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たぶん数日前、新しい紙で手を切った。親指の外側、掌に近い部分だ。四六時中気になって仕方ないというほどではないが、何かの拍子に痛んでは存在を思い出す。いっときは手を洗うのも少しためらうほどだったが、いつのまにかほとんど塞がっている。今朝方にはまだ開いていたその傷が、夜にはもう塞がっている。人体の不思議を目の当たりにした気分だった。