MIXIの「みてね事業本部」は、子どもの写真・動画共有アプリ「家族アルバム みてね」や、写真プリント&フォトブックといった写真関連商品、「みてねみまもりGPS」などのサービスを展開していますが、組織の拡大に伴い情報伝達の課題が浮き彫りになりました。

そこで新たな情報基盤としてNotion とNotion AIを導入し、「情報がない/見えない/入手できない」「情報が多い/まとまっていないため解釈する時間がない」「職種や専門性の違いにより情報解釈のための知識がない」という3つの障害を乗り越えたといいます。

具体的には、情報の集約、メモの自動要約、Slack連携による更新通知、Q&A機能による社内情報検索などが組織の透明性を高め、より公平で自律的なチーム運営を支えたとのことでした。

本稿では、みてね事業本部がどのようにNotion を活用し、組織力を強化したのか、その具体的な取り組みを紹介します。

組織の透明性を強化するためにNotion を導入

みてね事業本部はプロダクト開発においてスクラムの3 本柱である「透明性」「検査」「適応」という仮説検証を重視し、中でも正しい検査や適応を行うためにまず重要となる透明性の強化に力を入れています。

具体的には、「真の透明性は情報伝達の3つの障害を乗り越えた先にある」と考え、①オープンネスの実現(「情報がない/見えない/入手できない」の解決)、②サマリーの実現(「情報が多い/まとまっていないため解釈する時間がない」の解決)、③ レコグニションの実現(「職種や専門性の違いにより情報解釈のための知識がない」の解決)を推進。

以前のドキュメント管理ツールでは「情報構造が定義できず、情報が整理できない」「期待どおりのキーワード検索ができない」「古い情報も新しい情報も見つかり、最新版がわからない」という課題を抱えており、これらすべてを解決するためにNotion を新たな情報基盤として採用しました。

  • MIXIのみてねプロダクト開発部長が語る、Notionで築く自律的組織の鍵とは

階層構造を作ってあらゆる情報をわかりやすく整理

「情報を階層構造できれいに整えられる」というNotion の特徴を活かし、みてね事業本部は移行に際して「組織構造」と「情報構造」を揃えてNotion の階層構造を設計しました。具体的には組織構造に合わせてグループやチーム、プロダクト、ドメイン、コミュニティごとのSlack チャンネルを整え、それと同様にNotion のページ階層(情報構造)を設計。これによりチームメンバーが迷うことなく、ストック情報を適切な場所に記録できるようにしたのです。

また、以前のドキュメント管理ツールで実現していた「誰でも気軽にメモを投稿できる」という良いカルチャーに関しては、Notion 上に「メモ帳」というデータベースを作成して再現。これにより、誰もがフロー情報を気軽に投稿し、かつ組織全体で見ることができる環境を整えました。

このように新たな情報基盤としてNotion を活用することで、① オープンネスの実現(「情報がない/見えない/入手できない」の解決)を図ったのです。現在は、プロダクトのバックログやロードマップ、計画書、技術調査書、議事録、総務関連資料、オンボーディング資料など、社内のほぼすべての情報をNotion に保存しています。また、大量の数字情報が記載された事業計画書などは移行できていないものの、将来的にはすべての情報をNotion に集約していく予定です。

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メンバーが把握しやすいように膨大なメモをNotion AIで自動要約

みてね事業本部はすでに100名近くの組織になっているため、各メンバーが透明性を大事にして情報発信を行うと情報量が膨大となり、情報をチェックするのが難しくなるという課題が生じます。そこで、みてね事業本部が活用したのがNotion AIです。Notion 上の「メモ帳」データベースに「AI 要約」というプロパティを追加し、投稿の要約文をNotion AI によって自動生成することで、投稿内容を把握しやすくしました。

また、「今日更新された記事だけを知りたい!」というメンバーからのニーズに応えるために、Notion のAPI を利用してSlack やメールで更新された記事の一覧を自動配信。最初は記事のタイトルだけを配信していましたが、現在はNotion AI による要約文や作成日も一緒に毎日配信しています。

これにより、たとえばプロダクトマネージャーが施策を検討するうえで行ったデータ分析のメモや、エンジニアが技術調査したメモなどのたくさんの情報の内容を素早く理解することが可能に。②サマリーの実現(「情報が多い/まとまっていないため解釈する時間がない」の解決)に向けて、Notion AI の要約機能、そしてAPI 連携が大きな効果を発揮しています。

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Notionに情報が集まることによりNotion AIのQ&A機能が効果的に

透明性を強化するためのもう1つの課題であった、③レコグニションの実現(「職種や専門性の違いにより情報解釈のための知識がない」の解決)に関しては、Notion AI の「Q&A」機能を活用しています。Notion ではNotion AIに質問することでワークスペース内にあるすべての情報を検索して、的確な答えを返してくれます。

たとえば「みてねの組織構造を教えて」と新入社員が尋ねるだけで、「みてねは三部門制で、それを横断したドメイン組織を定義する~」といったように必要な情報をすぐに提示。関連する情報が記載されたNotion 上のページのリンクも提示してくれるため、特にオンボーディングに役立っています。

また、みてね事業本部ではこれまで利用していたプロジェクト/タスク管理ツールもNotion へ移行。複数のツールを統合できただけではなく、Notion にこれらの情報も集約したことで、Notion AI が日々スマートになっていくことに大きなメリットを感じています。

みてね事業本部では、Notion AI の定量的な効果検証をするにはまだ早いと考えています。なぜなら、会社の機密情報を預けることのできないほかの生成AIと異なり、Notion AI はNotion 上に情報が蓄積されるほど回答の精度を上げることができます。そのため、自社のさまざまな情報をNotion 上に蓄積し、それを続けていくことで、みてねの組織自体もどんどんと強化されていくという基盤を整えることが今はもっとも大事だと捉えているからです。

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    (2024年4月取材時)

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