2015年4-6月期:サーバー出荷は世界も日本も堅調
久しぶりに、メモ代わりに、サーバー市場動向を。
世界的な調査会社 IDCによって、2015年4-6月期のサーバー出荷動向がプレスリリースされました。
抜粋とコメントをつけます。
よく誤解されるのが、クラウドになるとサーバー出荷が落ちるという件です。クラウドが成長すると、ベンダーが出荷する先が、エンドユーザーとなる企業や組織から、データセンター事業者やクラウド事業者に移行していくと捉える必要があります。2つめで誤解されがちなのが、必ずしも、メインフレームはなくなっているわけではないということです。
ベンダー別シェア
- 全体 +6.1%
- HP 7.7% up, DELL 5.9% up
- シェア順位: HP, DELL, IBM, Lenovo, CISCO
- ODM は、12.9% up
HP、デルが比較的堅調であったことと、レノボがIBMのx86サーバー事業を吸収して、サーバーベンダーとして、4位に急成長で入ってきています。この数年話題であった ODM (ざっくりといえば、台湾・中華系のベンダーが、データセンター事業者などに直接納品するようなサーバー) の成長が、20%以上の成長が落ち着いてきたことも注目だと思います。HP、デルなどが、ODMと同じようなビジネスをし始めていますし、これからビジネスが激化していくと思います。
なお、オラクル、富士通、NECは、トップ5には入っていないので、この手のリリースではすでに名前は出てきません。富士通は、まだトップ5には入る可能性はあると思いますが。
地域別
- 全世界 +6.1%
- 米国 +12.6%
- 日本 +6.4%
- 日本を除くアジアパシフィック +12.0%
- 西ヨーロッパ +0.3%
- 中東・アフリカ +1.9%
- カナダ -7.5%
- 中央・東ヨーロッパ -22.8%
- ラテンアメリカ -27.5%
サーバー市場全体で見ると、その地域のマクロ経済の影響が、かなりでます。日本も、意外にかと思われるでしょうが、GDPの結果を見ても分かるように、企業の投資は堅調だったのと同じく、堅調でした。米国も伸び率が高いです。最近、調子が悪い(ブラジルでデモとか起きているとか)ラテンアメリカは、かなりよくないです。ヨーロッパも同様です。
日本を除くアジアパシフィックですが、 4−6月期はよかったですが、おそらく、このチャイナショックから見えるように、成長はペースダウンすると思います(中国の割合が大きいので)。
モデル別等
- x86サーバー +8.2%
- non-x86サーバー -1.4%
- メインフレーム +9.2%
このあたりも、よく誤解されがちですが、メインフレームは、底堅い需要が世界的にあります。それしか使えない、移行できないシステムというのがあるということです。
(僕の知る限り、x86サーバーのことを、PCサーバーと、今も呼んでいるのは、日本だけだと思います)
今後ですが、この数週間の世界経済動向を見ると、2015年7-9月期は、不透明ですね。