Inscryption(2021)感想・評価

 デッキ構築型ローグライト+脱出ゲーム。ちょいホラー。

 

 

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評価:10 /10

プレイ時間:12時間

 

 前提として自分はカードゲームを恒常的にプレイしている人間ではないのだけど、ゲームの難易度というかバランスはちょうどいいと感じた。個人的にInscryptionのウリはカードゲームのゲーム性ではなく、カードゲームも含んだ総体的な「プレイ体験」だと思っている。「プレイ体験」を第一に考えるならこのくらいの難易度が最適だと思う……けどデッキ構築型のカードゲーム未プレイの人には難しかったり、あるいはアナログなカードゲームのプレイヤーには逆にぬるく感じたりするのかな。

 

 とにかくプレイフィールが濃密。次々に移り変わる場面やフォーマット、意味深かつ衝撃的な演出に入り乱れるメタ視点……なんというか、すごく「贅沢」なゲーム。あらゆる方法でプレイヤーに刺激を与えてくる。もっと擦れるだろ!というようなルールや舞台などを、プレイヤーを楽しませるためにどんどん使い潰していく。プレイしているときは特に感じないけど、プレイ後に改めて思い返すとその「おもてなし」っぷりに少し恐縮してしまう。

 

 ゲームの、ストーリー的な結末にはやや消化不良なところがあるかもしれないけど、それを補って余りある「体験」ができる。リアル世界にも進出してくるストーリー・ゲームデザイン(ARG)など野心的な試みも加点要素……ということで満点です。というかこの内容で満点じゃなかったら満点のハードルが上がりすぎちゃう……。