私が洋楽を本格的に聴き始めたのは1979年頃で、レコードも(小遣いの範囲内で)買うようになった時期なのですが、80年代前半にレコードショップでちょっと気になるアルバムがありました。それがドイツのバンド Tangerine Dream が1980年にリリースしたアルバム Tangram 。収録曲が「Tangram (set 1)」と「Tangram (set 2)」という2曲のみというのにも興味を惹かれたのですが、聴いたことがないアーティストだったのと、後日ラジオで聴いたアルバム Phaedra 収録の曲がかなり抽象的な電子音楽風だったこともあって買うのを躊躇していました。
結局このアルバムを聴いたのはごく最近のこと、それもストリーミング配信なのですが、あの頃先入観として頭にインプットされていたイメージとはちょっと異なる音楽でした。
特に前半の「Tangram (set 1)」がそうなのですが、混沌とした効果音的なものではなく、クリアでメロディアスなサウンドが印象的です。Tangerine Dreamは現在も活動を続ける歴史のあるバンドで、その歴史の中で様々なサウンドの変遷があったらしく、ちょうどこのアルバム Tangram のころはシンセのシーケンスの上に分かりやすいメロディを乗せたサウンドを目指していたようです。20分ほどの長いインスト音楽にもかかわらず聴きやすい曲だと思います。(ただし「set2」は後半やや抽象的になっているかも・・・)
Tangram(タングラム)とは正方形を7分割したパズルのことで、パズルゲームや造形などに使用されるもの。
Tngerine Dreamのアルバム Tangram も7つのパートから構成されているらしく、2008年に再録音された Tangram 2008 では7つのトラックに分割されています。それによれば「Tangram (set 1)」は4パート構成の組曲となっているようです。ちょうど起承転結のような分かりやすい構成で、時折ニューエイジ音楽っぽい傾向も感じさせます。(ニューエイジ音楽は1980年代に広まったジャンルなのでそれの先駆けのような印象もありますね)
Tangerine Dream / Tangram
バンド名であるタンジェリン色のアルバムジャケットも気にっています。