シャープ再建案/本社売却、矢板・三原・福山3工場閉鎖など
<再建計画案のポイント>
・2015年3月期純損益が2,000億円規模の赤字見通し。
・液晶テレビを生産する栃木工場(矢板)を閉鎖し、八尾工場に集約。
・大阪市の本社を売却。
・液晶事業を分社化。
・薄膜太陽電池の部門を売却。
・電子部品をつくる広島県の三原工場と福山の3工場の計4工場閉鎖。
・国内で3,000人の希望退職を募集。
・従業員の賃金を1.5%前後の幅でカット。役員報酬を削減。
・みずほ銀行と三菱東京UFJ銀行に計2000億円の金融支援を要請(DES)。
・企業再生ファンドから250億円の出資。
シャープの経営再建計画案が16日判明した。液晶テレビを生産する栃木工場(栃木県矢板市)の閉鎖や、大阪市の本社売却など大規模なリストラ策を盛り込んだ。
2015年3月期の連結純損益が▲2000億円規模の赤字に転落する見通しのため主要取引銀行などの協力を得て計2250億円の増資を実施し、経営の立て直しを急ぐ。
同案に基づき新たな中期経営計画をとりまとめ、5月に発表する。
シャープは銀行に計画案を提示。銀行側は了承する意向。
計画案では、本社ビルを売却し、賃貸ビルに移る。1924年から本拠地としてきた場所から移転することになる。
主力の液晶事業は、スマホ向け中小型パネルを生産する亀山工場(三重県亀山市)などを本体から切り離し分社化。
グループ全体で、国内で3,000人の希望退職を募り、海外で2,000人規模削減。
太陽電池事業は、家庭用を含む全面撤退も視野に、まず「薄膜太陽電池」と呼ばれる大規模太陽光発電所(メガソーラー)向けの部門を売却。
液晶テレビ「アクオス」の国内生産は栃木工場から、白物家電を手掛ける八尾工場(大阪府八尾市)に集約。
円安を受け、海外から栃木工場に回帰させる思惑だったが、予想以上の業績悪化で方針転換した。従業員の処遇は今後詰める。
発光ダイオード(LED)を製造する三原工場(広島県三原市)、センサーを手掛ける福山工場(同県福山市)の第1~3工場の計4工場の閉鎖。
シャープは、中小型液晶パネルの不振や構造改革費用がかさむことから、2015年3月期は二年ぶりに赤字に転落する見通し。
みずほ銀行と三菱東京UFJ銀行に金融支援を要請しており、合意に達すれば、シャープの借入金を株式に振り替える「債務の株式化」(DES)を実施。企業再生ファンドからも出資を受ける。
以上、
連結/百万円
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12/3期
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13/3期
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14/3期
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15/3期予
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売上高
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2,455,850
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2,478,586
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2,927,186
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営業利益
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-37,552
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-146,266
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108,560
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経常利益
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-65,437
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-206,488
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53,277
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当期利益
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-376,076
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-545,347
|
11,559
|
-200,000
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総資産
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2,614,135
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2,087,763
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2,181,680
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自己資本
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625,894
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124,671
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195,160
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資本金
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204,676
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212,337
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121,885
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有利子負債
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1,094,467
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1,143,382
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1,071,376
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自己資本率
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23.9%
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6.0%
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8.9%
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