Lil Ugly Mane『Volcanic Bird Enemy And The Voiced Concern』

 

 

 

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 Lil Ugly Maneって10年代にスカムな感性でブイブイいわせてた人で、自分も少し聴いていた(結局かなりポップだったので)のだけど、その彼がサプライズ?なのか唐突に新しいアルバムをドロップしました。

 

 そしてこれが全然スカムな感じじゃなくて困惑している。どちらかと言えば清潔まである。00年代のインディー系のエレクトロニカや北欧のシーンを想起するような(ベースにヒップホップはあるんですが)。

 

 全体におもちゃのようなファニーなサウンドがまぶされていて、軽やかで聴きやすいです。曲もポップスとして整っているし。どうしちゃったんだ、とも思うけど実際クオリティがとても高いので問題はない。個人的には#8「Beach Harness」から数曲の滑りのいい流れがハイライト。特に「Discard」「Headboard」というシューゲポップな2曲は強いですね。

 

 なぜ今このサウンド?という疑問はまあある(00年代のインディーに触れていた人なら少し懐かしく感じるでしょう)。けど、それにしても見事な転身ぶり。「堅気になった」みたいな感じするし、実際なにかのサウンドトラックとか、そういう仕事もできそうな気がする。いやマジで今後の振舞いが気になりますね。この作品だけ見たらぜんぜんDominoとかFat Catから出せそうだし(本人はそんなレーベル眼中にないかもしれませんが)。とりますばらしい新作が出たことを喜んでいます。