個人ゲーム開発者の木原共氏とアートユニットのPlayfoolは12月9日、AIには理解できないが、人間には分かるように絵を描く最大6人マルチに対応する協力型パーティーゲーム『outdraw.AI』を発表した。
プラットフォームはPC(Steam)で、発売日は2025年初頭を予定している。また、ゲームに参加するユーザーはブラウザ、スマホ、タブレットから参加し、一緒にプレイできるようになっているようだ。
AIには理解できないが、人間には分かるように絵を描く協力型パーティーゲーム『https://t.co/pblZthHZY4』のSteamページを公開しました。
— outdraw.AI (@outdraw_ai) December 8, 2024
2025 初頭に販売予定!ウイッシュリスト登録を是非!https://t.co/4g2mxbT8Fk pic.twitter.com/rXQKQKsSaV
『outdraw.AI』は最低2人、最大6人で楽しめる人間が協力してAIと対決するパーティーゲームだ。
ゲームの流れとしては各ラウンドで、描き手のプレイヤーは秘密のお題を「生き物」や「概念」などのカテゴリーの中からひとつだけを選び、AIには分からないけれど一緒に遊ぶ人には伝わるように絵を描く。
そしてほかのプレイヤーとAIはその絵を見て答えを回答し、AIが回答を間違えた上で人間チームの中でだれかひとりでも正解すれば人間チームが勝ち、ポイントが与えられる。
しかしAIが正解した時点で人間チームは負けてしまいAIにポイントが送られてしまうので、AIには理解できないが、人間には分かるように絵を描かなければならない。
そうして複数のラウンドをこなし、AIと人間チームでポイントを競い合う、というゲームシステムになっている。
本作はゲーム開発者の木原共氏とアートユニットのPlayfoolを中心とするメンバーがアートインキュベーションプログラムの一環として2022年に作り、世界各国で展示されてAIと創造性に関する重要な議論を生み出してきた作品とのこと。
また、「AIの学習データに取り込まれていない、新たな表現を人間は生み出すことはできるのか?」といった現代のAIと人間の関係性の本質に迫る作品にもなっているという。
プラットフォームはPC(Steam)で、発売日は2025年初頭を予定している。AIを面白く扱う本作に興味のある人はウィッシュリストに登録しておいて、発売されたときに友達と一緒に遊んでみてはどうだろうか。
以下、プレスリリースの全文を掲載しています
AIが理解できない、人間だけがわかる “絵”を描く協力型パーティーゲーム『outdraw.AI』Steamストアページ公開。2025年初頭リリース予定
最先端のAIをだます協力型お絵描きパーティーゲーム『outdraw.AI』のSteamのストアページが公開されました。このゲームでは2〜6人が協力してAIに挑みます。それぞれのプレイヤーには「ネコ」や「資本主義」といった秘密のお題が与えられます。このお題を人間のプレイヤーには理解できるが、AIには理解できないように描くことができれば人間たちの勝利となります。
このゲームは、ゲーム開発者の木原共とアートユニットのPlayfool(ダニエル・コッペン&マルヤマ・サキ)を中心に少人数で開発されており、2025年初頭にSteamでWindows・Mac向けにリリースされる予定です。
本作の特徴は、AIの画像認識機能を活用した新しいゲームプレイの提供だけではありません。「AIの学習データに取り込まれていない、新たな表現を人間は生み出すことはできるのか?」といった現代のAIと人間の関係性の本質に迫ります。
タイトル : outdraw.AI
開発元 : 木原共 + Playfool(チームでの自主パブリッシュ)
ジャンル:AI vs 人類 : 協力型お絵描きパーティゲーム
リリース日 : 2025初頭に公開
プラットフォーム : Steam (Windows / Mac)
言語 : 日本語 / 英語 / 簡体中国語 / 繁体中国語
メール : [email protected]
各種SNS :
outdraw.AI 公式サイト
outdraw.AI 公式Xアカウント
木原共 Xアカウント
Playfool Xアカウント
Steamの日本語版のページ
https://store.steampowered.com/app/3104020/outdrawAI/?l=japanese
ローンチトレーラー
『outdraw.AI』の主なゲームプレイ
1. プレイヤーの手持ちのスマホやタブレットが絵を描くキャンバスに!
Steamでゲームをお持ちの方が1人ホストとしてゲームを起動します。他のプレイヤーはスマートフォンからQRコードをスキャン、もしくはウェブサイトでルームコードを入力することで参加できます。2〜6人のプレイヤーで協力しながらAIと対戦することが可能です。
2. みんなに内緒で、描くお題を一つ選ぼう!
各ラウンドではプレイヤーの1人が描き手となり、秘密のお題を選択します。選んだお題が何かは、他のプレイヤーとAIには秘密です。「ネコ」や「ペンギン」といった生き物から、「愛」や「資本主義」といった抽象的な概念まで、様々なお題から選択できます。選んだお題は、他のプレイヤーとAIには秘密です。
3. AIにはわからない、でも人間にはわかる絵を描こう!
いよいよAIを出し抜くための戦いの始まりです。描き手は選んだお題を、AIには理解されにくく、でも一緒に遊ぶプレイヤーたちには伝わるように工夫して描きましょう!
4. 描いた絵はいったい何? 他のプレイヤーとAIが予想します!
絵が完成したら、AIと他のプレイヤーが描き手が一体なにを描いたかを予想します。回答する側には、描き手が描いた物のカテゴリー(「コンセプト」や「生き物」)の情報だけが与えられます。
5. AIと人間、どちらがお題を当てられた…? 答え合わせの時間
AIが不正解で、人間チームの誰かが正解すれば人間チームの勝ち!でも、AIが正解してしまうと、人間が正解していても、そのラウンドは人間チームの負けです。
6. 複数ラウンドで決まる AI vs 人間の勝敗の行方は……?
Aゲームの参加人数分のラウンドが行われ、最終的な合計ポイントで勝敗が決まります。果たして、AIと人間の戦いは、どちらに軍配があがるのでしょうか……?
開発者について
『outdraw.AI』は、ゲーム開発者/メディアアーティストの木原共とアートユニットのPlayfool(ダニエル・コッペンとマルヤマ・サキ)の三名を中心に開発されました。これまでにも木原とPlayfoolは、遊びを軸にして創造性を育むツールのデザインや、都市空間や社会に働きかけるアート作品の制作を通じて、世界中の様々なアワードで高い評価を得てきました。直近では『How (not) to get hit by a self-driving car』が、世界的なアートや先端テクノロジーの祭典であるアルス・エレクトロニカのS+T+ARTS Prize 2024にてHonorary Mentionを受賞しています。
メディアアートとゲームを越境するプロジェクト
本作は2022年にシビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]でのアートインキュベーションプロジェクトの一環として、『デヴィエーションゲーム』という名前でスタートしました。「人工知能(AI)と競争/共創するゲーム作品の開発を通して、人間とAIとの相互進化のあり方を探求する」というコンセプトのもと、世界中の様々な場所で展示をしながら開発を重ねてきました。『outdraw.AI』は、木原とPlayfoolにとって初めて開発し、自らパブリッシングするインディーゲームとなります。
本作におけるAIの利用について
生成AI周りで様々な議論が巻き起こる昨今、開発者たちは本作でのAI技術の利用について慎重な姿勢を示しています。『outdraw.AI』では画像認識機能にGoogle Gemini APIを採用しており、Gemini APIの有料版の利用規約(2024年10月更新)では、プレイヤーの描画データがGoogleによって使用されることはないと定められています。
また、開発者たちはプレイヤーのデータ保護にも注力しており、AI学習目的での第三者へのデータの販売・譲渡は一切行わないことを明言しています。プレイヤーの描画データについては、デフォルトで「AIの学習を許可しない」設定が適用されており、AIシステムの学習利用には明確な事前同意を必要とする仕組みを採用しています。