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主人公は雪だるまなのに温泉で回復、敵を倒すと「お寿司」や「ご祝儀袋」がドロップ──シュールな笑いが詰め込まれたアクションゲーム『スノーブラザーズ ワンダーランド』の世界観にツッコミが止まらない

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「主人公は雪だるまなのに温泉で回復する」
「敵を倒すと寿司がドロップする」
「すべての敵を一気に倒すとご祝儀袋が降ってくる」

このようなツッコミどころ満載な世界観が広がっているのが、今回ご紹介する『SNOW BROS. WONDERLAND』『スノーブラザーズ ワンダーランド』)である。

『スノーブラザーズ ワンダーランド』レビュー・感想・評価:シュールな笑いが詰め込まれた世界観にツッコミが止まらない_001

本作は、1990年に「東亜プラン」が開発したアーケードゲーム『スノーブラザーズ』の世界観を踏襲した完全新作ゲームだ。

高難易度シューティングゲーム『達人王』などで名を馳せたシューティングゲームの老舗開発会社「東亜プラン」が、方針を大きく変えて世に送り出したのが『スノーブラザーズ』だった。

雪を投げつけて敵を雪玉状態に変え、その雪玉を蹴り飛ばすことで多くの敵を巻き込んで倒す。シンプルながらも斬新なアクションゲームとして、日本では知る人ぞ知る名作とも呼ばれている

一方で、なぜかスコアが寿司で表示されたり、お相撲さんみたいな敵が出てきたり、ご祝儀袋がアイテムだったりと、いわゆる勘違いジャパン的な、日本人からすると絶妙にシュールで笑える世界観が持ち味だった。

アジア圏を中心とした海外では高い知名度を誇り、根強い人気もあるらしいのだが、恥ずかしながら筆者は今回の新作が発売されるまで名前を知らなかった……。『スノーブラザーズ』が稼働したときはまだ生まれていなかったので許してほしい。

そんなわけで、今回プレイした『スノーブラザーズ ワンダーランド』が筆者的「スノーブラザーズ」シリーズ初体験タイトルとなる。実際に触ってみての所感が、冒頭で紹介した「ツッコミどころ満載」だったというわけだ。

とはいえ、ゲーム部分をプレイしていくと、アクションじたいはシンプルでありながら、シビアな難易度。クリアする「だけ」でなく、スコアを稼ぐのが気持ちよくなっていくシステム。スコアアタックというゲームの特性もあるが、かなり硬派な体験が待っていた。

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「雪玉を作る」&「雪玉を飛ばす」ことで多くの敵をまとめて倒す、というシステムはアーケード版同様

なお、今回の記事でお届けする本作のプレイレポートは、ひとりプレイ環境でのもの。しかしながら、本作は最大4人のマルチプレイ対応で「みんなでわちゃわちゃ楽しむ」という最近のトレンドも押さえられている

恐らくマルチプレイで印象が変わる部分も大きいだろう。公式でマルチプレイの動画なども出しているので、興味があれば合わせてご覧いただきたい。

文/恵那
編集/竹中プレジデント

※この記事は『SNOW BROS. WONDERLAND』をもっと知ってもらいたいTATSUJINさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。


飛び出すお寿司、宙を舞うご祝儀袋、世界を救うのはかわいい雪だるま……? シュールすぎる世界観はツッコミどころ満載

冒頭でも少し述べた通り、本作『スノーブラザーズ ワンダーランド』は、1990年から稼働を始めたアーケードゲーム『スノーブラザーズ』の世界観と物語を引き継ぐ続編作品だ。

アーケード版の特徴だった「雪玉を作る」「敵にぶつける」という根幹のシステムはそのままに、奥行きのある見下ろし型の3Dアクションへと進化している。

そして、30年の時を経たことで、グラフィックも2D版に比べ順当に向上。しかし、その向上したグラフィックで「アーケード版のシュールで笑える世界観」をそのまま再現しているためか、シュールさまでがっつりパワーアップしている。

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たとえば、このゲームでは敵を倒すと「お寿司」がドロップする。

いきなりゲーム画面に寿司が出てきたときは「なぜ?」と戸惑ってしまった。10時間以上ゲームをプレイした現在でもなぜ寿司がドロップするのか全然わからない。「なんで寿司なん??? 」とツッコミを入れつつ、ゲームをプレイしている。

しかも、ドロップするお寿司は、マグロやサーモンにはじまって、エビ、玉子、ウニ、タコ、いくらと、やたらとバリエーションも豊富。加えて、敵を攻撃した際のコンボ数によって「のり巻き→握り寿司」にグレードアップするなど、謎のこだわりっぷり

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ほかにも、雪だるまなのに温泉で回復したり、

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「カポーン」という音が聞こえてきそうなマジの温泉。いいのか……?

見るからに「燃えてます!」な見た目のラスボスの名前が「アッチッチ大王」だったり、

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登場人物たちが真面目に「アッチッチ大王め……」となっているのもシュールさを加速させている

さらに、特定の条件を満たすことで、「ご祝儀袋」が降ってきたりする。なぜご祝儀袋!?

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ある条件を満たすことで、ご祝儀袋は何度も出現する。じつはこれ、ゲーム的にも本当にめでたいものなんですよ

こんな感じで、やたらと日本っぽいようなそうでもないような要素が登場するのだが、これはもともと本作が「海外でウケるものを作ろう」というところからスタートしたタイトルだから【※】らしい。

つまり、お寿司がドロップしたり、ご祝儀袋が降ってきたり、「お相撲さん」っぽい敵が登場するのも、海外でのウケを意識した結果なのだろう。ツッコミが止まらなかったのも納得だ

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このお相撲さん、中ボス的な感じでゲーム中に何度も登場する。冗談みたいな見た目のくせにまあまあ強い

縦横無尽にバウンドする雪玉で「いい感じ」に敵を倒せ! 単にクリアするだけじゃなく、ストイックにハイスコアを狙いたくなる昔のアーケードみたいなゲーム性に

さて、本作はアーケード版のスノーブラザーズの「息子たち」が主人公で、アーケード版の10年後の物語を描いている。

前作の主人公たちは「敵の呪いによって雪だるまの姿に変えられていた」らしい。しかし、その雪だるまたちの活躍によって、今作では「雪だるま化=勇者の力」みたいな扱いになっており、「主人公たちは進んで雪だるまに変身」する。

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呪いによる変化だった「雪だるま」が勇者の力に。なんだそのジーザスと十字架みたいな関係……

続編らしく、ゲーム的なアクションのコアとなっている要素、つまり敵に雪を投げて「雪玉を作る」、それを「敵にぶつける」ことで多くの敵を「巻き込む」というアクションも、本作はしっかりと引き継いでいる

2D画面であった前作に比べると、フィールドに奥行きが生まれた今作では、ビリヤードのように雪玉がバウンドするようになっている。そのため、アクションはより複雑にはなっているが、「たくさんの敵をまとめて倒す」というのがゲームのコアであることは変わらない。

この「たくさんの敵をまとめて倒す」が本作における重要なポイントになっている。同じ敵を倒したとしても、その倒しかたで「獲得スコアが大きく変化する」のだ。簡単に言えば、多くの敵を巻き込めば巻き込むほど、より多くのスコアがもらえるようになっている。

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ゲーム内には2Dアーケード版のステージを彷彿とさせるような箇所も

先ほどのドロップお寿司の話の続きになるのだが、敵を1体しか倒せなかったときは「巻き寿司」しかドロップしない。もらえる点数もたった100点ぽっちだ。

一方、多くの敵を巻き込んで倒すことができれば、一気に数千点以上稼げるマグロやウニなどの豪華なお寿司がドロップする。コンボ数を稼げば稼ぐほど、どんどん豪華なお寿司がドロップするわけだ。

このあたりのシステムが理解できてくると、シュールにしか見えなかったドロップお寿司が、どんどん嬉しいものに見えてくる。「すげえウニだ! めでたい!」みたいな。

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アーケード版同様、今作でも「いかにスコアを稼ぐか」がやりこみ要素となっている。

そして、スコアアタックを追及する際に重要になってくるのが、先ほども少し説明した「ご祝儀袋」というアイテムだ。

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ゲームはウェーブ制で、出現したすべての敵を倒すことで、新たに敵が現れて……というのがくり返されていく。この際、そのウェーブで出現したすべての敵をまとめて倒すことが「ご祝儀袋」が出現する条件だ。

そして、この「ご祝儀袋」をゲットすることで破格のスコアが獲得できる。そのスコア、なんと「10000点×6つ」。ちまちま100点だか1000点だかのスコアを稼ぐのが馬鹿らしくなってしまうほどの大盤振る舞いだ

しかしながら、「ご祝儀袋」を狙って出すのはなかなか難しい。ステージには壁や段差だけではなく、雪玉の向きを強制的に変えるバンパーや移動床のようなギミックもある。そもそも敵だって棒立ちして攻撃を待っていてくれるわけではないのだ。

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一気に倒せそうな敵の配置だが、真ん中にバンパーがあるので投げ方に工夫が必要に

とはいえ、「ご祝儀袋」を獲得できるかどうかで、トータルスコアは大きく変わる。初めて「ご祝儀袋」が出たときはそのシュールな光景に笑っていたが、今ではその姿が見れるたびにありがたい気持ちでいっぱいだ。

クリアするだけなら高スコアは気にしなくてもいい要素であるが、せっかくなら狙いたくなるのが人間というもの。

それに本作では、クリア時に獲得したスコアの一部が「寿司コイン」というアイテムに変換されて、付け替えできるアビリティや衣装などの変換に使用できる。必須じゃないとわかってはいつつも、ついつい高スコアを狙ってプレイをしていた。

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雪だるまもおしゃれする時代。各部ごとに様々なパーツがあり、けっこう細かい

クリアするだけでも難易度はシビア。3Dアクションになったことで、雪玉もステージ攻略のための重要なギミックに

先ほど「クリアするだけならスコアを気にする必要はない」と言ったが、「スコアを気にしなければ簡単にクリアできる」かと言えば、そうでもない

「死にゲー」レベルの理不尽な難しさではないが、全体的にシビアな難易度調整がされている、というのが筆者の所感だ。

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たとえば、ジャンプで足場を渡っていくアクションは結構シビアな操作が求められる。カメラが見下ろし型で固定されており、慣れないと奥行きを掴みにくい点も難易度を高めている要素のひとつだ。

また、スイッチの上に重石のように設置することで起動させたり、サーカスの玉乗りのように雪玉の上に乗ることでダメージ床の上を移動する手段として使ったり、雪玉を攻撃以外に使うギミックも多い。

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玉乗りアクションは面白いが、操作の自由が利かなくなってしまうので難しい

加えて、本作における攻撃アクションは「雪玉を作って敵にぶつけること」のみ。直接攻撃するコマンドはなく、雪玉を投げて攻撃する前には必ず「誰か/何かを雪玉に変える」工程が挟まる

そのため、狭い場所で大量の敵に囲まれてしまうと、雪玉を準備する間もなく袋叩きにあうこともある。しかし、うまく立ち回れば敵をまとめて倒しやすい「ご祝儀」チャンスでもある。

「どこでどの敵を雪玉にするか」のチョイスは、このゲームをクリアするうえで重要なポイントだ。

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しかし、「本当にクリアするだけ」なら、コンティニューを多用することで、無理やり突破していくこともできる。

本作のコンティニューは、倒した敵やフィールドの移動に使う鍵の所持状況など、ほとんどのものを持ち越すことができる親切設計で、失敗したところからすぐに再開できるのだ。

ただしこの場合、それまでに溜めたスコアは強制的に0になってしまう。何万点稼いでいようがリセットされてしまうので、心理的にはあまり使いたくはない。とくに序盤で 「ご祝儀袋」をたくさん得ているような状況ではとくに悔しい。

ただ、どうしてもクリアできないときの救済措置がある分、気持ちが楽になるかもしれない。

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本作は、かわいらしいビジュアルに反して、昔ながらのアーケードゲームのような遊びかたを彷彿とさせる、ストイックなスコアアタック的要素が、ゲーム中の大きな割合を占めるタイトルになっている。

「お寿司」や「ご祝儀袋」といったシュールに思える要素も、スコアアタック的な面白さを理解していくことで、ものすごく「めでたい」ものに感じられるようになる。

一方、タイトルにもある通り本作はスノーブラザー「ズ」。他プレイヤーと協力して遊ぶことができるようになっているので、マルチプレイなら難しいステージであっても遊びやすくなるだろう

このあたりは残念ながら本稿では触れられなかったので、下記記載のマルチプレイ動画をチェックしてみてほしい。

『スノーブラザーズ ワンダーランド』は2024年11月28日より発売中。PlayStation5/4、Nintendo Switchはパッケージ版、ダウンロード版ともに6380円(税込)、steamは5800円(税込)だ。

©TATSUJIN Co.,Ltd.

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