東日本大震災から14年。復興の歩みを続ける福島県浜通りでは、地域の人・企業・団体が手を取り合い、新たな価値や交流を生み出そうとする動きが広がっている。そんなプロジェクトをつないでいるのが「HAMADOORI CIRCLE PROJECT」だ。浜通り15市町村を横断し、分野や世代を超えたプロジェクトをつなぐこの取り組みにより、地域資源を再発見し、国内外へ発信することで活動人口を増やす役割を担っている。

今年の「HAMADOORI CIRCLE PROJECT」は、食や農業、アート、スポーツ、コミュニティなど27のプロジェクトが進行しており、地域の多彩な挑戦が集まっている。

イベント「イノベーション先進地としての福島・浜通りの今」
― 9月12日の熱気

「HAMADOORI CIRCLE PROJECT」の活動を首都圏に伝える場として、9月12日、東京・芝浦の「ピアシス芝浦店」でトーク&交流イベントが開催された。冒頭にはパノラマティクス主宰の齋藤精一氏が登壇し、プロジェクトの意義や展望について語った。

メインセッションでは、東京大学大学院情報学環・学際情報学府 准教授の開沼博氏をモデレーターに、NPO法人インビジブル理事長の山本曉甫氏、ReLU Branch代表の姜利英氏、浪江町収穫祭実行委員会事務局長の松永武士氏が登壇。研究、アート、IT、食といった異なる立場から「浜通りの今」と「これから」を語り、会場の参加者は熱心に耳を傾けた。

さらに、「メヒカリの南蛮漬け」や「なみえ焼きそば」、福島県産ハーブ鶏のタンドリーチキン、スズキの刺し身、浜鶏(はまど〜り)ラーメン〈味噌味〉など、地元食材を生かした料理やドリンクも提供され、来場者は食を通じて浜通りの魅力を体感した。

福島県出身のタレント・橘和奈さんもイベントに参加し、笑顔でこう語った。
「いろいろな方と交流できたのがすごく楽しかったです。地元の方々はもちろん、首都圏から参加された方とも浜通りの魅力について語り合うことができて、改めてこの地域の可能性を感じました。
トークセッションでは、食やアート、ITなど多様な分野の方々がそれぞれの視点から浜通りの“今”を語っていて、とても刺激的でした。登壇された皆さまは、それぞれ素晴らしい活動をされていて、特に山本曉甫さんとお話できたのが印象的でした。宮島達男さんと一緒に準備されている美術館についても直接お聞きできて、実現が今から本当に楽しみです。
今回のイベントに参加して、こうした取り組みが地域の未来をつくっていくんだなと実感しました。
料理も本当に美味しくて、浜鶏ラーメンは以前食べたことがあったんですけど、今回の味噌ラーメンは初めてだったので嬉しかったです。地元食材を使ったメニューがどれも魅力的で、食を通じて浜通りの豊かさを感じることができました。」

「HAMADOORI CIRCLE PROJECT」27のプロジェクトが描く、浜通りの未来

「HAMADOORI CIRCLE PROJECT」の特徴は、分野もテーマも異なるプロジェクトが一堂に会し、相互に刺激し合う点にある。現在進行中の27のプロジェクトを分野ごとにダイジェストで紹介する。

◆ 食・農業 福島

■プチ自販機マルシェ(株式会社LIFE AI):地域の隠れたグルメを自販機で発掘。
■浪江町の食の祭典「収穫祭」EXPO酒場(浪江町収穫祭実行委員会):地元食材と世界の料理を組み合わせた食イベント。
■ガストロナミイ(一般社団法人東の食の会):農園づくりから地域レシピ開発へ。
■テロワージュあぶくま2025(テロワージュふくしま):阿武隈の酒と食をペアリング。
■浜通り発クラフトSAKE開発(株式会社ぷくぷく醸造):新しいスタイルのSAKEづくりに挑戦。
■葛尾村のときの実 喫茶去セット(合同会社いること):村の「ゆったりした時間」を商品化。
■花から作られるお酒「Enju」(Ichido株式会社):花から採取する花酵母で醸した香り豊かなお酒づくり。

◆ スポーツ・アクティビティ

■FUKUSHIMA WWW. サッカーツーリズム(READY SOCIAL株式会社):交流試合×ポープツーリズム。
■老若男女スポーツの輪を広げよう!(OdakaWorkoutClub):ピックルボールや満月相撲でコミュニティづくり。
■サイクリングツーリズム(株式会社THREE IS A MAGIC NUMBER):自転車で歴史と文化を巡る。
■ふくしま浜街道トレイルウォーク(福島民友新聞社):復興を歩きながら感じるイベント。
■浜通りからスポーツツーリズムを考える(浜通りスポーツまちづくり構想実行委員会):スポーツと観光をテーマにしたシンポジウム。
■大熊警備隊(株式会社大熊警備隊):浜通りを格闘家が守る日本一安全な街に。

◆ アート・文化

■浜通り食と藝術プロジェクト2025(NPO法人インビジブル):味噌づくりを通じた交流。
■FUTABA TOUGEI PROJECT(合同会社toten):双葉町の土を活かした陶芸。
■シネポッケ(wind&soil):小さな地域シアターを立ち上げる。
■浜通りコスプレサミット「スタコス!」(株式会社コススタ):コスプレ×地域資源の文化イベント。

◆ メディア・イノベーション

■浜通り体験情報発信メディア(合同会社オトナリ):AI活用で現地情報を発信。
■「まいにちの舞台」プロジェクト -民間姉妹都市化計画-(「まいにちの舞台」プロジェクト):浜通り12市町村を取材し冊子化。
■EncycloFukushima(EncycloFukushima実行委員会):地域の担い手を紹介する動画番組。
■かつらおハッカソン(ReLU Branch):学生エンジニアと地域課題のマッチング。

◆ コミュニティ・観光

■浜通りロードトリップ聖地化計画(一般社団法人コトづくり):RVパークを拠点としたキャンピングカー旅。
■Zutto Soilプロジェクト(株式会社MARBLiNG):土づくりから始まる園芸ブランド。
■浜通りの駅舎を巡るツアー(すえつぎCAFE):沿線駅でのマルシェ開催。
■大熊町「#くまみっけ」(in the Rye株式会社):生物多様性をカードゲームで学ぶ。
■みんなのしんち活性化プロジェクト Phase2(UDCしんち):新池町エコツアーと特産品開発で地域活性化。
■おだかオープンファクトリー&メディア(小高つながる市実行委員会):工場見学と紙媒体による情報発信で新たなつながりを創出。

10月12・13日開催される、
ふくしま浜通り観光交流フェスティバル「浜フェス」とも連携!

「HAMADOORI CIRCLE PROJECT」は、10月12日・13日に開催される「浜フェス2025」との連携も決まっている。音楽、食、体験型コンテンツが集結するイベントで、参加プロジェクトによるワークショップやブースが展開され、地域の魅力を一度に体感できる場となる。

また、橘和奈さんも「浜フェス2025」に参加予定。六本木ヒルズで行われた2023年、2024年に続き、3年連続での参加となり、「2023年、2024年も参加してきましたが、今年はついに地元・浜通りで開催される浜フェスに参加できるのが楽しみです。開催されるイベントや美味しい料理を、みなさんにたくさん紹介していきたいと思います!」と参加の意気込みを語った。

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公式WEBサイト「HAMADOORI CIRCLE PROJECT」では、HAMADOORI MAPで浜通り全域を確認できたり、さまざまな参画プロジェクトの詳細もチェックできる。11月には都内でのイベントが予定されており、その他にもツアーや交流イベントが続々と準備中だ。最新情報は「HAMADOORI CIRCLE PROJECT」でチェックしてみてほしい。

[PR]提供:HAMADOORI CIRCLE PROJECT