エンジニアのベンチャー企業の選び方/働き方/やめ方
この記事は退職者アドベントカレンダーの12日目です。
経歴としては、新卒で設立してすぐのゲーム会社 => 小規模教育系ベンチャー => Incements(Qiita) => フリーランス。
今年で29歳、20代で3回退職しました。20代のうちは冒険してベンチャー企業で働いてみよう、と思ってたのですが、結局29を目前にフリーランスになってしまいました。
ベンチャーで働くこと
ベンチャーで働くのはリスクを取るということ。一番言いたいのは、ストックオプションもたずにベンチャーやるな、ストックオプションも確実に換金できるわけじゃない、ということ。上場するときに行使するか、バイアウト時に買い取ってもらわないといけません。
また、ストックオプションの期待だけ給与は下がるので、他の会社で同じことをやるのに比べて、 -100~-150万ぐらいの相場です。少数精鋭志向で最初からじゃんじゃん金がつぎ込まれてる会社はその限りではないですが、入るのも難しいですね。
つまりはストックオプションなしのベンチャーは、よっぽど給与が高くないと1つの搾取の形態です。若者の夢を食って成長する会社、残念なことにいっぱいあります。気をつけてください。
ただし、給与テーブルというものがないので、新卒でも即戦力ならお金は出るので、一律350万スタートみたいな大企業と比べると、最初のキャリアとしての給与は良いかもしれません。というか研修などはないので、扱いは中途です。
ビジョンとそのズレ
ベンチャー企業は、言ってしまうと創業者の夢を叶えるためのもので、ビジョンに共感して入社したとしても、些細な方向性の違いがどんどん大きくなるし、またそれが実現したところで実はお金にならなかった、みたいなことも往々にしてあります。
自分がプロダクトに思い入れを持つのはいいことなのですが、持ちすぎると会社が自分の願いに反する方向に舵をきったととき、裏切られたという感じてしまうこともあります。
共感は一つのモチベーションの作り方ですが、まったく共感をせずとも働けるのならそれは1つのやり方としてアリです。とくに技術者の場合は、目先で使う技術だけ意識してれば後はあんまり気にしない、というのもアリでしょう。ただし、その場合はその技術の使うアテがなくなったタイミングで辞めることになるでしょう。
ベンチャーの選び方
とくに小さいベンチャーでは、経営者は会社そのものです。経営者がやりたいことと、自分がやりたいことが合致するか、それが最初の確認ステップです。
自分は、会社に対して労働という形態で会社に投資をする形になります。その見返りはストックオプションです。
上場は簡単にはできません。ほとんどはそこにたどり着かないし、最短でも創業から4~5年、うまくいって10年かかるものです。自分の人生のうち10年をそこに賭けられるか?と考えてみてください。
幸いなことに、この業界は流動性が高いので、言い方が悪いですが「損切り」も簡単です。
自分がベンチャー企業をやめた理由
僕は結構プロダクトに思い入れるタイプで、作ったものに愛着とかを持ってしまうんですが、それが自分の願ってた方向と違う方向で使われたり、自分があるべきだと思った姿を歪められてしまうと萎えてしまう、ってのが1つ。
もう一つ、なんだかんだで技術そのものに興味があり、興味がある技術を常に追い求めていても、ベンチャーという小さい組織では使うアテが見つからない、ということです。次期社内フレームワークの選定のディスカッションでレガシーな方向にいって萎えたり、ということもありました。
言い方は悪いですが、それが競争力の源泉ではない限り、技術的にリスクをとらなくてもいい、というのがベンチャー企業の1つの在り方です。もちろん、あるに越したことはないので、みんないい技術者がほしい、といいますが、現場では必要とされなかったりします。ベンチャーに限らず、採用あるあるですね。
また、僕自身の属性として、若手から中堅どころになり、ベンチャーで給与テーブルをハックしなくても給与が上がる年齢になった、というのもあります。悪い慣習ですが。
ベンチャーを経験して、なぜ今フリーランスやってるのか
行きたい会社がないです。
1つに僕の専門としているフロントエンド技術が、長期的に活用できる会社がない、というのがあります。国内のウェブ業界で、技術寄りに倒して R&D に近いレイヤーでそれができる会社は、売上的に余裕がある必要があり、また日本のITベンチャーで金銭的な余裕があって競争力がある会社の選択肢があまりなく、それらとマッチしません。
国内で外資だとGoogleは多少興味があるんですが、どっちかというと中身を見てみたいという好奇心であって、僕がCSの基礎にスキル振ってないので、基礎教養だったり英語だったり、その辺が明らかに欠けてる認識あるんであんまりマッチしておらずお呼びでないという気がしていて、また自分としても今行くべき会社でもないという感じを察しており、今はあくまでGoogle技術の利用者という立場の方が気が楽です。
海外は…どうかなぁ。あまり国内から出たいという気持ちがないです。シリコンバレーの基準の給与はほしいですね。5000兆円ほしい。
今は、短期で小さい仕事を、難しい分ちょっと単価上げて取るほうが、僕自身のためにも、社会のためにも、全体効率としては良い、という時期だと認識しています。
いい話があったらお待ちしております。
フリーランスどうだったか
最初は不安だったけど、なんだかんだで仕事は断らないといけないほどあることがわかりました。
売上も結構立ったので余裕があって、来年は仕事減らして新しいことを勉強しようと思っていて、何を勉強するか考えてる最中です。ブロックチェーンとか気になってます。個人でスモールスタートなビジネスを、思いつきでやる分には一番近そうだし、まあ個人で何かやらなくても需要が高い技術になりそうなので。
まとめ
- ビジョンはモチベーションの源泉だけど、それが過ぎると辞める理由にもなる
- やる気ある若者はベンチャーで給与テーブルをハックできる
- 僕は今行きたい会社がない
なんだかんだでコードを書くのが好きなので、それをやらせてくれる環境に居続けるために、色々やらないといけないですね。終わり。