Herb Alpert は1950年代から活動しているトランペット奏者であり、アメリカのA&Mレコードの会社設立者の一人として知られています。古くは1960年代に「Taste of Honey(蜜の味)」、「Tijuana Taxi(ティファナ・タクシー)」、「The Maltese Melody(マルタ島の砂)」といった曲をヒットさせ、今でもどこかで聴いたことのあるメロディとして頭の片隅に残っていたりします。(「Bittersweet Samba」はオールナイトニッポンのテーマ曲として知られていますよね。)
この曲「Rise」は1979年にAlpertが放ったスマッシュヒットで、ビルボードのシングルチャートの1位を獲得しました。1960年代のAlpertのヒット曲はラテン風味のサウンドが特徴でしたが、この曲は当時流行していたフュージョン音楽を意識したもので、さらにそれにディスコビートを加えたような洗練されたサウンドになっています。ダンサブルなリズムに伸びやかなAlpertのトランペットが印象的です。
そもそもこのようなインストルメンタル音楽がシングルヒットすることは珍しいとは思いますが、この年1979年にはフランク・ミルズのインストルメンタル曲「Music Box Dancer(愛のオルゴール)」も全米1位を獲得したりして、当時洋楽聴き始めだった私としてはとても新鮮だった記憶があります。
Herb Alpert / Rise
この曲が収録されたアルバム Rise では、タイトル曲と同じタイプの曲だけでなく、ロドリーゴの「アランフェス協奏曲」をディスコ&ラテンアレンジした曲や、プロコル・ハルムのリーダー ゲイリー・ブルッカーのソロアルバム収録曲「Angelina」のカバーなどバラエティに富んだ曲が収録されています。
こちらはヴィデオクリップ。