「終わりなき日常」今は

【朝日新聞】「終わりなき日常」今は 社会学者・宮台真司さんに聞く


2011年6月27日11時30分


 「終わりなき日常」というキーワードが世に広まったのは1995年、社会学者の宮台真司さんが著書『終わりなき日常を生きろ』を記してからだった。それから16年、東日本大震災が現出させた“非日常”が、論壇にこの概念を再び思い出させている。終わりなき日常は終わったのか。呼び起こされた言葉を宮台さんは今、どう感じているのか。
(聞き手・塩倉裕)


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 『終わりなき日常を生きろ』 オウム真理教による地下鉄サリン事件の4カ月後、95年7月に刊行された。良いことをしようとした人々が無差別殺人に走ってしまった「逆説」を考察。もはや輝ける未来もハルマゲドンも来ることはない、ただ「終わりなき日常」が続くだけだ――。そんな時代診断をもとに、「『永久に輝きを失った世界』の中で」「そこそこ腐らずに『まったりと』生きていく」知恵を説き、若者世代の強い支持を得た。モデルは、渋谷で脱力的に生きる女子高校生だった。