「接続詞」を断捨離すると、文章がグンと読みやすくなる!?

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■接続詞に秘められた危険とは?

文と文をつなぐ接着剤の役割を担う「接続詞」は、論理的な文章を書くうえで極めて重要なパーツです。ところが、無計画に使うと“イタい文章”になりかねない、ちょっぴり危険な言葉でもあります。

本記事では、接続詞の種類を改めて確認すると同時に、読みやすさアップに一役買う「接続詞の賢い使い方」をお伝えします。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

■そもそも接続詞にはどんな種類があるの?

まずは、接続詞を種類別に分けてみましょう。大きく以下の11種類に分けられます。

1.順接:原因・理由を示す内容が前にあり、結果があとにくる

【おもな順接の接続詞】

だからしたがってよってゆえにそれゆえにそれでそのためそこでするとだとすると

例:彼は一所懸命に勉強した。だから、司法試験に合格した。

2.逆接:前の内容と反対となる内容があとにくる

【おもな逆接の接続詞】

しかししかしながらだがだけどだけどもでもそれでもところがとはいえけれどけれどもなのにそれなのにですがとはいうもののにもかかわらず

例:彼は一所懸命に勉強した。しかし、司法試験に落ちた。

3.添加:前の内容にほかの内容を付け加える

【おもな添加の接続詞】

しかもそのうえそれに加えてそしてそれからそればかりかそれどころかおまけに

例:彼は一所懸命に勉強した。そのうえ、バイトも頑張った。

4.並列:前の内容とあとの内容が並ぶような関係になる

【おもな並列の接続詞】

またならびにおよびかつ

例:彼女は妻であり、また、母でもある。

5.対比:前の内容とあとの内容が対比関係にある

【おもな対比の接続詞】

一方他方逆にそれに対して反対に反面むしろ

例:化学の授業は楽しい。一方、物理の授業は退屈だ。

6.選択:前の内容とあとの内容が選択関係にある

【おもな選択の接続詞】

あるいはそれともまたはもしくはないしは

例:今の仕事を続けるか。あるいは、思い切って転職するか。

7.言換:前の内容を言い換えて書く

【おもな言換の接続詞】

すなわちつまり要するに言い換えると言ってみればいわば

例:彼は泳げない。つまり、カナヅチだ。

8.説明:前の内容についての説明を書く

【おもな説明の接続詞】

なぜならというのは

例:彼は大学に合格した。なぜなら、一所懸命に勉強したからだ。

9.補足:前の内容に付け足す

【おもな補足の接続詞】

ただしもっともちなみになお

例:入場料は5000円です。ただし、メンバーに限り無料でご入場いただけます。

10.例示:前の内容についての例を示す

【おもな例示の接続詞】

たとえば

例:南国にはおいしい果物がたくさんあります。たとえば、マンゴー、パパイヤ、バナナなどです。

11.転換:話題を変える

【おもな転換の接続詞】

ところでさてときに次にともあれではそれではそれはさておきそれはそうとそれにしてもそういえば

例:ところで、今日の授業はどうしようか。

前後の文脈にマッチしていない接続詞を見かけることが多々あります。使う接続詞を間違えれば、当然、誤解を招きやすくなります。「この文章はおかしい」「論理がなっていない」と思われれば、書き手の信用に“黄色信号” が灯ります。十分に注意しましょう。

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■不要な接続詞を削って、文章を読みやすくしよう!

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接続詞が重宝するのは、実は「文章を書くとき」です。道先案内人として接続詞を使うことで、論理的な文章が紡ぎやすくなります。ふだんから論理があいまいな文章を書きがちな人は、積極的に接続詞を使って、文章の流れ・論理を整える必要があります。

一方で、接続詞を乱発した文章は、どこか仰々しく読みにくいものです。なくても意味が通じる場合は、書き終えてから思い切って削りましょう。

<例文1> 

彼はとても飽きっぽい性格だ。したがって、何をやっても長く続かない。しかし、毎朝の散歩だけは欠かしたことがない。

使用した接続詞は「したがって」と「しかし」です。意味は通じますが、テンポが悪く、もたついた印象を受けます。

<例文1の修正> 

彼はとても飽きっぽい性格だ。何をやっても長く続かない。しかし、毎朝の散歩だけは欠かしたことがない。

「したがって」を削ることによって、先ほどよりもリズムよく読めるようになりました。ちなみに、「しかし」を削ると、意味不明な文章になってしまいますので、こちらは残しておきます。

<例文2> 

昨日、プロジェクトリーダーに指名されました。どうやら社長が私に期待をかけてくれているようなのです。そして、私を鍛えるつもりなのかもしれません。とはいえ、ことは簡単ではありません。だから、まずは顧客管理から見直します。

使用した接続詞は「そして」「とはいえ」「だから」の3つです。このなかから、なくても意味が通じる接続詞を削ります。

<例文2の修正> 

昨日、プロジェクトリーダーに指名されました。どうやら社長が私に期待をかけてくれているようなのです。私を鍛えるつもりなのかもしれません。とはいえ、ことは簡単ではありません。まずは顧客管理から見直します。

「そして」と「だから」を削りました。仰々しさが消えて、読みやすさが増しました。このように、接続詞のなかには、削っても意味が通じるケースが少なくありません。

■感謝気持ちを込めて接続詞を削ろう

多種多様な接続詞のなかでも、「しかし」「ところが」「だが」「とはいえ」など、話の流れが反転する「逆説の接続詞」は、残しておいたほうがいい接続詞の代表格です。

ほかにも、その接続詞を使うことで何かしらの効果(論理が明確になる/内容の理解度が増す/文章にメリハリが出る/劇的さが出る——など)が得られる場合は、接続詞を削らずに残します。

一方、削っても意味が通じるケースが多い接続詞には、「だから」「それで」「そして」「それから」「また」などがあります。「いらない」と判断したときは、「ここまでの道案内、お疲れ様でした」と感謝の言葉をかけてから、そっと削りましょう。

著者:山口拓朗

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『何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』著者。

伝える力【話す・書く】研究所主宰。「伝わる文章の書き方」や「メールコミュニケーション」「キャッチコピー作成」等の文章スキルをテーマに執筆・講演活動を行う。著書に接続詞の活用法を説明した『伝わる文章が「速く」「思い通り」に書ける 87の法則』(明日香出版社)のほかに、『何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』(日本実業出版社)『書かずに文章がうまくなるトレーニング』(サンマーク出版)他がある。モットーは「伝わらない悲劇から抜けだそう!」。

山口拓朗公式サイト
http://yamaguchi-takuro.com/

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