラストは、フランス王女キャサリンと婚約しイギリス・フランスのふたつの国を手に収め、平和な時代が訪れる。

 『天保十二年のシェイクスピア』では、ヘンリー五世のコーラス(説明役)&オイディプス王のコロス(合唱隊)の特徴と、更に天保水滸伝の講談師的な部分も兼ね備え、ストーリーテラーとして百姓隊長が登場。観客に向かって説明し、芝居中の役としても、他の登場人物たちと会話します。木場勝己ならではの、きらり光るいぶし銀の名演をお楽しみ下さい。

 

第18弾『ヴェローナの二紳士』

 ヴェローナの紳士ヴァレンタインは人生経験の旅の途中、ミラノ侯爵令嬢シルヴィアと恋に落ちる。
 彼の親友プロテュースもミラノを訪れる。彼にはジュリアという恋人がいるにも関わらずシルヴィアに横恋慕する。プロテュースは親友も恋人も裏切り、フィアンセのいるシルヴィアとヴァレンタインが駆け落ちすると公爵に告げ口、ヴァレンタインはミラノを追放される。ジュリアもプロテュースを追って男装しプロテュースの小姓となるが、彼の本心を知って傷心する。シルヴィアはヴァレンタインを追って家出。それをプロテュース、ジュリア、フィアンセが追う。
 山賊に捕まったシルヴィアを助けたプロテュースは力づくで彼女をものにしようとするが、そこへヴァレンタインが現れ阻止、彼を叱責する。プロテュースは反省、ヴァレンタインは彼を許し、シルヴィアを譲ると言い出す。ショックで失神したジュリアの正体を知り、プロテュースは心を入れ替え彼女とヨリを戻す。シルヴィアのヴァレンタインへの一途な想いに打たれたミラノ公爵も彼との結婚を許す。

 16世紀という時代を感じるストーリーですが、プロテュースの“力”を持ってシルヴィアをものにしようとする態度は正に(唯月ふうかが演じる)お光に横恋慕する、(浦井健治が扮する)三世次のそれに重なります。
 東宝では2014年日生劇場で宮本亜門の演出、西川貴教、島袋寛子、堂珍嘉邦、霧矢大夢…というキャストで、ミュージカル版が上演されました。

 

第19弾『恋の骨折り損』

 ナヴァラ国の若い王、ファーディナンドは友人の貴族3人と共に学問に専念するため『女性との交際や贅沢を3年間断つこと』を誓い合う。
 しかし、フランス王女と3人の侍女がやってきた途端、男性4人それぞれが彼女たちに恋に落ち、秘密裏に恋文を書いたり、変装して告白しようと試みたり、といった有様に。
 女性たちは彼らの計画を知り、からかいながらもその思いを試そうとする。彼女たちが恋の駆け引きを楽しんでいたところ、フランス王崩御の知らせが届き、喪に服すため求愛はお預けに。王女たちは男性たちに1年間禁欲生活を送る約束をさせ、ナヴァラ国を去ってゆく。

 シェイクスピア初期の喜劇である本作品。理想や誓いに縛られながらも、恋に翻弄される男性たちの姿が、韻を踏んだり、詩的な表現に凝ったりという、いかにもシェイクスピアらしいユーモアで描かれています。映画化もされており、この作品を原作としたミュージカルが2019年にシアタークリエで上演されました。『天保十二年のシェイクスピア』の若人の恋といえば、佐吉(猪野広樹)と浮舟太夫(福田えり)。
 二人の運命やいかに…!!

 

第20弾『テンペスト』

 テンペストとは嵐を意味する。
 ミラノ大公プロスペローは弟アントーニオの策略に陥れられ、地位剥奪追放となって娘ミランダ共に、孤島に流れ着く。その島には怪人キャラバンや妖精、空気の精エアリエルが住んでいた。秘術を身につけたプロスペローはある日魔法の力でテンペスト(嵐)を起こし、アントーニオとナポリ女王、アロンザ王子ファーディナンドが乗る船を難破させ、孤島に流れ着かせる。そしてプロスペローの計画どおり、ミランダとファーディナンドは恋におちる。求婚するファーディナンドに対しプロスペローは厳しい条件を出すが、ファーディナンドは見事にそれを達し、ミランダとの結婚を許される。復讐劇を繰り広げたつもりのプロスペローだったが、娘の幸せを見届けると復讐を思いとどまり、アントーニオ等を許すことに。更には魔法の杖を折り、妖精エアリエルを自由の身とする。
 ラストにはあたたかな拍手で魔法の力を解き、自分を自由の身にしてほしいと観客に懇願して委ね、幕が降りる。

 佐渡の能舞台で、和楽の中繰り広げる蜷川幸雄版『テンペスト』の初演は、東宝公演で1976年3月に、日生劇場で平幹二朗・田中裕子で上演されました。
 『天保十二年のシェイクスピア』では、佐渡の三世次とお光のセリフに反映されています。

 

第21弾『間違いの喜劇』

 エフェソスの二組の双子、アンティフォラス兄弟と使用人のドロミオ兄弟。幼い頃に生き別れた双子は異なる街で成長し、無意識のまま同じ街に行き着く。勘違いや恋愛関係が交錯したりで様々なトラブルに巻き込まれ、兄が逃げ込んだ尼僧院で出会ったのが行方不明の母だった。家族は再会し、恋愛関係も解決、ハッピーエンドを迎える。

 喜劇ではありますが、アイデンティティがテーマの作品。天保では生き別れたお光とおさちの双子姉妹がまさにこの作品を元にしています。蜷川幸雄演出オールメールシリーズで、若干23才で大抜擢された小栗旬がアンティフォラスを演じました。

 

第22弾『アントニーとクレオパトラ』

 舞台は紀元前のローマとエジプト。ローマの三頭政治を担うアントニーは、エジプトの女王クレオパトラに心を奪われ、豪奢な生活を楽しんでいた。しかし、正妻が死に政情が不安定になると、アントニーはローマに戻り、同じく三頭政治を担うオクテイヴィアス・シーザーの姉と結婚する。これを知ったクレオパトラは激怒する。

 シーザーが権力を握り始めると、アントニーは妻を捨てクレオパトラと挙兵し、対抗する。将軍たちが陸戦を勧めたにも関わらず、クレオパトラに従って不利な海戦に臨むアントニーだったが、クレオパトラの船が怖気付いて逃げ出してしまい、惨憺たる敗北を喫する。

 恐れをなしたクレオパトラは自分が死んだことにして身を隠すが、それを鵜呑みにしたアントニーは絶望し、自害を試みる。クレオパトラは泣きながらアントニーの死を見届け、自らも毒蛇に身を委ね死を選ぶ。

 『ジュリアス・シーザー』のその後を描いた本作品は、中年男女の大恋愛をテーマとした悲劇。場面が42もあるため、転換が大変な作品として有名です。『天保十二年のシェイクスピア』では、恋人関係にある佐吉と浮舟太夫に反映されており、二人の恋愛がどのような末路をたどるのか、ご注目ください!

 

第23弾『冬物語』

 シチリアの王レオンティーズは、妻のハーマイオニと親友のボヘミア王ポリクシニーズの密通という不義の疑惑(物語)に嫉妬に狂う。しかし侍女ポーライナからの王妃ハーマイオニの死の知らせが届き人としての心、後悔と悲嘆(冬)にくれる。

 時はうつり16年後。ボヘミアにて羊飼い娘として育てられたレオンティーズとハーマイオニの娘バーディタはポリクシニーズの息子であるフロリゼルと恋に落ちる。この事がきっかけで断絶状態にあった、レオンティーズとポリクシニーズの友情も復活、そしてハーマイオニの死を悼むレオンティーズの前で侍女ポーライナはハーマイオニを蘇らせて一同は再会、驚くべき真実が明かされる-。

 シェイクスピア晩年の円熟した筆が物語を自在に操り、悲喜劇が交差する、和解と再会のロマンス劇。
 『天保十二年のシェイクスピア』では、唯月ふうか演じるお光が「捨て子」である設定や、木場勝己扮する百姓隊長が時空をコントロールする場面などに反映されています。1999年には宝塚歌劇団花組により江戸時代後半の歌舞伎の世界に置き換え、春野寿美礼や瀬奈じゅん(今回、お文役で出演!)により、上演されました。

 

第24弾『コリオレイナス』

 古代ローマの軍人・コリオレイナスは多くの戦争で活躍し、英雄と讃えられた。
 しかし平和が戻ると、彼の冷徹で高慢な性格は市民に疎まれ、政治的な対立からローマを追放される。
 彼はその復讐に敵方と手を組みローマに攻め入る。
 母、そして妻の説得により攻撃を止め和平を結ぶが、手を組んだ敵方に裏切り者として暗殺される。

 『天保十二年のシェイクスピア』で反映されているのは佐吉と母のおこま婆。
 息子を想う母の行動が逆に息子に死を招く結果となる皮肉として描かれています。
 蜷川幸雄演出で、唐沢寿明がコリオレイナスを演じました。

 

第25弾『シンベリン』

 舞台は古代ブリテン。
 王シンベリンの娘イノジェンが、父の意向に反して貴族ポステュマスと密かに結婚すると、激怒した王はポステュマスを国外追放する。
 ローマに渡ったポステュマスが妻の自慢をするあまり、伊達男ヤーキモーは彼女の貞節を巡る賭けを持ちかける。
 ヤーキモーはブリテンでイノジェンを口説こうとするものの上手くいかず、寝室に忍び込んで彼女の腕から腕輪を抜き取り、ローマに戻る。
 腕輪を見せられたポステュマスは絶望し、部下ピザーニオに妻の殺害を命じる。
 ピザーニオから真実を聞いたイノジェンは男装して旅に出ることに。
 彼女は旅先で二人の若者グウィデーリアスとアーヴィラガスと親しくなる。
 彼らは実は幼い頃に行方不明となっていたイノジェンの兄弟(王子)なのだが、互いにその正体には気付かない。
 やがてブリテンとローマの戦争が勃発するが、王子たちの活躍もありブリテンが勝利する。
 ポステュマスとイノジェン、そして王子たちが再会すると、王の前で全ての経緯、正体が明らかになり、大団円となる。

 『天保十二年のシェイクスピア』では、妻に裏切られ女性を呪ってしまうポステュマスの姿が、大貫勇輔演じる、きじるしの王次に反映されています。
 ポステュマスという役は、2012年に阿部寛さんが演じたことでも知られています。

 

第26弾『終わり良ければすべてよし』

 前・伯爵の主治医の遺児であるヘレナは、現・伯爵のバートラムに想いを寄せているが身分違いで打ちあける事が出来ない。
 しかしフランス王の難病を父の医術を受け継ぎ治療し、夫を選ぶ権利を手にしてバートラムと結婚する。
 だがバートラムはヘレナを嫌い断固拒否、逃亡して他の女を口説く始末。
 ヘレナは彼を追い、彼が口説いた女とその母親に事情を話し、この作品が書かれた当時の演劇作品でしばしば使われた、「男が女の寝室へ忍び込むがベッドの中にいるのは別の女」と言う筋立ての、「ベッドトリック」までして、ヘレナは身重となる。
 そこまで慕われたバートラムはラスト、これまでの仕打ちを謝り、ヘレナを愛する事を誓う。
 そして王が幕切れで口上役となり『終わりよければすべてよし』と観客に拍手をねだり芝居は幕切れとなる。

 シェイクスピアの「問題作」。
 この作品全体的には不自然な点も多く、シェイクスピア作品の中でもとりわけ公演回数が少ない作品の1つです。
 『天保十二年のシェイクスピア』では、きじるしの王子とお光が身分違いの想いで恋して、ヘレナとバートラムに重なります。

 

第27弾『尺には尺を』

 ウィーンの公爵ヴィンセンシオは副官のアンジェロに治世を任せ、自らは修道士に変装し、その政治ぶりを見守る。
 厳格なアンジェロは長年形骸化していた法を用いて厳しい統治を行い、不貞の罪で若者クローディオが死刑囚となる。正式な結婚前に婚約者ジュリエットを妊娠させ、不道徳とみなされたのだ。
 クローディオの妹で修道女見習いのイザベラは兄の助命を嘆願するが、その美しさに惹かれたアンジェロは、兄を助ける代償として彼女の身体を求める。
 敬虔なイザベラはその要求を拒絶し、兄に死を覚悟するよう伝える。
 修道士に扮した公爵はイザベラに助けを申し出て、彼女の身代わりにアンジェロの元婚約者マリアーナを送り込む計略を授ける。今でもアンジェロを愛するマリアーナは協力するが、肉欲を満たしたアンジェロは約束を破りクローディオの死刑を宣告する。
 公爵として宮廷に戻ったヴィンセンシオはアンジェロを姦淫罪で死刑とする。
 マリアーナとイザベラが彼の命乞いをすると、公爵は全てを赦し、アンジェロとマリアーナを結婚させる。最後に、公爵がイザベラに唐突な求婚をして、劇は終わる。

 『天保十二年のシェイクスピア』では、イザベラと幕兵衞の台詞が対応しています。
 昨年上演された舞台では、我らが浦井健治さんがクローディオを演じました。
 また、蜷川幸雄さんの遺作となった公演では、前回の『天保十二年のシェイクスピア』で鰤の十兵衛役を演じた辻萬長さんがヴィンセンシオを演じました。

 

第28弾『ペリクリーズ』

 中世の詩人ガワーの霊がよみがえり、古き話を語り出す。
 ティルスの領主ペリクリーズは求婚しようとした王女と、その父の近親相姦を見抜いてしまい、国と我が身を護る為、旅に出る。嵐で遭難しペンタポリスに流れ着くと、その国の王が主催する槍の試合に勝利し、王の娘タイーサと結ばれ、娘マリーナが誕生。出産の苦しみでタイーサは命を落とし、ペリクリーズは泣く泣くタイーサの棺を海に葬る。海に流された棺はエフェソスに流れ着き、タイーサは医師の力で奇跡的に息を吹き返す。そこで巫女として暮らす決意するタイーザ。
 一方彼女の幼い娘マリーナは、ターサスの大守に預けられ美しく成長するが、海賊に誘拐され、ミティリーニという場所で売春宿に売られてしまう。ペリクリーズは娘が死んだと知らされ、再び失意の旅に出るが、マリーナと偶然再会。女神ダイアナの導きでエフェソスへ向かったペリクリーズ親子は、タイーサとも再会する。マリーナとミティリーニの大守の結婚も決まり、最後は幸せな大団円を迎える。

 『天保十二年のシェイクスピア』では、隊長(木場勝己)の台詞に詩人ガワーの台詞が反映されたり、死んだものと思われていたお光(唯月ふうか)が戻って来る設定が、ペリクリーズから反映されています。神様のお告げや死んだはずの人が生きかえるなど、伝奇的な雰囲気に満ちた作風はペリクリーズを皮切りに冬物語、シンべリン、テンペスト、の4作品に共通しています。

 

第29弾『アテネのタイモン』

 アテネの裕福な貴族であるタイモンは非常に気前がよく、知人や困窮者に金を与え、宴会を頻繁に開いていた。際限なく金をばら撒いた結果、タイモンは莫大な借金を抱え込んでしまう。そこで、彼はかつて恩を施した人々に助けを求めるが、誰一人として手を差し伸べる者は現れない。本当の友が一人としていないことに絶望したタイモンは、人間社会を呪い、アテネを離れ、世捨て人として森の洞窟に住む。
 一方、以前からタイモンの味方だった軍人アルキビアデスが、友人が犯した罪を自分の軍功と引き換えに赦免してほしいと訴えると、元老院からその態度が傲慢だとされ、追放を言い渡される。アルキビアデスが忘恩のアテネに対し挙兵して復讐しようとすると、彼を応援するタイモンは、森で掘り当てた金を贈る。アルキビアデスの反乱を鎮めようとする元老院議員たちがタイモンの力を借りるため洞窟を訪れるが、タイモンは拒絶する。
 最終的にアテネは反乱軍に降伏し、アルキビアデスは復讐を果たすが、そこへタイモンの訃報が届き、劇が終わる。

 『天保十二年のシェイクスピア』では、人間社会に絶望したタイモンが盗賊に金貨を投げつける姿が、富を手に入れた、のちの佐渡の三世次に重なります。

 

第30弾『トロイラスとクレシダ』

 “トロイの木馬”で有名なトロイア戦争中のトロイとギリシャが舞台。
 トロイの王子トロイラスは神官の娘クレシダと愛し合い結ばれたが、彼女の父がギリシャ側についた為、クレシダもギリシャに渡り、そこで武将ディオメデスにも心惹かれてしまう。トロイラスは激怒しギリシャに攻め込むが、ディオメデスを打ち倒せない。
 物語はその後ギリシャ武将アキレウスとトロイ武将ヘクトルとの戦いに主軸が移るが、“問題劇”と言われるこの物語は、トロイの暗い未来を暗示するところで終わってしまう。

 2015年に鵜山仁演出版にてトロイラスを演じたのが我らが浦井健治です!『天保十二年のシェイクスピア』ではまさに、三世次の1幕終わりの捨て台詞に反映されています!

 

第31弾『タイタス・アンドロニカス』

 ローマ将軍タイタス・アンドロニカスは捕虜であるゴート人の女王タモーラの長男を殺し、戦死した我が子たちの霊廟へ生贄にする。
 これを怨んだ残る次男たちは、一転ローマ皇帝妃となったタモーラの狡猾な情夫アーロンと共謀し、タイタスの娘ラヴィニアを襲い凌辱、その舌と両手を切断してしまう。更にタイタスの二人の息子達は、冤罪により逮捕される。
 怒り狂うタイタスは自らの手を切り「これで息子を助けて下さい」と皇帝に釈放を乞うが、息子等は敢え無く処刑。
 全てはタモーラの仕業と知ったタイタスは長男ルーシアスに命じゴート軍と結託してローマを攻めさせる一方で、タモーラの息子二人を捕獲して殺す。
 そして、ローマとゴートの和平の場で、先のローマ皇帝の長男・サターナイナスの助言に従い、タイタスは凌辱を理由にラヴィニアを絞め殺し、タモーラには息子等の人肉パイを食べさせて刺殺。
 そのタイタスはサターナイナスに殺され、サターナイナスはルーシアスに殺され、新ローマ皇帝に推挙されたルーシアスはゴート軍に捕られたアーロンを、生き埋めの刑にー。

 シェイクスピア作品の中で最も暴力性、残虐性にあふれた復讐劇、初期の衝撃作品。『天保十二年のシェイクスピア』では三世次とお光の関係が、タモーラの息子とラヴィニアの台詞等で反映されています。

 

第32弾『ヘンリー八世』

 イギリス国王ヘンリー八世の宮殿では、王の寵愛を受け、汚い政治的策略で出世した枢機卿ウルジーが、思うがままに貴族を操るほどの絶大な権力をふるっていた。
 民衆や公爵たちは強欲なウルジーを嫌っているが、陰謀により、彼の政敵は処刑されてしまう。
 ウルジーが開いた宴会で女官のアンに出会った国王は、彼女の美しさに魅了され、長年連れ添った王妃キャサリンと離縁しようとする。
 妃は離婚を拒み、ウルジーもまたアンが自分の出世の邪魔になると考え、裁決を担うローマ法王に嘆願書を贈る。
 しかし、この手紙が間違って王の手に渡り、さらにウルジーが国の財産を着服し、私腹を肥やしていたことが発覚すると、激怒した王は彼から全官職・財産を没収し、ウルジーは失脚。
 キャサリンとの離縁が決まり、アンが新王妃となる。
 アンに待望の王女が誕生すると、宮廷の周りは祝福する民衆であふれかえり、王女はエリザベスと名付けられる。

 本作品には、狂言回しとして”三人の紳士”が登場しますが、『天保十二年のシェイクスピア』の隊長役(木場勝己)と重なります。
 また、ローマ法王に賄賂を贈り自身の出世を実現させたり、重税を強いて民衆の反感を買うウルジーの姿が、佐渡の三世次(浦井健治)に反映されています。

 

第33弾『ウインザーの陽気な女房たち』

 イギリスのウィンザーが舞台。
 酒好き女好きで財産を持たない中年の騎士・ファルスタッフは裕福な商人の妻、フォード夫人とページ夫人の2人から金を取ろうと画策。
 2人の夫人に同時に恋文を送り騙そうとするが、2人の夫人はファルスタッフの計略を見抜き、逆に数々の策略をめぐらし彼を懲らしめる。

 『天保十二年のシェイクスピア』では、佐渡の三世次が尾瀬の幕兵衛に“嫉妬”という毒を全身に回していく場面がフォード夫人の夫に嫉妬させる場面などに重なります。

 

第34弾『ジョン王』

 13世紀のイングランド。
 王位を巡り、ジョン王と甥のアーサーが対立。アーサーの母コンスタンスとフランス王のフィリップがアーサーの王位を主張し、イングランドとフランスは戦争を始める。
 ジョン王の姪・ブランチとフランス皇太子ルイとの結婚で和平が成立するかに見えたが、コンスタンスが反対し、戦争が再燃。ジョン王はアーサーを捕え、処刑しようとする。しかしジョン王の家臣はそれを躊躇し、アーサーは逃亡中に誤って命を落とす。
 その為イングランド諸侯は王に離反し、更にフランス軍に苦しめられる中、ジョン王は修道士に毒を守られて死亡。
 ジョン王の息子ヘンリーが次の王となり、次世代を期待される。

 『天保十二年のシェイクスピア』では ♫三世次のブルース♫ に、コンスタンスの台詞が生かされています。
 ♪愛するは憎む、憎むは愛する…
 彩の国シェイクスピアシリーズの完結として、2023年に吉田鋼太郎演出・小栗旬主演で上演されました。

 

番外編:オープニングナンバー『もしもシェイクスピアがいなかったら』

youtu.be

 

第35弾『ヘンリー六世・第一部』

 百年戦争終盤が舞台。フランスでの戦況とジャンヌ・ダルクの活躍、イギリス国内での不穏な動きが描かれる。
 ヘンリー六世が幼少の為、実権は貴族たちが握っており、白薔薇ヨーク家vs赤薔薇ランカスター家が争う薔薇戦争の始まりが描かれる。

 『天保十二年のシェイクスピア』の佐渡の三世次に投影されたリチャード三世にも繋がる、とても縁のある作品です。

 

第36弾『ヘンリー六世・第二部』

 物語の中心となるのは、マーガレット王妃の登場により激化する宮廷内での派閥争い。
 妃をフランスから連れてきた愛人のサフォーク伯は枢機卿らと陰謀を企み、対立する摂政グロスター公を暗殺する。悲しむ王はサフォークを追放し、妃はサフォークと嘆きながら別れる。枢機卿は病で悶死し、サフォークも非業の死を遂げる。
 平民たちの間で不穏な空気が広がる中、密かに王位を狙うヨーク公は暴徒ジャック・ケイドにイギリスで叛乱を起こさせると同時に、逆賊サマセット公の成敗を名目にアイルランドから挙兵し、薔薇戦争が勃発。ケイド、サマセットは倒され、王と王妃は逃亡。
 ヨーク側の圧倒的な勝利で第二部は終了する。

 『天保十二年のシェイクスピア』では、夫のヘンリー王を心の内で見限り、サフォークに心を傾けていく妃の姿が、お文(瀬奈じゅん)、お里(土井ケイト)に反映されています。

 

第37弾『ヘンリー六世・第三部』

 百年戦争とそれに続く薔薇戦争により疲弊したイングランドで、歴史に翻弄される王ヘンリー六世と王を取り巻く人々を描く長編史劇三部作の最終章。
 ヨーク公リチャードが息子エドワード、ジョージ、リチャードと共にランカスター朝から王位を奪う為に戦うところから物語は始まる。
 ウェイクフィールドの戦いでヨーク公が敗死した後も、息子らは戦いを続け、エドワードはエドワード四世としてイングランド王に即位。しかしランカスター派の抵抗は続き、マーガレット王妃やフランスの支援を受けたヘンリー六世との間で戦いが繰り広げられる。
 最終的にエドワード四世はデュークスベリーの戦いで勝利、ヘンリー六世と息子のエドワードを殺害し、ランカスター一家を滅ぼす。

 第三部は前二作に比べてより残酷な描写も多く、権力闘争の醜さや人間の残忍さを容赦なく描き出すことで、戦争の悲惨を浮き彫りにした作品となっています。また、登場人物たちの複雑な心理描写も見どころの1つです。

 特にリチャード三世はその残忍さと狡猾さ、そして孤独な内面が鮮やかに描かれていて、シェイクスピア作品の中でも特に人気のあるダークヒーローの1人になっています。

 浦井健治がリチャード三世を投影した「佐渡の三世次」を演じる『天保十二年のシェイクスピア』日生劇場公演はいよいよ12月29日(日)まで!

 

うましパ2024【12/7(土)昼】本編レポ①

CREATIVE OFFICE CUEのファンミーティング「UMASHIKA PARTY2024」通称「うましパ」に参加してきました!
ファンクラブに入って今年で8年目になるものの、予定が合わなかったり抽選に外れたりとタイミングを逃し続け、ファンミは今回が初めて。
念願叶って参加できてよかった〜!

 

忘れたくない思い出が多すぎるので、文章にしてみます。

レポというには主観入りすぎだけど、よろしければ。

※出演者のみなさんの発言は「だいたいこんなこと言ってたな~」というニュアンスで書いています。

 

私が参加したのは12月7日(土)昼の部。

フードファイトをして、12時になったらいざ開演!

事前に過去のファンミ映像を観て予習していたから、後方のドアから歌いながら登場するものかと思って「どこだどこだ?」とキョロキョロしてた。

すると、ステージ上の白い幕に映し出される総勢20名ほどのシルエット!

うわ、かっこいいやつ!と思って急いでカメラを構えるも間に合わず、バン!と幕が落ちる。奥にはCUEメンバーが勢揃い!かっこいい〜!

こういう演出大好き!全登場の仕方の中で「白い幕にシルエット、からのバン!」がいちばんかっこいいと思ってるよ!

でも、思ったよりお客さんには不評だったようで大泉さんが早速ボヤく(笑)

後方ドアから入場の方式だと、後ろのほうの席の人が近くで出演者を見られるからね。

ウィンターソングメドレーのときに後方ドアから入場もやってくれたけど。

 

全員揃った状態でひとしきりトーク。

ガトキンの床がうましパのために(?)張り替えられた話で、食べ物を床に落としてしまったお客さんをいじりまくる大泉さんと森崎さん。

森崎さんが最後にサラッと言った「服汚れなくてよかったね」で「リーダーそういうとこ!」となりました。

 

その後は、3チームに分かれてのクイズ大会。

司会は全チーム共通で、鈴井会長と阿部凛ちゃんという年齢差コンビでした。

まずはAチームの回答者、安田さん、音尾さん、小橋亜樹さん、NORD安保くん、NORD瀧原くんが登場。

割と序盤に「凛ちゃんは相変わらず血が通ってないですね~」といじった会長さすがだと思った。

そこまで凛ちゃんをよく知らないお客さんも多い中、「こういう子ですよ」って一言で印象づけたよね。

その後の凛ちゃんの独特なコメントが全部おもしろくて、すっかりファンになってしまった。

このやりとりを聞いて「あら凛ちゃん血が通ってないの?僕と一緒だねぇ」という安田さんも、飲み屋で隣のテーブルにいるおじさん感あって好きだった。

 

クイズに入る前に、事前アンケートで募集した質問に答えるコーナー。

Aチームは「理想的な老後の過ごし方は?」。

まだクイズ始まってないのに、クイズ用の回答ボタンを押す安田さん。

「赤平の森で過ごす!」だったかな。もっと長かったような気もする。

「まだクイズじゃないですから。俺じゃねえか!」みたいな感じで会長にツッコまれる。

会長が「最初にボケたのがまさかの安田さんで…驚いてますけども…」と困惑しきりでおもしろかった。

大泉さんがいるとどうしても「会長×大泉さん」になりがちだけどこのチームにはいなかったので、実は付き合いの長い「会長×安田さん」の仲良しを見られて楽しかった。

理想的な老後の過ごし方は、

瀧原くん:会長みたいに森の中とか光の当たらないところで暮らしたい

安保くん:会長みたいにお犬様に囲まれて暮らしたい

あきさん:スナックの大ママをやってお客さんを見ながらぽっくり逝きたい

音尾さん:海の近くに住みたい(釣り関連のことをなんかいろいろ言ってた)

安田さん:フィンランドで湖に浮かびたい(「ファンタジーでいいなら」という前置き付きだった。ファンタジーと言わず、1か月くらいお休みとってフィンランドでゆっくり浮かんできて…!)

 

クイズに移ると、問題が簡単すぎてどうやってボケるか頭を悩ませ始める出演者たち(笑)

「神無月」を「かみなづき」と読んでしまった(間違いではないけど)凛ちゃんに、わざわざボタンを押して「かんなづきな!?」と指摘する安田さん。

答えが「師走」の問題のヒントで「似たような名前の小さい魚がいますよね」というのを聞いてなんだかキャッキャし始める安田さんと音尾さん。

安田さんが音尾さんに「俺って言えよ」と耳打ちするくだりで、きちんとマイクを使っていて感動した。マイク使わずに喋るのが伝統芸みたいなところあるから…笑

写真見返したらずーっとマッスルが楽しそうにいちゃいちゃしてた。安田さんの笑顔を引き出してくれてありがとう音尾さん。

 

映像問題は、オクラホマ河野さんがかけている眼鏡が徐々にサングラスに変わるというもの。

客席を含め、あの場にいた人たぶん全員(1人を除いて?)わかっていた。

残る1人である安田さんが客席に「わかった?何?」と話しかけるんだけど、わからないというボケだと思ってる観客は笑うだけで答えない。

どんどん口が悪くなる安田さん、最終的にめっちゃ低い声で「言えよ」と。安田さんが凄むと迫力あるのよ…!

ちょうど私が座ってた方向を向いて言ってたのもあってドキッとした。

でも、どうやら本当にわからなかった?らしい。(まだちょっと信じられてない)

音尾さんがドン引きして「よくわからないでいられますね…」と言うと、「え、わかった?みんなもわかってるの?」と焦り「わかってるなら答えればいいじゃん」と身も蓋もない正論を言ってしまう。

で、誰かが回答して(誰だっけ)、モニターに正解が表示されると「すげー!」みたいな驚きの表情をしていた。

「最近彼ら(オクラホマ)と会話してないんですよね」と言ってたけど、その後一緒に歌ってたじゃん。コミュニケーション取ってないのかな(笑)

 

森崎さんによるハミングクイズは、超難問。

森崎さんどうこう以前に、選曲がおかしい。笑

吉幾三の「俺ら東京さ行ぐだ」のラップ部分(「ハァ〜!テレビも無ェ!」のところ)。誰がやっても難しい。

安田さん、何か言おうとマイクを構えてもNORDくんたちが発言しそうな素振りを見せると「わかった?いけ!いけ!」ととにかく後輩の出番を作ってあげようとしていてとてもよかった。

それでも森崎さんが何度ハミングしても誰もわからず。客席もわからず。

安田さん「もう少しちゃんと歌ってもらえるか?」

森崎さん「おまえに審査されてるわけじゃないから」

お互い辛辣で笑った。

最終的に「ハァ~!フンフフフン!」と「ハァ~!」の部分を原曲そのまま歌い、安田さんが見事正解。

「あれでしょ?「俺らこんな村いやだ~♪」の!」とワンフレーズ歌ってくれて嬉しい。

過去のファンミでも、森崎さんのハミング誰もわからないのにあっさり正解した安田さんがいましたね。良きワンツー…

 

ジェスチャークイズのジェスチャー担当は瀧原くん。お題は「犬の散歩をしていたらヒグマに遭遇した鈴井貴之」だったかな。

お題が会長だとわかってからはジェスチャーを見守る会長の表情ばかり撮ってた。いい顔してる…!

 

続いてのBチームの回答者は、森崎さん、戸次さん、北川久仁子さん、NORD舟木くん、滝谷美夢ちゃん。

トークテーマは「今年やり残したこと」。

美夢ちゃん:扇風機をまだ片付けていない

→戸次さん「わかるよ、掃除してからと思うと先延ばしになっちゃうんだよね。私の場合は加湿器です。でもすぐやらないとダメなんだよ!」

舟木くん:(覚えてない。流れ的には掃除系だった気がする。)

くにさん:大掃除。特に水回り。

→戸次さん「水回りの掃除は毎日やるんですよ。そうすれば大掃除なんてする必要ないんだから!」

森崎さんから「ひとつひとつ絡むなや!」と怒られ、いざ自分の番になったらその前に話し尽くしているから清々しい顔で「以上です!」と言い切る戸次さんに笑った。結局話したけど。

戸次さん:家の壁にダイノックシートを貼った。シートの厚みを考えて壁を削ったが削りすぎてしまったため直す作業をしたい。マンションの自治会長?的なことを2期連続やった。家のDIYをしたら共有部分もやりたくなってしまい、議案として出そうとしたけど管理会社に止められた。

→森崎さん「何の話!?さっきまで水回りの掃除とか割とためになる話してたのに…」

森崎さん:北海道知事に立候補すること。本物の鈴木知事に「森崎さん狙ってますからね」と言われた。…冗談ですよ!?

 

映像問題1つ目の関連ワードが順に出てくるクイズは、

「オフィスキュー所属」「O型」

ここで森崎さん「俺!?」と回答するも不正解。

続いて

「札幌市出身」「手稲区」

ここで会場から笑い声が。戸次さん「何笑ってんだ!手稲バカにすんなよ!?」と怒ってらっしゃいました(笑)

 

映像問題2つ目の静止画がじわじわ変化するクイズは、NACSの宣材写真。

「収入が増えてる!」という回答に「これ撮ったの結構前だからな、確かに増えてる」という返しがおもしろかった。誰が言ってたっけ。

正解は「大泉さんの顔が会長に変化する」。

変化途中のモニターを撮った写真があるんだけど絶妙に気持ち悪くて(悪口じゃないよ)おもしろい。

変化後の5ショットを見て「こわい」「反社感がすごい」「右2人(会長と音尾さん)は組長と若頭」と言いたい放題。

実際に音尾さんを真ん中にした5ショットも撮ったけど、こわいから採用されなかったそう。

 

ジェスチャークイズは美夢ちゃん。

「田植えをしていたら足を攣った森崎博之」だったかな。

森崎さんを表現するのに顔デカポーズをした美夢ちゃんに、立ち上がってツッこむリーダーが楽しそう。

 

ラストのCチームは大泉さん、オクラホマ藤尾さん、chimaさん、河野さん、NORD島くん。

おもしろい予感しかしない。

笑いすぎて逆に記憶が薄いんですけど、覚えてる範囲で。

トークテーマは「バイトや職業体験ができるなら何がしたい?」

太星くん:(絶対おもしろいこと言ってたはずなのに覚えてない…)

河野さん:おもしろい相方とちゃんとお笑いやってみたい。

ちまちゃん:公園で魚を見る仕事がしたい。中島公園で言うと鴨とか。

→大泉さん「なんで魚なのに真っ先に鴨が出てくるんだよ!?」「そんな職業あるか!?」

藤尾さん:(ちまちゃんの獣医学部出身を受けて)獣医

藤尾さんとちまちゃんのお魚トークおもしろかった。ちまちゃん、誰と絡んでも妹感あってかわいい。

大泉さん:俳優しかできない。昔家具を運ぶバイト(?)とかいろいろしたけど上手くいかなかった。(前に出てきてバイトで上司に怒られる様を長尺で実演)

 

「雪の妖精とも呼ばれる北海道の鳥は?」というクイズで、勝手に太星くんのボタンを押す河野さん。

太星くん「雪虫!」もちろん不正解。(正解はシマエナガ)

続いてちまちゃんのボタンも勝手に押す河野さん。

ちまちゃん「私も雪虫かと思ってた〜」

他の人にはなかなか理解できないちましまの謎のシンクロ、結構好き。

太星くんとちまちゃんのボタンを勝手に押す河野さんはさすがだと思った。

ふたりとも、喋ったら絶対におもしろいけど自分からはなかなか押さないもんね。

CUE全体に流れてる、自然と先輩が後輩のために見せ場を作ってあげる風潮とても好きだ。

なのに河野さん、ちまちゃんから「手が丸い」と笑われてて不憫だった。

 

引き続きシマエナガの問題。

太星くん「僕、鳥1匹しか知らないんですよ〜」(1種類でも1羽でもなく1匹なんだ、とか思ってはいけない)

「せせり!!!」

会場大爆笑。大泉さん机に突っ伏しちゃってた。

この日いちばんの爆笑を攫った太星くんに、拗ねまくる大泉さん。

「俺が前出てこんなことやってたの(バイト実演のこと)バカみたいじゃねえか!」

 

正解が北海道の郷土料理「ルイベ」の問題では、大泉さんオクラホマの3人は答えがわかってるけどしばらくちましまで遊ぶ流れに。

もはやそのふたりがどんな回答してたのかは覚えてないんですけど、おもしろ回答を出し続ける太星くんに嫉妬した大泉さん「さっきもさ〜何がルイベだよ!俺がおもしろくないおじさんだと思われる!」と、つい頭の中にあった正解を言ってしまう。(たぶん「何がせせりだよ!」と言いたかった)

観客も出演者も「あっ…」という空気に。

河野さんが「大泉さん、ルイベって答え言うてます」とツッコみ、崩れ落ちる大泉さん…

その前からしきりに世代交代を気にしてたから、この間違いは相当ショックだったはず。

両手で顔覆って泣いてる写真が残ってました。笑

凛ちゃんが「大泉さん(クイズの問題)まだまだありますよ〜!頑張ってください〜!」と励ましたのが、絶妙に煽りみたいになってておもしろかった。さすが血が通ってない凛ちゃん!

 

答えが「水曜どうでしょう」の映像問題は、まさかのちまちゃんが正解!

ちまちゃんってNACSやCUEに興味なさそうだから、どうでしょう知ってるんだ…と感動した。

静止画がじわじわ変化するクイズはNORDの宣材写真。

大泉さんが「辞めた4人が出てくる!辞めた4人と入れ替わってる!」といじりまくってた。笑

 

ジェスチャークイズのジェスチャー担当は、これまたまさかのちまちゃん!

「人生でやったことない」って言ってた。

少し前までちまちゃんって「喋るとちょっと天然が出ちゃうアーティスト」くらいの立ち位置だった気がするんだけど、今やCUEに欠かせないおもしろ要員になってるね。本人がどう思ってるかはわからないけど、私は今のちまちゃんの扱いが好きだ…!

クイズの正解は「満員電車に乗る真池龍」。

ジェスチャーが結構わかりやすかったので(大泉さんに向かって「あなた」とかグレーなジェスチャーしてたし)意外と簡単だった。

大泉さん「マイケルジャクソンのモノマネをする俺!」まで出てるのに「それをなんという?」と返され、一瞬宙を見つめて脳みそフル回転の顔してた。なんとか正解しました。

 

結局、土曜昼の部の総合優勝は大泉さん!

私は音尾さんに投票してたので残念〜!

 

これにてクイズコーナーは終了。

 

うましパはまだまだ続きますが、長くなってしまったのでいったん区切ります。

お付き合いありがとうございました。

 

記憶違いや覚えてないところなど、コメントやXのリプで教えていただけると嬉しいです〜!

 

 

長谷川朝晴ファンによる舞台『カリズマ』感想

舞台『カリズマ』を観てきたので感想です。

なお、私はメインの4人ではなく追加キャストのひとり長谷川朝晴さんのファンです。

メイン4人については無知で、感想でもあまり触れませんのでご承知おきください。

※ネタバレを含みますのでご注意ください。

 

今回の会場「クラブeX」は、真ん中のステージをぐるっと360度客席が取り囲む円形の劇場。

花道などはなく、出演者は会場の入口から登場してステージまで歩いてくる。

なので、登場したり捌けたりする度に客席内の通路を行ったり来たりすることになる。

ただでさえ狭くてステージとの距離が近い会場なのに客席内も通るから、とにかく出演者と観客の距離が近い作品です。

 

長谷川さんの登場、割と近くで観られて嬉しかった。

相変わらず声がいい。贔屓目もあるかもしれないけど、やっぱり舞台向きの発声でいちばんパキッとしていた気がする。

最初のシーンが終わって転換のとき、衣装替え(ジャケット脱ぐところ)を結構近くで見られてニヤニヤしてしまった。

 

長谷川さんが出てるシーンだけジョビジョバ感がすごかったな(笑)

観客は当然ながらメイン4人のファンが多いんだけど、みんな長谷川さんの言動ひとつひとつに笑っててすごく嬉しかった。

公式Xの「常に稽古を盛り上げて頂いていて笑いの絶えない稽古場です」にも納得。ほんと独壇場だったな…

 

長谷川さんによる若者洗礼タイムがめちゃくちゃ好き。

お互い笑っちゃってたし、いい雰囲気だった。

自己紹介のシーンで「四字熟語入れて」って言ってたのはアドリブかな。アドリブっぽい台詞かもしれない。

長谷川さんの「知性出していこう」に誰かが「難しいです」と言ってて笑ってしまった。

その後の4人の返しもとてもよかった!

うろ覚えですが

「僕とみんなで四苦八苦」

「喜怒哀楽がわからないと言われます」

「意味はわからないけど四面楚歌」

「みんなで渡ろう横断歩道」

だったかな(笑)

即興だとしたらかなりセンスいいと思う。個人的には横断歩道が好き。

別バージョンもあるなら見てみたい。

 

長谷川さん演じる事務所社長に振り回される、劇中アイドル「スクエアーズ」の4人。

まずは昭和の男性アイドルグループ(光GENJIオマージュ)。

こういうオマージュはよくあるけど、本物の光GENJIの後輩たちがやってるのがよかった。

ダンスはさすがのキレだし、ほぼ原曲まんまの「よーうこっそ♪」であれだけ笑えるのも彼らのバックボーンあってこそという気がする。

 

次にバンド(MAN WITH A MISSIONオマージュ。オオカミではなくハシビロコウの被り物)。

被り物バンドが子ども番組で踊るという謎の展開を、真ん中で盛り上げる青山美郷さんがすごかったよ。

 

最後が2.5次元の舞台(まだ取り上げられてないスポーツをということで、テーマは綱引き)。

問題のシーンです。

今年のジョビジョバライブ『シン・ロクタロー』のコントの1つと酷似してた(告発じゃないよ)。

関西弁キャラ、外国人キャラ、頭脳派キャラなどがいて、特に頭脳派キャラは、あれ今回六角さん出てましたっけ?というくらいそのままだった。

ここだけ長谷川さんがプロデュースした?もしくは脚本家さん、シン・ロクタロー観た?

配信まですべて終わったらでいいので、長谷川さんには一度どうしてこうなったのか説明してほしいところ。笑

 

ストーリー的にはシリアス要素もあるけどそこまで重くなく、さらりと観られる感じだった。

ただ個人的に、ストーリーには救いがなくてもいいけどスッキリはさせてほしいタイプなので「あ、ここで終わるのか…」とは思った。

余韻残す系ね。好きな人は好きだと思うけど。

 

ところどころの演出(というのかな?)薄暗い照明の中で全員が思い思いの方向見てる不穏な感じとかは結構好きだった。

転換とか衣装替えをステージ上で自分たちでやるのも好き。

 

円形のステージなので、どの方向のお客さんもだいたい平等に同じシーンを観られるよう工夫されていた。

立ち位置とか大変だっただろうけど、おかげさまで「推しが全然見えない…!」ということは少なそうでよかったな。

最後のほうの重要シーンだけ、私は比較的近くで観られたからよかったけど見えづらかったお客さんはいたかも(平田敦子さんがポストされてた)。

 

さて、長谷川さんは結局何役演じていたのか。

渋谷駅での目撃者、プロデューサー、記者、事務所社長、マッキー先生の5役かな、見落としがなければ。

特に事務所社長とマッキー先生は癖が強く長谷川さんの本領発揮!という感じでとてもよかったです。

 

ちなみに青山さんは

渋谷駅での目撃者、新人AD、ジャスミン、歌のお姉さん、ムツミの妻、コースケの母、女優の7役かな。

女性の役をすべてひとりで演じていて大忙し。演じ分けも衣装替えもすごかった!

 

『本を贈る』の舞台挨拶のときにも思ったけど長谷川さん、ホームではない(全員が自分のファンではない)空間でも喋り出してわずか数秒で自分のペースにしちゃうのすごいなあ。

それでいて自分が自分が!ではなく、4人のおもしろをしっかり引き出して。やっぱり好きだ!と思った。

 

あまり舞台本編の感想ではなくなってしまったけど、今日も素敵な推しが観られて幸せでした。

 

追記

もうひとつだけ語らせてください。

パンフレットの「室龍太×長谷川朝晴」の対談がものすごくよかった…!

長谷川さん、普段は芝居や仕事に対する情熱をあまり言葉にしないタイプだと思う。

「◯◯さんが作ってくれてるので自分はそのとおりやるだけです」みたいな、飄々とした感じ。

芝居を観れば熱は伝わってくるし全然それでいいんだけど。

今回は相手が若手でこれから俳優としてやっていこうという人だからか、稽古に途中合流したばかりでパーソナリティがまだわからなかったからか、室くんの舞台への思いを深掘りしたり自分の考えを話したり、芝居についてしっかり言葉にしていた。

普段こんなこと考えてるんだ…!と知れてとてもよかった。

室くんは不思議ちゃんなのかな?(笑)全然会話が噛み合ってない部分もあったけど、それはそれでおもしろい。

舞台上では、やりたい放題のおじさんとそれに付き合う若者という構図になることが多かったけど、裏ではやっぱり先輩としてリードしてたんだなあという面が見られてよかった!

室くんありがとうございます。

 

おわり

 

 

映画『アングリースクワッド』ちょこっと感想

映画『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』を観てきたのであっさりめの感想です。

※ネタバレを含みますのでご注意ください。

 

詐欺師もの大好き!

各分野のプロが集まったチームで協力プレイする話が大好きなんですけど、それに加えて詐欺師ものは最後にスカッとするからいい。

最後の警察のくだりは正直予想できてしまったけど、そのぶん安心して観ていられてよかった。

 

岡田将生さんはずっとかっこいい!

泣いてても人騙してても殴られててもかっこいい。さすが。

岡田さんの顔面を拝むためだけにこの映画観てもいいレベルだけど、内容もちゃんとおもしろいです。

 

内野聖陽さんには勝手に高貴なイケおじ(伝われ)の印象を持っていたけど、本作では冴えないおじさんの役を自然に演じていてすごいと思った。

つい最近観た『八犬伝』にも出ていたけど、アングリースクワッドを観てる最中に一度もそれを思い出さなかったくらい印象がかぶってない。別人に見えた。

内野さん演じる熊沢が演じるちょいワルオヤジ(ビリヤードのシーン)が、一周回って私のイメージする内野聖陽だった。

 

序盤、熊沢が煮え切らず少しイライラしたけど(でも現実世界だったら大多数の人はこうなると思う)、川栄李奈さん演じる望月は終始正義を貫いていてかっこよかった。

 

熊沢が抱える闇に関わっているのが、矢柴俊博さん!(役名忘れた)

出演してるの知らなかった〜

『本を綴る』の舞台挨拶でお会いして以来初めて観たのでなんだか親近感。

 

皆川猿時さん演じる親友の刑事、とてもよい!

皆川さんも矢柴さんとお友達だったのね…

最後のスリーショットよかった。

 

岡田さん演じる氷室の両親の設定は、ミスリード?どんでん返しある?と思いながら観ていたけど、最初に熊沢(と観客)が想像したとおりの展開だった。

それでいい。私たちは映画からの刺激に慣れすぎてしまっている。

…と思っていたら最後にめちゃくちゃ刺激的なバイオレンスシーンがあったんですけどあれは何?監督の趣味?笑

 

両親の設定が想像どおりとは言ったけど、最後にお母さんが出てきたときには普通にびっくりした。

言われてみれば確かに、小澤征悦さんが岡田さんを殴るシーンでの止め方が母のそれだったかも。

 

最終的に、詐欺で取り上げた現金を税務署員が納付書と一緒に出納室に持って行くのかな?と想像するとちょっと笑えるけど、それはフィクションということで。

 

総じておもしろかったし岡田将生がかっこよかった!(何度でも言う)

テレビとかで宣伝しているのを見かけなかったけど、もっと多くの人の目に触れたらいいのに!と思いました。

おわり。

 

 

TEAM NACSと私

このブログを始めてから、観た舞台や映画、行ったイベントなどについてはできる限り感想を残すようにしている。

せっかくならブログを始める前に触れたものについても残しておきたいので、ジャンルごとにまとめてみようと思います。

まずは、うましパを控えているのでTEAM NACSから!

 

 

出会い【ドラマ期~NACS XX】

映像での出会いは、もはや覚えてない。

物心ついた頃にはすでに大泉さん安田さんあたりは全国区の俳優さんだったし、その2人を含むTEAM NACSというグループがあることも、ファンになる前からうっすら認識していた。

ファンになる前の作品で印象に残っているのはドラマ『ホタルノヒカリ』の安田さん。

藤木直人さん演じる部長の良き理解者という役どころで、役がとても好きだった。

でもその頃は藤木さんかっこいい!が勝っていて、安田さんのかっこよさにはまだ気づいていなかったな。

 

初めてNACSさんたちを生で見たのは、2016年の『TEAM NACS XX』。

NACSの20周年を記念して開催されたイベントで、当然ながらチケットは即完売。私も買えず。

確か、当日券が少しだけ出て当日の朝に電話で確保するみたいなシステムだった気がする。

チケットもないのにとりあえず都内に向かい(同時開催の『TEAM NACS CHRONICLE』という展示イベントには行こうと思ってた)、発売時間に合わせて途中駅で下車。

「携帯より公衆電話のほうが繋がりやすい」という嘘か本当かわからないネット情報を信じて公衆電話から電話して、幸運にも当日券をゲットできた。

長く応援してきたファンの方とNACSさんたちが一緒に20周年をお祝いするみたいなイベントだったのに、新規も新規、当時本公演の映像すら観たことのなかった小娘が参加できてしまったこと、いまだに少し後ろめたく感じている。

 

このイベントの中で本格的にNACSに落ちた瞬間を、今でもはっきりと覚えている。

朗読劇『King of Curry』。

それまでボケてツッコんで楽しくトークしていたおもしろおじさん集団の声色が、演技になった瞬間ガラッと変わってね…

特に大泉さんのギャップがすごかった。

あの瞬間、全身に鳥肌が立って一瞬でNACSの虜になってしまった。

それまでもドラマなどで個々の演技は見たことあったので、演技というか「舞台用の演技」にびっくりしたのかな。

その後NACSに限らずいろいろな舞台を観るようになったけど、そのきっかけとなったのがあの『King of Curry』だったかもしれない。

内容はちょっとよくわからなかったけど(笑)

 

その日の最後に聴いた『ぼくらのキセキ~five goes on~』もめちゃめちゃ良かったな。

事前知識は浅かったけど、それでも「この先もずっとNACSが続いていくことを想起させる素敵な歌詞だな」と感じてだいぶ感動した。

後に映像で過去の本公演を観てからこの曲を聴きなおすとより一層こみ上げるものがあったし、音尾さんの作詞能力の高さに改めて驚いた。

ちなみに、NACS初心者が全員一度は通るであろう「俳優さんなのにみんな歌上手いな~」「いい曲だな~えっ!メンバーが作曲したの!?」を私はこの日に体験しました。

 

さらに余談ですが、私は生で観た舞台やライブの映像は記憶が上書きされてしまいそうでなかなか観られない人間。

XXの映像が入っているBlu-ray BOXを持ってるけど、一度も観ていない。

あの下手(しもて)側端っこの席から観た光景を一生忘れたくない…

TEAM NACS XX
TEAM NACS CHRONICLE

 

早速の番外編【どうでしょうキャラバン】

NACSのメンバーが出ていないという点で番外編。

2017年に水曜どうでしょうキャラバンが地元に来たので行ってみた。

どうでしょうを通らずに育ったので細かいことはよくわからなかったけど、さすがに知ってる藤村さんと嬉野さんを見られて嬉しかった。

 

初めての本公演【PARAMUSHIR】

初めて生で観たNACS本公演は2018年の『PARAMUSHIR~信じ続けた士魂の旗を掲げて』でした。

初めてというか、他は映像でしか観たことないから唯一だ。

東京公演は3月で、会場横のしだれ桜がとても綺麗に咲いていたことを覚えてる。

戦争の話ということは事前に知っていて、森崎さんが覚悟を持って作ったという話をしているのも何かで見たから、こちらも覚悟して観た。

戦争という重いテーマに真っ正面から向き合いながらもNACSらしい笑えるシーンが多々あり、これが共存できるのすごいなと思った記憶。

そしていちばん印象的だったのがラストシーン。

グッチャグチャに泣く安田さんと、霧の向こうに現れる4人。

この演出はもう…

今思い出しても泣きそうになるくらい。森崎さんの演出、すっごいね…

そして安田さん…

このブログで度々「私は安田さんの泣きの演技に弱い」と語っているのだけど、最初にそれを感じたのがこのPARAMUSHIR。

広い舞台の真ん中でひとり、目の前で家族が死んだくらいの本気泣き。

ただ大きく泣けばいいというわけではないのだろうけど、安田さんの演技はいつも物語に合ってると思う。

そしてどうしようもなく胸を打つ。

普段あまり感情を表に出さないからこそのギャップなのか、”演じる”というあくまで安田さんにとっては仕事に過ぎないことを全力でやってくれている嬉しさなのか、それとも素人にはわからない細かいテクニックによるものなのか、言語化できないのがもどかしい。とにかくものすごく感情を揺さぶられる。

安田さんの涙に、観客ももれなくズビズビに…

観劇当日の私のツイート(別アカウント)に「泣きすぎて頭痛い」とあった(笑)

 

当時も読んだ気がするけど、今たまたま見つけた森崎さんのダイアリー。これだけで思い出し泣きしてしまうよ。

www.office-cue.com

祝い花がずらり!

 

初めてのジャンボリー【CDJ2018】

CUE DREAM JAMBOREE(通称ジャンボリー、CDJ)にはこれまでに2回参戦。

初めては2018年。

音尾さんプロデュースのミュージカル回です。

すごかったなー!音尾さんも他のみんなも大変だっただろうな。

全体を通して壮大な魔法の物語を紡いでいく中で、各自の持ち歌と恒例の新曲披露があり、それに加えてミュージカル曲(こちらも新曲)の披露もあり。覚えることが多くて大変そう。

お姫様とそれを生まれたときから見守る執事という役どころの東李苑ちゃんと森崎さんの曲『HOME』の歌詞が絶妙にミュージカルとリンクしていて、音尾Pは一体どんなオーダーを…?と気になってしまう。

私の最推しは安田さんだけどハンサム推しでもあるので、ミュージカル内のヤスーダとシゲーリオの謎の絡みとか、新曲の『Get Away』とかすごく嬉しかった。

Get Awayで戸次さんに付きまとう安田さん、私得でした。ありがとう。

あと、CUEの顔であるNACSが「執事」「お姫様に逃げられる婚約者」「王子様のいとこ」「王子様の父」などで、お姫様や王子様などキラキラした役を後輩に譲って(?)いるのがよかった。

後輩たちに脚光を浴びせたい音尾Pの優しさも感じたし、どんな役でも目立つNACSさんたちはさすが。

そんな中、重要かついちばんおいしい悪役を大スターであり唯一の同級生にさせている音尾さん… 絶大な信頼を感じて好き。

全体的に音尾さんの名プロデューサーぶりが感じられるイベントだった。

 

そして私はこの日に初めてTEAM★NACSのライブに参加した。

音源を聴き込み、映像を擦り切れるくらい(テープじゃないけど)観た、憧れのアイドル!

★NACSさんたちはトロッコに乗って客席を回ってくれたり、観客はうちわやペンライトを振ってアピールしたりと、もうアイドルそのもの。

安田兄弟が作った新曲『キタミチ』は前向きな歌詞と明るいメロディがよく合っていてすごく好きな曲。

簡単だけど振付もあったのが嬉しかった。

初めての★NACSライブ、超〜楽しかった!

 

戸次さんソロプロ【MONSTER MATES】

2019年2月の戸次さんの舞台『MONSTER MATES』は、観に行った日に雪が降っていたことと六本木のイルミネーションがとても綺麗だったことを覚えている。

PARAMUSHIRの桜といい、季節ならではの景色は舞台の思い出に華を添えてくれるな。

戸次さん作・演出というだけあって、ストーリーも役者さんの台詞まわしなども戸次さんっぽいなと思った記憶。

とても記憶がよみがえる記事を見つけたので貼っておく。

realsound.jp

 

異色のNACS縛りコンサート【NACSYMPHONY】

2019年に行われたコンサート『NACSYMPHONY 2019 COLOR~彩り続けた楽曲たちの調べ』。

これ、かなり貴重だったんじゃないかな…

出演者は森崎さんと、NACS本公演の音楽の多くを手掛けるバイオリニストのNAOTOさん。そしてオーケストラのみなさん。

NACSのこれまでの本公演の映像がスクリーンに映し出される中、オーケストラがその舞台の音楽を生演奏してくれるというもの。

とても贅沢なコンサートだし感動的なシーンもあったと思うけど、とにかくNAOTOさんと森崎さんよく喋るな~しか印象に残っていない(笑)

確か喋りすぎて、予定していた時間大幅に過ぎて終わったんだよね。

今は容易に想像がつくけど、NAOTOさんのトークを聞くのはその日が初めてだったからこんなに喋る人なんだ!と驚いた思い出。

次の本公演の後にでも、またコンサートやってほしいな~

 

コロナ禍でもファンの心は離さない【配信いろいろ】

新型コロナのせいでジャンボリーやファンミなど多くのイベントが中止になってしまったけれど、配信など工夫してファンを励まし続けてくれたCUEさんには感謝。

YouTube『ともに生きよう』

2020年5月に公開された動画。この時期いろいろなジャンルの方がリモートで撮影した動画を上げてくれていたけど、好きな人たちの歌には特に元気づけられたな。

森崎さん作詞の歌はストレートで温かい気持ちになる。太星くん大抜擢の歌割りだ…

www.youtube.com

 

CUE ONLINE JAM-BOREE

2年に1回、7月に開催されていたジャンボリーを泣く泣く中止して、でも9月にオンライン開催してくれたという対応の早さに今さら驚いている。

合言葉が「We'll be BACK」だったの泣ける。You ware BACK!!

 

ThankCUE FANMEETING 2020 ONLINE X'MAS

ガトキンには行ったことないけど、ファンミはオンラインで経験してた。

全員集合での『ともに生きよう』も聴けて嬉しかった。

 

本公演『マスターピース〜傑作を君に〜』

すごくすごく生で観たかったけど、どうしても感染が怖くて諦めた公演。配信してくれたのは嬉しかった。

出演者紹介の仕方とか映像と音楽を使った演出とかめっちゃマギーさん(※)っぽい。私の好きな演出だ。

温泉宿にこもる脚本家たちという設定も好き。とても好みの作品だったからこそ、生で観たかった…の気持ちが強く残る。

※私のもう一つの推しグループ、ジョビジョバのリーダー。『悪童』の演出もしました。

 

NACStreaming 第一弾『戸次重幸のオンライン大宴会2』

戸次さんだけ記録が残ってるんだけど、みなさんやってた?観てないのか観たけど記録してないのか不明。

戸次さんのもあまり覚えてない(ごめんなさい)。

 

【番外編】OOPATS Vol.6『D-river』

NACSは関係ないけど鈴井さんプロジェクトなので書いておく。おもしろかった。

 

TEAM NACS 25周年記念作品『LOOSER 2022』

直前に2004年版のLOOSERを観てから視聴。それぞれ舞台だからこそ、映像だからこその演出がされていて、どちらにも良さがあった。

メンバーのビジュアルは2022年版のほうが好み。

 

戸次さん出演舞台【奇人たちの晩餐会】

コロナ禍で数年空き、久しぶりのNACS関連の現場は2022年の戸次さん出演舞台『奇人たちの晩餐会』。

ジョビジョバの坂田さんも出演するため、NACSとジョビジョバの共演!と喜んで観に行った。

笑いどころたくさんのコメディだったけど、終盤にすごく緊張感のあるシーンがあったことが印象的。

 

2度目のジャンボリー【CDJ2022】

長く苦しいコロナ禍を乗り越え、4年ぶりにきたえーるに集ったCUEタレントとうましかたち。

すごく楽しかったはずなのに、記憶がなぜか霧がかかったように朧げ…

終演後に撮っていた謎の自撮り写真を見ると泣きはらした目をしているので、序盤から泣きすぎてあまりちゃんと観られていないのかもしれない。もったいない。

この公演に関しては記憶の上書きも何もないのでDVD観てみよう。

 

またしても戸次さん【西遊記】

2024年、戸次さん出演の舞台『西遊記』。

まとめていて気が付いたけど、メンバーが1人で出演してる舞台は戸次さんのものが多かった。ちょっと意外。

奇人たちの晩餐会でも共演した片岡愛之助さんとの再共演で、そのことをパンフレットか何かのインタビューで話しているのを見て嬉しくなった。

スリム体型なのにまさかの猪八戒役でびっくりしたけど、何の問題もなく猪八戒だった。

コメディタッチでおもしろかったのと、映像を使った斬新な演出が印象に残っている。

私はほとんどの現場に1人で行っているけど、この舞台は西遊記(堺正章さんドラマ版)好きの母と一緒に行きました。

あまり舞台などを観ない母だけどとても楽しんでいて、また行きたい!と言ってくれて嬉しかった。

あと、初めての明治座だったので名物の幟を見られてテンション上がったな。

 

5D2大泉さん【大泉洋リサイタル 】

2024年2月に日本武道館で開催された『生誕50周年記念!!大泉洋リサイタル』。

このタイミングでブログを始めました。

nonnopan.hatenablog.jp

nonnopan.hatenablog.jp

 

5D2安田さん【死の笛】

2024年7月、安田さんと林遣都さんの二人芝居『死の笛』を観劇。

NACSやCUE関連以外の安田さん出演舞台ってもしかしてこれが初めてだった…?観たことあるつもりでいたよ…

nonnopan.hatenablog.jp

 

幸せ空間【ゆるドキ☆カフェ】

2024年8月に赤坂で開催されていたコラボカフェ「ゆるドキ☆カフェ」。

開催初日の初回に入ったためか、安田さんご本人をお見かけするという超ラッキーな出来事もありました。

nonnopan.hatenablog.jp

 

映画

『劇場版 がんばれ!TEAM NACS』

2021年9月公開。その前にWOWWOWでドラマとして放送されていたけれどそちらは未視聴。

新メンバーオーディションを開催したりいろいろな芸能人が出てきたり、NACSが揉めたり仲良くしたりする映画、だったと思う。

最後にみんなで歌った『空』がとても感動的だったことだけはよく覚えている。

久しぶりに観たくなってきた。

 

その他の映画

メンバーのWikipediaと自分の映画記録を照らし合わせてみた。公開順に並べているので観た順とはだいぶ違う。

  • 千と千尋の神隠し(2001年/安田さん、戸次さん、大泉さん)大泉さんしか知らなかった
  • 猫の恩返し(2002年/安田さん、大泉さん)全然知らなかった
  • ハウルの動く城(2004年/全員)好き
  • アフタースクール(2008年/大泉さん)とても好き。音尾さんも出てたらしい
  • 探偵はBARにいるシリーズ(2011年~/大泉さん)かっこいい
  • ステキな金縛り(2011年/大泉さん)大泉さん出てたっけ
  • 清須会議(2013年/大泉さん)おもしろかった
  • 思い出のマーニー(2014年/全員)よかった
  • エイプリルフールズ(2015年/戸次さん)戸次さんっぽい役だった気がする
  • 駆込み女と駆出し男(2015年/大泉さん)音尾さんも出てたらしい
  • 俳優 亀岡拓次(2016年/安田さん)渋かっこいい
  • 恋は雨上がりのように(2018年/大泉さん、戸次さん)うっすら戸次さん思い出した
  • 家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。(2018年/安田さん)かっこいい
  • 検察側の罪人(2018年/音尾さん)好き
  • 愛しのアイリーン(2018年/安田さん)「平成の怪物」のほうの安田さんに近かった気がする
  • 空母いぶき(2019年/戸次さん)好き
  • グッドバイ〜嘘からはじまる人生喜劇〜(2020年/大泉さん)とても好き
  • 新解釈・三國志(2020年/大泉さん)おもしろかった
  • 騙し絵の牙(2021年/大泉さん)かっこいい
  • 私はいったい、何と闘っているのか(2021年/安田さん)いいパパだった
  • ラーゲリより愛を込めて(2022年/安田さん)とてもよかった
  • レジェンド&バタフライ(2023年/音尾さん)音尾さんっぽい役だった気がする
  • シング・フォー・ミー、ライル(2023年/大泉さん)とにかく美声
  • 朽ちないサクラ(2024年/安田さん)安田さんの真骨頂。ブログ書きました

nonnopan.hatenablog.jp

 

ドラマはちょっとキリがないのでやめておこう…

映像で観た本公演やCUEソングについては別記事でまとめたい気もするけど…本当にキリがないので気をつけてください未来の私。

 

最後に

当初の想定よりだいぶ長くなってしまったけど、まとめられて満足。

これからもNACSさんたちとの思い出たくさん作るぞ!

 

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