「安倍のつくる未来はいらない!人々」

(昨年春から様々な個人・団体が集まり、改憲や戦争政策に反対する新宿デモや官邸前抗議を続けています。)

【湯川さん、後藤さん殺害事件に対する緊急声明】 私たちはあらゆる民衆虐殺を許さない。二人を虐殺したISを許さない。二人の死を政治利用してはならない

【湯川さん、後藤さん殺害事件に対する緊急声明】
私たちはあらゆる民衆虐殺を許さない。二人を虐殺したISを許さない。二人の死を政治利用してはならない

2015年2月8日 安倍のつくる未来はいらない!人々

(1)
 私たちは国家であれ、どのような集団のものであれ、あらゆる民衆虐殺を許さない。誰にも後藤さんや湯川さんを殺す権利はない。私たちは二人を虐殺したIS(イスラム国)を糾弾する。安倍の行いがいかに愚かであっても、ISによる殺害 を正当化する理由にはなり得ない。

 

 私たちは、湯川さん、後藤さんの無残な死を哀しく思う。そして、この哀しみを「日本人の悲劇」とするのではなく、私たちはISによるおびただしき民衆虐殺の犠牲者たち、中東、クルディスタン、ヤジディ教徒などの人々の哀しみにあらためて思いを馳せたい。

 

 ISはシリア、イラク、クルディスタン地域に侵略して多くの中東の人々とクルドの人々を虐殺し、その他にも多くのジャーナリストや民衆を殺戮している。私たちはこれらの大量殺人を決して許さない。


(2)
 いっぽう私たちは、安倍たちが二人の死を「ナショナル」な出来事に回収し、海外派兵や解釈改憲の正当化に政治利用することを決して許さな い。さらに私たちは、多くのマスコミが安倍政権に同調して二人の死をナショナリズムに回収し、結果として日本の海外派兵や解釈改憲、再軍備化を後押しすることを強く批判する。

 

 彼らは中東における複数の国家・組織による多くの民衆虐殺の中から、日本人虐殺「だけ」を取り出すことによって、イスラエルに始まる中東の民衆殺戮の歴史から目をそらせ、誤った方向に私たちを誘導し始めている。私たちは1937年の日中戦争発端の歴史に学ぶ必要がある。海外における邦人殺害事件を、その後の侵略行動に人々を煽り立て動員する手口は、戦争を企てる者たちの常套手段である。

(3)
 ISのテロ・虐殺を糾弾しておきながら、イスラエルのテロ・虐殺を容認するダブルスタンダード的態度こそが、中東においてテロリズムが不断に生み出される要因である。軍事的な目的のために民衆を何人殺戮しようと構わない、という態度を取るテロリズム国家イスラエルと、それを追認するアメリカなど欧米諸国の姿勢こそが、同じように民衆の殺戮をためらわないテロ国家・組織を複数生み出す土壌を作り出した。ISが多くの点でイスラエルを「模倣」している事実を、私たちは直視すべきだ。

 

 安倍政権は、そのイスラエルとの親密な関係を深めている。このことはイスラエルのテロ・虐殺を追認するという意味でも、イスラエル以外のテロ国家・組織の生成を促すという意味 でも、テロリズムの継続・拡大しかもたらさず、さらなる民衆殺戮を後押しするものであり、私たちは決して許さない。

 イスラエルが長期にわたり不当占領を続けているエルサレムにて、イスラエル国旗を背にIS糾弾の記者会見を行うなど、およそどのような「親イスラエル国家」でもやらないだろう安倍の愚行は、ISに人質殺害の口実を与えた。

 私たちは安倍政権に、イスラエルとの経済協力の中止、イスラエルへの武器輸出と共同開発の撤回を求める。

 

(4)
 アメリカなどが唱え、安倍が支持する「テロとの闘い」は、中東でのテロリズムを消滅させることはできない。仮に今後ISが壊滅することがあっても、先に述べたダブル・スタンダードが存続する限り、さらに空爆などの無差別殺戮を行う限り、別のテロリズム組織が生まれ大きくなっていくだけだろう。

 

 同様のことは既にイラク戦争のときに、反戦運動の側から指摘されていた。フセインたちを壊滅させても、それにとって替る別の組織や集団が生まれるだけだろうと。そして実際、イラク戦争こそがISという新たなテロリズム組織を生み出したのではないか。

 

 日本政府はいくつもの根本的な誤りを認めるべきである。イラク戦争への加担が誤りだったことを。イスラエル支援がテロリズムへの加担であることを。片方でイスラエルのテロリズムを実質的に支援しつつ、片方で「テロリズムとの闘い」を唱えることの欺瞞を。

 

 そして、この欺瞞的姿勢を「積極的平和主義」などという言葉で粉飾することを、私たちは決して許さない。


 緊急声明として以上の4点を訴える。